【医療者向け・音声のみ】SARS-CoV-2スパイクタンパク質の全貌:進化と免疫逃避、そして最新ワクチンへの挑戦 Nat Rev Microbiol

こんにちは。ダーディブダイブへようこそ 。今日はですね、あの私たちの細胞に ウイルスがこう忍び込む時に使う鍵明けが ありますよね。サーズ工物2のスパイク タンパク質。これについて深く掘り下げて いこうと思います。今回参考にしているの はNEャーレビューズ マイクロバイオロジーに乗った最新の、 えっと、2025年5月発表のレビュー 論ンです。このスパイクタンパク質が、ま 、どんな形をしていて、どうやって細胞に 入ってくるのか、それからアルファ、 デルタ、オミクロンって次々出てきた変異 株でどう変わってきたか、さらにはそれが ワクチンにどう影響するのかといった あなたにとっても非常に重要なポイントを 一緒に解き明かいきたいと思います。さて では早速なんですが、このスパイク タンパク質は基本の木から教えていただけ ますか?ウイルスのどの部分にあるものな んでしょう? はい。えっとですね、これはウイルスの こう外側の表面から突き出ているトゲトゲ した突起のようなタンパク質です。で、 これがウイルスが人の細胞に感染するため の、ま、最初のステップですね。細胞に 侵入するために絶対に欠かせない部品と いうことになります。構造としてはですね 、同じ部品が3つ集まって1つのセットに なっている産量体という形をしています。 それと特徴的なのはその表面がですね、塔の鎖ま、搭作って言いますけどこれでびっしりと覆われているんですね。例えば最初に見つかった部漢株だと、え、 22箇所もN 型作っていうのがついていました。 へえ。塔で覆われてるんですね。 ええ、で、作られる時は最初は 1 本のこう長いタンパ質の鎖なんですけど、私たちの細胞の中にある不倫という、ま、ハサミみたいな酵素ですね。 これでSとS2という2つの部分にこう パチンと切断されるんです。この切断が すごく大事でして、S1っていう部分が 主に細胞側の、ま、言ってみればドアノブ 需要体ですね。そこにくっつく役割でS2 の方がその後ウイルスと細胞のくっつけて 中身を送り込む幕というプロセスを担い ます。なるほど。じゃあまず作られてから 1回下準備みたいに切断されると そうなんです。 それでそのS1とS2がそれぞれ3 つずつ集まってようやく完成系のスパイクとしてウイルス表面に立ってるそういうイメージですか? え、まさしくその通りです。細胞の外に出てる部分はかなり大きいんですよ。 S1 の部分にはえっと細胞の需要体とくっつく 1番大事なところRBD 需要体結合ドメインですね。 これとかあとはその動きを助けるNTDN マッタドメインとかそういうのが含ばれて ます。一方でS2の方はウエルスの膜に こう根っこが埋まってるような感じで幕 融合を起こすための色々な部品例えば融合 ヘプチドFPとかあとはバネみたいな構造 を作るHR領域なんていうのも持ってい ます。電子備の写真を見るとウイルス 1個あたりに大体25 個ぐらいスパイクがついてるって話ですけどで、そのほとんどは細胞とくっつく前の今バ準備完了状態、プレフュージョンって言うんでしたっけ? あ、そうです。プレフュージョン状態ですね。ええ、で面白いことにこのプレフュージョン状態にも実はいくつか形があって RBD っていうさっき言った需要体にくっつく部分ですね。 これが下を向いて隠れてて、まだ需要体 ACE には結合できない。閉じた状態。それと RBDのうちの1 つがこうパカッと上を向いて結合できるぞっていう開いた状態。この 2つが普段は混在してるんですね。 なるほど。閉じたり開いたり。 ええ、さらにスパイク全体がウイルスの膜に対してこうまっすぐ立ってるわけじゃなくてちょっと傾いてたりすることも多いみたいです。 で、ごくごく稀れにんですけど、もう仕事が終わった後、つまり幕融合が終わった後の硬い棒みたいな形、ポストフュージョン状態、これになってるものも見つかります。 