【医療者向け・音声のみ】デング熱新薬モスノデンビル:予防効果と耐性リスク NEJM

皆さん、こんにちは。靴オレディオです。 この番組は複雑に入り組んだ感染症液に 鋭いメスを入れ、様々な謎や疑問を徹底的 にするポドキャストです。それでは皆さん ご一緒にせの靴レディオ ザディーープダイブへようこそ。いやあ、 今回がシェアしてくれたこのロンドン 面白かったですね。 した。あの、ザニューイングランドジャーナalオブメディンで発表される内容をこうして一速先に読めるなんてちょっと興奮します。 え、本当に伝列という、ま、人類の長年の敵に対して科学がどう立ち向かうかという最前線ですよね。 [音楽] まさに全く新しい武器を開発したぞと。でもじゃあその武器は本当に効くのか思わぬ弱点はないのかっていうなんかこう初めて実践投入した記録みたいなスリリングリング差がありました。 はい。はい。 なので今日のミッションはですね、このモスノンビルという新薬が本当に未来を変える一手になるのか、その可能性と課題を皆さんと一緒に深く深く掘り下げていきたいと思います。 いいですね。じゃあまずそもそもなんでこんなに新しい薬が待されてるのかというところから行きましょうか。 お願いします。 あの電熱の厄介な点からですけどもご存知の通り蚊がするウイルスですが はい。実はウイルスに4 つも異なるタイプ欠成型っていうのが非常にトリッキーなんですよ。 DNV1から4まで。 ああ、それで話がやこしくなるんですね。そうなんです。しかも気候変動の影響で可能性がどんどん広がっていて、もはや熱帯だけの病気じゃない。アメリカとかヨーロッパでも少が国告されてるくらいですからね。 でも確かワクチンはあるにはあるんですよね。 ええ、 それがこう決定団になっていないと。 まさにそこが問題でして、 1 度あるタイプの電熱にかかった人が次にまた別のタイプのウイルスに感染すると帰って重症化しやすくなることがあるんです。 うわあ、それはやっかりですね。 ええ、だからワクチンもその人の過去の感染歴によって効果が左右されちゃうっていう複雑さがある。 それに効果が出るまで時間がかかるので、今まさに流行りが起きてるぞっていう地域に乗り込んでいって、すぐ人々を守るみたいな使い方がしにくいんです。 なるほど。つまりアウトブレイクの際にすぐ使えたり、流行地域への渡者が予防的に飲めたりするような速攻性のおる傾向薬が求められてるわけですね。 そうなんです。喉から手が出るほど欲しかった。そこにこのモスの電が登場したというわけです。 なるほど。 背景が分かると画然面白くなってきますね。ではその期待の新人モスノデンビルとは一体何者なんでしょう? これは蛍光灯与つ飲み薬ですね。飲み薬として使える低分子の高ウイルス役です。 はい。 で、作用の仕方が非常にユニークで電が自分を複製してこう増えていく過程でどうしても必要になる 2つのタンパ質がありまして、 NS3とNS4B って言うんですけど、この2 つがガチャンと結合するのを邪魔するんです。 なるほど。ウイルスのコピー機に噛染まりを起こさせるようなイメージですかね。 ああ、まさにそんな感じです。 結合させないことで増殖のプロセスそのものを止めてしまうと。 その通りです。 そしてここからがこの研究の本当に面白いところなんですが、 お何でしょう? その効果を確かめるためにコントロールドヒューマンインフェクションモデル、日本語で言うと人チャレンジ試験という、ま、かなり大胆な手法が使われてるんです。 人チャレンジ試験言葉だけ聞くとちょっとドキッとしますけど、これはどういうものなんですか? これはですね、健康なボランティアの方にもちろん厳格な倫理的な配慮のもであえて病原性を弱めたウイルスを摂取するんです。 へえ。あえて、 ええ、で、それによって薬の効果を直接見る。普通現実世界だと誰がいつウイルスに感染するかなんて、まあ、コントロールできないじゃないですか。 確かに。 でもこの方法なら管理された環境で決まったタイミングでウイルスに暴露させるので薬が本当に感染を防いだのか、それとも防げなかったのかがもう非常にクリアに分かるんです。 承認重でも質の高いデータが得られる。 はい。 ワクチンの開発なんかではすでに実績のあるすごくパワフルな手法ですよ。 なるほど。非常に密に計画された試験だということがよくわかりますね。参加者は電熱にかかったことのない健康な星人で、 ええ、 彼らをいくつかのグループに分けたんですよね。犠牲薬プラセボを飲むグループとモスの電を飲むグループ。 そうです。 さらに薬を飲むグループはその量によって低中紅葉料の 3段階に分けたと。 その通りです。で、東洋与のスケジュールもこれまた巧妙で ほう。 まずウイルスを摂取する前日からちょっと多めに薬を飲んでもらうんですよ。 前日から。 ええ、これをローディングドーズ初回投用量って言います。体の中の薬の濃度をウイルスと戦えるレベルまで一気に高めておく。いわば戦闘準備ですね。 ああ、なるほど。オープンを余熱しておくみたいな感じですかね。 いい例えですね。まさにそれです。 で、その準備が整ったところで維持量に切り替えた初日に弱毒化した電宮ウイウイス参加体を非摂取すると なるほど。薬の防御毛が空場中に張り巡らされている万全の状態で敵つまりスを迎え打つわけですね。 そういうことです。これで感染を防げるかどうかを検証したということですね。 いや、ここまで準備を整えていよいよウイルスを投入したわけですが、やっぱり 1 番知りたいのはで聞いたのってことですよね。 え、もう結論から言うと見事に聞きました。 おお。 特に紅葉領軍ではその効果はもう劇的でしたね。この試験で 1番重要視されたのは 29 日間のチェ中の層ウイルス量だったんですけど はい。 プラセボ軍と比べて高量軍のウイルス量は統計的にも極めてはっきりと低かったんです。 ほう。 これはもうこの薬がウイルスの増殖を明確に抑制したことを示すぎない証拠と言えます。 それはすごい。 でも本当に驚くべきは多分ここからなんですよね。 そうなんです。ウイルス量が少なかったっていうレベルじゃなくてですね。ウイルスが全く検出されなかった。つまり感染を完全に防いだ人がどれだけたか。 おお。 プラセボ軍では当然ですけど全員が感染しました。予防率は 0%です。 まあそうなりますよね。 ところがモスノ伝軍では 10人中6人、実に60% の人がウイルスに全く感染しなかったんです。 