『秒速5センチメートル』が心に残る理由丨新海誠が描いた“時間と距離”の不可逆性

時間に対しての距離。これがね、あの作品
のテーマにもなってるんですよ。やっぱり その後に戻れない、あの時の時間をもう
2度と味わうことができないというお金 かけられなかったその環境の中で背景の
技術をめちゃめちゃしっかり書くことに よってそれが長所になったと。そもそも
ですね、いろんな曲のオムニバス映画に なる予定だったんですよ。このワンモア
タイム、ワンモアチャンスを したんですよ。はい。 この映画というのはですね、アニメの、え
、秒速5cmを、ま、実写版にしたって いう話なんで、基本的には同じなんですよ
。基本的には同じなんですね。だから、え 、ま、ネタバレっていうネタバレはあるん
ですけど、基本的には同じものなので、え 、まずですね、あ、ま、それでですね、
その実写版を見た感想としては色々思う ところがあって、今回、ま、それを話する
んですけども、あの、アニメありきみたい なところも実際あってですね、これね、
まずアニメの話から行かないとあかんと いうことなんです。なぜかと言うと、
えっと、やっぱりですね、こうぜに対して のアンチじゃないけど、やっぱりその深海
誠が作ったこの秒速5cmっていう下地が あって、で、秒速5cmっていうのはこう
いうところとこういうところがいいところ だよねと。で、それに対して奥山監督が
今回実写版でやったのはこういうところだ 、こういうところが新しくてこういう
ところは深海誠と違うよねっていう話に なるんですよね。だから深海誠の、え、
作ったその秒速5cmが、え、どこが 良かったのかっていうところから話しない
と、ま、話始まらないんですよということ なので、え、今回の話の流れっていうのは
、え、秒速5cmにまつわる、え、まず アニメの話で、えっと、奥山吉監督の話で
、え、今回の秒速5cmの話っていう、え 、流れでやっていきたいと思います。で、
この絵がね、見た感想としてどれぐらいお すめかということなんですけども、え、
正直ですね、これね、分かりませんね。私 にとってはすごく刺さる映画だったんです
けども、えっとね、僕ね、奥さんと見に 行ったんですけど、奥さんの方はあんまり
刺さってなかったですね。っていうのも ですね、この映画ね、なんかね、男性が見
た時だけ特別に心をえぐられる映画になっ ているという面がありまして、この男女に
差をつけるわけではなく、そういうな、 何て言うんかな、傾向があると、え、思っ
てましてですね、え、私はですね、 ガンガン刺さったんですけども、え、女性
にとっては逆にあんまり、ま、でも、ま、 松村北斗さんが好きとかやって見たい方が
いいと思うんですけど、あの、話としては そんな感じですかね。ですけど、逆に裏を
返せばですけど、あの、この YouTubeライブを見てるあの男性の
方、男性の方は見た方がいいと思います。 見た方がいいと思います。で、特に、えっ
と、原作っては原作のその深海誠が作った 秒速5cmが好きだという人はこの映画
絶対見た方がいいと思います。私の立場と しては、えっと、ナ尾館長様はですね、
えっとね、アニメ版の秒速5cmね、実は ね、あんまり好きじゃないんです。すごい
と思うんですけど、好き。あんまり好きな 作品ではないんです。好み的にね。です
けど、今回の奥山監督のこの実写版は バチバチに刺さりましたんで、何が違って
これどう良かったのかっていうのを、え、 今回、ま、話していくっていう、ま、そう
いうことなんですね。で、ま、今回のあの 僕のライブ配信を見て何が分かるのかって
言うと深海誠のさ、え、この秒速と、え、 奥山監督の病速は似ているんですけど全く
違う作品になってるということなんです。 それよくね、え、分かっていただけると
思いますんで、え、初めに、ま、先に実写 版の、え、話ですけど、ま、今回2025
年に新しく実写版で公開されました。で、 えっと、121分になってます。で、監督
