【ネタバレ解説】映画ミーツ・ザ・ワールドがもっとおもしろくなるための徹底解説
 
 こんにちは。からクリしネマです。今回は 松井大子監督の映画ミーツザワールドを 原作の内容を補足しながら徹底解説して いきます。ライはなぜこの世界から消える ことが決まっていると言ったのか。ゆかり はなぜライを放っておけないのか。そして 物語のラストはどう解釈するべきなのか。 この2人の関係性はあなたの普通の定義を 壊します。いや、壊してくれるんです。 今回はこの作品が描き出す関係性とテーマ に迫っていきます。この動画は映画原作の ネタバレを含みますのでご注意ください。 それでは行ってみましょう。 主人公ゆかりは普通であることに縛られて 生きてきた女性です。社会の目、家族の 期待、おタ趣味を隠してしまう自分。普通 から外れたくないと思いながらもその窮屈 さに息き苦しさを抱えていました。そんな 彼女が出会うのが歌舞伎町でキャバ嬢をし ているライ。ラはこの世からいなくなる。 この世界からいないことが自然と話す騎士 燃料を持つ女性です。それが普通であり 自分に与えられたギフテッドだと前向きに 話すライと向き合いゆかりは新たな世界を 切り開いていくという物語です。自分の 世界には全く存在してこなかった人たち。 歌舞伎町でキャバ嬢のライヤ個性豊かな 人々と出会うことで少しずつ世界の見え方 が変わっていくのです。 キャラクターについて深掘りしていきます 。ゆかりはお仕活に日々を注ぎ込み、現実 世界では恋人もらず母親と暮らし、会社は ただの労働と考えています。いわゆる幸せ な一般像からは少し離れた位置にあります 。しかしお仕勝活という最大の情熱が彼女 の生きる欲望、生きる意味を活性化させて いるんです。ゆかりの推しとなる漫画作品 はミートイズバインと呼ばれ、焼肉のVを 擬人化したキャラクターたちが登場する 設定となっています。擬人化された キャラクターたちはV名を元にした名前で 、例えばみの君、ともさん、飼のみなどが 登場し、Vidのライバル関係や仲間関係 、コンプレックスなどがキャラクター感で 描かれているようです。作者の金原ひ自身 が擬人家というモチーフに興味を持ってい て、自分の好きなものを作品に落とし込み たいと思った時に焼肉を選んだと インタビューで話しています。焼肉は ジャンル分けもしやすく、世界観の構築に 面白みがあると考えたとのことですが、 物語の本質には関係ない割にちゃんと面白 そうな設定を作り込んでくるのがすごい ですよね。性肉系、内臓系、様々いる キャラクターの中でゆかりの推しはとも三 さんかことさ。リアルの世界ではあまり 楽しめていない様子ですが、このお仕活を 通じて彼女は聖に喜びを感じています。 それゆえに実について考えたこともないと いう彼女は一見陽キなのに死が近くに 結びついているライの気持ちが全く分から ない存在として描かれています。ライは 新宿歌舞伎町で働くキャバ嬢。華やかで どこか非現実的な雰囲気をまとった女性 です。整った外見とは裏腹に部屋は 散らかり内面には深い喪失と固を抱えてい ますがその全てを受け入れているようにも 見えます。そんなラの根底にあるのは自分 はこの世界から消えるのが自然という強い 信念です。彼女は何度も私は消えなきゃ いけないと口にします。それは単なる絶望 ではなく存在そのものに対する違和感から 来る言葉なんです。自分がこの世界に属し ていないという感覚。消えることでしか 自分らしくいられないという痛みを伴う 価値観を抱えています。そしてその思いは 他者との関係にも現れます。は常に周囲と 距離を取ろうとし、誰かに寄りかれたり 寄りかかったりすることはありません。 朝日、朝日は華やかなホストとして表の顔 を持つ一方で常に満たされない何かを抱え ている人物です。表面的には自信や社交性 があり、人を引きつける魅力を備えている ように見えますが、その裏側には居食、 不安、証人欲求、孤独がうまいていると 考えられます。朝日が言ういつも1人足り ないって思うんだというセリフは常に 満たされない何かを抱えていることを示し ています。巨職にまみれた感じのホストを 投票されつつ物事をストレートに感じ、 ストレートに反応するピアな人物でもあり ます。雪冷静で独絶な作家死亡の女性です 。