ふーん。やっぱりその RBD 需要体結合ドメインが私たちの細胞のドアノ部 ACE2 需要体にくっつくための本当に文字通りの鍵の部分なんですね。 まさにそこがポイントです。 このRBDがAC2にくっつくことが感染 の始まりですから。で、その閉じた状態だ と結合する部分が匠に隠されてて、ま、 免疫交代からも見えにくい。それが構造を 変えて開いた状態になることで初めてA水 に手が届くと。このRBDの動きっていう のは単独じゃなくて他の部分、特にNTD なんかがこう連携してコントロールしてる と考えられていますね。 パンデミックの初期にあの D614G っていう変異が出てきて感染力がグっと上がったっていう記憶があるんですけどあれはこのスパイクの構造にどう影響したんでしたっけ? ああ、D614G ですね。ここがまたすごく興味深いところで、この変異はですね、スパイクタンパク質全体をなんていうか丈夫にしたんですよ。 丈夫に。 ええ、実は1 番最初の武漢株のスパイクって不で切断された後ちょっと不安定で S1 の部分がこうポロっと取れちゃうことがあったんですね。 ああ、なるほど。 これだとせっかくウイルスができても感染力が落ちちゃいますよね。 で、D614G変異っていうのはスパイク の中にある特定のこうループ上の構造を 安定させることでこのSが取れちゃうのを 防いだと結果としてちゃんと感染力を持っ たウイルスの割合が増えたと考えられてる んです。つまりたった1つのアミノ酸が 変わっただけでウイルスの安定性がすごく 良くなって世界中に広がる最初の大きな きっかけになったと。 これはまさにあなたが経験したあのパンデミック初期のウイルスがどんどん広がやすくなった背景の 1つと言えるわけです。 なるほど。単に結合しやすくなったとかじゃなくてスパイク自体が壊れにくくなったとそういうことなんですね。 そういうことです。 ではいよいよ細胞への侵入プロセスですね。 ACE2 にくっついた後、ウイルスはどうやって中に入ってくるんですか? えっとですね、わずH2がRBD にくっつくとRBD が上を向いた、開いた状態がより安定になります。そうするとですね、これまで隠れていた S2ダッシュっていう2 番目の切断ポイントが出てくるんです。そこに今度は細胞側が持ってる別マハサミタンパク質分解構素プロテアゼですね。これが働きかけます。 で、そのハミ役は主に 2つ種類あると考えられていて、 1つは細胞の表面にある TMPRSS2、もう1 つはウイルスが細胞の中に取り込まれた後のエンドソームっていう小さな袋の中にあるカテプシン L。このどちらかです? あ、侵入経路が2つあるんですね。 細胞の玄関先でも直接ドアを開けて入るパターンと ええ、 一旦なんか細胞の中の小部屋みたいなところに入れられてからそこで鍵を開けるパターンと まさにそんなイメージです。 TMPRS の方は特に我々の軌動、鼻とか喉とか灰ですね。そこの細胞の表面にたくさんあります。 一方、カテプシンL はウイルスが言われるエンドサイトシスっていう仕組みで細胞の中にこう取り込まれた後ですね、そのエンドソームの中が賛成になることで活性化して働くんです。 なるほど。 どちらの経路を主に使うかっていうのは実はウイルスの種類つまり変異株によって違いが出てくることが分かってきてるんですね。 へえ。 例えばオミクロン株のあの初期の系統 BA1とかですね。 あれはそれまでの株に比べて TMPRS2 をあまり効率よく使えないという報告があってその分エンドソーム経路の方により頼っているんじゃないかと言われてましたね。 ということは使う経路が違うとウイルスの振る舞いとかもしかしたら症状の出方とかにも影響する可能性があるってことですか? うん。その可能性は十分考えられますね。例えばですけど TMPRS2 を効率よく使う株は肺の奥の方の細胞にも感染しやすいかもしれない。 