新型コロナをめぐっては、様々な後遺症が報告されています。味覚の異常や体の倦怠感、中には、記憶障害に悩む人もいます。不安な思いを抱える患者が、全国から訪れる「駆け込み寺」が名古屋にありました。

 医師「CTとると肺炎の痕がありますね。結構広い範囲で肺炎を起こしていました」

 名古屋市東区にある、愛知医科大学メディカルクリニック。新型コロナウイルスで悩む人たちの為に、この春、新たな外来を始めました。

 名古屋で初となるコロナの後遺症に特化した専門外来。開設から3か月ですでに100人近くの方が訪れているといいます。

 愛知県内だけでなく大阪や和歌山、沖縄からも訪れるそうです。

 診察は、完全予約制。まず電話で連絡し、看護師が症状などを詳しく聞き取ってくれます。

 患者からは、「こうした症状は自分だけなのか」「いつまで続くのか」といった問い合わせが寄せられています。

 周りに相談できないまま不安を募らせて電話してくるケースが多く、中には途中で泣き出す人もいるそうです。

 このクリニックが陽性となった患者120人を独自に調査したところ、実に半数以上が1カ月が経っても何らかの症状が続いていると答えました。(※コロナ後遺症に関する調査は2020年11月~2021年2月までの中間結果です)

CTでは肺炎の跡「重症に近い」

 不安を抱えながら、この日初めて後遺症外来を訪れた60代の男性。

 名古屋市内で同居する息子が今年5月に陽性の判定を受け、その後、自身と妻も感染していることが分かりました。

 感染当初は熱と頭痛という、一般的な症状。熱は40度近くまで上がりましたが、入院はせず1週間、自宅で寝て過ごしたといいます。その後、徐々に回復したものの、当初はなかった異変を感じ始めました。

 「大きくちゃんと息をするとゴホンゴホンちょっと咳が出たり、イメージなんだけど前食べとった味となんか違うかなと思ったり、甘いの食べてもこんな味だったかなと思ったりした」(患者男性)

 クリニックの調査では、後遺症を感じている患者のうち、2人に1人が訴えていたのは「嗅覚の異常」。さらに「味覚の異常」「倦怠感」「せき」と続き1割の人が「脱毛」の症状があると回答しました。

 男性は、咳の症状があることから、CT検査の為に別のフロアへ。

 毎週末ゴルフに通うほど、体力には自信があったといいいますが、今は仕事を休み、突然思うように動けなくなったもどかしさを感じていました。

 検査の結果は…。

 医師「CTとると肺炎のあとがありますね。重症に近い」

 男性「全然自覚がない」

 医師「治るまでに時間かかるけど、徐々におさまっていくはずです」

 診断は肺炎。

 治療法が確立されていないコロナの後遺症ですが、クリニックでは13ある専門の診療科と連携し、症状に応じた薬を処方するなど、対症療法を行っています。

 「いろんなことがわかってよかったです。安心できた。もうちょっと頑張ろうかって気持ちになる」

 何らかの後遺症があった患者のおよそ半数が一カ月程度で症状が改善しているというデータもありますが、馬場クリニック長は、若い世代も決して油断できないと指摘します。

 実は後遺症外来を訪れた年代で最も多かったのは20代と30代だといいます。

 「嗅覚味覚障害は比較的若い方に多いような印象。感染してしまうとそういう状況に陥ることが充分あり得るよと言うことを意識して欲しいなと思います」(馬場研二・クリニック長)

(7月9日15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)