60% ですか?いや、もちろんすごい数字だとは思うんですけど、逆に言うと 1番薬をたくさん飲んだグループでも 4 割の人は感染してしまったとも言えますよね。これって予防薬としては果たして十分な成績なんでしょうか? いや、鋭ごい指摘ですね。確かに 100%ではない。ええ、 でもこれはあくまで初期の試験で最適な使い方を探っている段階なんです。その中で過半数の人の感染を完全にブロックできたっていうのはもう画期的と言っていい成果です。そしてもっと重要なのが容量依存性がはっきりと見えたことなんです。 容量依存性ですか? ええ、薬の量に依存するということですね。 ああ、なるほど。 薬の量が少ない洋軍では感染を防げた人はいませんでした。 0です。中央領軍では6人中1人17% そして紅葉領軍では 10人中6人60% ああ、綺麗な階段になってる。 そうなんです。このように薬の量を増やせばちゃんと効果も上がっていく。これが見えると研究者としてはよし偶然じゃないぞってすごく自信になるわけです。薬が効いてる何よりの証拠ですから。 なるほど。そういうことですか。 薬の量と効果が綺麗な比例関係にあると。 ちなみにウイルス量を減らすだけじゃなくて実際の症状にも影響はあったんですか?電熱の典型的な症状の 1つに発信がありますよね。 よくぞ聞いてくれました。そこも綺麗な容量依存性が見られました。 ほう。 プラセボ軍では100% 全員に発信が出ました。 全員。一方、モスの電軍では低容量で 83%、中容量で 50%、そして高量では30% まで低下したんです。30%? ええ、ウイルスを抑えるだけでなく目に見える症状も軽くしている可能性が強く示唆された。これも非常に大きな成果です。 ここまで聞くともうまさに夢のような薬に思えてきます。 でもこれだけウイルスの増殖を強力に抑えるとなるとやっぱりからへの負担気になりますよね。参加したボランティアの方々は大丈夫だったんでしょうか? はい。全体として安全性は高かったと言えます。報告された有害事称のほとんどは軽度から中東度。薬が直接の原因とされる重得なものはなかったとされています。 それは良かった。ただ1 点だけ注意すべき報告があって公葉領軍の参加者の 1 人が中東度の光戦便症つまりに対して肌が花瓶になる症状を理由に試験開始 4日目で参加を取りやめてるんです。 ああ、そういうこともあったんですね。 ええ、これは今後より多くの人で試験を進める上で注意深く見ていくべき点でしょうね。 なるほど。 ですが、この論文におけるもっと大きくて、ある意味では最も興味深い課題はまた別のところにありました と言いますと、 高ウイウイス役を語る上で避けては通れない体性の問題です。 体制つまり薬が効かなくなるウイルスが出てくるという話ですね。その通りです。研究チームは薬を飲んでいたにも関わらずウイルスが検出された人たちのウイルスの遺伝子を調べたんです。 はい。 その結果衝撃的な事実が判明します。 何ですか? ウイルスが検出されたモスノ伝。その税音から薬が標的とする NS4B タンパク質にアミノさんの変異が見つかったんです。 ぜ、全員からですか? 全員です。一方でプラセボ軍の 7 名からは変異は一切見つかりませんでした。 ということは薬を使ったことでウイルスが変異してしまったと。 そう解釈するのが自然ですね。 これは洗濯圧って呼ばれるもので。 洗濯圧。 ええ、例えば畑に強力な女装剤を巻くとほとんどの雑草は枯れますけど、ごく稀れにその女装剤にちょっとだけ強い個体が生き残ることがある。 はい。はい。 で、その生き残りが子孫を残すと次の世代は女装剤に強い雑草だらけになってしまう。薬がウイルスに対してやってるのはまさにこれと同じことなんです。 うわあ。 ウイルスが必死に姿を変えて薬から逃げようとしていると。 それはちょっと怖い話ですね。せっかくの薬が効かなくなる可能性があるってことですから。 ええ、ただこの発見は 2つの側面を持ってるんです。 と言いますと、1 つはおっしゃる通り将来的な体制ウイルスの出現というリスク。これは今後の研究で厳重に監視しなければなりません。 しかしもう1つの側面はこの NS4B の変異が見つかったこと自体がこの薬が本物であることの裏返しでもあるということです。 ああ、なるほど。 ウイルスが必死に姿を変えて逃げようとするほど的確に急症ついている証拠ですから。 希望と課題が同居した非常に重要なデータなんですね。 まさに なるほど。いちごっこの始まりを告げているようでもあり、武器が本物であることの証明でもあると。いやあ、深いですね。 さて、これらの情報を整理するとこの論文から何が言えるでしょうか? はい。この新薬モスノ伝特に紅葉で一チャレンジ試験という管理された環境化においてデングウイルス 3 型の感染と症状を確かに予防できることを示しました。 ええ、 そして何よりNS3とNS4B の結合を阻害するという全く新しい作用のメカニズムが人でも有効であることを証明した。これは紛れもなく画期的な第一歩です。 ただしこれはまだスタートラインに立ったばかりということでもありますよね。 まさに今回の試験は悪くまじ初期の第 2層臨床試験です。 そして人チャレンジ試験は強力な手法ですが、現実の世界そのものではありません。 ふむ。 実際の流行地では今回使われた 3 型だけじゃなくて他の方のウイルスもいますし、様々な人種、年齢健康状態の人がいる。そういうより複雑な条件化で本当に有効なのかを確かめる必要があります。 まさにここからが本当の青年場というわけですね。 A 論文にも書かれてますが、次のステップとしてすに実際の流行地域で予防効果を検証するより大規模な第 2層臨床試験が計画されています。 おお、すでに。 はい。そこで得られるデータがこの薬の進化をそして我々の未来を左右することになるでしょう。 いや、非常に楽しみです。では最後にこの論文を読んであなたと一緒に考えたい問を 1つ。 はい。 この研究はあくまで予防つまり感染を防ぐことに焦点を当てていましたよね。 ええ、そうですね。 でもこの薬の根本的な働きはウイルスの増殖そのものを止めることです。だとしたらすでに電熱を発症してしまった患者への治療薬としての可能性はどう考えますか?論文には直接書かれてはあいませんでしたが、次に探求すべき非常に興味深い問だとは思いませんか?大阪大学医学部付属病院感染症内科ではフェローそして大学院生を激しく募集しています。 集、大阪大学へ。