は、え、奥山、え、吉之監督と、え、原作 は深海誠てなってます。で、脚本はね、
このね、鈴木た子さんっていう人が入っ てるんですけど、で、撮影は、えっと、
今村さんっていう人、この人はね、えっと 、奥山監督の前の映画も撮影してた人です
ね。で、えっと、主演が結構豪華で松村 北斗さん出てて、高畑さん出てて、宮崎
蒼井出てて、で、この吉岡秀さんは ドクター先生ですね。古藤先生出てて、森
とかも出てますよということなんですごい んですよ。で、えっと、その過去の作品は
、え、2007年でしたということなん ですね。2007年で、え、63分の映画
でした。このね、63分の映画が今回 121分になってますよという。ここもね
、結構後で話したいところなんですけど、 まずね、え、どんどん行きたいと思います
。これね、深海誠さんね。え、この深海誠 はね、えっと、僕ね、宮崎早おとかは結構
研究してるんですけど、深海誠のはね、今 までね、ほとんど僕ね、触れてこなかった
と思うんですよ。ほとんどくれてこなかっ たと思うんですけど、深海誠さんは僕ね、
あんまり好きじゃないんですよ。っていう のも宮崎とかやっぱ高畑とかっていうのは
やっぱね、ある種の狂人っていうか ちょっと狂った男みたいな感じなんです
けど深海誠さんっていうのはねものすごく ね普通にいい人なんですよ。喋ってる印象
ですよ。喋ってる印象であの僕が喋った 直接喋ったことはないんですけどなんか
こうメディアとかに出て喋ってる印象なん ですけど普通にいい人って感じなんですよ
。だから何かね、このね、このこの人の中 でのね、なんかね、こうぐちゃぐちゃした
やつとかね、こうカオスになってるところ をね、あの、出すっていうのがね、あの、
あんまり想像しできなくて、え、深海誠さ んっていうのは普通になんかええ人みたい
な感じですよね。で、結構おしりなんです よね、この人ね。まあな、それもね、結構
作品に現れてるかなと、え、思いますけど も。えっとね、このね、アニメ版の深海版
の秒速5cmの、ま、良かったところ。 これ3つあるんですよ。3つありまして、
まず1つ目なんですけど、これですね、 時間とその距離がるなさっていうところが
、ま、1つ特徴としてあって、ていうのも 、え、秒速5cmっていうタイトルじゃ
ないですか?これはね、秒速ってことなん で、やっぱりね、こう時間に対しての距離
なってるじゃないですか。これがね、あの 、作品のテーマにもなってるんですよ。で
、作品の中で色々出てくるんですね。その 速度に関することが。えっと、例えば時速
5kmで、え、ロケットのパーツがこの 種ヶ島のロケットのあの組み立ててる
ところにこう運ばれていってるとか いろんなね、この時間に関することみたい
なのがいっぱい出てくるんですけど、その モチーフとしてね、どういう意味でそれが
出てるのかと言うと、時間とかその距離 っていうのは、え、人の解釈によって定め
られてるもんであると。まあ言えば、えっ と、人の解釈、人の受け取り方によって
時間は長く感じたり短く感じたりすると。 例えば、えっと、昔に強烈な思い出があっ
て、その思い出のことはもう昨日のように 思い出すことができるということ言うじゃ
ないですか。ていうのはもうその人にとっ ては昨日の出来事と同じくらいの出来事な
んですよ。同じくらいの出来事っていうか 、同じ意味なんですよ。昨日の出来事と
並列なんですよ。何年か前の出来事だった としても、それを昨日のように思い出す
わけですから、昨日のことも昨日のように 思い出すわけでしょ。当然なんですけど。
だから、えっと、その人にとってはそれ ぐらいの例えば10年前の出来事が昨日の
ように思い出すということは、その10 年間の距離感っていうのはその人にとって
はないんですよね。もうその昨日の、え、 出来事と同じぐらいの距離に感じていると
。でも、えっと、別の人に聞いて10年前 に何をあなた、あの、あなたの10年前は
