【医療者向け・音声のみ】B細胞枯渇患者の難治性遷延性コロナ感染症に光:抗ウイルス薬併用・延長療法と遺伝子解析の重要性 CID

え、そうですね。クルスオレディオです。 この番組は複雑に入り組んだ感染症に鋭い メスを入れ、様々な謎や疑問を徹底的に 救命するポッドキャストです。それでは皆 さんご一緒にセのクルソレディオ。さて、 今回はですね、免疫がちょっと弱っている 方、あの、特にB細胞っていう免疫の細胞 が少ない患者さんで時々問題になることが ある長引く新型コロナいわゆる1000 円性サーブ2感染症について、えっと、 掘り下げていこうと思います。世の中全体 としては、ま、パンデミックのだいぶ 変わン接取も進みましたけども、え、そう ですね。 でも特定の病気とかあるい治療の影響で免疫が下がっている方にとっては新型コロナってまだまだやっぱり大きな脅威なんですよね。ウイルスがこうなかなか体からなくならなくて症状がずっと続くとか うんー。そうなんです。 それだけじゃなくて体の中でウイルスがなんか変異しちゃうリスクとかそれがま社会全体にも影響するかもみたいな話もありますよね。 ええ、おっしゃる通りです。 特にあの血液の癌とか自己免疫疾患の治療で例えば高 CD20 交代っていうお薬があるんですけどこれを使うとウイルスと戦う交代を作るその B 細胞がま、かなり減ってしまうんですね。 なるほど。 こういう方々とは新型コロナが重症化しやすいですし、あと長引きやすいつまりその 1000 円性感染症になるリスクが高いってことがもう分かってるんです。 で、問題はですね、これまで使われてきたウイルス薬、これを 1 つだけ使ってもなかなかウイルスをこうやっつけないっていうケースがまあ少なくないんですね。 うん。まさに治療が難しいっていう状況なんですね。 はい。そこで今回そういう患者さんたちに対してちょっと新しい治療戦略を試した研究がありまして、リドさんたちっていう研究者たちの論文がクリニカルインフェクショスディーズ氏に出てるんですが、これに注目したいんです。 ほう。 どんな研究でしょう?えっとですね、作用の仕方が違う 2 周囲の高ウイルス役を、ま、一緒に使ってさらに普通よりも長い期間投与するっていう平洋延長療法っていうのをやったんですね。 [音楽] なるほど。平洋でしかも長く使うと。 ええ、このアプローチが本当に厳しい状況にある患者さんにとって、ま、どんな結果をもたらしたのか、これをちょっと詳しく見ていきたいなと。 はい。是非。 まず、えっと、基本的なところからなんですけど、この専性感染症っていうのはよく聞くのコロナの行為症、 PSC とはまた違うものなんですよね。どういう状態なのかちょっと改めて教えていただけますか? あ、それはすごく良いポイントですね。ええ、そこはっきり区別しないといけません。あの、 1000 円性感染症っていうのはウイルスが体の中でまだ活動していて増え続けている状態。これを指します。 ですからPCR 検査なんかをするとウイルスがずっと妖精で出続けるんですね。 なるほど。ウイルスがまだいる活動中だと。 そうです。一方でそのコロ行為症パスクっていうのはウイルス自体はもう体からなくなってるかあるいは活動を停止してるはずなのになぜか検態感とか息き切れとかそういう症状が長く続いてしまう状態です。 ふむふむ。 原因はまだはっきりとは分かってないんですが、ま、ウイルス感染が引き金になって免疫系がおかしくなっちゃったりとか、炎症が続いたりとかそういうことが関係してるんじゃないかと考えられてますね。 なるほど。1000 円性はあくまでウイルス活動中というわけですね。 ええ、その通りです。それでさっき話に出た B 細胞が枯渇しているとウイルスをやっつけるための交代をうまく作れないわけですよ。 はい。 これがウイルスをなかなか排除できない、ま、大きな理由の 1つなんですね。 その結果ウイルスがすごく長い間体の中にいわってしまって症状が続くのはもちろんな 1 度良くなったかなと思ってもまたぶり返したりする年があるんです。 うわあ、それは辛いですね。 