でもエンドソム経路死体の株はどちらかと いうと増気とか喉での増殖が中心になるか もしれないとかそういう違いがもしかし たらあなたが変異株に風っぽさが強くなっ たなとか感じた経験とどこかで関連してる かもしれないですね。まもちろんこれは すごく複雑な話でいろんな要因が絡むん ですけど。うん。なるほど。それでここ からが本番幕融合ですね。そのS2 ダッシっていうところが切断された後、いよい細胞とくっつく。これはどういう仕組みなんですか? はい。S2ダッシュが切断されて S が完全にこう離れるとですね、今度は残った S2 部分にものすごく劇的な変化が起こるんです。それまで比較的大人なしかったあのプリフュージョン状態から一気に形を変えて非常に安定したポストフュージョン状態っていうのに移ります。 ああ、よく聞くが弾けるみたいな、そういうイメージですか? ええ、良い例えだと思います。まず S2の中にあるHR1 っていう領域がですね、中心でこう長いコイルみたいな構図を作るんです。で、その先端にある融合ペプチド FP ですね。これがまるで森みたいに標的となる私たちの細胞の膜にブスっと突き刺さる。 ほう。次にHR2っていう別の領域が今度 はその中心のコイルに巻きつくように 折りたまれてくるんです。それで非常に 頑丈な6本のヘリックスっていう構造が束 になった6ヘリックスバンドルっていうの を作り上げます。この一連のこう構造変化 によってウイルス自身の膜と細胞の膜が ぐーっと引き寄せられて最終的に融合する んですね。 これで通路が開通してウイルスの遺伝情報、 RNA が細胞の中にドさっと送り込まれると。まるで分子レベルのこうチみたいなシステムですね。 うわあ、本当に成功なメカニズムですね。 AC2 が主要体ということでしたけど、他の分子がなんか手助けしたりすることもあるんですか? えっと、A数2 が主役なのは間違いないんですが、ただ感染する場所によっては細胞の 2 の量がそんなに多くないっていう場合もあるんですね。 そういう場合に例えばNRP1とかそう いった他の分子がウイルスが細胞に くっついたり中に入ったりするのをこう 補助してるんじゃないかという可能性が 言われています。あとTMM106Bと いう文章も最近候補として名前が上がって きてますね。ただこれらが本当に第2の 需要体と言えるのか、それとも単に ウイルスが細胞にくっつくのを助ける、ま 、足場みたいな役割なのか。 その辺りはまだ研究が進められているところです。 さて話は変わって変異株のことなんですけどパンデミックを通して私たちはもうアルファデルタオミクロンって次から次へと出てくる変異株にま本能されてきましたよね。このスパイクタンパ質はその過程でどういう風に変わってきたんでしょうか? まさにウイルスが環境つまり私たちの免疫システムにこう適用していくその進化のドラマですよね。 初期のD614Gがさっき言ったように 安定性を高めた後、α、βγ デルタといったいわゆる懸念される変異株 VOCが登場しました。これらはですね、 それぞれスパイクに、ま、10数個ぐらい の変異を持っていて、感染のしやすさ、 電波性とか、あるいは過護の感染とか初期 のワクチンで作られた免疫からこう逃れる 能力、免疫回避ですね。 これを少しずつ高めていったんです。特にデルタ株の流行はインパクト大きかったですよね。 ええ、大きかったです。そしてオミクロン株が登場して、もう状況が一変しましたよね。変異の数がもう桁違いに増えたと。 そうなんです。あれは本当にこう劇的な変化でした。最初のオミクロン株 B.1.1.529 ですね。あれはスパイクだけでえっと約 34個もの変異を持ってたんです。 34個。 ええ、これはそれまでの変異株とはもう比べ物にならない数です。で、ウイルスの系統図、系統樹を見てもデルタカブなんかから直接進化したっていうよりはかなり離れた枝からこう突然現れたような感じに見えました。 