【朗読】野村胡堂audiobook 「三万両五十三次 四、狂瀾編」「一、大井川」  ナレーター七味春五郎 発行元丸竹書房

狂乱 編 大井川 13万両の御用金を秘めた行列は愛よく 色々に渦を巻いていよいよ大い側にかかり ましたその日はすっかり晴れて名物の ささりの水まで土手の上から望むと今平に 見えようという日です昨の家事は幸2元で 止まってのはもう忘れてしまったような 賑い立の旅人は先を争って河へ集まりまし た言うまでもなく大井川は街道随一の大川 東海道名所ずにも空風には水を増しあし 吹きのれば水落ちるイエより船なくいかだ なく橋なくしてゆきの人は島田金屋の川越 書に立ち寄って難問川の定めを聞いてその 賃を渡し割りUMを取って土長にこむと 書いてあります顔の方法は肩車連帯の2周 大体安部川と変わりはありません変わって いるのはさらに規模の大きいことで川越 人足が島田金屋両宿に700人もいたと いうのですからその繁盛が思いやられます 一体近頃の人は便利な交通機関に慣れて昔 の道中の大げさな趣きを想像もできない ようになってしまいましたが300大名の 産金交代があった上電神も記者もない時代 の東海道というものはどんなに盛りであっ たか色々の記録を見ると驚くことばかり です700人の川越人足がこの川1つで 食っていったのですからとにかく 酔いのことではありませ ん大水の川越人足賃が95問その日の水に よって賃金が変わりますが人足は伝票で 渡されますから相手次第でつい逆手をねる ことになったの でしょう非常な給素人の勝ち渡りは思いも よらないのですが相撲取りなどは時々 酸っぱになって激流を分けて渡ったことも あります大名は安部川の校で書いたように 顔ごを連帯に持ち込むか出なければ司法を 払わせて36人方の連帯に乗った上さらに 上流下流に人足の人がきを作って水星を 削ぎましたこれを一席と言い ます夏川は水が多く旅人も多いから迅速は 大助かりですが冬の水の落ちた時は客が 少なくて迅速流せです中には夏川を七に 入れて爆を打ったり酒を飲んだりすると いう痛快なのもありまし たこんなことを書いてると再現もありませ んが箱根と大井川は街道筋の2大難所で 徳川幕府が防備のために全車には厳重な 積書を据え校舎には船を置かず橋もかけ させなかったのですから旅人は何した 代わり話の種はたくさん作られまし た今でも箱根と大井川は東海道では長房の 創絶で特に日坂から大井川を望んだ景色は 広いもありませ んさてこの日3万両を巡る一向1番先に 大井川へかかったのは大事な花嫁とらしい 荷物を守った住の行列でした最初は小木 平田優が川を超えて金屋の宿へ入るとその 後から連体に積んだ荷物を渡し続いて番頭 五兵下女め歯嫁を蝶名夫婦これは旅人に こらえた手先56人に見守られて顔から 連帯へ1人1人移されますちょうど花嫁の お蝶が奥目に手を引かれて河へ降り立ち連 へ移ろうという時でした嬢様バタバタと カスの中から飛び出したのは手代の千松 どこで人屋を過ごしたか昨夜のままの 取り乱した風で盤も汗もシドも泥に襟も裾 もめちゃめちゃな上汗と誇りと泥にまみれ てせっかくの良い男も全く見る影もあり ませんはお蝶は一目見ると河に立ちんぼ しまいましたが嬢様私は悔しい夕べは あんなことになってしまってさあ参り ましょうそう言いながら臆面もなく 差し出す千松の手を払いのけるようにお蝶 はさと身をひがしとそのまま連帯の上へ 座ってしまったの です2 お蝶様手代の千松にとってお蝶の態度は いつでも謎でしたがこの時ほど驚かされた ことはありません府中の宿から命がけで 逃げ出して昨夜の松屋の離れに一旦 落ち着いたところをペタにかけられるよう に引き裂かれた2人です千松の顔を見さ すれば本当に前後の考えもなくそのモテの 中へ飛び込んでくるべきはずのお蝶がが 人目の多い河田の出来事にしてもすげなく そを見せて年代の上に収まるとはどうした ことでしょうそれ先の連絡にいる古兵が こと面倒と見てとって声をかけると事情は 知りませんがとにかく関わり合っては悪い と思った人足どもそらよごてさとお蝶の 年代を担ぎ上げて登ったばかりの朝日が 黄金色のをるへ分と乗り入れてしまった ものです様追いすがる千松にお蝶はもう 一別をも与えません連体の上うき加減に膝 の上に置いた手回りの品と膝の下にさく 川波を黙って見ていんのでし た嬢様私よこの千松を捨てなさるおつもり ですか補様末はすっかり取り乱してしまい ました着物のもはらずそのままザブザブと かえ危ねえそんな格好で渡れる川じゃねえ 人足の頭らしいのがみかれたものか 飛びついて騎士へ引き戻しました兄貴 ほっと具いいとんちきを姫だ速の子をつ 面白そうに河からやすのば男の清姫って やつがあるかい面白がるのはセシだぜ兄貴 は兄貴らしいことを言ってどうやらこう やら千松を引き戻してきましただからよ でっかいミに化けてあの娘を追っかけるぜ 寄せ合いいやもう大変な騒ぎです中松は それに構わずしばらく河に立ったまま針し たように遠ざかりよく連帯を眺めており ましたがや 自分の懐を一生懸命探し始めましたお蝶の 跡を追うために川越人足へやる賃金が 欲しかったのでしょうが5番の入った胴巻 は不意にもお蝶に返した上夕は腹立ち紛れ に小銭を入れた自分の財布まで吉の一味に 叩きつけてしまったの です千松に登っているのは弱い体と火の ごとく燃え上がるだけ逆用に振られても 文字通り1問も出てくる見込みはなかった のですようやくそれに気がつくと千松は砂 の上へへたへたと崩れて手放しのまま ポロポロと泣き出してしまいまし た顔を振り上げると浅の中にお蝶の連帯は 次第に消えていきますそれを自分の目に 湧き上がる涙の生徒でも思ったが千松は 誇りだらけな手でべも何べも吹きながら 赤ん坊のようにせり上げているのでしたえ バトさん思い切って川へ飛び込んでみねえ 俺はまだ人間が水や土上になるのを見た ことがねえ手のいた人足は辺りを囲んで こんなことを言っております余計なことを 言うねとってさ兄貴上の朝顔よりこいつは 入りだ バカ速の騒ぎをかき分けて風のような女 ちゃいた何をしていんのさそんな かわいそうな人をからかっちゃ罪だよ週末 の悲の前に顔を出しました言うまでもなく 属かろのオレ今朝咲いたばかりの鼻のよう にほがらか です 3物を取り巻いた越人足ども不思議な美女 の出現に驚きました荒くれ男の渦の中へ 磨き抜かれたような顔をさらしていさも 悪びれた色のないのに顔負けがしたの でしょうこいつは面白くなったぜ頼むぜご 心臓たじたじとなりながらも減らず口を 叩く人足の渦を人当たり見回したおれん なんてはっかな人たちだろう 大井川の2息臭がこんな弱いもいじめをし ていいのかい一流の鋭い皮肉が赤い唇を ついてその辺りへ撒き散らされ ますどいぶったところで逆手にありつける ような相手じゃねもしぞ人聞きの悪いこと を言ってもらいたくね兄貴分が開き直ると 金主がついたんだよもう指も刺させる こっっちゃないといておれおは物の数とも しません大そうなことを言うぜまた いきり立つ2速の前へさあこれで1杯飲ん でおくれそれだけあったらこれだけの人数 がカ臭くなれるだろうご飯が1枚朝日を 受けてきらりと砂の上に光り ますどうもはいすいませんおみれ申しまし たえいみんな来てレをいいなご心臓が 光らしてくだすったぜ どうもありがとう現金なもので村が人足は しさいやりと見てとったか塩のごとく引い てしまいまし たちょいと逆手は別に出すから後で頼み