新型コロナの感染を防ぐため、入院中の子どもと会えなくなってしまう。そんなケースは少なくありません。そんな中、幼い姉妹が半年ぶりにオンラインで面会。病気と闘う妹にもある変化が起きました。
赤荻歩アナウンサーの取材です。

「なんか、かわいい。すごい、目をパチッとした」(はなちゃん)
はなちゃん(5)が、妹・ゆめちゃんに微笑みかけます。脳に病気があるゆめちゃんは、去年5月に生まれてからずっと病院のNICU=新生児集中治療室にいます。そんな妹に面会するのが、はなちゃんの楽しみでした。

ところが今年2月、新型コロナの感染防止のため面会は両親だけに。
はなちゃんは、妹に会えなくなってしまったのです。

 「今はきょうだい面会が禁止になって」(母親)
 「はなちゃん入れない」(はなちゃん)
 「入れないと寂しい?」(赤荻歩アナウンサー)
 「(うなずく)」(はなちゃん)
 「ゆめちゃんに会いたい?」(母親)
 「(うなずく)」(はなちゃん)

もう、半年以上も会えていないはなちゃんと、ゆめちゃん。
なんとか2人をつなごうと、病院が動きます。
 「つながりました。寝てますね」(母親)
 「ゆめ?ゆめ?ゆめ寝てる」(はなちゃん)

タブレットを使ったオンライン面会です。
離れていても、絵本の読み聞かせもできます。
病院は、なるべく長い時間、病院と家をオンラインでつなぐことにしました。1週間の試験的な措置です。すると・・・。
 「今、ウインクした」(はなちゃん)

早速、ゆめちゃんに変化が・・・。
「お母さんやきょうだいの画像を見て声を聞いていると、すごく機嫌が良くて、表情が豊かになって画面を触ろうとしたりとか、成長発達に大きな意味があるのかなと感じている」(神奈川県立こども医療センター新生児科・斎藤朋子医師)

一方、家にいるはなちゃんは・・・。
「行ってらっしゃーい」(はなちゃん)

朝には、一緒にお父さんの出勤をお見送り。
テレビをみるときも、かたわらにはタブレットを置いて。
 「ゆめちゃん、怖い怖いって」(母親)
 「怖い?ゆめ?」(はなちゃん)

ピアノの練習も、そばでゆめちゃんに聞いてもらいます。
 「ゆめー、いい夢みてね」(はなちゃん)

一日の終わり、「おやすみ」する時だって一緒です。
 「2人が同じ空間で寝ているような感覚で」(母親)

「おはよう」から「おやすみ」まで“一緒にいられる”ことについて、はなちゃんは・・・。
 「今が見られると、今寝ているかなとか、今起きているかなとか、今笑っているかなとか、そういうのが見られるからとてもうれしい」(はなちゃん)
 「ゆめちゃん喜んでくれるとうれしい?」(赤荻歩アナウンサー)
 「もしかしたら『お姉ちゃん』って分かったかもしれない」(はなちゃん)
 「生活の中にゆめちゃんがいるような感覚なので、自然と家族でゆめちゃんの話をしているので、4人家族ということを改めて感じることができてすごく幸せです」(母親)

また、抱きしめられる日を願って・・・。
はなちゃんはゆめちゃんに優しく語りかけます。
 「ゆめー、ねーねだよー」(はなちゃん)

この取り組みは、たくさんの協力、理解、支援があっての研究プロジェクトです。実際、赤ちゃんの表情もよく、病状の安定にもつながっているのではないか、そういった子どもへの影響やセキュリティーなどのさまざまな課題を乗り越えて実現、広げていきたいと医師は話します。

(Nスタ 8月30日放送)