#落語 #岡村隆史 #広末涼子#永野芽郁「釣れない音」「復帰の二人」

[音楽] [拍手] 釣れない音。え、皆さん、世の中ってのは やればやるほど報われないって時がある もんで、しかもそれを人に見られてる時に 限って結果が出ない。あれはもう神様の 悪趣味だね。で、今日は釣りの話なんです がね。足も昔から釣りってのは男の意地し だと思ってたんですよ。竿を構えてじっと 海を睨む。まるで人生の祝図。けどね、 そんな哲学はテレビ番組の企画にはいら ないんです。視聴者が欲しいのは大物が 釣れた瞬間と芸人が慌てる顔。哲学なんか 垂れたらチャンネル変えられちまう。で、 ある番組で釣り大会をやるって話になり まして、本来なら巨大マグロ釣りイン 沖縄って豪華な企画だったんですが、天候 不良でイカりに変更。もうこの時点で スケール間は世界遺産から近所のために なっちまった。参加者は2組。岡村チーム と安倍チーム。ルールは簡単。釣った魚の 操縦量が多い方が勝ち。負けたチームの リーダーは全野菜のディナー台約11万円 を自腹で払う。ここが大事でね。11万円 って額は芸人にとっちゃ安くないけど払え なくはない微妙な金額なんです。これが 1万円なら笑って払える。100万円なら 腹をくる。でも11万円ってのは払える けど払いたくない額だから余計に必死に なる。さあ対決スタート。岡村さんは最初 から超権モード。竿を小刻みに動かして餌 が生きてるみたいに見せる。黙って集中し てるから、もう周りは1000人かって 雰囲気。でもね、こういう時に限って釣れ ないんだ。最初にヒットしたのは同じ チームの釣り初心者山本さやさん。おお、 やったって喜んでるけど、心の奥じゃなん で俺じゃないんだって声が響く。しかも チーム戦だから喜ばなきゃいけない。これ がまた辛い。勝って嬉しいのに負けて 悔しい。人間ってのは複雑なもんですな。 で、開始30分経っても岡村さんは部員。 ただ聞こえるのは頭情を飛ぶドローンの ブーンブーンという音。あれがね、釣れ ない時にはお前まだかよって煽ってるよう に聞こえるんです。しまいに岡村さんすい ません。ドローンしばらくいいですよって スタッフに行った。これは8つあたりじゃ なくてもう音の断食だね。釣れない自分を 見られたくないその必死さ。さらに時間が 経つとちょっと恥ずかしなってきて音も ブンっていうのも不快に感じてきてだから 別にドローンいいですよ。これ男子流に 言うと恥ずかしいわ。怒りの前座ってやつ でね、プライドってのは静かに傷つく時が 1番怖い。で、この8つあたりがスタジオ で大けでも裏を返せばこれが人間の豪その ものなんです。釣りってのは魚と自分と そして見てる人間との戦い。魚が釣れない 時、1番気になるのは魚じゃなくて人の目 だから音をやめさせたくなる。あれは自分 の負けかを空から取られるくらいなら魚に 逃げられた方がましって心理ですよ。この 話から分かるのはね、人間ってのは結果が 出ない時ほど周りの音に敏感になる。普段 は気にならないエアコンの音が夜中の失恋 直後にはうるさく感じるようなもんだ。 あれと一緒。そしてそんな8つあたりを 笑いに変えられるのが芸人の力量。岡村 さんは釣れなかった時間すらネタにして 買ったんですよ。魚は釣れなくても笑いは 釣った。こっちの方が高い魚ですな。と いうわけで、もし皆さんが釣りをする時は 釣れない時間もちゃんとネタにできる準備 をしておくこと。そうすりゃ魚が釣れなく ても財布は痛まず心は豊かになる。まあ それが1番難しいんですけどね。お後が よろしいようで。2幕目復帰の2人。ええ 、世の中ね、何かと復帰ってのが好きでし てね。