ええ、これはもう患者さん自身の得る生活 の質をすごく下げてしまいますし、例えば 癌の治療とか本来受けなきゃいけない治療 がコロナのせいで遅れちゃうとかそういう ことにもつがって場合によっては命に 関わるにもなりかねない。それに視点での 心配もあるんでしたよね。あ、はい。あの 、1人の人の体の中でずっとウイルスが 増え続けるるっていうことはその間に ウイルスがどんどん変異を繰り返して今 ある免疫とかワクチンとか治療薬とかが 聞きにくいなんか新しいタイプの変異株 が生まれちゃう音症になるんかかっていう 、そういうんですね。なるほど。それは 個人の問題だけないと。え、公衆衛生上の リスクにもなり得うるということです。 だからこそなんとか効く治療法を見つけないといけないと。で、これまではレムデシビルとかパキロビットパック、あのニルガトレルビル、リトナビルですね。ああいう薬を単独で使うことが多かったけれども、それじゃあちょっと力不足だったケースもあったということですね。 まさにそういう背景があったわけです。 そういう状況で今回のリトルさんたちの研究具体的にはどういう患者さんを対象にしてどんなアプローチを取ったんですか? はい。対象になったのは18 歳以上の方で、ま、重い免疫付全があってかつのサーズ部通感染症と診断された 16人の患者さんですね。 16 人。 ええ、ですごく大事なポイントはこの 16 人の方全員がですね、それまでに通常の期間の高ウイルス役単罪での治療を少なくとも 1回は受けていた。 はい。はい。 にも関わらず効果がなかったっていう方たちなんです。 うん。まさに治療抵抗性っていうか難しいケースを集めたわけですね。 そういうことになりますね。 患者ナの背景を見ると年齢の中央地が 73歳。かなりご高例で多くが B 細胞リパとかそういう血液の癌を抱えてらっしゃったと。 ええ。 で、しかも4人中3人75%が過去1 年以内にそのB細胞を減らす高CD 利住交代療法を受けていた。 まさにこの専性感染症のリスクが高いと言われてる方々ですよね。 ええ、その通りです。感染してからの期間も中央地で 42日、つまり1 ヶ月半くウイルスがずっと検出され続けていたという計算になります。 42 日ですか? 中にはですね、200 日以上、つまり半年以上も感染が続いてたっていう方もいらっしゃいました。 半年以上、それは本当に厳しい状況ですね。 そこで試されたのが平洋方法ですね。具体的にどの薬をどんな風に使ったんですか? はい。使ったのは作用の仕組みが違う 2つの高ウイルス役です。 1 つは飲み薬のニルマトレルビル、リトナビル商品名で言うとパキロビットパックですね。 ええ、 もう1 つは天滴薬のレムデシビル商品名はベクルリーです。これを同時に使いました。 なるほど。2平洋。え、ニルマトレルビ ルっていうのはウイルスが増えるのに必要 なプロテアーゼを邪魔する薬でレム デシビルはウイルスの遺伝情報RNAが コピーされるのを邪魔する薬です。つまり 違うところを同時に叩くことでより強く 抑え込もうというね。 でもう1つのポイントが延長ですよね。 あそうです。そうです。 普通の投票期間って大体5 日間くらいなんですけども はい。 今回はそれよりもかなり長く投与したんですね。飲み薬のニルマトレルビルリトナビルは中央地で 23日。23 日。 天敵のレムデシビルは中央地で 8 日間。ま、患者さんの状態を見ながら調整はしてるんですけど標準的な治療よりかなり長い期間薬を続けたというのがもう 1つの大きな特徴です。 作用の違う薬を組み合わせてしかも通常より長く使う。 単ジで聞かなかった相手に対してこれはまあ利に叶ってる気はしますけど。さて結果はどうだったんでしょうか。ここが 1番知りたいところです。 それがですね結果は非常にこう目覚ましいものでした。治療を受けた 16 人の患者さん全員でですね、少が良くなるっていう臨床的な効果とウイルスが検査で検出されなくなるっていうス学的な効果。この両方が認められたんです。 えっと、全員ですか?それはすごいですね。だって単罪では聞かなかった方々ですよね。 そうなんです。