3.26(金)ホワイトシネクイントほか全国順次公開決定!
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僕が試合会場で必ず撮っていたのは、選手達がバンデージを巻く姿でした。選手は黙って拳を差し出し、セコンドはその拳を守る為に黙々とバンデージを巻いていく。対面しながら静かに行われるその行為は、とても神聖で尊く見えました。リングに上がるのは一人ですが、バンデージを巻くのもほどくのも一人ではできない作業です。選手達が一人で闘っている(生きている)のではないことの象徴に見えました。
人はなぜ闘うのか?
『迷子になった拳』には選手達、運営関係者、そして彼らの傍らで確かな存在感を放つ家族達が登場します。力強く懸命に生きるそれぞれの魂の有り様は、揺らぎ、戸惑いながらも未来に踏み出そうとする姿として映し出されています。その姿は格闘技の枠を超え、もがきながらも未来に進もうとする現代人の、生きる為のヒントになるのではと思っております。
ーーー#今田哲史(『迷子になった拳』監督)
■INTRODUCTION
ミャンマーの伝統格闘技“ラウェイ”は、KO以外の判定による勝敗がない。最後まで立っていれば“二人の勇者”として讃えられる神聖な「世界で最も美しい格闘技」だ。
拳にバンテージのみを巻き闘う姿は、己と己の心身をぶつけ合う、本気の生き様を象徴させる。
ミャンマーから飛び出した“ラウェイ”が日本へと降りたった時、果敢にも挑戦する老若男女の姿がそこにあった。紛争により母国を追われ日本に行きついた者、自分自身の居場所を探し求める者、家族のために再び立ち上がった者、文化交流・精神性や哲学の流布に尽力した者、興行として文化活性化を目指す者……様々な人々がラウェイの世界に飛び込み、己の尊厳と敬愛、自己実現と欲望のためにもがき、奮闘する。
前半の物語をけん引する#金子大輝 と、後半の物語の主軸を担う#渡慶次幸平。本場ミャンマーの教えと日本のアウトローな体験を往来する金子に、様々な人々や状況が荒波となって押し寄せる中、日本の新しい潮流に乗ってのし上がっていく渡慶次。ラウェイという格闘技の枠を超えた「新世界」が、混沌と錯綜の果てに巡り合う時、ラウェイを取り巻く人々が魅せた激動の結末を、衝撃的に描き出していく。
険しく困難なその道に挑戦する者こそ、己の生き様を誇りとして人生の輝きを見出すだろう。
ハンセン病元患者の国賠訴訟の一年後を追った映画『熊笹の遺言』(2004)から16年の時を経て制作された、今田哲史監督の新作ドキュメンタリー映画がここに誕生した。