これだけたくさんの変用どうやって獲得し たのかっていうのは、ま、例えば免疫が 弱った患者さんの体の中ですごく長い間 感染が続いてその間に進化したんじゃない かとかあるいはウイルスの監視があまりさ れてない地域で人知れず比を繰り返す中で 段階的に獲得したんじゃないかとかま、 いろんな説がありますけどまだ完全には 分かってないんですね。 そのたくさんの変異っていうのはウイルスに何をもたらしたんですか?やっぱり主に免疫から逃れるためなんでしょうか?うーん。複合的な影響なんですけど、やはり免疫回避っていうのが大きな限動力だったことは間違いないと思います。例えばオミクロン株で見られた K417NとかE484A とかそういう変異は過去の感染とかワクチンで作られた交代がこうくっつきにくくなるそういう効果があります。 一方でN501YみたいにACE2 需要体への結合力、くっつく力を高めるような変異もあるんです。ああ、両方あるんですね。 ええ。で、面白いのは免疫から逃げるための変異が時にその AC2 への結合力をちょっと弱めちゃうっていうことがあるんですよ。 へえ。トレードオフみたいな。 そうなんです。で、その弱まった結合力を補うたにまた別の変異が入ってくるみたいな。 まるでこうあちらを立てればこちらが立た ずでそれをうまく調整するようなすごく 複雑なバランス調整がウイルスの側で行わ れてるんですね。その後のオミクロン系統 例えばXBBとかJNとかそして最新の KP3とかも基本的にはこの免疫から逃れ つつ感染力もちゃんと維持向上させ るっていうま戦略を引き継いでいます。 JN1なんかではスパイクの変異がもう 70個超えてますし、KP3では複数の 変異がこう協力し合ってですね、専門的に はエピスタシス言いますけど、単独だと 結合力を下げちゃうはずの変異 が組み合わせることで逆に結合力を高める みたいなそういう巧妙な進化も見られてる んです。うん。まるで私の免疫とのこう 終わりのない軍争というかい立ちごっこ みたいに感じますね。まさにそうですね。 特にあのNTDっていう領域は変異が ものすごく多くて変異株ごとで高減性 つまり後が認識する顔付きがガラっと 変わることがあります。やっぱり交代から の攻撃を交わすための変化がそこに集中し てるんでしょうね。RBDももちろん変異 するんですけど、こちらはAC2にくっつ くっていう、ま、生命線があるので、基本 的な骨格の構造は比較的保たれてるんです 。変異はやっぱり後体に見つかりにくい ようにタンパク質の表面に集中する傾向が ありますね。あと452番のアミノL 452R とかですね。ああいう場所みたいに全然違う変異株なのに繰り返し同じ場所に変異が起こるホットスポットみたいな場所もあるんです。これは多分多くの人が共通して持ってるタイプの交代から逃げるのに特に有利な場所なのかもしれないですね。 このオミクロン株の登場でウイルスの性質病気の重さ病性みたいなものにも影響はあったんでしょうか?それまでの株例えばデルタ株なんかに比べて細胞同士をくっつける力、融合させる力が弱いとかあと侵入経路としてさっき話したエンドソム経路への依存度が高まったんじゃないかと。これはあの TMPRSSの話と繋がってきますね。 ああ、なるほど。で、実際の人での観察と か動物実験からも病原性、病気の重さとし ては比較的低い傾向にあるという証拠が 集まってきました。一方で感染力は ものすごく高かったわけですけど、ただ その後のアケートBA4とかBA5とかで は融合する力が少し回復したんじゃない かっていう可能性も指摘されています。 病原性全体としてはウイルスの変化だけじゃなくてあなたを含む社会全体の免疫状態、ワクチン摂取感染歴とかも大きく影響するので一概には言えないんですけど全体としては低下傾向にあるとは考えられていますね。 なるほど。 ではこれら全てを踏まえて今度はワクチンの話に移りたいんですが、主にこのスパイクタンパク質を狙い打ちにするワクチン。