コロナ禍でも起こってしまう災害からどのよう避難すべきか。訓練そのものが次々と中止になる中、関西周辺の3か所で行われた避難訓練を取材した。
徳島県は北島町の県立防災センターで1泊2日の避難所の設営・運営訓練を行った。地域の防災リーダーら25名が参加した。段ボールのパーティションやベッドを組み立てて、一晩を過ごした。参加者からは「段ボールで組み立てたベッドは、思ったよりも快適だった」「暑さで目が覚めてしまった」などの感想が寄せられた。県の担当者は「実際に宿泊することで避難所をイメージしやすい。参加者がそれぞれの地域に持ち帰り、経験を生かしてほしい」と話した。
岸和田市内のこども園で、大阪府の880万人訓練に合わせて避難訓練を実施。地震発生の園内放送が流れると園児らはいっせいに机の下に隠れた。近くの老人ホームへと避難した。昼食は園庭でビニールシートの上で、ラップでおにぎりを作り食べた。ラップは水が貴重になり食器が洗えないことを想定したという。防災食育を取り入れた訓練を行っていた。
兵庫県が主催で消防、警察、自衛隊などが参加し尼崎市で合同防災訓練が行われた。設置された避難所内には熱のある避難者のためのゾーンが確保され医療関係者が診察の流れなどを確認した。
防護服姿で対応する姿に新型コロナがすぐそこにある脅威というのを改めて実感した。それでも「災害は待ってくれない」取材先で聞いたこの言葉が強く印象に残った。模索しながらも体験することが備えにつながると感じた。
8月31日から9月1日 徳島県北島町
9月4日 大阪府岸和田市の東光こども園
9月20日 兵庫県尼崎市で取材