秋日和 主題曲・ポルカ(昭和35年度松竹作品より)
里見弴原作によるこの映画「秋日和」の主題曲は美しい母娘(原節子、司葉子)のテーマというもので、弦の斉奏による音階のあと、さわやかな中にも一抹のわびしさを秘めて奏されます。特に娘の結婚を前にして母娘が榛名湖に旅行するシーンは、美しく思い出されます。
「ポルカ」は母の再婚話を進めるために娘の友人(岡田茉莉子)や亡父の親友(佐分利信)たちが色々骨を折る場面にしばしば現われる音楽で、軽快な曲にも拘らずなかなか画面を引きしめて評判の高かったものです。
他のポルカと同様アコーディオン、バイオリン、木管等が旋律を受け持っております。
(解説:斎藤高順)
小津安二郎映画音楽集
【収録曲】
1. 秋刀魚の味 主題曲/ポルカ/終曲
2. 秋日和 主題曲/ポルカ
3. 早春 主題曲
4. オルゴール「秋日和」より
5. 東京物語 主題曲/夜想曲
6. サセレシア「早春」「東京暮色」「彼岸花」より
7. 浮草 主題曲/ポルカ
8. 彼岸花 主題曲
9. 祭囃子「浮草」「秋日和」より
当時のオリジナル・サウンドトラック・スコアを使用し、音楽だけを再録した貴重なアルバム。
時代、国境を超えて愛される小津人気の秘密はここにもあった。
プロフィール
斎藤 高順(さいとう たかのぶ、Takanobu Saito)
1924年12月8日、東京深川生まれの作曲家、指揮者。
1947年、東京音楽学校(現東京芸術大学音楽学部)本科作曲科卒業。
1949年、同校研究科修了。
第二次世界大戦中、音楽学校在学中に陸軍戸山学校軍楽隊へ入隊。
戦後、ラジオや映画音楽を中心に作曲家として活躍した。
小津安二郎監督に認められ、「東京物語」から遺作となった「秋刀魚の味」までほとんどの小津作品の音楽を担当。
以後、映画や放送の音楽を担当する他、歌曲、ピアノ曲、器楽合奏曲、合唱曲など多数を作曲、出版。
1972年7月から1976年3月まで、航空音楽隊長(現航空自衛隊航空中央音楽隊長)を務めた。
音楽隊では初めての一等空佐(大佐)に就任した後、11年間に亘り警視庁音楽隊長を歴任。
その後、1986年尚美学園短期大学教授、1987年聖徳大学講師、他には日本作曲家協議会会員、自由作曲家協会会員、日本吹奏楽指揮者協会理事、日本国民音楽振興財団理事、日本吹奏楽指導者協会理事等も務めた。
2004年4月11日、虚血性心不全のため逝去(79歳)。
小津安二郎の映画音楽
