くまもとこの1年『新型コロナ3度の波到来 国産ワクチン最前線』(熊本) (21/12/15 18:30)



シリーズ、2021くまもとこの1年、15日は『新型コロナウイルス』です。
感染の波が押し寄せるたびに飲食店に時短要請が出されるなど今年も感染状況をにらみながらの生活が続きました。一方で、完成が期待される県内で開発中の国産ワクチンの最前線に迫ります。

【岡崎宣彰記者リポート】
「熊本市中央区の下通アーケードです。感染者ゼロが続いているからかコロナ前のにぎわいが戻っているようです」

12月4日、土曜日の下通アーケードには多くの人が訪れ、買い物などを楽しんでいました。

ことし1月、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、熊本県は県独自の緊急事態宣言を発令。

その後も5月と8月をピークとした第4波、5波に襲われ、県内に2度のまん延防止等重点措置が適用されました。

大きく影響を受けたのが酒類を提供する飲食店、特に熊本市の繁華街では時短営業の要請を受け、厳しい状況に。
しかし、10月以降は感染者数が落ち着き、新規感染者ゼロの日も続いていて、夜のにぎわいも戻りつつあります。

【中原理菜アナリポート】
「忘年会シーズン、感染対策をしながらお酒の席を楽しんでいるようです」
【飲食店を訪れた女性】
(ビールを飲んですぐマスクをする女性)「おいしいです。こうやってみんなで飲むのは久しぶりですね」「忘れていました。こういう感覚を」「忘年会は少なくなっているのでこういう会は貴重です」

感染防止策を強化した熊本県の認証店『オーデン』では、ことし10月以降、客足がコロナ前のおととしと比べて7割から8割くらいまで戻ってきているといいます。

NTTドコモによりますと、この日の通町筋周辺の午後3時ごろの人出は感染拡大前と比べてマイナス3.6パーセントとほぼ変わらない数字になっています。

【ビアレストラン オーデン 村山二郎 店長】
「団体様というより4・5名様の小グループがメーンになっている。11月末くらいにご予約も入り忘年会をできるうちにという感じで前倒しの傾向があるのかなと思います」
これからの忘年会や新年会、熊本県は県の認証店を選ぶことや食事中でも会話の際はマスクを着けることなどを呼びかけています。

【オーデンを訪れた客】
「広いお店を選んだり、集まるとしても少人数のことが多い。以前に比べてそういうところに気を付けている」

【オーデン 村山店長】
「今しっかり政府でも対策していると感じますので少しは広がると思いますが、それが大きくならないように皆さんと一緒に感染拡大にならないように気を付けていきたい」

にぎわいが戻りつつある繁華街。
感染者減少の要因の一つとして考えられるのが、ことし2月から始まったワクチン接種です。

熊本県によりますと、県内で2回目の接種が完了した人は138万人を超え、全体の88パーセントに上ります。

しかし、高い接種率の一方で海外に頼るワクチン供給については、国からの配分が激減し、自治体の受け付けで混乱が生じる場面もありました。
【永里 敏秋社長】
「いま日本国内で困っているのは3回目でmRNA(ワクチン)を打つか迷っている方、それと小児用(ワクチン)を早く何とかしてほしい。そのニーズにまず答えていけたら」

開発中の国産ワクチンについて話すのは熊本市北区にある製薬会社KMバイオロジクスの永里 敏秋社長。

新型コロナの不活化ワクチンを開発中です。

不活化ワクチンとは感染力をなくしたウイルスを使って作るものです。
季節性インフルエンザなどにも使われる実績ある手法で、現在、治験は最終段階です。

こちらは熊本市にあるにしくまもと病院で行われている不活化ワクチンの治験の様子。

気になるのは、発熱などの副反応ですが2回目の接種を終えた女性は。

【治験に参加した20代女性】
「打ってから24時間がたちました。平熱で普通に過ごせます」

副反応が少なく安全性が高いといわれる不活化ワクチン。

開発の状況に永里社長は。

【永里 敏秋社長】
「3回目に不活化ワクチンを接種しての安全性と有効性の治験を年明けから開始する予定です」

現在、開発中の不活化ワクチンは国内で安全性と有効性を確かめる治験の最終段階に入っています。
すでにあるワクチンと安全性や有効性を比較する治験を年明け、アジアでも開始します。

この他にも、3回目以降の接種いわゆる『ブースター接種』や小児接種での承認も
目指していて、年明けと来年春に治験を開始する予定です。
【永里 敏秋社長】
「今、一生懸命国に働きかけているのは3回目接種用としての承認と子供向け接種用としての承認この2つを先に(承認)いただけないかと」

KMバイオロジクスの菊池市にある研究所は、国の補助を受けてワクチン製造のための増改築が完了。

国内での最終治験の結果が揃い次第、まず、ブースター接種用で特例承認を受けた上で、来年中の実用化を目指しています。
しかし、世界では新しい変異株・オミクロン株の感染が拡大しています。

変異株への対応はどうなっているのでしょうか?

【永里 敏秋社長】
「季節性インフルエンザは毎年株が変わる。毎年変わる株で不活化ワクチンを作っています。不活化ワクチンであればウイルスさえあればすぐに着手できる。簡便性も不活化ワクチンを選んだ一つの理由です。安全性の高さと変異株への対応が可能だということ」
新型コロナによる3度の感染拡大の波に襲われた2021年。

次の脅威に備えるためにも日ごろの感染予防の徹底と国産ワクチンなどの早期実用化が望まれます。