他人の感情や行動を鋭く見抜き、必要 以上に干渉せず距離を置きます。人は他者 の行動を45°までしか変えられない。 そんな言葉に象徴されるようにユは現実を 冷静に見つめ、無理に他人を変えようとは しません。雪の生き方は過去の経験から 来るもの。かつて彼女は全倒な生き方を 信じ、家庭を築づき、子供を育てようとし ていました。理想の幸せを追いかけた日々 は心を削り次第に普通の生活から こぼれ落ちていきます。精神の均衡を保て ず家族と奪れた雪は他者に干渉せず生きて いくことを決めたのです。ゆかりはこの3 人との出会いを通じて新たな世界を感じ、 自分自身に心境の変化が起こっていくと いう物語なのです。 ここからはミスザワールドに登場する重要 なキーワードを紹介していきます。おし活 と現実。ゆかりのお仕活は現実の制約を 受けない理想世界です。キャラクターは 完璧で矛盾や不理が少なく自由に感情を 表現できます。ゆかりは自分の好みや価値 観をキャラクターに統映することで自己 肯定感を高めます。この世界では自分の 好きなものが正しいという確信を得られる 場所です。お仕活の世界では失敗や拒絶の リスクがほとんどなく感情を自由に流せ ます。ゆかりが安心して隙を全力で 楽しめるのはこの安全地帯があるからです 。また物語の中ではホストの世界を2.5 事件と表現しています。ひびやかで夢の ような空間ですが、そこには現実にはない 理想が散りばめられています。客に見せる 笑顔、演出された接客、物語のような日常 、現実の制約や人間関係の矛盾は一旦置い ておき、誰もが楽しめるように作られた非 現実的な現実。だからこの世界は2.5 次元と表現されるのです。現実の上に理想 や行が重なった世界、華やかさや自由は 魅力的ですが、そこに生きる人々もまた 理想と現実の間で揺れながら生きているの です。一方で現実は違います。他人は自分 の期待通りには動かないし、努力が向かわ れないこともあります。感情の自由も制限 され、矛盾や葛藤がつきまといます。 おし活や細の世界はそんな現実との間を 橋渡しする場所なんです。理想世界だけで は現実に適用できません。現実世界だけで は自己肯定や自由な感情表現が制限される 。このギャップを埋めるために存在する 場所なのです。ゆかりは理想世界で自分を 肯定し、現実世界では低い自己肯定感を 高めていきます。それゆえに彼女は生きる 力を持っているんです。物語は普通に 囚われていたゆかりがライア、朝日雪と 出会い、その固定観念から外れていく タイトル通りのMeatザワールドの世界 です。普通とは社会的に共有される価値観 やルール、一般的な生き方のことを指し ます。ゆかりだけでなくそれぞれが普通の 枠の中で苦しんだり迷ったりしてきました 。例えばライも消えることが普通と考える 前存在や生き方に葛藤し苦しんでいました 。これは従来の価値観に照らして自分の 存在が異常に思えたからです。ゆかりは 新しい世界や未知の価値観に触れることで 普通の枠に縛られず生きることの自由さに 気づきます。この作品が描く普通とは 単なる多数派の生き方や常識ではなく、 個人が自分自身の世界観や選択を見つける 際の基準としても表現されています。誰か の理想や社会の常識に従うことだけが 正しいのではなく、苦しみや消失も含めた この選択を尊重することこそ物語が提示 する新しい価値観なのです。 つまりミツザワールドにけは固定された基準では、国個人が自分自身の生き方を認め、他者の選択も要できる柔軟さにき換え られる のです。私たちも常生活の中で普通で痛い、周囲から浮きたくないと思いながら生きています。ダイバーシティと言いながら普通からに名をけ、普通に戻るように対処しようとします。 [音楽] それは集団社会を構成する上では必要な ことかもしれませんが、普通という概念を 押し付ける行為には違和感も残ります。 ゆかりは新たな世界と出会い、多様な価値 観に触れることで自分のあり方を見直し これでいいんだと思える瞬間が訪れます。 映画はその心の変化をゆかりの物語を通じ て示しているのです。だからこそ タイトルミツザワールドは単に外の世界と 出会うことではなく、新しい世界と出会う ことで本当の自分を肯定できるようになる という意味を込めた象徴的なフレーズだと 言えるでしょう。ゆかりとライの関係性。 