これまでの話はワクチンにどういう風に繋がってくるんでしょうか? そうですね、1 番重要な点はやっぱりスパイクがこれだけ変化し続ける以上ワクチンも継続的にアップデートしていく必要があるっていうことですよね。 パンデミック初期に開発された主要な ワクチン、例えばMRNAワクチンとか ウイルスベクターワクチンとか、あれは 基本的に最初に見つかった武漢株の スパイクの配列を元にして作られていまし た。で、多くの場合スパイクが安定した あのプレフュージョン状態、くっつく前の 形を保つように特定のアミノ酸をプロリ ンっていうのに置き換える改変、2変異 なんて言われますけど、そういうのが加え られていました。これはいわばスパイクに 内部補強を入れるみたいなそういう工夫 ですね。なんでそのRBD 鍵の部分だけじゃなくてスパイク全体をワクチンに使うことが多いんですか? えっとですね、スパイク全体を使った方が RBD だけよりももっと幅広くてそして強い免疫オートを引き起こしやすいと考えられたからです。 つまりRBD 以外の部分に対する交代もできれば、もしが RBD の一部を変異させてきても他の部分でブロックできるかもしれないウイルスの免疫投避を少しでも送らせることができるんじゃないかと期待されたわけですね。 なるほど。それでワクチンのアップデート状況についても教えていただけますか? はい。特にMRNAワクチン、ファイザー 車とかモデルな性のものは変異株の流行に 合わせてもう何度も更新されてきましたよ ね。最初は従来株とオミクロンのBA4、 BA5株の2科ワクチン。次に XBB.1.5 っていう株に対応した単価ワクチン。 そしてN.1株対応になって最新では KP.2株に対応したワクチンが使われて います。 あとノバックス車の組み替換えサブユニットワクシンも JNN.1 株に対応したバージョンが出てきましたね。一方でウイルスベクターワクチンとか不化ワクチンっていうのは今のところオミクロン株系統への大規模なアップデートっていうのは行われていない状況です。 ちょっと気になるのが最初に打った ワクチン、例えば従来株用のワクチンの 影響でその後に新しい変異株に対応した ワクチンを打ってもなんか体の免疫用が 最初のウイルスの記憶にこう引きずられ ちゃうっていう免疫インプリングいを聞い たことがあるんですがこれどう考えれば いいんでしょう。ああ、免疫インプリン ですね。それは確かに非常に重要な懸念 事項で今も活発に研究が進められています 。つまり最初に暴露された光原、最初の ワクチンとかあるいは感染した時の ウイルスのスパイクに対する免疫がすごく 強く記憶される、その後新しい変異株に 対応したワクチンを接取してもその新しい 成分に対する免疫応答がしまう可能性 があるということです。うーん。 これがもしかしたら更新ワクチンの効果を ある程度的にしてしまっている要因 の1つなんかとも考えられてるんですね。 あなたの免疫システムが持っているこの記憶の特性っていうのがワクチン戦略の難しさにもつがっているというわけなんです。 じゃあそのインプリンティングの問題をどうやって乗り越えようとしているんですか?今後のワクチン開発とかで まさにそこが現在の大きな課題の 1つです。解決策として考えられているの は例えば変異の影響を受けにくいスパイク の中でもあまり変化しない保存された領域 っていうのがあるんですけどそういう ところを標的にするようなもっと広い範囲 のコロナウイルスに効くことを目指した 反コロナウイルスワクチンそういうものの 開発が進められています。あとは免疫オを もっと効果的な部分例えば特定のRBD 領域なんかにこう集中させるような設計を 工夫した新しいタイプのワクチン アプローチこれも研究されていますね。 いや、スパイクタンパク質のあの複雑な 構造から始まって巧妙な細胞への侵入 メカニズム、そしてオミクロン株に見 られるようなもう脅異的なスピードでの 進化と免疫投避。