「イランカラプテ(こんにちは)」。アイヌ語のあいさつが来場者らを出迎えた。アイヌ文化の復興・創造拠点をめざす北海道白老町の「民族共生象徴空間」(愛称・ウポポイ)が7月12日、一般公開を始めた。アイヌ民族をテーマにした全国初の国立施設。
入り口前には早朝から、約300人が列を作った。新型コロナウイルスの影響で、オープンが2度延期され、2カ月半ずれ込んだ。感染防止対策で入場者を制限し、初日は上限2千人に抑えられた。
セレモニーでは、政府を代表して刀禰俊哉・内閣官房アイヌ総合政策室長が「ウポポイはアイヌの方々の誇りが尊重される政策の扇の要として期待されている」と力を込めた。加藤忠・北海道アイヌ協会常務理事は「アイヌは寛容の精神を持っている。対話と交流を通じて、ウポポイができた」と述べた。