ますよと追っかけるようにおれんえそれは もう心れておりますよ5番を守った一体は こうしてオレンと千松を河田に残して土手 の上へ遠慮してしまったのでですねバト さんお前さん商売のことには明るいだろう が下道娘の心持ちはまるっきり知らないん だね少し教えてあげよう俺んはそう言い ながら速どが捨てていった焚火の前へ千松 を導きました膝から下はすっかり濡れてボ もそもしに乱れた千松の様子はレの目にも さすがみじめだのですお前さん寒くはない オレはそう言いながら焚火に巻を添えて やりますが中松は引き上げられたばかりの 土門のようにワクワクしながらもお蝶の 連絡が消えていった川の向こうを眺めて ばかりおりますあの娘は4橋で育って草し と歌舞伎芝居より他には何にも知らないお 嬢さんさ綺麗ごでない色ごとに我慢の できるような症では ない道行きといえば田んぼにさの咲いた かわを追ったてて山台に清本の連中を並べ て存分に色っぽくしさるものと思っている んだ よ府中のシを飛び出したまでは良かったの さ1日無事にかに揺られて松屋へついた ところも寸法通りさあその後が 悪いおさんだけさわれたら脇本人へ 怒鳴り込んで与三郎を決め込むか出なきゃ 右にこえて人足を雇うなりなんかしてこの 河で一芝居打つんだよそれが本筋 さそんな汚れくった風をしていもなしで川 へ飛び込んだりする筋はないよ一体お前 さんまだ顔も洗わないんだろうれんの言葉 はひしひしと千松の胸に食言ますそう言わ れてみると全くその通りで一言もありませ んがそれにしても千松のふ落ちないことが あるのはどうしたこと でしょうそれほど私のことを思うならどう してお前さんは夕べ私を騙してお嬢さんと 引き離しなすったんだ え 4私はどうもががいかないという千松の 疑いは最もでした食いまでくろうとしたの を助けて真味も及ばぬ世話を焼いたおれん 府中の祝からはあれほどの危険を犯して お蝶を逃す段取りまでこらえてくれたレん がどんな事情があるにしても番頭の五兵と 腹を合わせて自分とお蝶を引き離した らしいサクが腑に落ちなかったのです何を 言うのさ私はお前さんとお嬢さんを脇本人 へ送り出してそれからお2人の武家と一緒 に他へ回ったじゃないかそれはいけない 和人の前で俺とお嬢さんを引き離したのは お前さんの友のあの登録とかいう背だ えあの男のしたことお前さんが知らないと いうはずはない千松も必死の思いでしょう 妙に鋭い調子がレの弁解を封じそうになり ますあれでも男1匹だもの私の思うように なるものかいどんなことをしたか知らない がそれは私の知ったことではないレんはし 戻ろながらまだ女らしくつつを合わせよう と焦っておりますどうかしたら最初から俺 とお嬢さんを引き離す細工じゃないかと 思うと何を言うんだよお前さんそんなに 疑るなら泉の行列を追っかけていってバト さんにお前の身柄を引き受けさせてやろう さあ一緒に行ってみるかいあたまそのお葉 打ちからした風景じゃ番頭の五平さんは 口説き落とされるだろうが肝心のお嬢さん が速歩を向くよお嬢さんの方から飛んで くるような段取りにしなきゃお前さんの することはいちいち焦げになるよ分かった かい千松はようやく頷いて見せましたこの 女の言うことは辛辣で技工的圧倒的ですが それでどうやら一脈の理屈だけは通ります それについ今し方肝心のお蝶に冷たい目で 見られた千松は自分の方にも重大な手落ち があったことをつくづくと悟っておりまし たレの巧みな弁説には動かされないまでも 次第に興奮が覚めて自分のしたれた姿を まざまざと朝日に出されると消も入りたい ような心持ちになるのでした心配をしら ないこれからの筋書きは私が書いてあげる からお前さんはその通り動きさえすりゃ 間違いなくお嬢さんと一緒になれるよいい