シリーズ「現場から」。新型コロナに感染し、後遺症に苦しむ人たちの中に、「ワクチン接種を受けたら症状が改善した」という人が少なからずいて、イギリスでは科学者も注目し、研究しています。
今は快活に笑う経営コンサルタントのニコル・アンダーソンさん(45)ですが、去年12月に新型コロナに感染した後は、何か月も後遺症に苦しみました。
感染が分かった頃は、熱もせきもなくて入院もしませんでしたが、その後、体調が悪化しました。強い胸の痛みや極度の疲労感がずっと続いて、仕事も家事もできませんでした。
「まず朝起きあがったら、少し休まないといけませんでした。次にシャワーを浴びて休んで、朝ごはん食べて休んで・・・。それで午前中が終わるという生活でした」(ニコル・アンダーソンさん)
ところが4月22日、ワクチン接種を受けたら・・・。
「その日の夜、体から疲労感が消えたような感覚になったんです。すごく不思議でした。夫に『回復してきたみたい』と言ったら、『まあ、もうちょっと様子見てみようよ』って」(ニコル・アンダーソンさん)
その後数日で症状は消えて、今では100%ではありませんが、ほぼコロナ前の自分を取り戻したそうです。
実はこういうケースはたくさん報告されていて、研究者からも「無視できない数だ」との意見が出ています。
「何らかの関連を推定しうるだけの数に達していますし、間違いなく研究する価値はあると考えています」(ノッティンガム大学 イアン・ホール教授)
新型コロナ後遺症患者でつくるオンライングループのアンケート調査では、最低1回のワクチン接種を受けたおよそ900人のうち、57%が「接種後に全体的に後遺症が改善した」と答えていて、そのおよそ半数が「改善が持続している」と答えました。ワクチンの種類では、ニコルさんと同じモデルナを接種した人が改善したと報告する割合が一番高くて、次にファイザー、アストラゼネカの順でした。
ホール教授はなぜ改善するのかはわかっていない、と前置きしながら、こんな仮説を立てています。
「一部のコロナ患者が免疫システムのバランスを崩し、 程度の軽い炎症が持続していたところにワクチンを接種したことで、免疫システムが“再調整”されたというのはあり得ます」(ノッティンガム大学 イアン・ホール教授)
イギリスでは先月6日の時点で、新型コロナの症状や後遺症が4週間かそれ以上続いていると訴える人が96万2000人いて、そのうち4割は1年以上悩まされているという調査があります。
ニコルさんも一時は出口が見えなくて精神的にも辛かっただけに、後遺症に苦しんでいる人にはこう伝えたいそうです。
「希望はあるということです。ワクチンが全員に効くわけではありませんが、かなりの数の人が改善する可能性があります。だから諦めないで、また前みたいに暮らせますよと」(ニコル・アンダーソンさん)
(07日11:02)
#新型コロナウイルス #ワクチン接種 #コロナ後遺症
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