ラジオドラマ「『海と空の青』~演じるとはなにか~」
[音楽] 東京FM ここは東京湾が一望できるベイサイドラグジュアリー ホテル最上会のボールームには 200 人を起こすビジネスパーソンが集まっています。 午後1 時から開催されるドラッグストアチェーンドラの営業成績優秀者の表彰式。そしてその後の講演会に出席するために。私の名前は健城和ず。ストアチェーンドラの社長だ。私には今日どうしても会いたい人がいた。 講演会に私が指名したゲスト講師優 の は どうぞ 失礼いたします ああどうも初めまして 高根まどかです 今日はお忙しいところありがとうござい です。いや、お目に書かれて光栄です。 社長はダークグレーのスーツにシックな ネクタイを閉めた。素敵な男性だった。 神に白髪が混じっていたが、想像したより 若い。 地震と育の迷いが程よいブレンドを 醸し出し、独特のオーラを放っていた。 こちらよかったらおかけになりますか?あ、いえ、この後メイクの時間があり。 あ、いやいや、失礼そうでした。では本日はよろしくお願いいたします。 はい。 ご連絡は言ってるかと思いますが、うちの グループでは年に1回営業成績のいい店舗 を表彰します。 社員の意識向上とモチベーションアップの ために店長を称えるんです。でもせっかく 全国から集まってもらって表彰式だけでは もったいない。 果の事もありますが、ま、それより様々な業界でご活躍の健人に語ってもらう話はどんな三次より明日の糧になると信じています。 恐れ多いです。私の話が果たしてお役に立てるか多い疑問ですが。 いえ、大丈夫です。 大丈夫。 はい。 あ、あの、 1 つだけお伺いしてもよろしいでしょうか? え?あ、 ええ、 なぜ私をご指名いただいたのでしょうか?聞けばこれまでの公演は経済評論家や宇宙飛行士、直作家にアスリートのメダリスト。 舞台で地道に演劇活動を続けている私に白の矢が立つのは意外で後方のご担当者さんにお伺いしたら社長の切なる希望だと。 ええ、そうです。私が高沢かさんを指名させていただきました。 その正直そもそもお忙しいし、またそれ ほど有名でもないドラクストアチェーンの クローズドな公演などおそらく受けて くださらないだろうとま半分いや8 割型諦めていたんです。 ただ ただ あなたに来て欲しかった。 私に ご出演作をたくさん見てるわけではないんです。テレビドラマや数本、ま、舞台は 3本ほどでも毎回驚きます。 高沢さんの何て言うのでしょう?演じ方に すごいんです。鳥肌が立ちます。全部 あなたじゃない。でもやっぱりあなたが どこかにある。 自分にないものは出していない。あ、ま、 これは私の事論ですが、経営者というのは みんな演じる人なのではと思っています。 あ、それは別に嘘つくとか自分を偽ると いうことではなく、ま、むしろ自分の中 から出てくるものというか、 役職には演技という魔法がかかっている。 演じなくてはならないというよりは気が ついたら演じている。 あ、すいません。いえ。 健さんは目をせた。心のうちがわからない。本心が見えない。私への三次はそのまま受け取ることができなかった。あ、すいません。どうも言葉が足りなくて、あの、ふわりしてるように感じます。 彼はまるで私の気持ちを察したように苦笑いする。 ただ経営者は演じる人というフレーズが心 の湖に小さな石を落とした。 波紋がゆっくり ゆっくり広がっていく。 演じるということ。 演じるということに興味があるんです。 それであなたに来ていただきました。 [音楽] ラジオドラマ海と空の青演じるとは何か 脚本北斗 出演小方直本 さ ナレーション新井正吉でお送りいたします 。 [音楽] 高根沢まどかです。 間違いなところに来たという感じしかあり ませんが、 これも何かの縁と割り切ってお話ししたい と思います。 あ、最初に言っておきますが、おそらく いえ、きっと私の話は優秀なビジネスで ある皆さんの何のお役にも立ちません。 これだけは確信があります。 ただ1点だけ。 