野球選手が怪我から復帰、アイドル は3級から復帰、政治家は選挙から復帰。 あれは楽戦から復帰じゃなくて、また楽戦 に向けての女装って場合もあるんですけど ね。で、今回の話は女優さん2人の復帰。 ただし普通の復帰じゃございません。事故 とスキャンダルからの復帰。これジャンル が人間ドラマじゃなくて人間模様の方です な。まずは広末り子さん。今年の春新透明 のトンネルで事故を起こしましてね。で、 現場検証の時にマスコミのカメラに取られ た顔が美しいってネットで騒がれた。 いやいや、普通自己現場と美しいって単語 は並ばないもんなんですよ。これが並ん じゃうのが女優って商売の恐ろしさ。警察 車両の窓から見つめる視線まで女優前回 現場検証委ハビジョンってDVDが出ても おかしくないでこの方ね双極性感情障害を 患らってるって発表してたんですが家事も 子育てもできるまで回復不倫相手のシェフ に支えられてるって言うからなんだか投票 と恋愛がセットで売られてるような状態 ですよ。病情説明と恋愛報告が同じ段落に 出てくるって。これ週刊だけじゃなくて ラブコメ映画の脚本でも珍しいですよ。 復帰は可能だってんですが、立ちかるのが ママさん女優の壁。松島七子、北川け子。 猛薬も脇役も競合揃い。こうなると広末 さんの先法は1つ。 会に遅れてきたけどやっぱり華やかでしょ 。作戦うまくいけば拍手失敗すれば ちょっと吹けたって一言。芸能界ってのは 残酷ですな。で、もう1人が長野名さん。 こっちは田中さんとの不倫疑枠。本人は 否定。でも週刊誌がやり取りのスクショ なんて載せたもんだから成純派のイメージ はずタ。仕事も全部なくなった。ただね、 ここからが面白い。彼女自粛って言って ないんですよ。あくまでメディアは勝手に 自粛って言ってただけ。つまり本人にすれ ば休暇、芸能記者にすれば謹慎。味方次第 でバカンスか島流しかが変わるっていう実 に日本的な現象ですよ。で、 モントリオールの映画祭に堂々出席。 SNSも再開。あれだけ騒いでた人たちが あれ普通に出てきたって片すかし。さらに 田中Kさんがラスベガスでポーカー大会3 位になった時、後ろに映り込んでた挑発の 女性が長野じゃないかってネット総然。で も本人は完全無視。謝罪すれば認めたこと になるし、反論すれば炎上だから黙る。 これ意や将棋なら待っただけど芸能界じゃ 無言が最強の一手ってやつですな。 知っての羽喋らせたいんですよ。しめろ。 否定しろ。涙を見せろってね。でも本人は ずっと沈黙してると週刊誌の記者が机に 向かって何か喋れよってため生きつく。 あれがまた国形でね。芸能人の無言が記者 のストレスを倍増させる。ある意味精神 攻撃ですよ。結局この2人の復帰に共通し てるのは世間の温度さ。世間はまだ早いと かもういいじゃんとか言うけど本人たちは スケジュール表とらめっこしてるだけ。 周りが勝手にドラマ化して本人は淡々と カレンダー通りに動いてる。で、復帰し たら下で前と変わらない笑顔だの少し痩せ ただの結局そこに戻るんですよ。 おちいやね、こういう芸能スキャンダルっ てのはね、最後に必ずスポンサーは口を 出すんですよ。次のCMにどうかってで、 車のCMは事故でNG、家電のCMは不倫 でNG。じゃあ残るのは何かって言うと、 通販の青汁。2人で並んで飲んですっきり 新しい私ってやってたら私は迷わず チャンネル変えますけどね。てなわけで 今日の話は復帰の2人ってございました。 [音楽] [拍手] [音楽] ສ

@落語 #岡村隆史 #広末涼子#永野芽郁「釣れない音」「復帰の二人」
「釣れない音」
えー、皆さん。
