アメリカでも市中感染が疑われる事例が起こるなど、世界中で拡大の動きを見せる「オミクロン株」。専門家によると「変異の数が格段に多く」「ウイルスにとって有利な変異が起こっている」そんな指摘もあります。「感染力は高い」とされていて、「重篤度」についてはまだ分からない部分も多いそうです。今後、日本国内への流行もあるのでしょうか?いま、わかっている事をまとめました。
■オミクロン株今わかっていること
山内あゆキャスター:
オミクロン株が確認されてから南アフリカでの陽性者数がどうなっているのかを見ていきます。
最初に確認されたのは11月8日、11月24日にWHOに報告がされました。
そのあたりは3000人前後で推移しています。しかしこの11月29日から直近3日で5倍にまで増えて1万1535人の陽性者が確認されています。
この陽性者の検体をゲノム解析してみるとどうなるのか。10月にはデルタ株の感染者が92%だったのに対して、11月、デルタ株は22%まで減って、オミクロン株が74%と、急速に置き換わっているということがわかります。
では一体どういう人が陽性者になっているのか、傾向はあるのか。南アフリカ医師会のコエツィ会長に聞きました。
南アフリカ医師会コエツィ会長:
オミクロン株、どんな人が感染?
「南アフリカの大きな病院でもオミクロン株の感染者は増えている。そして、感染者のほとんどが若者か子ども」
だということです。
オミクロン株の症状は?
・最初の1日、2日は強い疲労感、その後、頭痛や体の痛み
・味覚・嗅覚障がいはそんなに見られない
・症状の多くは軽症
ただ、やはり注意が必要です。
南アフリカ医師会コエツィ会長:
「まだ症例が少なく、高齢者や基礎疾患のある人にどんな症状が出るのかわからない」
ホラン千秋キャスター:
松本さん、これまでも感染が拡大し始めてから、だいたい遅れて1か月後ぐらいに重症化する方々が増えてくるという傾向が今までもありましたけれども、その感染力の高さと重症化率の高さというのはどういう関係性があるのか教えてください。
国際医療福祉大学松本哲哉主任教授:
少なくとも感染力の高さというのは、その人の体の中で相当増えて、そしてそのウイルスが他の人に撒き散らされると、どうしても感染力が高くなるというのは言えると思います。病原性については、やっぱりその肺の中で、もっと、どんどんどんどん増えていかなければいけないし、いろんな肺だけじゃなくて他の血管内にも入っていくと、それがやはりいろんな合併症、その他を起こしますので、そういう意味では、かなり近い部分ではあるんですけど、感染力が強いけど、だけどやっぱり重症化しないという場合もありますので、個別に考えることになると思います。
ホランキャスター:
今後も変異株というのは出てくる可能性があるわけなんですけれども、変異株が出てきたときに気をつけるべきことなどあるんでしょうか?
国際医療福祉大学松本主任教授
やはり今回のオミクロン株で学んだように、新たな変異株、しかも今までとはちょっと考えられないようなものがまた新たに出てくる可能性もまだあるわけですね。そういったものが本当は出てから初期の段階で、それほど流行してない段階で見つけて対応すれば、ある程度そこの部分だけで抑え込むことができるかもしれませんけど、今回オミクロン株も見つけてある程度警戒すべきっていうふうになったとしても、もういろんなところに広がってしまっていると。やはり早期の段階で見つけて対応するということがやっぱり大事なんだろうと思います。
井上貴博キャスター:
変異はずっと続いていくものですし、新型コロナウイルスであることは変わらないという前提で、一つ一つ正しく恐れるということなのかもしれません。
山内キャスター:
それではオミクロン株について今わかっていることを簡単にまとめます。
まず専門家が懸念している最大の特徴について。
防衛医科大学校病院藤倉雄二感染対策室長:「これまでの変異株より変異の数が格段に多い。ウイルスにとって有利な部分が変異していて厄介」
それがどこかというと、コロナウイルスにはスパイクタンパク質という突起があります。オミクロン株の場合、ここに30もの変異があるそうなんです。ちなみにデルタ株は10程度なので3倍もの変異が確認されています。ここからウイルスが侵入することを考えると、これは厄介。
では、今わかっていること、厚生労働省によると・・・
■感染力
高い可能性があります。さらにヨーロッパでは数か月以内に半数以上をオミクロン株が占める可能性が考えられるということです。
■ワクチン効果
弱める可能性を指摘しています。また、再感染リスクとして、一度かかってもまたかかる場合が高い可能性があるとのことでちょっと心配です。
■重篤度
まだ十分な疫学情報がなく不明。
こういうことをまとめて、厚労省アドバイザリーボードの脇田隆字座長は
「感染性、病原性、重症化、ワクチンの感受性など、重要なところがわかっていない。今は基本的な感染対策を継続していくということ」
が大事だと話していました。
ホランキャスター:
松本さん、このオミクロン株は変異している箇所が大変多いということが話題になっていますけれども、変異がたくさんあること自体が脅威なのか、それとも一つでも脅威のある変異をしているウイルスの方が、変異の数が少なくても危険なのか、どう分析していけばいいのでしょうか。
国際医療福祉大学松本主任教授:
数だけではなくてですね、その重要なその箇所がどこまで変わるかという、やっぱり性質がどこまで変わるかっていうことなので、当然数が多ければ重要な部分は変わりやすいかもしれませんけど、あまり根本的じゃないとこがどんどん変わるならば、あまり影響ないわけですね。なので今回はかなりそこの重要な部分も変わってるという可能性はあるとは思います。
ホランキャスター:
場所が肝心ということですね。
国際医療福祉大学松本主任教授:
そうです。
井上キャスター:
毒性が弱ければ、感染力が強くてダーッと広まっても特に恐れることはないと言われている中で、今現時点ですと、ほとんどが軽症という方、無症状の方が多い。これはワクチンが効いているのか。はたまたウイルスの毒性が弱まったのか。この二つが考えられるということですか。
国際医療福祉大学松本哲哉主任教授:
そうですね。やっぱりワクチンを打っていても、確かに感染はするかもしれませんけど、結構報告されているのは重症者が少ないということなので、ワクチンの影響は確かにあると思います。ただワクチンを打っていない人がどれぐらい重症化してるのかっていうデータがないので、もうちょっとですね、そこら辺も見極める必要があるんだろうと思います。
井上キャスター:
そうすると今までと同じ感染対策を個人では行っていき、3回目接種についてはリスクの高い方にできれば打っていただきたい、そういった感覚でしょうか?
国際医療福祉大学松本主任教授:
そうですね。おっしゃる通りだと思います。(03日18:30)
