1978年10月21日発売の14thシングル。
13thが『八十八夜』15thが『面影橋』。天野さんの絶頂期の歌詞とも言える。
作詞:天野滋
作曲:天野滋
編曲:福井崚
花火の季節はもう過ぎて
誰も見向きはしないのね
あなたが愛した証拠には
一握りの花火だけ
辛い別れをしてしまった彼との唯一の思い出である一握りの花火を一人燃やす女性。冬には誰にも興味を向けられない花火も、それと一緒に積み重ねてきた記憶や思い出があれば光り輝くものになる。流行をすぎた音楽も、壊れかけたオモチャも、ありふれた風景も、思い出という要素が加わるとその人にとってはかけがえのないものになる。これは人との関係においても同じことが言えるだろう。
冬の花火はおもいで花火
燃やし続けているうちに
辛い辛いと言ってた頃が
幸せだと今わかる
本当の幸せはその時にはなかなか気づかない、自分が輝いている時にはその輝きがわからない、青春真っただ中にいる時にはそれが青春であると意識しない、全てはそれを失った時に気づいてしまう。
冬の花火は おもいで花火
冬の花火は 失恋花火
冬の花火は 凍える花火
身を切るほど美しい
「身を切るほど美しい」の表現が胸に強く響く。
厳寒の中でひときわ美しく光る花火と、悲しい結末を迎えてしまったけれどもいつまでも煌めいている彼との美しい思い出を重ね合わせ、天野さんは独特の表現でその「最上級の美しさ」を詩にしてくれたのだろう。
余談だが、ライブでのみ歌われた幻の3番の歌詞があったりする。
そして、少しロック調にアレンジした軽快なリズムの「別録音バージョン」も存在する。このバージョンにも3番が収録されている。
未来を探したあの頃は
全てが輝いていたけど
あなたを愛した情熱も
いつしか残り火のよう
天野さんの美しい言葉選びが輝いている歌詞だ。
youtubeにそれぞれアップされているので機会があれば是非聞いてほしい。
#冬の花火はおもいで花火
#唐田えりか