元の論文
Daily Mosnodenvir as Dengue Prophylaxis in a Controlled Human Infection Model

Citation
New England Journal of Medicine, 2025;393:2107–2118. Published November 27, 2025.

要約
本研究は、デングウイルス感染に対し、経口抗ウイルス薬 mosnodenvir(JNJ-64281802)の日次投与が予防効果を有するかを検証した、第2a相・二重盲検・プラセボ対照・ヒト感染モデル試験である。対象はDENV・Zika未感染の健康成人31名で、低用量・中用量・高用量の3群とプラセボ群に割り付けられた。参加者はmosnodenvirを5日間のローディング後、21日間の維持量を投与され、維持量開始日(Day 1)にDENV-3(rDEN3Δ30株)を皮下接種された。
主要評価項目は Day1–29のDENV-3 RNA負荷のAUC(log10 AUCD1–29)であり、高用量群とプラセボ群が主要比較群となった。結果、高用量群はプラセボ群と比較し ウイルスRNA量が有意に減少した(Tobit ANOVA, p<0.001)。感染(RNA検出・抗体形成・発疹のいずれか)を完全に抑制した割合は、低用量0%、中用量17%、高用量60%、プラセボ0%で、用量依存的な予防効果が観察された。
DENV-3 RNAの初回検出までの時間も用量依存的に遅延し、peak RNA量およびviremiaの程度も高用量で抑えられた。感染が抑制された参加者では抗DENV IgM/IgGや中和抗体も誘導されず、真に感染阻止が達成されたことを示していた。
NS4B領域のウイルスシーケンス解析では、mosnodenvir群14/14例で 薬剤圧によると考えられるアミノ酸変異が出現した一方、プラセボ群では検出されなかった。ただし、これらの変異はウイルス量や症状の増悪を伴っておらず、臨床的懸念は認められなかった。
安全性について、重篤な有害事象は認められず、多くは軽度〜中等度で自然軽快した。1例に光線過敏がみられ治験中止、別1例で追跡中にCOVID-19重症化がみられたが薬剤と明確な関連はなかった。
結論として、mosnodenvirの高用量日次投与はDENV-3感染の発症を有意に抑制し、ウイルス量を大幅に減少させ、安全性も許容範囲であることが示された。ヒト感染モデルで得られた本結果は、デング予防薬としてのmosnodenvir開発を支持する強力な初期エビデンスとなる。

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