だろマトさん差しのくようなオレの顔を もう見上げるほどの気力もありませんくも ない朝の中に自分の浅ましい美力な姿を 野王なしに眺めなければならなかったの ですまず川を越して金屋へ入っ てあらそんな顔をしなくたっていいだろ ザブザブやらせというわけじゃない立派に 連体で渡って金屋行ったら何より先にみを こえて くださいみより腹の方をこえたそうね勘弁 してあげるわ身になりそうなものを大急ぎ で詰め込んだら古屋へ飛び込んでせぜ めかしこむのさわかって大田の番頭が商用 で髪型へ行くといった格好ができたら日坂 の峠へかかる前に私を待っていてください れんの調子はそれでも次第に物優しくなり ます多分千松を解せた木の緩みでしょう こんなに千松の手にはいつの間にやら23 枚のコバが光っていたのです驚かなく たっていいよ泉屋の手代ともあろうものが こんばかりのこと にそう言いながらオレんは顎をしゃくって 向こうの方から様子を眺めている顔人足を 呼びまし た 5ま殿気分はどうだな佐群心は最初の朝の 光と一緒に吉を開けて入ってきました夏 だけ使う土手の掛茶屋に一時も前からやが 城のすの通りかかるのを待っていたのです もう大丈夫でございます誠はさすがに 取り乱した様子をはじて2つ並べた遠来の 上に座り直しました昨夜床の中からさらわ れたままの寝巻き姿上に群心のかを着せて もらっておりますが全く人に見せる姿では ありませ んそのまま誠殿動いては悪かろう はい誠は素直に頷きましたがそれでも伊 だけは直してともすれば下からはみ出す 赤い長板を気にしており ます今し方泉屋の荷物が川を越したがやが はまだ見えない焼跡を探しているのでは ございませんかそれも気がつかのではない が殿がさらわれたことは知っているはずだ から焼け跡にこだわって大事を忘れる やがらうじではあるまいどうしたもので ございましょうさが様まだババクランドの 荷物が来ないところを見るとそれを見張っ ているのであろうどうせ大顔をくさずに 引き返すはずもある前からもう少し気長に 待ってみると しよう殿の兄の手に渡せば拙者の務めも 住むというも だどんなご迷惑をおかけいたしましたいや そんなわけではないがやがへ黙ってこの まま先へ行ってばやがの思惑はともかく 施錠の聞こえも悪いそれにそれに誠の 清らかな目に見上げられて軍の心も たじろぎました が恥ずかしいことだが同士と別れれになっ て拙者は土曜というものを持たないえ誠も それを察しないではありませんでしたが 打ち明けられてみると今更さが軍の心の血 の滲むような口中が気の毒でなりません できることなら軍の心の面目を立てるため に自分のみだけでも整えて兄や松波三郎に 会いたいと思いましたが床の中から ごぼうもない誠にそんな最あるはずもあり ませんま殿の不甲斐ないことだがこの上は 兄に引き渡して拙者は潔よく見を引こう男 1人なら食わず飲まずでも3万量の跡をし たえないことはあるまいまさが様まは 涙ぐましい目をあげました少し長い表な顔 武にしては水も甘いも噛み分けてセにたけ た軍ですが2度も3度も兄の城のす宿の妻 にと書した塔の誠の前ではさすがに固くも なるでしょう両刀だけは無事にたばさんで おりますがなんとなく旅疲れが目立って その上一晩の不眠が朗らかな軍の心を かなりしいたげており ますさ様ご一緒に参りましょうそうして くだされば兄もどんなに喜ぶことでごい ましょう台の橋へ包み深くそっと腰を 下ろした群心の方へ身を起こしかけて誠は こう言いました嗜み深い武家の娘膝へ手を 置くことは愚か男の顔を覗くことさえ はかりがちですがその長いまつ毛には不の 涙が溜まって浅黒いが乙女らしく匂う方を ボロボロと伝わります 誠は軍の心の心持ちを知りすぎるほど知っ ていたのでした目をあげると土手の上は ばばな人通り広い河から賑いまさる大井川 がたった一目 です 6さが様咲ありがとうございました誠は不 にそんなことを言いますちょうど河原の 突撃手代の千松がおれんに助けられた生殺 を見てふと昨夜稲の祠で軍の心に助けられ たことを思い出したのでしょう今更そんな ことを佐群心は思いもよらぬ誠の言葉に 少し取り乱した娘の姿を見やりまし たさが様はどうして私があんなところに 縛られているの存だったの でしょう思わず通りあわせたまでのこと 不思議でもなんでもない軍の心の調子は 少し噛んで吐き出すようでしたいえそんな ことがまはさすがにその上質問的になるの をはかりましたしかし島田の宿に止まって いるはずの群心が真中に田んぼの中の稲の 祠の前を通るはずもなくや通ったところで うのような闇の中で中に誠がいるのを 見定められる通りもありません昨夜は あまりの激動と疲労にそこまでは気がつか ずによりましたがやはり軍の心はなんかの 事情松屋の前に見張っていた吉と入れ違い に誠を助けに来たものでしょう軍の心は 煙りにも表しませんが乙女の敏感さでその 辺の束がはっきり読めるような気がして ならなかったの です誠が知っている範囲では不に祠の闇の 中に軍の心が現れてまの戒めを切って くれるとそのまま引っかくように松屋へ 取って返しましたが弱り果てている誠の足 が思いの他手間取って道の半分も来ぬうち に目的のマヤが家事になってしまったの でした ようやくたどり着いた時は大方燃え尽きて その辺りは八馬でいっぱい城のすの姿を 探し出すことなどは思いもよりません軍の 心は尻込みする誠を背負うようにして 大井川のほり冬分は空屋にしておく掛茶屋 に入ってほっとしたのはもう明け近い頃 だったの ですそれから一時あり2人は恐ろしい闇と 寒さに苛なわれて生きた心地もなく過ごし まし た生きた心地もなくというのは決して慶王 師ではありません限り返るような激動の後 に深い闇と恐ろしい静寂がどれだけ2人を 悩ましたか分かりませ ん2人はお互いに体温と呼吸と感じながら 寄り添うことさえできなかったのです と思いましたがタバコを嗜まぬ軍神は武人 にも火打道具の用意もなく恐ろしい寒さに 震えながらマ殿眠ってはならぬ眠ったら 最後小声じぬばかりだ軍の心はかっぱを 脱いで辞退する誠に着せてやったりしまし た恐ろしい苦行の一時は過ぎて大井川の川 もが明るくなり始めると2人は全く救われ たような心持ちでした明るくなれば兄の やが城介はどんなことがあってもここを 通るでしょうし兄の手に誠を渡してしまえ ば軍の心はそれで責任を解除されるの ですしかしそれはまたなんという寂しい 結末でしょうもし両刀をたさむ見れなかっ たらそして 3万をけう目的などなかったらこのまま誠 と一緒に闇の中ででしまった方がいい 軍の心の腹の中でそんな不への声がさいて はいなかったでしょう かそのうちに泉の一向が川を渡って千松の 連帯もそれに続きまし たしばらく河が暇になったと [音楽] さが様兄ではなかったでしょうか誠は直っ て吉の外を通っていった人影をさし ます7やがら矢おさがか矢之助は河にりし て振り返りました赤い朝を半身に浴びた佐 軍が慌しく土をかけて来るのを見つけたの ですやがらま殿がいるぞ何ま咲夜危ない ところを免れたがまやが焼けて帰ることが できなかった本当かそれはさが常助の声は 冷たい朝の待機にしらじらしい ます誰がそんな冗談を言うものか来てみる がいいそこの掛茶屋の中だおありがたい城 のす日頃冷静な城介がこの時ほど興奮した のを見たことがありません一気に土手を 駆けると佐群心にも目もくれず吉の中へ さっと飛び込みましたま無事だったか兄様 兄弟の声が妙に上ずって漏れるのを別の 