2021年3/6(土)沖縄 桜坂劇場先行公開、3/20(土)ユーロスペース他全国順次公開。
1945年1月31日、一人の男が沖縄の地を踏んだ。
前年10月10日、米軍の沖縄大空襲によって那覇は壊滅的な打撃を受け、内務省は新たな沖縄県知事として、大阪府・内政部長だった島田叡(しまだ・あきら)を任命した。着任と同時に、島田は大規模な疎開促進、食料不足解消のため大量のコメを確保するなどの施策を断行。米軍の沖縄本島上陸後も洞穴を移動しながら行政を続けた。だが、戦況の悪化に伴い、大勢の県民が日々命を落としていく。また島田自身も軍部からの理不尽な要求と行政官としての住民第一主義という信念の板挟みになり、苦渋の選択を迫られる―。
沖縄戦を生き延びた住民たち、軍、県の関係者、その遺族への取材を通じ、これまで多くを語られることのなかった島田叡という人物と語り継ぐべき沖縄戦の全貌に迫ったこのドキュメンタリーは、『米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー』2部作で戦後沖縄史に切り込んだ佐古忠彦監督が、知られざる沖縄戦中史に挑んだ野心作。
権力者への忖度、資料の改竄や隠蔽が常態化し、政治不信が蔓延する21世紀・令和の時代に生きる私たち日本人の眼に、後に「官僚の鑑」「本当に民主的な人」と讃えられた島田叡という人物はどのように映るだろうか。