その方々にこの平洋炎上療法をやったら全員に効果があったと。 うわあ、それは驚きです。ちなみにウイルスが消えるまでにはどれぐらいの時間がかかったんですか? この平洋延長を始めてから PCR 検査でウイルスが検出されなくなるまでの期間。これの中央地が 13日でした。13日。 ええ、そしてさらにすごいのは治療が終わった後 1 年間にわって追跡調査をしているんですけど、その間 1 人もですね、ウイルスの最念つまりまたウイルスが増えてきちゃうとか、症状がぶり返すとかそういうことが見られなかったんです。 1 年間再発0ですか?それは本当にすごい。 特にこの治療の後でまた癌の治療とかで免疫を強く抑える治療、例えば離立島部とか増血関細胞移植とかそういうのを受けた方もたんですよね。 ええ、いらっしゃいました。 それでも再発しなかったっていうのはこの治療法の効果がかなりしっかりしてるっていうか持続性があるっていうことを示す上ですごく重要な点じゃないですか? まさにおっしゃる通りだと思います。 16人のうち10人、えっと、63% の方がですね、この平洋延長療法が終わった後に元々の病気の治療のために免疫抑制療を再開したり、あるいは新しく始めたりしたんですね。 はい。 それでもウイルスの再出現はなかったと。これはウイルスが、ま、かなりしっかりと体から排除された可能性が高いということを示唆してますね。 なるほど。 あと安全性についてもこの高ウイルス役の組み合わせが原因と考えられるような思い服作用っていうのは報告されませんでした。効果もあって安全性もま大丈夫そうだと両方で良い結果が出たわけですね。 そうですね。 一方でそもそもこの患者さん達って B 細胞が枯渇していて交代が作りにくいっていう話でしたよね。 治療はうまくいったけど、その肝心の交代反応っていうのはどうだったのかそこが気になります。 ああ、そこはですね、非常に興味深い結果でした。ま、予想通りと言えば予想通りなんですが、治療の前と後で交代の反応は低いまだったんです。 あ、そうなんですか。 え、ウイルスのあのスパイクタンパ質に対する IGG交代、高SIGG 交代っていうの測ったんですが、治療開始時と終了時で統計的に意味のある差はなくて、むしろ中央地で見ると少し下がってたぐらいなんですね。 へえ。 ということはですよ、普通だったらウイルスを排除する主役とも言える交代がほとんど仕事をしてないにも関わらずウイルスはいなくなったということになりますよね。これどう考えたらいいんですかね? まさにそこがこの研究の、ま、 1番注目すべき発見の 1つかもしれませんね。 つまり交代が十分に作られないような状況でも作用の仕組みが違う 2 つの薬を一緒にしかも長く使うことでウイルスを直接叩えて排除することができたと。そういう風に考えられます。 薬の力で免疫の足りない部分を補ったみたいな。 そうですね。 もちろん交代以外の免疫例えば T 細胞とかそういうものがどれくらい貢献したのかっていうのはこの研究では図測っていないのではっきりとは分からないんですけども少なくとも高ウルス役自体の効果が非常に大きかった可能性が高いと言えると思います。 なるほど。なるほど。 ちなみにですね、研究チームはシモアっていうすごく感度の高い測定法を使って血液の中のスパイク光原つまりのタンパ質の一部も測ってるんですね。 ほう。そうするとPCR でウイルスが陰性になった後もしばらくはこのスパイク光原っていうのが検出されることがあったんですが、時間が経つにつれてだんだん減っていって最終的には全員で検出されなくなったと。 へえ。 これもウイルスが体の中でこう静かに再念するみたいなことがなくちゃんと排除されとんだなっていうことを裏付けるデータかなと思いますね。 なるほど。 交代反応という結果だけじゃなくてウイルスの構成要素っていう、ま、痕跡みたいなものもちゃんと消えていったということですね。 そういうことですね。 