世の中ってのは、やればやるほど報われないって時があるもんで。
しかもそれを人に見られてる時に限って、結果が出ない。
…あれはもう、神様の悪趣味だね。
で、今日は釣りの話なんですがね、あっしも昔から釣りってのは「男の意地試し」だと思ってたんですよ。
竿を構えてジッと海を睨む。まるで人生の縮図。
けどね、そんな哲学はテレビ番組の企画にはいらないんです。
視聴者が欲しいのは「大物が釣れた瞬間」と「芸人が慌てる顔」。
哲学なんか垂れたらチャンネル変えられちまう。
で、ある番組で釣り大会をやるって話になりまして。
本来なら「巨大マグロ釣りin沖縄」って豪華な企画だったんですが、天候不良で「イカダ釣り」に変更。
もうこの時点で、スケール感は「世界遺産」から「近所のため池」になっちまった。
参加者は二組。
岡村チームと矢部チーム。
ルールは簡単。釣った魚の総重量が多い方が勝ち。
負けたチームのリーダーは前夜祭のディナー代、約十一万円を自腹で払う。
ここが大事でね、十一万円って額は、芸人にとっちゃ「安くないけど払えなくはない」、微妙な金額なんです。
これが一万円なら笑って払える。百万円なら腹をくくる。
でも十一万円ってのは、払えるけど払いたくない額だから、余計に必死になる。
さぁ、対決スタート。
岡村さんは最初から超真剣モード。
竿を小刻みに動かして、エサが生きてるみたいに見せる。
黙って集中してるから、もう周りは「仙人か」って雰囲気。
でもね、こういう時に限って釣れないんだ。
最初にヒットしたのは同じチームの釣り初心者、山本彩さん。
「おー!やったー!」って喜んでるけど、心の奥じゃ「なんで俺じゃないんだ」って声が響く。
しかもチーム戦だから喜ばなきゃいけない。
これがまた辛い。
勝って嬉しいのに、負けて悔しい。
人間ってのは複雑なもんですな。
で、開始30分経っても岡村さんは無音。
ただ聞こえるのは、頭上を飛ぶドローンの「ブーン、ブーン」という音。
あれがね、釣れない時には「お前まだかよ」って煽ってるように聞こえるんです。
しまいに岡村さん、「すいません、ドローンしばらくいいですよ」ってスタッフに言った。
これは八つ当たりじゃなくて、もう「音の断食」だね。
釣れない自分を見られたくない、その必死さ。
さらに時間が経つと、「ちょっと恥ずかしなってきて…音もブーンっていうのも不快に感じてきて。だから、別にドローンいいですよ」。
これ、談志流に言うと「恥ずかしいは怒りの前座」ってやつでね。
プライドってのは、静かに傷つくときが一番怖い。
で、この八つ当たりがスタジオで大ウケ。
でも裏を返せば、これが人間の業そのものなんです。
釣りってのは、魚と自分と、そして見てる人間との戦い。
魚が釣れない時、一番気になるのは魚じゃなくて「人の目」。
だから音を止めさせたくなる。
あれは「自分の負け顔を空から撮られるくらいなら、魚に逃げられたほうがマシ」って心理ですよ。
この話からわかるのはね、人間ってのは結果が出ない時ほど周りの音に敏感になる。
普段は気にならないエアコンの音が、夜中の失恋直後にはうるさく感じるようなもんだ。
あれと一緒。
そして、そんな八つ当たりを笑いに変えられるのが芸人の力量。
岡村さんは、釣れなかった時間すらネタにして勝ったんですよ。
魚は釣れなくても、笑いは釣った。
こっちのほうが高い魚ですな。
…というわけで、もし皆さんが釣りをする時は、釣れない時間もちゃんとネタにできる準備をしておくこと。
そうすりゃ、魚が釣れなくても、財布は痛まず、心は豊かになる。
まぁ、それが一番難しいんですけどね。
おあとがよろしいようで。

2幕目

「復帰の二人」
えー、世の中ね、何かと“復帰”ってのが好きでしてね。
