第11回 横濱焼き討ち計画。 吉沢亮×橋本愛、『青天を衝け』で愛おしい夫婦に 甘く響いた栄一の「お前に会いたかった」



第11回 横濱焼き討ち計画。 吉沢亮×橋本愛、『青天を衝け』で愛おしい夫婦に 甘く響いた栄一の「お前に会いたかった」

第11回 横濱焼き討ち計画
2021年4月25日放送

栄一(吉沢 亮)と千代(橋本 愛)に待望の第一子が生まれるが、すぐに亡くなってしまい、渋沢家は重い空気に包まれる。そんな中、惇忠(田辺誠一)は自らの手で攘夷(じょうい)の口火を切ろうと、横浜の外国人居留地の焼き討ちを発案。心を動かされた栄一は、武器や仲間を集め始める。一方、謹慎を解かれた慶喜(草彅 剛)は将軍・家茂(磯村勇斗)の後見職となるも、島津久光(池田成志)らから「一刻も早く攘夷の決行を」と迫られる。

 大河ドラマ『青天を衝け』(NHK総合)第10回「栄一、志士になる」では、前回のラストショットとなった「俺を江戸に行がせてほしい」の宣言通りに、栄一(吉沢亮)が江戸へと向かう。喜作(高良健吾)に連れられ思誠塾で栄一が出会うのが大橋訥庵(山崎銀之丞)。そこで栄一は草莽の志士になることを決意する。

大橋や河野顕三(福山翔大)らが自称する草莽の志士とは、日本への忠誠心のみで動く名もなき志士を指す。尊王攘夷を唱える大橋や塾生たちの口から飛び出すのは、「我らが神風を起こす」といった血気盛んな言葉の数々。初めはいつものようにあれこれと理屈をこねては口答えしていた栄一だったが、幕府に対して承服できない思いは同じ。栄一もまた塾生らのように、大橋の考えに心酔していく。

 栄一が真剣で巻藁斬りに挑むシーンは、心が草莽の志士として染まっていることを印象づける。振りかぶった刀は身体に力が入りすぎているのか、藁に引っかかり、一太刀では両断できない。ムキになった栄一は人が変わったように何度も藁を斬りつける。藁がボロボロになったことも気がつかない栄一はすっかり理性を失い、これまで見たことのない恐ろしい形相に。長七郎(満島真之介)が止めに入り、首にかけた千代(橋本愛)からのお守りを握りしめ、やっと我に帰るのだった。千代や市郎右衛門(小林薫)、ゑい(和久井映見)の心配は的中していたことになる。

 栄一が江戸から血洗島に戻ると、祝言に続くめでたい出来事が起こる。千代が待望の子供を授かったのだ。嬉しそうな栄一を見て、千代は「このお子のおかげで、ようやく栄一さんのそんなお顔を見ることができた気がします」と安堵する。それほどまでに栄一の表情は志士として険しくなっていたということ。けれど、栄一が血洗島に帰ってきてから優しい表情を見せていたシーンがある。それが2人きりになり、千代を栄一がバックハグをする場面。

 障子から西日が指す部屋で「お前に会いたかった」と千代を抱きしめる栄一。千代のお守りで理性を取り戻したことが示すように、栄一の中で千代がどれだけ大切な存在であるかが分かる回でもある。

 桜田門外の変にて暗殺された井伊直弼(岸谷五朗)に代わり、老中に安藤信正(岩瀬亮)が新たに就くこととなった。安藤は井伊の遺志を継ぎ、幕府の権威を守るべく、皇女の和宮(深川麻衣)を家茂(磯村勇斗)のもとに降嫁させようとしていた。度重なる幕吏の謀りごとに思誠塾では、今倒すべき人物に安藤の名が挙がっていた。江戸から帰った長七郎は、惇忠(田辺誠一)や栄一、喜作に安藤を斬り、その後は切腹すると伝える。本懐を果たした武士は潔く死ぬのみ。そんな掛け替えのない剣士を安藤一人のために失いたくはないと惇忠が必死に説得する。上州に潜伏するように言われた長七郎だったが、その足は江戸を向いていた。長七郎の悲しい咆哮がこだまする。

 ここまで栄一側の物語を中心に触れてきたが、江戸側で脚光を浴びた人物は幕府の威信をかけた大掛かりな花嫁行列で江戸へと向かった和宮。不本意な形となった家茂との結婚は、神輿の中でも嫌悪感をあらわにしたその表情からも見て取れる。家茂との初対面では、彼の真摯な挨拶に「こ……こちらこそよろしゅうお頼申します」とゆっくり頬が緩んでいく。やがて和宮は家茂と心を通わせ、徳川家の存続に尽力することとなるが、その兆しが見える一コマである。

 第11回「横濱焼き討ち計画」では、惇忠が自らの手で攘夷の口火を切ろうと、横浜の外国人居留地の焼き討ちを発案。心を動かされた栄一は、武器や仲間を集め始める。そして、謹慎を解かれた慶喜(草なぎ剛)が、再び歴史の表舞台へ。