世界の出来事のように聞いて佐群の心は目 をしばたきました全く水に反映する朝の光 が一晩眠らなかった軍の心の目には少し 刺激が強すぎたのでしたそこへのりと 近づいたものがあります言うまでもなく 常助と一緒に来た松波三郎誠が無事と聞い て思わず常助の跡から土手へ駆け上ったの でし たどこへ行く松波声をかけられて吉の中へ 入ろうとした松波三郎 後ろを振り返りました近々とさが軍の顔 眠りたらぬ目は少しばしってこうとめた声 も少しトゲトゲします入って悪いとのが 松波三郎はようやく落ち着いて一歩 引き下がりましたそうだ軍の神は鋭く続け ますわ聞こうここへ入るのがなぜ 悪い殿はの中からさらわれたままだ何 寝巻き姿を人に見られたくはある まい軍の心の言うのは当然でしたが一晩誠 を探し歩いた松波三郎にしてはつい花の先 に相手がいると分かると無事な顔を見たい という誘惑が矢も盾もたまらずムムと胸に 湧き起こるのでした松並三郎は黙って 引き下がりました木戸を疲れたようでなん となくわりは残りますがさが群心の言葉に は動きの取れないものがあったのですその 妙な品目がしばらく続くと軍の心は我にも あらずに足を返しました松波三郎といつ までも顔を合わせている気まずさを紛らす ためもあったの でしょう何心なく2散方吉の方へ近づく とさがどこへ行く後ろから今度は松波三郎 が呼び止めました知れたことあの中 だそれはならんぞ何歯の中には人に姿を 見せたくない出き姿のま殿がいると気候が 今行ったばかりではないかえ俺が入って 悪ければ気候が入っても悪かろう遠慮せい 松波三郎は鋭い男でした日頃仲の良くない の心に手厳しくやり込められた腹もあった でしょうついつけつけとこんなことを言っ てしまったのですバカなことを言うな俺は 夕べ一晩ま殿と一緒に歩いたぞ軍の心の声 もつい尖りますそれがどうしたもう夜では ないぞ日が登っているのが見えるか何かい 夫人を助けたから恥ずかしめてもいいと いう屈があるか言ったな己れ 2人はきっと見合いました刃のような目と 目が霜を含んだ空気の中にかっっと合い ます 8ブレだろさが何を一歩ずつ引き下がると 思わず刀に手がかかりましたどちらも抜群 の使い手眩しい朝日を避けるようにじり じりとつま先を働かせてめのりが決まるの でした松波三郎も佐群心も同士の間に立て られた人物一夫人のために命をかけて争う 人柄ではないのですが時の勢いというもの は理屈や常識でばかりは決めつけられませ んその上悪いことにどちらも寝不足で どちらも気がっております誠のことなどは 感情に入れなくとも2人の間のわかりは 1度は爆発すべき情勢にあったのですから たまたま格好な口火をつけられて思わず 引くに惹かれぬ刀の柄を叩いてしまったの でした2人は一瞬の間に恐ろしい構になっ ておりました真剣の勝負は相手を制する ことだけで大抵決まってしまいます一瞬の 線を取って人たち切りかえすれば大抵の ことは終わるのです 剣撃の間に育って東本清掃している2人が そんなことを知らないはずはありません 見合った瞳が日如燃えると次にはどちらが 先に発するかの問題ですあその一発の危機 を掴んで待った吉の中からやが城介が 飛び出しましたなんということをするのだ さが松波恥をしれ立てられた常助の顔は 冷静のうちにもふと長生を含んで自刻の水 のように熱しきった2人に働きかけ ます緊張しきった瞬時は去りました松波 三郎の顔からふが覚めると同じ速さでさが 軍のしの顔にも身にはじた苦しが浮かび ました大事の前になんという争いだそれで も死士を持って人きかジのすの白い方は ピリリと痙攣して鋭い言葉が席を切って水 のごとく本中し ますそれほど面倒な種を巻く妹ならここで 切って捨てようえこの際2人の同士を失う