昭和39年(1964年)10月10日、東京で第18回夏季オリンピックが開幕しました。このオリンピックは、東京を中心に新幹線や高速道路などの急速な開発を呼び、戦後日本のめざましい復興・発展を世界にアピールする絶好の機会となりました。また、日本はもちろんのこと、アジアで初めてのオリンピック開催という意味も持っていました。

しかし、実はこれをさかのぼること24年、昭和15年(1940年)の9月にも東京―当時は東京都ではなく東京市です―でのオリンピックの開催計画があったことをご存知でしょうか。これは結果的に実現しなかったため「幻の東京オリンピック」と呼ばれますが、しかし、招致活動、開催地決定、そして会場建設といった準備は実際に進められたので、当時の人々にとって、これは間違いなく現実のものでした。