それがまたワクチン開発 に新たな課題を突きつける本当に1つの タンパ質を巡る壮大な攻防線を見てきた ような気がします。本当にそうですね。 イルスと私たち縮そ間で繰り広げられる 免疫システムとのこのダイナミックな相互 作用がこのスパイクタンパ質ていう1つの 文章を通して実に見事に描き出されている と思います。こういった分子レベルでの 詳細なメニズムを理解し続けることが今後 もこのウイルスと付き合っていく上で 間違いなく鍵になってくると思いますね。 さて今日の議論を踏まえて最後にあなたへ の問いかけです。今回の資料では オミクロン株は免疫回避と感染電波能力を 高める一方で一般的には重症化しにくく なったと述べられていました。これはまあ 病原体が新しい縮に適用していく形でよく 見られる現象だとも言われますよね。では 将来を考えた時にこの免疫からの投避と いう非常に強力な選択圧以外にどんな要因 がこのサースコ2の次の大きな変化進化の 方向性を形作る可能性があるでしょうか? そしてその圧力というのはウイルスを単に 継承化させるのとは違う道。例えばこれ までとは異なる細胞や組織への感染しやす さが変わるとか、あるいは持続感染能力の 変化とかそういった方向へとウイルスを 導く可能性はあるのでしょうか?ちょっと 考えてみていただけると面白いかもしれ ません。というわけで今日の探求はここ までです。サーズコブ2 スパイクタンパク室のこの分析があなたに とって何か新しい視点や洞をもたらすもの であったなら幸いです。 ええ、このウイルスの継続的な進化を読み解いていく上で今日お話したような基本となるメカニズムを理解しておくことがきっとあなたの助けになるはずです。 それでは次回まで深く掘り下げ続けること を忘れく。

元の論文
SARS-CoV-2 spike protein: structure, viral entry and variants

Citation
Nat Rev Microbiol. 2025;23:455–468.

要約
本総説は、SARS-CoV-2のスパイク(S)タンパク質の構造、生理機能、細胞侵入機構、そして変異株進化に関する最新の知見を包括的に整理している。Sタンパク質はS1(受容体結合)とS2(膜融合)から構成され、ACE2受容体への結合と宿主プロテアーゼ(TMPRSS2またはカテプシンL)による二段階切断を経て膜融合を起こす。D614G変異によりSタンパク質は構造的安定性を獲得し、感染性が上昇した。S2領域は融合ペプチド(FP)、HR1/HR2コイルドコイル構造、膜貫通ドメインなどからなり、構造変化によりウイルス膜と宿主膜を接合させる。

ウイルス進化では、D614Gに続きアルファ~デルタ株が出現し、免疫圧の中でオミクロン株が支配的となった。オミクロン(B.1.1.529)はスパイクに約34個の変異を有し、免疫回避能と感染力を高めた。サブライン(BA.1〜BA.5、XBB、JN.1、KP.3系統)はさらに多様化し、2024年にはKP.3.1.1が主流となった。これらの変異の多くはRBDやNTDに集中し、ACE2親和性や融合能、抗体逃避に影響を及ぼしている。N501YやQ498RはACE2結合を強化し、E484AやK417Nは免疫回避に寄与した。オミクロンは感染力を維持しつつ病原性が低下し、流行はエンデミック化した。

ワクチン開発では、スパイク全長構造を安定化させるための二重プロリン変異(2P)導入や、膜貫通ドメインを保持した設計が成功し、mRNAワクチン(Comirnaty, Spikevax)が主流となった。2025年時点でオミクロンKP.2系統を標的としたmRNAワクチンおよびJN.1対応のNovavax製サブユニットワクチンが使用されている。今後は免疫刷り込み(imprinting)を回避するため、保存的エピトープに焦点を当てたパンコロナウイルスワクチン開発が課題であると結論づけられている。