より妹もそれが本毛であろう大井川の騎士 に流す血も無駄ではないやが常助は一等の 小口を切って室の中へ飛び込もうとしまし た待てやら立ちふさがった軍のそれを 止めるのが本当に精一杯ですやじ立ちは一 ももだ俺が悪かった許せ松波三郎はその まま首を垂れました下の土手の上へ土座も したい様子ですがさすがに人目をはかって それは思い止まりまし た言うまでもない大事な使命を帯びての 道中だ僚を今へ入れないためにカタを砕い ている中へ妹などは全く無用の足手であっ たこの上争いの種になるようなら思い切っ て切って捨てるのも手段ではないか2人の 同士の恋にくらんだ目を覚ますためかそれ とも本気で妹を切る気かそこまでは分かり ませんが日頃物事に駆け引きのない矢之助 の寄付を知っているだけにと三郎の教は 一通りではありません一言もないやがら 許してくれ3万を手に入れるまでまどのと は口も聞かんぞと佐軍のしまだ城のすの前 に立ちかって吉の中を探る形になっており ますそれよりも驚いたのはこの争いを ことごとく聞かされる塔の誠でした三郎の も群心の恋も身にしみていないではあり ませんが自分のために天下のことに本して いる大事な2人を損なうようなことがある くらいなら兄の刃を待つまでもなく自分で 自分を始末しようとまで思い詰めましたが 困ったことには床の中からさらわれたまま で身に寸鉄も帯びてはおりませ ん 9誠は身の置き所もないほど恥恐れました 兄の同士の目論みからその使命の重大さを 知っているだけに自分のために松波三郎佐 くの心といった資料も腕前も申し分のない 武士が刀にかけて争おとするのが浅まし かったのですその上自尊心の強い誠だけに 取り乱した寝巻き姿を明々と日に照らされ ているのが消えもいりたい思いでした 刀がなくともせめて縄でもあったら一思い に死んでしまったかもしれませんが何の 因果かここには乙女の周知を救う道具など はたった1つもありません兄の言葉妹を 切って捨てようというのは随分無法には 聞こえますが大義親を滅する着替の死には ありそうなことで誠にしても兄に切られて しまった方がどんなに幸せかは知れないと 言ったつい捨てはちな心持ちになっても 見るのでし たみババクランドの行列は大い顔を渡るぞ やが城のすの声は低いながらも力と熱が こもって吉の外にリンリンと響きます ほお応じたのは松波三郎でしょうか俺の目 に間違いなくはあの中に3万両の御用金が あるに添いないあの金が今日へ入ったら 最後ク臭は金縛りだ ぞこれほどの大事が他にあると思うか天下 のため指示を投げ打ってこの使命は果たさ なければならぬ松さがら常助はいつになく 興奮して土手の上からキラキラと輝く水の 表を指さしまし た流れを乱して顔を渡ったババクランドの はこの時中一休み糸ものどかに辺りを眺め ている様子 ですやがらいちいち気候の言う通りだ許せ と佐軍の真一言もない松波三郎もこう言っ て顔をあげるとつい今まで敵同士のように 睨み合った佐軍の心の瞳と会います2人の 目にはもう何の恨みもありませんでした 悪かった さじいや拙者 こそまだ言葉だけは改まりますが釈然とし てもうわかりもありませんありがたいその つもりであれをおうやが城介はもう身を ひがして河原へ行こうとしますま殿はさ 群心は誠の事情を知っているだけにさすが に気になる様子ででした妹は江戸へ返そう 常助は立ち止まると懐を探りましたがその 前に松波三郎は自分の紙入れを懐から抜い て黙って常助の手に渡しました常助の土曜 がそんなに豊かでないことを察しのいい 松波三郎は知り尽くしていたのでしょう かけない常助はそれを受け取るとちょっと 吉の中取って返しました誠聞く通りだお前 はこっから江戸へ 引き返せ神ごと中身を改めずにそっと妹の 膝の上へ置いてさすがに立ち去りがたい 心持ちで妹の首を見下ろしまし た兄様よくわかりました誠の顔不眠にも 誇りにも怪我される誠の顔ににはボロボロ と真珠色の涙がこぼれますでは 妹兄様土中気をつつけるがいいぞはい兄様 もそしてあのタを守備よく遂げますよ陰 ながらそれっまは顔をうめました浅ましい 長の襟は濡れて子供のように しゃくり上げるいらしさはしばらく の足をせ ます上なようでもはまだ本当によれぬ小娘 だったのです

