角田裕毅(レーシング・ブルズ)の2026年F1第13戦イタリアGPでの10位入賞が確定した。リスタート手順を巡って審議していたヴィタントニオ・リウッツィを含む4人のスチュワードは、角田に対して「これ以上の措置なし」とする裁定を下した。
違反が認定された場合、ストップ&ゴー・ペナルティが科される可能性があった。レース後に当該ペナルティが決定された場合は、30秒加算のタイム・ペナルティとして処理されるため、ポイントを失う可能性もあったが、裁定を経て角田には正式に1ポイントが付与された。
審理を通して、角田のマシンは規則に適合した位置に停止しており、これを理由として追加のフォーメーションラップを行う規則上の必要性がなかったことが判明した。実施されたのは、安全性を重視したレースディレクターの裁量によるものだった。
規則上の必要性がなかった追加ラップ
スチュワードは角田、チーム代表者、国際自動車連盟(FIA)のレースディレクター、FIAシングルシーター部門のスポーティングディレクターから事情を聴き、複数の映像を検証した。
その結果、角田は当初誤って左側のグリッドへ向かったものの、それに気付いて進路を変更し、最終的には正しいグリッドボックス内の正しい位置に停止していたと認定された。つまり、本来であれば追加のフォーメーションラップは不要だったとの判断だ。
追加のフォーメーションラップについては、角田が直接引き起こしたわけではなく、「レースディレクターが状況を評価した結果として実施された」ものだと指摘した。
レースディレクターは聴聞で、決定を下したのは自身であると認めたうえで、角田がグリッドに進入する際の動きを見て「その位置からレースをスタートさせることに不安があった」と説明した。スチュワードはこの判断を「善意」に基づく「慎重を期す」ための指示と認定した。
ピットスタート義務の要件も満たさず
F1レギュレーション第B5条9号4項では、追加フォーメーションラップの原因となったドライバーがレースを続ける場合、そのラップの終了時にピットレーンに入り、そのままピットレーンからスタートしなければならないと定めている。
だが、今回は角田とチームに対し、レースコントロールから「追加フォーメーションラップが必要になったのは角田が原因である」との通知がなかった。
スチュワードは、ピットレーンからのスタートが義務付けられるには、「ドライバー自身が追加フォーメーションラップの原因とみなされていることを知っている必要がある」と指摘し、これ以上の措置は不要とする決定を下した。
さらに今回の件を受けスチュワードは、チームまたはドライバーが追加フォーメーションラップの原因とみなされる場合、その旨を通知する手順の導入を検討することが望ましいとFIAに対して勧告した。