羽生結弦、浅田真央らが挑んできた「アクセル」 その名の由来とは
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フィギュアスケート男子で五輪2連覇中の羽生(ANA)は、世界で誰も成功したことのないクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に挑戦している。かつては女子の伊藤みどり、浅田真央がトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を切り札に活躍するなど、日本でもなじみの深い「アクセル」。その名称の由来とは。

 フィギュアスケートには、アクセルを含めて6種類のジャンプがある。アクセル以外は踏み切りも着氷も後ろ向きだ。唯一、前向きに踏み切って後ろ向きに着氷するアクセルは半回転多く、最も難易度が高いとされる。基礎点で比較すると、他の5種類の3回転ジャンプは4・20~5・90点だが、トリプルアクセルは8・00点。羽生が練習中のクワッドアクセルは12・50点となる。

 アクセルといえば、自動車を加速させる際に踏み込むペダルを連想しがちだが、関連はない。1882年にシングルアクセル(1回転半ジャンプ)を考案した男子選手、アクセル・パウルゼン(ノルウェー)の名が由来とされる。パウルゼンは1976年に世界殿堂の表彰制度が発足した際、最初に殿堂入りした一人だ。スピードスケートでも世界トップレベルの選手で、スピード用の靴でアクセルジャンプを跳んだという。

 他にも、アクセルに次いで基礎点が高い「ルッツ」は、男子のアロイス・ルッツ(オーストリア)が1913年に披露したことで名付けられた。安藤美姫が女子選手で世界初となる4回転を跳んだ「サルコウ」は、世界選手権の男子で10回も優勝したウルリッヒ・サルコウ(スウェーデン)が1909年に考案。いずれも発案者の名前から命名された。
Video: https://youtu.be/o7C05q2atpY