ライは消えることが普通、それがあるべき 姿と繰り返し口にします。その姿は現代 社会で騎士燃料を抱える人々の心情を象徴 しているとも言えます。ゆかりと出会った 時にはすでに全てを受け入れている状態 でしたが、過去には苦しむこともあったし 、その状態から脱することができるんじゃ ないかと考えたこともあったとか。そんな 彼女を救いたいと思うゆかりの願いは実は 自分自身を救いたいという欲望の裏返しで もあるのです。人生は充実しているが死ぬ ことが決まっていると語るライト。お仕活 を隠し恋愛もせずにひっそりと生きている ゆかり。しかしゆかりは死にたいと思った ことはありません。このように2人は正 反対でありだからこそ惹かれ合っていき ます。ミツワールドは大避の物語です。 ゆかりとライ、推しと現実、存在したい人 と消えたい人。作者金原瞳のインタビュー によればライは真逆のものを対立させる 対象としてゆかりに置かれており、ゆかり の中にも元々あった価値観を揺さぶる役割 を担っていると言います。また インタビューではゆかり自身は当初自分 自身がどういう存在なのかを理解してい ない人物として描かれておりの関係を通じ てゆかりは自らの存在を自覚していくと 語ってもいます。ミツザが伝える最大の メッセージは生きづらさの中でどう自分を 肯定するかという問です。社会の普通、 結婚、恋愛、安定した仕事。そこから 外れることは劣等感や孤独を生みます。 しかし人の生き方は1つではありません。 ライトの出会いを通じてゆかりが学んだの は他人と比べるのではなく自分なりの世界 を選ぶことの大切さでした。またおし活と いう現代的なテーマを通じて趣味に救わ れることの価値が肯定的に描かれています 。推しに夢中になることは決して無駄では なくそれが自分を生かしているなら立派な 生きる理由になります。物語の冒頭ゆかり は普通でなければいけないという無言の 圧力に縛られています。家庭でも学校でも 社会に出ても彼女は人並みであることを 求められ、自分自身の気持ちや個性を 抑え込んでしまいます。しかし物語が進む につれて彼女はこれまで交わることの なかった人たちや価値観と接していきます 。その中でこれまでの普通という概念が 相対化され壊れていくんです。この家庭 こそがミツザワールドの確信です。ゆかり は新しい世界を知ることで従来の常識や枠 から外れることを恐れなくなり、むしろ それを自分の強みとして受け止めるように なります。その結果として彼女の自己肯定 感が大きく高まっていくんです。あれだけ 隠してきたオカツを会社で堂々と ひけらかすようになるのも彼女に自信が ついたからです。重要な点はゆかりは何も 性格がガらりと変わったわけではないと いうこと。劇的に明るくなったわけでも 社交的になったわけでもリア獣のように 弾けたわけでもないんです。ただゆかりは ライを通じて自分を出すことに起さなく なっただけ。その人間性を通じて離れる人 は離れます。しかし会社の中におタカの 友人を見つけることはできました。ゆかり が変わったのはほんの少しの行動のみ。 ゆかりは普通であることに縛られていまし たがライトの出会いを通じて普通から外れ てもいいと知ったのです。 多くの人が最も引っかかるのはなぜゆかり はライを救わなかったのかという点です。 一見彼女は見捨てたようにも見えます。 けれど物語を丁寧に読み解くとそれは放規 ではなく需要だったと分かるんです。スク は必ずしも全善意だけで成り立つ行為では ありません。そこには相手を自分の価値観 に従わせるという復従的な側面もあります 。ゆかりは当初ライを生きるように 変えようとしていました。しかしユが言っ た言葉、他人の行動は45°までしか変え られない。この一言が全てを変いていき ます。ゆかりの言葉によってライはゴミの 分別などわずかな行動を変えています。 これこそが45°。同じようにライの言葉 によってゆかりは行動を変え自信を持ち 始めました。しかしライの死にたみを 180°反転させることはできませんでし た。どれほど思いを注いでも相手の生き方 を完全に変えることはできないんです。 むしろ自分が正しいと思う方向に導こうと することが相手の世界を壊してしまうこと もあります。ゆかりはその現実を悟り ライオを自分の理想のせいに合わせること をやめました。