【朗読】空の森と星のたまご|エピローグ:星を旅して風になる

エピローグ星を旅して風になる。 空の森に再び風が吹いた。かつて空とシエルが旅だったあの森。今は少しだけ空が広くのすれ合う音が温かくなっていた。 [音楽] [音楽] 旅の記録は誰の手に触れることもなく速風 の中にしまわれていたけれど巡って帰って きた2人は確かに変わっていた。卵が光っ た日からたくさんの星を巡ってきたね。 シエルが空を見上げながら言った。うん。 涙の降る星も願いを忘れた星も、笑うことを思い出せなかったも、どの星にもきっと誰かの真っすぐな思いが静かに生きていた。 [音楽] 空は自分のマントを握った。その旅の中で出会った思いのかけらたちが優しく包まれている気がした。 [音楽] そうして名前を持たなかった子に名前が宿った。忘れられた記憶が瓶の中で光を放った。 [音楽] 笑うことを思い出せなかった子がくすぐったさに触れた。そして自分の影に怯えていた子が少しだけ光の形を受け入れた。 [音楽] 1 つ1 つの出会いが空とシエルの心の中で静かに火を灯していた。 [音楽] 気づいたんだ。僕たちは星を救ってたんじゃない。その光に僕たちが出会わせてもらってたんだって。 名前を持たなかった子忘れられた願い。 笑うことを思い出せなかった子。そして 自分の影に怯えていた子。その1つ1つが 風のように優しく吹き抜けて、今の空と シエルのあり方をそっと教えてくれた。 そして今誰かがふと顔をあげた時夜空に 優しい風が吹くならそれはきっとどこかで 願いを抱いた誰かがいた証。旅は終わった 。でも終わりじゃなかった。空とシエルの 風は今日も星のさきを探している。それは もう名前を持っている全てのものとまだ 名前をもらっていない全ての願いのために 。 風は今日もどこかで名前を探している。 [音楽]

空の森と星のたまご【オーディオブック全10話】