大統領プロレステレビ討論会(トランプvsバイデン)の分析とポイント/ケントギルバート

大統領プロレステレビ討論会(トランプvsバイデン)の分析とポイント/ケントギルバート

大統領プロレステレビ討論会(トランプvsバイデン)の分析とポイント/ケントギルバート

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米大統領選のテレビ討論会(1回目)が9月29日夜(日本時間30日午前)、中西部オハイオ州クリーブランドのケース・ウエスタン・リザーブ大で開催された。

ネットでは、
「プロレス討論会」「史上最もカオスな討論会」など言われていますね。
今回の討論会についてメディアはトランプ大統領が討論会のルールを守らずバイデン氏の発言にたびたび割り込む一方、バイデン氏も時に乱暴な物言いをしたとして、一様に「混とんとしてとっちらかっていた」とか「史上最低の討論会だった」などと評価していますが、実際はそんなこともなく同じ数だけ割り込みはあったとアメリカでは反発があるそうですね。

米大統領選の投開票まで約1カ月となるなか、再選を目指す共和党のドナルド・トランプ大統領と、民主党のジョー・バイデン前副大統領による第1回テレビ討論会が9月29日(日本時間同月30日)、オハイオ州クリーブランドで開かれた。
 
第一印象は「プロレスの試合か」と思うほど激しかった。2人は相手の発言を遮って割り込み、中傷し合った。司会者の静止も効かなかった。
 
ただ、討論会が終わって頭を整理すると、特徴も見えてきた。司会者よりも、主導権を握ったのはトランプ氏だった。バイデン氏は「黙れっ!」「ピエロ」「ウソつきっ!」「レイシスト」などと、トランプ氏を終始侮辱していた。基本的に悪口ばかりの候補者に、米国民は大統領の資格があるとは思わないだろう。
 
議論の内容でも、バイデン氏の〝弱さ〟が目立ったと思う。まず議論されたのは、トランプ氏が9月26日、憲法の規定に従って最高裁判事に保守派のエイミー・バレット連邦控訴裁判事を指名したことだった。バイデン氏は、選定を選挙後まで待つべきだと言ったが、合理的な理由を示さなかった。最高裁では11月から、オバマ前政権下で成立した医療保険制度改革法(オバマケア)の是非をめぐる裁判の審理が始まる。バイデン氏は、バレット氏の個人的見解が判決に反映される恐れがあると主張したが、判決は法の下で下される。さらに、オバマケアは成立した当時とは大きく変わっている。そのような具体的な説明もなかった。
 

気候変動政策「グリーン・ニューディール」に関する質問には、政策を支持しない代わりに、自分の計画があると伝えた。バイデン氏は答えを出さなかったわけだ。中道派として主張する狙いだろうが、民主党の大統領候補指名選を争ったバーニー・サンダース上院議員ほか、極左議員が提唱
している同政策の議論を曖昧に否定するのであれば、彼らの支持が得られない可能性もある。
 
新型コロナウイルスも米国民の大きな関心事だ。バイデン氏は、トランプ氏によるワクチン開発の発言を「信用できない」と言い切ったが、司会者から「国民の不安を煽っていないか?」と質問されると、納得できる返答をしなかった。
 
トランプ氏には、2016年と17年の所得税の納税額が750㌦(約7万9000円)だったとの米紙報道があった。司会者の質問に対し、トランプ氏は報道内容を否定した。報道は、不正があったと記されているわけではない。私はトランプ氏の所得税額が少なくてもおかしくないと思っている。米国で不動産投資をしている人なら分かるが、所得税以外にもさまざまな税金を納めている。租税回避という疑惑にあたるとは思えない。
 
今回のテレビ討論会では、新型コロナやバイデン氏の息子に関する疑惑など、多くの点で深い議論にならなかった。投票先を決めようと考えていた米国民には、不満の残るものだったかもしれない。次のテレビ討論会が正念場となるだろう。