もう1つ宣言性感染症でちょっと心配に なるのが薬剤体制ですけど、長い間 ウイルスが体の中にいて、しかも複数の薬 を使うわけですから、薬が効きにくい体制 を持ったウイルスが出てくるリスクのも 考えられると思うんですが、その点は いかがでしたか? これもですね、非常に大事な点で結果は これも驚くべきことに体制のほとんど見 られませんでした。あ、そうなんですか。 ええ、解析できた12 人の患者さんのうちニルマトレルビル、リトナビル、パキロビットパック R に対する体制に関わるような変異っていうのは 1人も検出されませんでした。 パキロビットパックへの体制は 0。ではもう一方のレムデシビルの方は? レムデシビルの方についてはですね、体制に関連するかもしれない変異。 具体的にはRDREP電子のC799F っていう変異なんですが、これが 12人の中でたった1 人だけ検出されました。1 人だけ? はい。ただこの患者さんっていうのは今回の平洋方法を始める前に最も多くの全治療を受けていた方なんです。レムデシビル単罪を 2回、ニルマトレルビルリトナビル単罪を 2回、計4 回も受けていた。いわば最も薬にさらされていた方だったんですね。 ふむふむ。なるほど。 しかもこの兵が見つかったのは平洋方を始めてから 5 日目のサンプルだけで、そのサンプルの中のウイルス集団全体のあだったんです。 あ、一部だけ。 ええ、で、さらに重要なのはその後レムデシビルの投与を中止した後のサンプルではこの辺はもう検出されなくなっていたんです。 ということは体制が出たとしてもすごく 一時的だったかあるいは一緒に使ってる も方の薬取れる ビルリトナビル病体制ウイルス の増殖が抑えられたかま 自然に消えちゃった可能性もあるという ことですかね。そうですね。これは もしかしたら平洋のメリットの1つか もしれませんね。その可能性は十分考え られると思います。 この結果を見るとやっぱり専園性感染症の主な員っていうのはウイルスの薬剤というよりもむしろ縮種側つまり患者さん自身の免疫がすごく弱い状態にあるっていうことなんだろうなというのを強く感じさせますね。 薬剤体制のリスクが低いっていうのはこの治療法を実際に使っていく上でかなり心強い情報ですね。 ええ、そう思います。 そしてこの研究ではもう 1 つ診断という面でもすごく役立つ重要な発見があったということですか? あ、はい。そうなんです。それはウイルスの遺伝子配列を調べるわゆる C 検ス解析の重要性ですね。これによって感染が本当に長引いているつまり 1000円しているのかそれとも 1 度直った後にまた新しく感染したつまり再感染なのかをはっきりと区別できたっていう事例があったんです。 と言いますと、 ある患者さんがですね、今回の平洋延長療法で無事にウイルスが陰性になった後、約 2ヶ月くらい経ってからまた PCR検査で要請になったんです。 あら、 普通に考えるとあれ治療がうまくいかなくてまたウイルスがぶり返したのかなって最念を疑いますよね。 ええ、ま、そう考えてしまいますよね。普通は ですよね。ところが研究チームがその採った時のウイルスの遺伝子配列を詳しく調べてみたんです。 はい。 そしたらそれはXDD1.5 っていう変異株だったんですね。で、この XBB1.5っていうのは最初の1000 円性感染を起こしていた時期、その頃は BA5 っていう系統が主流だったんですが、その時のウイルスとは全く違って、 ほう、 まさにその要になった時期に地域で流行していた変異株と同じだったんです。 なるほど。 つまり最初の感染がぶり返したんじゃなくて、全く新しいウイルスにそのタイミングでまた新たに感染した再感染だったということなんですね。 そういうことなんです。 いや、これはシケス解析をしないと絶対に分からないですね。臨床の現場で診断したり治療方針を決めたりする上でこれは極めて重要な情報ですね。 まさにおっしゃる通りです。診断には不可欠と言ってもいいかもしれませんね。 ちなみにその再感染した患者さんはその後どうなったんですか? あ、その再感染はですね、その後レムデシビルの単在療法。これを標準的になることで無事に警戒したそうです。 それもまた興味深いですね。最初の専感染の時は単罪じゃダめだったのに再感染は単罪で治った。 