あれから37年!クラシカルで豪華なサウンドがクセになる、南野陽子「秋からも、そばにいて」〜アナログレコード1(Vinyl)再生シリーズ

南野陽子「秋からも、そばにいて」
作詞:小倉めぐみ、作曲:伊藤玉城、編曲:萩田光雄

1988年10月8日に発売された13枚目のシングル。
オーバーと感じるほどの豪華なアレンジを施したのはナンノの作品に欠かせない萩田光雄。
2ハーフの構成ながら、パイプオルガンが荘厳な雰囲気を醸すイントロから、サビの一部が導入として使われ、
いきなり半音転調して1コーラス目に入り、間奏、そして2コーラス目のあとの間奏はまったく別のメロディー
となり、アウトロは最初の間奏のバリエーション、など随所に工夫がなされ、よく練られた曲。
クラシカルな雰囲気なので、ゆったりしていると思いきや、16ビートでかなりアップテンポで展開される。
メロディーは基本マイナーコードながら、歌詞はグループ交際で出会った彼と抜け駆けの二人旅で愛を深めて
いく内容であり、しんみりになり過ぎないのは、このテンポによるところも大きい。

楽器は、冒頭のパイプオリガンや随所にちりばめられているチェンバロ、メロディーとオブリガートしたり、
間奏のフレーズとフーガのように追いかけるストリングス、そしてベース、ドラムスなどが生楽器として登場
する以外の装飾的な音はシンセサイザーが多用されている。ギターやオーボエなど生楽器?と思われるもの
もしかり、ナンノ自身のハモリ以外のコーラスも。ただ、それが陳腐に聞こえないのは、生楽器とのバランスと
アレンジ、構成の妙そしてナンノの歌唱によると思われる。
4分半を超える大作だが、飽きず聴くことができ、そして40年近く経った今でも色褪せない作品となっている。
グリコポッキーのCMソングに使用され、オリコン1位、売上約27万枚を記録し、自身のシングル売上の2位となるヒットとなった。

※この曲のバージョンは一つだが、最初のレコーディングで完成したものが、「頬をよせて口づけた」のたの部分が短いものだったよう。自身のラジオ「ナンノこれしきっ!」で最初に新曲として紹介されたものがそれに当たるようで、完成後に再レコーディングしたとのこと。

音源:「Yoko Minamino 40th Anniversary Records」

#南野陽子
#秋からもそばにいて
#ナンノ

※楽曲分析参考文献:あの頃の、オリジナル・カラオケ
https://orikarapoponta.seesaa.net

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