手塚様の漫画ブラック ジャックでは石が患者を直すことについて 葛藤する場面がありました。石ブラック ジャックの前に現れたのはア落士を選択し に入れるキり子。ブラックジャックは どんな状況でも生きることを絶対とする 意思で命を伸ばすことが救いになると考え ています。反対にキリ子は苦しむ患者に死 を与えることが救いになると考える意思で 聖より安らぎを重視しています。患者を 生かすことを最善とするブラックジャック の大使としてキり子は積極的に患者の思い を組み取り死をする立場にありました。 そしてゆかりはブラックジャック的な絶対 的救済でもなくキリコ的な強制的な救済で もない第3の選択を取ります。それは自由 の尊重による救いです。ここで重要なのは ライにとっての希望が生き続けることでは なかったという点です。ライは繰り返さ れる苦しみの中で自分が消えることが自然 なんだと静かに受け入れていきます。それ は諦めではなく自己重要の一種でした。 消えることはライにとって頭皮ではなく ようやく得られた穏やかな執着点だったの です。そしてゆかりはそれを否定せず最後 まで見届けることを選びました。ライが昔 付き合っていたウ沼の言葉。死んでいる ところを見るまでは生きている。この言葉 が象徴するようにゆかりはライの消えて いく姿を最後まで見つめることでライの 存在を確かにこの世界に刻んだのです。 救うことがイコール生かすことではあり ません。の物語が伝えたかったのは相手の 選択を尊重し、最後まで寄り添うことこそ が尊いだということ。ゆかりにとってそれ は手放す愛でもあり結果を受け入れる祈り でもありました。他者を変えることができ ない現実を知った時それでも目をそらさず ただ隣に立ち続けるその静かな行為こそ この物語における救わなかった理由であり 彼女が最後にたどり着いた愛の形だったの です。ご視聴ありがとうございました。 映画は原作からのカットシーンはほぼなく てテーマに沿って描かれてましたよね。C と言えば朝日の孤独についてはあまり 深掘りされていなかったぐらいです。 何よりも杉崎花さんの嫌味のない改造との 高い腐助演技がたまらなくって収支 ニヤニヤしてしまいました。他の人たちの 空気感の作り方もとても上手で2025年 に見た映画の中でも満足度の高い作品でし た。このチャンネルではAmazon プライムのおすすめ作品の紹介や最新映画 の解説を行っています。どこのチャンネル か分からなくなる前にチャンネル登録をお 願いします。それではまた次の動画でお 会いしましょう。
 
 🍿紹介した作品
 「ミーツ・ザ・ワールド」
 予告:https://youtu.be/Oc5kQ8n_-4Y?si=6IQ5RPvIIm69AyA0
 公式:[https://mtwmovie.com](https://mtwmovie.com/)
 公開日:2025/10/24(金)
チャンネル登録はこちらから!:https://www.youtube.com/channel/UCRpighz2UqmEnwpV-KanFSQ?sub_confirmation=1
📝チャプター
0:00 はじめに
 0:35 あらすじ
 1:20 キャラクター紹介
 4:59 重要キーワード①(推し活と現実)
 6:49 重要キーワード②(普通とは)
 8:46 重量キーワード③(由嘉里とライの関係性)
 10:00 重量キーワード④(映画のテーマ)
 11:55 由嘉里がライを救わなかった理由
※この動画で使用している画像、映像、イラストなどは全て引用となります。
 ※ 引用した画像の著作権は著作権者様および製作者様に帰属します。
 (C)金原ひとみ/集英社・映画「ミーツ・ザ・ワールド」製作委員会
引用している素材については映画を紹介する内容にとどめておりますが、問題のある場合はお手数ですが下記連絡先へご連絡いただけますでしょうか。適切かつ迅速に対応させていただきます。
メール↓↓お仕事の依頼はこちらまで
 [tolkobaya@gmail.com](mailto:tolkobaya@gmail.com)
◆音源・効果音は全てフリー素材のものを使用しております。
#映画
 #おすすめ映画
 #ミーツザワールド
 #松井大悟
 #杉咲花
 #南琴奈
 #邦画
 