東京オリンピックの観客の上限を1万人とすることが、21日に正式に決まりました。ただ、開会式で観客とは別に「関係者枠」を設けることには、反発の声が出ています。

■五輪観客「収容定員の50%以内で1万人」

 東京オリンピック開催に向けた最終調整の場として、21日に政府や東京都、IOC(国際オリンピック委員会)などによる5者協議が行われました。

 最大の議題となったのは、観客数の上限を何人にするかです。

 先週、政府分科会の尾身茂会長は、「無観客が望ましい。観客を入れるなら、移動を避けるため、地元の人に限る」としていました。

 協議の結果、観客の上限は、すべての会場で「収容定員の50%以内で1万人」とすることで決まりました。ただし、感染拡大の場合、無観客にする可能性もあるとしています。

■開会式2万人より少なく・・・関係者は「別枠」

 一方、開会式については、観客とは別枠で、各国の要人やスポンサーの招待枠などを加え、2万人を上限とする案が検討されていると報じられていました。

 協議後、大会組織委員会の武藤敏郎事務総長は、「この大会運営に関係する人たちは、主催者であって観客ではない観点から、(観客)1万人というものと別と考える。一部で(開会式は)2万人との数字があるが、今精査中なので、具体的な数字までは申し上げられない。明らかに少ない数字になると思う」と話しました。

 開会式の全入場者は、2万人よりは少なくなるとの見通しを示す一方、大会関係者は「別枠」と考えるとしています。

■水際対策で“新問題”・・・濃厚接触者は移動

 今後、東京オリンピックに参加するため、来日する選手や関係者は5万人を超えます。

 ところが、水際対策で新たな問題が起こりました。

 19日に来日した、9人のウガンダ選手団。成田空港の検疫でコーチ1人の感染が判明しましたが、濃厚接触者の調査もなく、滞在先の大阪府泉佐野市へ、残りの8人が移動していたことが明らかになりました。

 政府側は、濃厚接触者かどうか調査するのは、受け入れ先の自治体だと説明しました。つまり、空港検疫で陽性者が出ても、濃厚接触者は移動してしまうことになるのです。

 今回、選手団と同じ飛行機に乗っていた、約80人の一般客についても、その後の行動や感染者が出たかどうかは把握していないとしています。

 泉佐野市によりますと、ウガンダの選手8人は、21日のPCR検査の結果、陰性だったということです。
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