年始の休みが明け、新型コロナの感染者が多く確認されています。感染拡大に伴い救急搬送の件数も増えています。名古屋市では去年(2022年)1年間で、救急隊が出動した件数が14万件を超え、過去最多を更新しました。特に、この年末年始は相当、件数が多かったようで

実際に救急搬送されてきた患者を受け入れていた名大病院・救急科長の山本尚範医師に状況を聞きました。

Q.年末年始の状況は?(竹田基起アナウンサー)
「去年よりも忙しいです。コロナ以外の疾患も増えているので救急車の出動台数が全体的に増えています。なので忙しいというのが実感ですね」(山本尚範医師)

名古屋市では12月28日から1月3日までの1週間で、救急隊が出動したのは3462件。これは昨シーズンの同じ時期より500件以上も多い数なんです。

Q.救急隊の出動が去年よりも多かった理由は?
「行動制限が無くなり、たくさんの方が動くようになって病気やケガの方が出てきた」
Q.病床は埋まっている状態ですか?
「病床は埋まっている状況です。ただ重症病床はそんなに埋まっていないが、他の病気の患者で病床が埋まっているところにコロナの方が加わってくるので、かなり忙しい状況」(山本尚範医師)

この年末年始、名大病院で入院していた患者の大半が60歳以上の高齢者、ワクチンを複数回接種した人がほとんどなので、コロナの重症肺炎ではなく、コロナをきっかけに体調を崩した人が多いといいます。

年末年始、行動制限がなかったことで、今後、2月から3月にかけ、医療体制はひっ迫する可能性が高いといいます。

その理由のひとつがインフルエンザです。1月4日、厚労省は17の都道府県でインフルエンザが流行していると発表しました。

5日にはそこに三重県が加わり、今後愛知県、岐阜県でも流行するとみられています。

「コロナ禍に入ってからの3年間はインフルエンザの感染がほとんど無かったですから、免疫を持たない方が非常に増えています。この年末年始の移動があったので、東海地方でもインフルエンザの方が増えていくだろうと」(山本尚範医師)

さらに新な変異株も、今後の医療をひっ迫させる可能性があるといいます。

「今アメリカでは『BA.5』から『XBB.1.5』が急速に増えてきています。こういった変異株が入ってくると大幅に感染者が増える可能性は十分にある」
Q.変異株に移行すると、より感染力は高まる?
「例えば今アメリカで急激に出てきている『XBB.1.5』は、非常に免疫を逃れる力が強いと言われていますので、特に救急外来は2月・3月に非常に厳しい状態になっていくという気はしています」(山本尚範医師)

インフルエンザとコロナの同時流行、さらにアメリカで流行りつつある新たな変異株により、医療のひっ迫は桜が咲くころまで続く可能性があると山本医師は言います。その状況を防ぐ方法は、やはりワクチンだそうです。

「オミクロン対応の2価ワクチンを追加で打つことが、この感染の爆発的な増加を止める大きな力になる」
Q.XBB.1.5にもオミクロン対応のワクチンは効果を発揮する?
「いま日本で流行り始めているものも含めて、オミクロンが変異したものには間違いないので、従来の株とオミクロンの両方が入っている2価ワクチンは、ある程度の効果を示すだろうと考えられている」
Q.新型コロナ収束に向かうまでにはまだ時間がかかるか?
「残念ながらまだかかると思います。変異がずっと続いているのでワクチンとの“追いかけっこ”もある。インフルエンザと同じという所まではなかなかまだいかないので、社会としてどうやって人々を守りながら、社会生活も同時に守っていけるか。政府はしっかりと考えていただく必要があるかと思います」(山本尚範医師)

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