東京オリンピックの開幕まで1週間です。IOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長は16日、広島県を訪れました。バッハ会長は14日、菅総理大臣に「感染状況が改善した際には観客を入れてほしい」と要望していたことが分かり、波紋を広げています。
広島の平和公園は物々しい雰囲気に包まれていました。多くの警察官が周囲の警戒にあたり、一部にはゲートが置かれ、一般の人が入れないようになりました。
IOCのバッハ会長が来るからです。
原爆慰霊碑に献花をし、原爆資料館を見学。被爆者の梶矢文昭さんとも面会しました。
今回の訪問はオリンピック・パラリンピック期間中の休戦を呼び掛ける「オリンピック休戦決議」の期間に16日から入るなか、「平和の祭典」をアピールするのが狙いです。
IOC・バッハ会長:「東京2020オリンピック・パラリンピックは、より良い、より平和な未来への希望の光となる」
ただ、ゲートの外では抗議活動が行われていました。
8・6ヒロシマ大行動実行委員会・門田直子さん:「もちろん、オリンピックをこれだけの反対意見のなかで強行することも許せないですし、そのために被爆地を利用して、ある意味、世界的なキャンペーンに使おうとしていることが許せないですね」
献花の様子を見ていた被爆者の箕牧智之さんは・・・。
広島県原爆被害者団体協議会・箕牧智之理事長代行:「バッハさんが来られることに、もろ手を挙げて賛成したわけではない。今回の五輪は『復興五輪』と言われたんですよ。『復興五輪』なら福島に行かれたらいいのに、なんで広島、選ばれたんだろう」
バッハ会長は15日も・・・。
記者:「バッハ氏、あなたは嘘つきだ。空港は危険だ、バブルは壊れている」
小池都知事と会った際も抗議されていましたが・・・。
IOC・バッハ会長:「困難な旅路ではあったが、歴史的なオリンピックになります」
政府関係者によりますと、先日、菅総理と会談した際、こんな要望をしていたことが分かりました。
IOC・バッハ会長:「感染状況が改善したら観客を入れることも考えてほしい」
これに対して菅総理は「感染状況が大きく変化した場合には改めて5者協議を開いて検討する」と応じたということです。
総理官邸は、このやり取りについて公表していませんでした。
一部の競技は21日にも始まりますが、感染状況に改善の見込みはありません。
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