【医療者向け・音声のみ】オミクロン株流行下における血液悪性腫瘍患者のCOVID-19重症化抑制戦略 Journal of Antimicrobial Chemotherapy

Strategies for mitigating severe COVID-19 in patients with haematological malignancy during the omicron era
Journal of Antimicrobial Chemotherapy
https://doi.org/10.1093/jac/dkaf489

背景:新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)オミクロン株の出現以降、疾患の重症度は低下しているものの、血液悪性腫瘍(HM)患者にとってCOVID-19は依然として重大な脅威であり続けています。繰り返しのブースター接種は免疫不全者の重症化予防効果を高めますが、有害な転帰をたどるリスクは依然として高いままです。このことは、感染の予防と治療のための効果的な薬理学的戦略が極めて重要であることを強調しています。
内容:本総説では、HM患者におけるCOVID-19重症化予防のための現在の戦略について、曝露前予防(PrEP)と早期治療に焦点を当てて検証します。新たなモノクローナル抗体が開発され、効果的な曝露前予防策が提供されています。抗ウイルス薬やモノクローナル抗体は、HM患者の重症化を抑制する有効性が示されていますが、一部の患者、特に高齢者においては重篤な疾患や死亡のリスクが残っています。
知見:数ヶ月にわたる遷延性感染も一般的であり、特にリンパ系悪性腫瘍の患者において顕著です。持続的なウイルス排出と進行中の変異は、慢性症状に関連している可能性があり、パンデミックを長期化させた懸念される変異株(VOC)の発生源となっている可能性が高いと考えられます。
結論:HMのサブタイプや高齢といった因子は、重症化や感染遷延のリスク因子ですが、個々のリスクを正確に予測するツールはありません。この不確実性を考慮すると、この脆弱な集団における有害な転帰のリスクを最小限に抑えるためには、迅速な医療機関への受診、タイムリーな抗ウイルス薬の処方、そして綿密なモニタリングが不可欠です。

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