先ほど 恩社の社長さん、健さんと少しだけお話し してキーワードをいただきました。 それは 演じるということ。 私が今お話できるとしたら演じる そのことしかありません。 人が生きるということは基本演じることだ と思っています。 ここにいる皆さんも思い当たりませんか? 子供たちのお父さんやお母さんである自分 、夫や妻という役割の自分。 会社では課長や店長という自分 そして趣味のお仕活をやっている誰にも 見せていない自分。 その場に用じてたくさんの自分を演じ分け ていませんか? ざっくり言えば私はその返事を仕事にして いるんです。 高沢さんの講演は素晴らしかった。いや、 素晴らしいと表現することしかできない 自分が歯がいい 映画やドラマ、舞台で数々の賞をもらって いる高値さん。 彼女のすごいところは主演女優勝ばかりで はなく、女演所女優も数多いということ。 時に自分のオーラを消し去り、どこにでも いる主婦を演じきる。 ご存知の方も多いと思いますが、私の母は あの大道寺き子です。43歳の若さで 亡くなった映画女優。 亡くなった時、私は小学2年生。母がやっ ていることの意味などよく分かっていませ んでした。 ただ自動劇団で友達に会えるのが嬉しくて 学校より楽しかった。それだけでした。 1度演じることから離れました。大学時代 です。裏方に回ったんです。 殴り 金槌のことですが持って舞台美術をやり ました。 誰も私があの大道寺の娘だとは知りません でしたし、私も言いませんでした。 隠したという能動的な感じではなく、ただ 単に言う必要がなかった。それだけです。 [音楽] ある時、高沢さんの1人芝居を見た。 およそ10以上の役柄を1人で演じた。 たったし色でほんの少しの動きだけで全く 違う人格になる。 普段演劇には縁のない生活をしているが、 その時の驚きは私の思考脳内に奇跡を残し た。 私は父の後をついで社長になったが、私を 社長にしたのは周りの社員たちや取引先の 人だ。 相手の反応を見て私はようやく自覚した。人は社長として接してもらうちに自然と社長になっていくのだと。 [音楽] 演じることから離れて気づいたことがあります。私は演じることがなんて言うのか。そのどこか自分じゃない自分を表現すること。 私ではない人になりきることだと思ってい たんです。 でもそうじゃなかった。 演じることは 演じるということは あ、すいません。ちょっとお水を飲みます 。 水を飲んだ後、高値さんの塔が明らかに 変わった。 私が聞きたかった演じるということへの ポイントはずれ、これまで演じてきた役に ついてのワイドショ的な話題に転換した。 やがて 公演は終わった。 ありがとうございました。 少しでもほ少しでもお役に立てから本です。 [拍手] ありがとうございました。 あ、いえ、こんな感じで大丈夫でしたか? ええ、もちろんすごく良かったです。 社長さんにそう言ってたいたならよかったです。 あ、あの はい。 あ、すいません。あと 30分。やだけ。 お時間いただけませんか? え、 お引き止めしてすいません。 いえ、 ホテルの前のU歩道を高沢さんと歩く。 ちゃんとかモがいるんですね。かモが飛んでいるのでここが海だと分かります。 はい。 でも仕様の香わりはしませんね。 はい。 あの はい。 あ、いえ、 先ほどの公演で何か あ、いえ、すごく素晴らしかったんですが はい。 演じるということで、ま、いよいよ確信に向かうかと思ったんですが、何か迷われたのかなと。あ、すいません。失礼なこと。 [音楽] いえ、躊躇したのは事実です。私自身何の確信も持てないことを話しているのがなんだか恥ずかしくなって。 あ、違います。恥ずかしいというより なんていうか そこで高沢さんは水平線の向こうに目を やった。 [音楽] 自分でも説明がつかないというか、 そういうことをお話しするのは皆さんを 混乱させてしまい、あのような公演には ふさわしくないかなと。うん。 あ、ごめんなさい。これも違います。私は他に話したくなくなったんです。