野球選手がケガから復帰、アイドルが産休から復帰、政治家が選挙から復帰…あれは落選から復帰じゃなくて、また落選に向けての助走って場合もあるんですけどね。
で、今回の噺は女優さん二人の復帰。
ただし、普通の復帰じゃございません。事故とスキャンダルからの復帰。これ、ジャンルが“人間ドラマ”じゃなくて“人間模様”の方ですな。
まずは広末涼子さん。
今年の春、新東名のトンネルで事故を起こしましてね。で、現場検証の時にマスコミのカメラに撮られた顔が「美しい」ってネットで騒がれた。
いやいや、普通“事故現場”と“美しい”って単語は並ばないもんなんですよ。これが並んじゃうのが女優って商売の恐ろしさ。警察車両の窓から見つめる視線まで女優オーラ全開。「現場検証 in ハイビジョン」ってDVDが出てもおかしくない。
で、この方ね、“双極性感情障害”を患ってるって発表してたんですが、家事も子育てもできるまで回復。不倫相手のシェフに支えられてるっていうから、なんだか闘病と恋愛がセットで売られてるような状態ですよ。病状説明と恋愛報告が同じ段落に出てくるって、これ週刊誌だけじゃなくてラブコメ映画の脚本でも珍しいですよ。
復帰は可能だってんですが、立ちはだかるのが“ママさん女優の壁”。松嶋菜々子、北川景子…もう主役も脇役も強豪揃い。こうなると広末さんの戦法は一つ。「同窓会に遅れてきたけど、やっぱり華やかでしょ?」作戦。うまくいけば拍手、失敗すれば「ちょっと老けた?」って一言。芸能界ってのは残酷ですな。
で、もう一人が永野芽郁さん。
こっちは田中圭さんとの不倫疑惑。本人は否定。でも週刊誌が「やり取りのスクショ」なんて載せたもんだから、清純派のイメージはズタズタ。仕事も全部なくなった。
ただね、ここからが面白い。彼女、自粛って言ってないんですよ。あくまでメディアが勝手に「自粛」って言ってただけ。つまり本人にすれば「休暇」。芸能記者にすれば「謹慎」。見方次第でバカンスか島流しかが変わるっていう、実に日本的な現象ですよ。
で、モントリオールの映画祭に堂々出席。SNSも再開。あれだけ騒いでた人たちが「あれ?普通に出てきた…」って肩すかし。
さらに田中圭さんがラスベガスでポーカー大会3位になったとき、後ろに映り込んでた長髪の女性が「永野じゃないか」ってネット騒然。でも本人は完全無視。謝罪すれば認めたことになるし、反論すれば炎上。だから黙る。
これ、囲碁や将棋なら「待った」だけど、芸能界じゃ「無言が最強の一手」ってやつですな。
週刊誌ってのはね、喋らせたいんですよ。「認めろ」「否定しろ」「涙を見せろ」ってね。でも本人がずーっと沈黙してると、週刊誌の記者が机に向かって「なにか喋れよ…」ってため息つく。あれがまた滑稽でね。芸能人の無言が、記者のストレスを倍増させる。ある意味、精神攻撃ですよ。
結局、この二人の復帰に共通してるのは、“世間の温度差”。
世間は「まだ早い」とか「もういいじゃん」とか言うけど、本人たちはスケジュール表とにらめっこしてるだけ。周りが勝手にドラマ化して、本人は淡々とカレンダー通りに動いてる。
で、復帰したらしたで、「前と変わらない笑顔」だの「少し痩せた?」だの、結局そこに戻るんですよ。
オチ?
いやね、こういう芸能スキャンダルってのはね、最後に必ずスポンサーが口を出すんですよ。「次のCMにどうか」って。で、車のCMは事故でNG、家電のCMは不倫でNG。じゃあ残るのは何かって言うと……通販の青汁。
二人で並んで、「飲んでスッキリ、新しい私!」ってやってたら、あたしゃ迷わずチャンネル替えますけどね。
…ってなわけで、今日の噺は「復帰の二人」でございました。