三万両五十三次は、ライブ配信に変更することが決定いたしました。
時刻は変わらず、金曜夜八時放送です。

これまでの三万両五十三次は、
1.愛憎篇朗読まとめは、こちらです。https://youtu.be/_YfIe1PZpCk
2.情炎編 https://www.youtube.com/watch?v=_dJ-UYaLPPo
3.流転篇  https://youtu.be/yoV7FoeOcVI
4.狂瀾篇 いまここです。
5.解決篇
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昭和27年作品に、大河内傳次郎主演で映画化された同名映画の原作!
 時は幕末、黒船が来航した、安政五年から物語は始まります。時の老中堀田備中守は、「日米通商修好条約」締結のため、京の都へ三万両をおくる。
 主人公の馬場蔵人は、倒幕派の武士、三万両を狙う怪盗たちとたたかいながら、一路京都をめざします。
 東海道を舞台に上を下への大騒動が実に面白い。お聴きください。

三万両五十三次は、一年半の連載(1932年3月から 1933年8月にかけて)をおえると、中央公論社から函入り上製本 上下巻(湊書房版は 全5巻、中公文庫版の全4巻版もある)で刊行されました。昭和9年のことです。ちなみに銭形平次の連載は、昭和七年にはじまり、当時務めていた報知新聞に長篇の連載を依頼されました。

■登場人物
馬場蔵人……本編の主人公。四十二三才。
小百合……父山際山左衛門を上意討ちされたため、蔵人を仇とねらう
茜の半蔵……山際家の老僕。小百合を助ける金五郎の父。
南郷小源太……真四角虎ひげ
矢柄城之助……色白の美男
真琴……矢柄の妹
伝次……小源太家来。岡っ引きだが、渡り中間に変装。異名は二面
作良軍之進……倒幕の志士
進藤晋……倒幕の志士
今宮八郎……倒幕の志士
お蓮……伝次に姉御と呼ばれる。謎の女性。陽炎のお蓮。殺人を好む。

牛若の金五郎……泥棒の親分だが、殺しを厭う
ノッポ竹……お蓮に惚れている
藤次……猩猩、四十六七になる、小頭格
丑松……奉行所の手先
吉三……背虫、ながら、夜目も利くゴリラのごとき長い腕と怪力を誇る
小動平太夫……与力
堀田正睦……幕府閣老
植松求馬……家老
文治……金五の子分
お蝶……和泉屋の令嬢
千代松……和泉屋の遠縁。手代。
五兵衞……和泉屋番頭
本庄左次郎……蔵人の添え役
桃々斎桃吉……講釈師の小僧

■用語集

■目次
0:00 大井川 一
4:53 大井川 二
9:21 大井川 三
14:03 大井川 四
18:38 大井川 五
23:11 大井川 六
27:20 大井川 七
31:45 大井川 八
36:35 大井川 九
41:09 大井川 十
45:28 大井川 十一
49:45 大井川 十二

#野村胡堂 #三万両五十三次 #朗読 #時代小説 #七味春五郎 #audiobook #音本

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■青空文庫、山本周五郎作品他、著作権きれた文芸多数
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