演じることについて語るのが果たして意味があることなのかと。 あ、その言葉を聞いてなんだかほっとしてる自分がいます。すいません。言いたくないことを言わせてしまったみたいで。いえ。 実は普段原化していないんです。演じることについて。 はい。 究極的に私はその自分なんかないんだと思っています。だから自分探しをする意味はないかと。 分かります。まさしく私が感じていることと同じです。 [音楽] そうですか。 分かりますか?私のこの曖昧な感覚。 おっしゃってる意味ともしかしたら微妙に違うかもしれませんが、かなり近いと思っています。私も社長を演じることに自覚はありません。 ただ なんとなく言葉にすれば演じているのかな くらいで 私たちの傍原を高齢の男性がジョギングし ながらすれ違う。全身スポーツ ウェアサングラス をしていて表情は見えない。 こういう話ができるのはなんだか ありがたいかもしれません。 こちらです。すいません。お時間をいただき私の方からお伺いしてもいいですか? [音楽] はい。 社長という役が自分に合わないと思ったことありませんか? あ、ないです。いや、ないと思います。 [音楽] [音楽] なぜなら はい。 私が役を作ってるわけではなく、周りの環境が役を作っているからです。 なるほど。 では私も最後の質問を。 はい。 改めて高沢かさんにとって演じるということはそうですね。 しばらく馬があって彼女はこう答えた。水の中に落とされたら泳ぐしかない。 [音楽] そういうことです。 ラジオドラマ海と空の青演じるとは何か 脚本北斗 出演小方直本さナレーション新井でお送り いたしました。 この番組にご意見ご感想をお寄せください 。ご意見、ご感想の当て先は東京 FMドキャストにある番組ホームページ まで。 2025年10月31日までにメッセージ をお寄せいただいた方の中から抽選で10 名様にAmazonギフトカード 1000円分を差し上げます。 [音楽] 東京FM [音楽]
「『海と空の青』~演じるとはなにか~」は、私たちが日頃”演じているのではないか”という命題をテーマにした
ラジオドラマです。ある会社の社長の私見は、経営者とは皆”演じているひと”であるというもの。
それを確かめるため、大物俳優の女性を社内の講演会にいざないます。
俳優は何を語るのか、そして社長は”演じること”について答えを見出すのか。
二人は出会うことで、心にかすかな、そして確かな化学反応を起こします。
このシリーズの常連となった緒形直人と、
これまでに幅広いジャンルで演じてきた秋元才加の共演を、ぜひご堪能ください!
<緒形直人【見城和文役】コメント>
このシリーズは、北阪昌人さんの脚本で何度か演じさせていただいております。
今回は、企画ナレーションを担当されている新井将能氏の思いを表現した作品です。
ありそうで無かったテーマで面白かったです。
そして、秋元さんが楽しんで演じていたのが良かったです。皆さんはどのような感想を持ちますか?
<秋元才加【高根沢円香役】コメント>
緒形直人さんとのセッションの様な形で収録させて頂いたラジオドラマ。とても刺激的で、貴重な時間となりました。
スッと心に真っ直ぐ入ってくる緒形さんのお声。私の声も皆様のお耳と心にスッと残れば嬉しいです。
「海と空の青~演じるとはなにか~」は、私たちが日頃”演じているのではないか”というテーマで、
AKB48の頃にお世話になった北阪昌人さんが台本をお書きになりました。久々の再会も嬉しかったです。
私自身、色々な人物を演じる仕事をしていますが、これほど真っ直ぐに「演じる」という事を考え、
言語化してこなかった事に気がつきました。何処かで怖かった部分もあるのかもしれません。
聴いて下さった皆様が何を感じたのか、答えがあるような、ないような、ふわっと残った何かを共有し合えたら、と思います。
素敵な雰囲気が漂う作品になりましたので、是非お聴き下さい。
脚本:北阪昌人
出演:緒形直人、秋元才加
ナレーション:新井将能