ええ、 もしかしたら1 度平洋延長療法でウイルスをしっかり叩けたことで交代は低いまでも T 細胞とか他の免疫機能がある程度のこう防御力を維持できるようになっていたなんて可能性も考えられますかね。 うーん。その可能性は確かにあるかもしれませんね。今後の研究であらかになっていく部分かもしれません。 さて、ここまで詳しく見てきましたが、今の研究から得られた地見、重要なポイントをちょっと整理しましょうか。 はい。まず1番大きなポイントはB細胞が 枯渇していて従来の単在治療が効かなかっ た。そういう1000円性のサーズコブ2 感染症に対してニルマトレルビル、 リリトナビルとレムデシビルの平洋延長は 例え交代反応が低いまで もウイルスの排除にま、極めて有効である ということ。これが1つですね。え、そう ですね。それが最大の発見ですね。 そしてその治療の過程で薬剤体制ウイルスが出てくるリスクは低いということ。さらにもし治療後に再手要請になったとしてもそれが本当に前の感染の最念なのか、あるいは全く新しい再感染なのかを見極めるためにはウイルスのシケンス解析が非常に有要であるというか不可欠であるということ。これらが示されたわけです。 なるほど。 これまで治療に本当に困っていたこういう患者さんたちにとってこれは非常に大きな希望となる結果だと思いますね。本当にそうですね。さて、最後にですね、これを聞いているあなたにも是非一緒に考えていただきたい問があります。今回の研究で交代が十分でなくてもウイルスは排除されました。 ではこのウイルスの排除あるいはその後の 再発防止において測定されなかったT細胞 のような他の免疫の要素っていうのは実際 どれほど重要な役割を果たしているん でしょうか?B細胞が働けない分を他の 免疫細胞がこう頑張ってカバーしてくれて いるのか?それともやっぱり今回の結果は ほぼ薬の力によるものなのか?うーん要 な問いですね。それともう1つ治療期間の 問題もありますよね。今回は比較的長い 期間の投与が行われてそれがうまくいった わけですけども、じゃあ全ての患者さんに 同じ期間が必要なのか?それとも もっと期間の平洋でも実は十分のあるんか 。ああ、なるほど。あるいは逆にもっと 重症なケースではさらに長い期間が必要に なるのか。 今後個こ々の患者さんの免疫の状態とかウイルスのタイプとかに応じてこう個別化された治療戦略テーラーメイド治療みたいなものを確立していくことが次のステップとして期待されるところかなと思いますね。 大阪医学部付属病院感染症内科ではフェローそして大学院生を激しく募集しています。都へ大阪大学へ。

元の論文
Protracted SARS-CoV-2 Infection in B-cell–Depleted Patients: Immunologic and Viral Characteristics and Response to Dual/Extended Antiviral Therapy

Citation
Clin Infect Dis. 2025; ciaf383.

要約
本研究は、B細胞枯渇状態にある免疫不全患者における難治性・遷延性SARS-CoV-2感染症に対し、ニルマトレルビル/リトナビル(23日間)とレムデシビル(8日間)を併用延長投与した16例の症例シリーズを報告したものである。対象は抗CD20抗体、CAR-T療法、二重特異性抗体などの治療歴を有し、抗ウイルス単剤療法に抵抗した症例であった。治療後、全例が平均13日でPCR陰性化し、1年以内に再発を認めなかった。抗スパイクIgGは治療前後とも低値のままで(中央値25.6→17.4 nAEB, p=0.58)、抗N抗体陽性は1例のみであり、ウイルス排除は体液性免疫ではなく抗ウイルス薬によると考えられた。全例で重篤な副作用はなく、1例に一過性のレムデシビル耐性変異C799Fが検出されたが速やかに消失した。遺伝子解析により再感染と持続感染を区別できたことも特筆される。結論として、B細胞欠損例における遷延性COVID-19には、二剤併用・長期抗ウイルス療法が有効かつ安全であることが示唆された。