集団生活の場で緊張などから体が動かせなくなる「場面かん黙症」という障害がある、杉之原みずきちゃん。
みんなから、“みいちゃん”と呼ばれ、夢だった自分のお菓子工房をオープンさせるまでになった彼女を「Live News it!」はこれまで応援してきた。
そんなみいちゃんのお菓子作りにも、新型コロナウイルスの影響が出ていた。
でも、みいちゃんはこのピンチをチャンスに変えていた。
ひと口食べれば笑顔の花が咲く、まるで魔法のようなケーキの数々。
そして、お皿には笑顔のマーク。
このケーキを作ったのは、13歳のパティシエ・杉之原みずきちゃん。
みんなからは“みいちゃん”と呼ばれている。
自宅など、安心して過ごせる場所ではいつも笑顔のみいちゃんだが、集団生活の場などで緊張などから体を動かせなくなり、家族以外の人と言葉を交わすことができなくなる「場面かん黙症」の障害を抱えていり。
そんなみいちゃんを夢中にさせたのが、「お菓子作り」。
その腕前は見る見るうちに上達し、ある食のサイトのスイーツ部門ランキングで世界一に。
これをきっかけに、夢だった自分のお菓子工房をオープンさせた。
そして3月、小学校を卒業。
将来の夢を文集に「わたしの夢はパティシエになることです。だからわたしは夢に向かって、今頑張っています。わたしは、みいちゃんのお菓子工房でみんなに笑顔を届けます」とつづっていた。
そんな、みいちゃんに母の千里さんは…。
母・千里さん(2020年3月)「1つの区切りかな…あとは、ここから先は親は出しゃばらずに、というのをやってや? いつまでも甘えてたらだめだよ」
夢に向かい歩み出したみいちゃんにも、新型コロナの影響が。
定期的に開催していたスイーツカフェは、休業を余儀なくされた。
およそ半年ぶりに工房を訪ねてみると、ちょっと身長の伸びたみいちゃんがケーキ作りの真っ最中。
実は、9カ月ぶりのスイーツカフェの再開が決まった。
ケーキ作りは、ひと目でわかるほどスピードアップ。
2020年の1月には、ゆっくりクリームをしぼっていたが、今ではこの手際の良さ。
カフェでは、120人分のケーキセットを時間内に作らなければならない。
さらにもう1つ、自粛期間で学校も休みになる中、食べ物の旬を生かす商品開発に取り組み、レパートリーを100以上に増やした。
いよいよ、9カ月ぶりのスイーツカフェのオープン。
今回は、ホテルのレストランを借りたが、事前予約制で完売。
キャンセル待ちが出るほど。
しかし、壁は、たくさんの人が働くホテルの厨房でケーキ作りをしないといけないこと。
場面かん黙症のみいちゃん。
これまでだったら体が動かなくなっていたが、てきぱきと働いている。
そんなとき、完成済みのケーキを運んでいたお母さんが箱を倒してしまい、飾りつけも、ぐちゃぐちゃ。
それでも、慌てることなく飾りつけをやり直し。
店長の自覚が芽生えてきたようだ。
今回の特製スイーツ、得意のバスクチーズケーキやブリュレに加えて、旬の巨峰タルトにメープルロールケーキがお皿の上に並んだ。
プロの料理人も舌を巻く出来栄え。
ホテルの料理人「きれいに盛り付けられていると思います。センスあると思います」
食べていた人は「もともとおいしいけど、季節のものが味わえておいしい」、「季節のものとかもあるので、すごくおいしい」、「盛り付けがかわいい!」などと話した。
120皿、旬を盛り込んだケーキプレートは大好評だった。
母・千里さん「なかなかコミュニケーションが取れないけど、あそこに笑顔が1つあるとなんかうれしい。子どもから一気に、この半年で一気に大人になったような感じ」
ケーキで笑顔を届けたい。
13歳のパティシエ、みいちゃん。
きょうも前を向いて歩き続けている。
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