7月の記録的豪雨から3カ月が経った4日、球磨川の氾濫で市街地が水没した熊本県人吉市で、被災者への家具や家電の無料配布会があった。9月下旬に亡くなった俳優竹内結子さんからの寄付で購入された布団も配られ、会場に置かれた竹内さんの写真に手を合わせる人の姿もあった。
企画したのは、同県南阿蘇村を拠点に活動するボランティア団体「ロハス南阿蘇たすけあい」。2016年の熊本地震を契機に、全国の被災地で重機を使った土砂運搬などに従事してきた。7月の豪雨の後は、被害が大きかった人吉市や芦北町、八代市坂本町で家電や家具の無料配布をしている。
竹内さんは、同団体代表の井出順二さんを特集したドキュメンタリー番組でナレーターを務めたことがきっかけで、16年末ごろから団体に毎月、寄付をしてきた。「直接は行けないけど、寄付を使って困っている方を救って下さい」というメールがよく届いていたという。
井出さんは「芯が通っていて、人の気持ちがよくわかる方だった。竹内さんの気持ちを受け継いで、一人でも多くの人を手伝っていきたい」と話す。
人吉市で12回目の配布会となったこの日、市内や隣の球磨村などからSNSによる呼びかけや口コミで知った約340人が訪れた。会場の寺の敷地にはタンスや食器棚、ソファなどの家具のほか、洗濯機、炊飯器などの家電製品、衣服、食器、玩具などが所狭しと並んだ。全国のボランティア団体が被災地支援として募り、集めたものだ。
その中に、竹内さんからの寄付による24セットの布団があった。会場には竹内さんへの感謝の気持ちを表すブーケも置かれた。