どんなことしてたんですか?て聞かれた時 にパッと出てこなかったとすれば、その人
にとってのその10年前の出来事っていう のはそこまで強烈な出来事がなかったのか
、え、それはね、長く昔のことのように 感じたりするんですよ。っていうことで、
その時間とか距離っていうのは、えっと、 すごくね、相対的なもんである。え、人の
考えによって決められるもんであるという 、え、ポイントになってるんですよ。
例えばこの映画の中でもですね、主人公の 高木君は、ま、明りっていう女の子と、ま
、あの、ちょっと初恋いみたいな出来事が あって、そこからずっと全然違う人生を
歩んでいって、すれ違れ違ってるんじゃ ない、あの、全然違う人生を歩んでいって
、もう1度出会いたい、再開したいんだ けど再開することはないっていうのがこの
秒速5cmの話なんですけども、これに、 えっと、一方で種ヶ島の、えっと、真ん中
ら辺で種ヶ島のシーンが出てくるところで は、えっと、た木君のことが好きな女の子
が出てくるんですよ。た木君のことが好き な女の子が出てくるんですけど、その距離
はものすごく近くて、毎日学校であって 一緒に帰ってくる中なんですよね。です
けど心の距離は1cmも近づいていないと かね。えっと、1000回以上メールの
やり取りをしてるけど、あなたには1cm ぐらいしか近づけませんでしたとかね。
そういう表現になってるんですよ。そう いう、えっと、時間と距離の生むその切な
さみたいなところと、え、そのなんで切な さを生んでくるのかっていうところはこの
時間っていうものが持っているその不逆性 っていうところですよね。時間っていうの
は一方向にしか進まなくて、あの クリストファーノーラのテネットみたいに
逆行することはないですから、もう常に まっすぐにしか進まないわけですよね。
それがどんだけ、えっと、嫌な思いでも 良かった思いでも全部含めてまっすぐしか
進んでいかないっていうところで、 やっぱりその後に戻れない、あの時の時間
をもう2度と味わうことができないという 切なさみたいなところも、ま、同時に描い
ていくというのが、ま、深海誠の、えっと 、アニメ版の、ま、特徴というところです
ね。もう1つですけど、え、深海マグとね 、これ1番言われることなんですけど、
なんか絵が美しいみたいなね、言われる じゃないですか。深海マってね、すごく
この背景の美術にこだわるっていうことは もう皆さんね、もう全人類知ってることだ
と思うんですけども、ま、あのこの時の 深海誠のえっと映画っていうのは深海誠い
名前自体もほとんどその時にはほとんど 世間的には知られてなくてですね。まだ
ほとんどえっと駆け出しの新身経営の クリエイターみたいな時期なんですね。で
、その中でこの映画作られたわけですけど 、つまり何かて言うと、あんまりね、お金
をかけられなかった、え、お金かけられ なかったその環境の中でそのちゃんとした
、えっと、立派な映画作ろうとしたらどう いう風に工夫すればいいのかっての、これ
ね、いろんなクリエイターが悩むところな んですけど、深海誠の場合は自分が得意な
背景の美術をめちゃめちゃしっかり書く ことによって、アニメーションとして動く
どころはそこそこにできるという、え えっと、ま、節約方法であり、え、それが
長所になったと、ま、言われると思うん ですよね。例えばコンサト監督ってのが
言いててさ、コンサト監督昨日だったかな 。昨日ね、え、生誕602周年かなんか
だったと思うんですけど、あの伝説の アニメーターコンサト監督はパーフェクト
ブルーっていうアニメを作った時にそのお 金かけられないんだけど、え、ここを重視
したいと、ちゃんと見れる絵にしたいとし た時に何にこだわったかというと、彼はね
、レイアウトにこだわったんですよね。 画面の構成の中にメッセージを伝えてい
くっていうところで、え、こだわったと いう話なんですけども、深海誠の場合は
背景美術に手をかけることによって他の ところから手を抜くことに成功したって
