フランスの最高位であるレジオン・ドヌール勲章を受章し、晩年のピカソに師事した松井守男画伯の、原爆をテーマにした絵画展が東京・港区で開かれています。
港区が主催する今回の絵画展は、広島や長崎の原爆投下をテーマにした「レクイエム・ヒロシマ」、「ノーモア・ナガサキ」の2作品が展示されています。このうち、「レクイエム・ヒロシマ」はおよそ14年をかけて制作され、今回が世界初公開です。黒い雨の中に光や希望を描いた作品で、モデルとして、原爆などの悲惨さについて朗読活動をしている女優の吉永小百合さんが描かれています。
「ノーモア・ナガサキ」は犠牲になった老若男女が光になって昇天し、平和を願う愛の言葉をつぶやき続けている様子を描いているということです。松井画伯は「人間が人間を一度に何万人も殺すなんて。人間として悪魔。この悪魔性は悪魔であって人間じゃないから、それを排除する考えを絵を通して世界に広めていきたい」と語っています。
この絵画展は港区のみなとパーク芝浦で、8月15日まで開かれています。