阪本順治監督がオリジナル脚本で、人間の業を切なく儚く描き、俳優の伊藤健太郎が主演する映画『冬薔薇(ふゆそうび)』が6月3日(金)より新宿ピカデリーほか全国で公開される。
主人公の青年・淳(伊藤)は、不良グループ同士の揉め事で足に怪我を負い入院するが、頼みのグループからも距離を置かれてしまう中途半端な男だ。そんなある日、淳の仲間が襲われる事件が起きる。
解禁となった予告篇では、心の距離を埋めることができないでいる淳の父・義一(小林薫)の「自分で気づくの待ってんだけどね」、そして母・道子(余貴美子)の「あんた、背筋がぞっとしたことなんてないでしょ」というせりふに続き、家族や友人、自分自身の過去と向き合うことなく、ずっと逃げてきた淳の姿を点描していく。
「俺さ、ひでぇことしてきたかなって」とつぶやく淳に、船の機関長・沖島(石橋蓮司)は「これからはするな」と諭す。予告篇に挟み込まれる数々の描写は、淳を取り巻く人々にも焦点が当てられ、それぞれに心の欠損を抱えた寄る辺なき者たちの物語の一端が垣間見えるものになっている。
■あらすじ
ある港町。専門学校にも行かず、半端な不良仲間とつるみ、友人や女から金をせびってはダラダラと生きる渡口淳(伊藤健太郎)。“ロクデナシ”という言葉がよく似合う中途半端な男だ。両親は埋立て用の土砂を運ぶ海運業を営むが、時代とともに仕事も減り、後継者不足に頭を悩ましながらもなんとか日々をやり過ごしていた。淳はそんな両親の仕事に興味も示さず、親子の会話もほとんどない。そんな折、淳の仲間が何者かに襲われる事件が起きる。そこに浮かび上がった犯人像は思いも寄らぬ人物のものだった……。
脚本・監督:阪本順治
出演:伊藤健太郎 ほか
配給:キノフィルムズ 製作:木下グループ
HP:https://www.fuyusoubi.jp/ Twitter:https://twitter.com/FUYUSOUBI_jp
