洞窟から少年ら13人が助け出されたタイ北部チェンライで、地元の芸術家らが、救出劇の情景を巨大な絵画に描いている。活動中に亡くなった男性ダイバーの銅像も制作中で、どちらも洞窟近くに建設される記念館に展示し、教訓を後世に伝えたいと考えている。
チェンライ中心部の芸術センター前では7月17日、縦3メートル、横13メートルに及ぶ巨大な絵画の制作が大詰めを迎えていた。10人ほどが手分けして絵と向き合い、高い場所は足場を組んでの作業だ。
絵は巻物のように左から右へと情景が変わる。閉じ込められた当初は暗い色彩で始まり、排水や英国人ダイバーによる発見、潜水隊による全員救出、入院までと、次第に明るくなる。間もなく完成予定だ。
タイの著名な芸術家、シャルムシャイ・コンスィピパットさんが1千万バーツ(約3380万円)を寄付して呼びかけ、地元の芸術家ら約300人が参加。建設予定の記念館にこの絵やダイバーの銅像、救助に使われた器具などが展示される。
参加者の1人は「ここで何が起きたのか。教訓と世界からの支援を次世代へ伝えたい」と話した。