いうことなんですよと、え、私は、えっと 、解釈してるんですけども、結果その得意
技がもうだから長所をどんぐーっと伸ばし てエッジを効かしていくっていう作戦です
よね。で、それで成功したんですよ。だ から深海誠の持ち味っていうのはやっぱり
こう背景の美術が美しいっていうね、え、 いうところだからここはね、えっとね、
その時の深海誠の突破、突破するための 戦術だったんですけど、えっと長所にも
なってると思ってます。はい。で、何がっ て1番はこのワンモアタイム、ワンモア
チャンスですよね。これね、え、これがね 、ま、特徴っていうかね、アニメ版のその
秒速5cmっていうのそもそもですね、 このいろんな曲のオムニバス映画になる
予定だったんですよ。で、えっと、山崎 正義のワンモアータイム、ワンモアチャン
スっていう曲のPVみたいな映画が1本で 、え、誰っていうアーティストの何々?曲
のPVみたいな映画が1本みたいな形で、 えっと、曲の長さだけの5分くらいの映画
を何本か合わせて1つの映画にしたい みたいな企画だったんですよ。ところが
このワンモアタイムワンモアチャンスに つけ、あのの中でイメージを深海誠の中で
イメージを膨らましていった結果ねそれが ちゃんとした話になるぞっていう話になっ
てこれがそのワンモアタイムワンモア チャンスの曲だけが映画に単独の映画にな
るっていう企画に変わったんですよね、 途中から。だからこのワンモアタイム、
ワンモアチャンスっていうのが後でつけ られた、え、曲じゃなくて、そもそもこの
曲の世界観を深海誠の中で膨らましたって いうところから始まってるところも
ポイントなんですよ。だから山崎正義の このワンモアタイムワンモアチャンスの
世界観を、え、もっとこの山崎正義発信の 深海誠が拡大したみたいな、え、やり方で
ですね、え、このアニメ版ができて るっていうところも非常にこれ大切な、ま
、ポイントなんですね。はい。だから、 えっと、元々ね、全然違うね、オムニバス
の映画で他にもいろんな案があったと思う んですよ。例えば、えっと、分からない
ですけど、なんか誰かの例えば、えっと、 織田和の、え、何々とか、え、浜田翔庫の
なんていう、なんとかっていう曲とか、丘 の上のとか、え、いうのを、え、PV
みたいな形でアニメ映画にするみたいな 企画だったんですけどね。え、なぜかなん
か経緯は詳しく知らないんですけど、この ワンモアチャンス、ワンモア、え、
ワンモアータイム、ワンモアチャンスだけ が単独の60分の映画に企画としては
変わって、え、進んでいったっていう、え 、経緯があるんで、これもね、結構大事な
ポイントになってるんです。で、ちなみに 僕の今回この後半ライブの後半でお話し
するね、とんでもない考察があるんです けども、このとんでもない考察はこのワン
モアタイム、ワンモアチャンスを奥山監督 が したんですよ。はい。それは、ま、後で話
をしましょうということなんですけど。 はい。で、えっと、ていうのが、ま、
アニメ版の深海誠の秒速5cmですね。

こちらの動画は10/13放送分の切り抜きです。全編はこちら → https://youtube.com/live/4wyXcBTxq6Q

<放送内容>
ついに公開された 実写版『秒速5センチメートル』。
18年前のアニメ版で新海誠が描いた「時間」と「距離」のテーマは、
奥山由之監督によってどのように“再構築”されたのか?

本動画では——

アニメ版の3つの核心ポイント(時間と距離/背景美術/PV企画の起点)

実写版の映像・音・構図・俳優演技の進化

「不可逆な時間」と「届かない距離」が生む切なさの構造
を徹底的に掘り下げます。

映画『秒速5センチメートル』がなぜ“心に残る”のか。
その答えを、新海誠×奥山由之の比較から読み解きます。

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