【あんぱん】最終週ネタバレ「愛と勇気だけが友達さ」アンパンマンのアニメが始まる!そしてラストは…

解決アンパンマンの舞台は白手と完成の中 で枠を閉じました。高志は今でのぶが撮っ た写真を1枚ずつ眺めています。 客席で夢中になる田川親子や舞台を見て手 を叩く子供たち。その場の熱キが伝わって きます。ふと目に入ったのは畑子の隣に 座ると富子の笑顔でした。え、お母さん来 てたな。 驚くたしに畑子が微縁で答えます。とみ子 さん前に1人で映画も見に行っちゃったん よ。今回も声をかけてみたが本当は誰より も柳内高石先生を応援しちゅう人やと思う 。 写真のと富子は高志が知る母とは違い ぶ邪気で楽しそうな顔でした。 昔はその笑に釘付けとなり、胸の奥が静か に揺れていきました。 ある日封筒を手に帰宅したのは仕事部屋に こもって机に向かっているにはんだ声で 呼びかけます。 今写真屋さんでこちゃんと嬉しい話を聞い たがよさんが毎晩あの絵本を呼んでって 言うんやって。 昔は振り向かずペを持ったまま少しだけ肩 を動かしました。お孫さんっていくつ ぐらい?3つやって。少しの沈黙の後、 た志はゆっくりと口を開きました。 これまで僕の書くものは子供向けだって 言われるとなんとなく馬鹿にされてる気が してた。でも違うね。小さい 子供って潜入感もない。どんな威にも縛られない。純粋な魂を持った 1 番厳しい評価だよ。だからこそ本気で作らなきゃいけないんだ。言葉を残したままた志しは再びに向かいを滑らせました。 机の上には書きかけの剣とし、線の上を何 度もなぞるようにしながらぽつりとつやき ます。 ミュージカルやった時に何かが足りないっ てずっと引っかかってた。それは悪役なん だと思う。 悪役?でも舞台には出てたやんか。うん。 でもね、もっとチャーミングでどこか憎め ない愛嬌のあるキャラクター。子供たちが アンパンマンを通して人間のいろんな面を 見られるようなそんな存在がいると世界が もっと広がると思うんだ。 ノブは興味深そうにたしの横に腰を下ろし 、髪の上を覗き込みました。 そこに書かれていたのはちょっと魔抜けた 顔をした。 鼻のついた小さなキャラクター。それはええ。 うん。バイキをモチーフにしてるのブはしばらく考えてからぽつりと言いました。可愛くない剣どこがいのぶが名前を尋ねると志しは少し黙り込みがて決意したように開きました。 ワイキーマン。その名を告げられた瞬間、 剣トの上でバイキンマンがいたずらっぽく 笑っているように見えました。新しい物語 の幕分けを感じながら部屋には2人だけの 静かな熱キが満ちています。 昭和53年夏 給料の自動館。読み聞かせを終えたのは汗 を拭いながら休憩室の椅子に腰を下ろして いました。隣にはたしとランコ。ヤギが湯 の立つコーヒーを配りながら口を開きまし た。 バイキンも子供たちに人気だな。 湯気を見つめていたランコがカップを 持ち上げながら高しに問いかけました。 私も気になってたんです。どうしてあんな キャラクターが生まれたんですか?アン パンマンンって戦っても相手を殺さない じゃないですか。 のぶもその言葉に頷き、補うように口を 開きました。バイキンマンもとどめだ。 覚悟しろなんて迫ってくるけど結局アン パンマンは死なんしね。 たしはゆっくりとカップを置き、少し考え てから言いました。 わざと外してるんだよ。僕はそれが健康な 社会だと思うから。人間の体の中にもいい 金とバキがいてきながら保たれてるだろう 。バキが絶滅したら人間も生きられない。 だから絶えず戦いながらも近衡を保ってる 。それが健全な世の中だと思う。 フランコはその言葉をじっと受け止め、 ノブが小さな声でつぶやきました。 みんなが同じものを見て同じ考えを持つ 世の中なんて危ないって。そんなの嘘っ ぱチやってランコも言ってたき。 駅が太顔をあげました。嘘っぱチ。そう 言ったのか。 ランコは視線を落とし、やや間を置いて 語りました。 私は周りに流されてその色に染まって しまったことがあるんです。 静かな沈黙が部屋に流れます。やがて ランコは背筋を伸ばし、まっすぐにへ言葉 を投げかけました。 だからこそもうあんな時代に戻らないよう に書き続けてください。 たしは照れ臭そうに笑いのぶと顔を 見合わせました。 そろそろ仕事に戻るよ。そう言って2人は 部屋を後にします。残されたヤギは湯の 消えたコーヒーを見つめながら深いため息 をつきました。30年以上前の戦争 ランゴもたしもそれを自分のこととして 考えていました。自分だけが逃げ続けてき たのではないか。このままでは卑怯者に なってしまうのではないか。ヤギは決意し ました。乱固の取材を受け自らの過去と 向き合おうと 夜のとりがおり、社員が引き上げた後の 静まり返った給料の社長室。ヤギは ソファーに深く腰を下ろし、正面にはメモ 帳とペンを持った卵が座っていました。 蛍光の白い光が2人の間に張り詰めた空気 を浮かび上がらせています。 本日はよろしくお願いします。その前に1 つ伺いたいのですが、木さんは禁止証章を 受けたことがあると人に聞きました。私は やかには信じられなくて 本当だよ。携帯の勲章なんてものはどれ だけ敵を倒したかで決まるんだ。 ヤギは重く息を吐き、姿勢を正すと記憶を 掘り起こすように言葉を紡ぎ始めました。 俺たちの正体は待ち伏せにあってあっと いう間に放された。上官も仲間も次々に やられていった。 俺はうくまってただ震えるしかなかった。 こんなとこで死にたくない。手叫ぶ声が耳 に残ってる。その戦友もすぐに打たれて 気づいたら俺は気重を握って打ちまくって いた。 日がくれると今度は敵が野を仕掛けてきた 。飛びかかってきた敵と組み合って重で 刺したんだ。顔と顔が触れる距離で相手の 鼓鼓動がだんだん弱くなって最後には消え ていくのが分かった。 ヤは膝の上で握った拳に力を込め俯きまし た。 その死体を殿の代わりにして一晩を起こし た。朝方死体のポケットから財布が落ちた 。開いたら そこには差し殺した敵兵の妻と子供の写真 が入っていた。 言葉はそこで途切れました。ネギの背筋を 冷たいものが駆け上がり、怖ばった両手が 小刻みに震え出します。 40年の時を経ても戦場の記憶はなお戦列 に彼の胸を締めつけていました。 ランコは静かに身を乗り出し、震えるヤギ の手をそっと包み込みました。 そして何も言わずその体を抱き寄せます。 ヤギはこらえていた感情をついに解き放ち 、乱子の胸の中で声を押し殺して涙を流し ました。 バイキンマンを書き出した志は勢いその ままに新しいキャラクターを次々と 生み出していきました。 カレーパンマン、お結びマン、食パンマン 、そしてバタこさんにドキんちゃん。 机に向かうたしの手は止まることなく動き 、白い紙の上に色取り取りの仲間たちが形 を持ち始めます。かつて島サムから キャラクター作りの際があると言われた その言葉が今まさに現実となっていました 。 個性豊かな仲間たちがアンパンマンの世界 に加われることでその物語はます広がりを 見せます。子供たちは笑い時に胸を熱くし ながらその世界に深く引き込まれていき ました。 アンパンマンの物語は仲間たちと共に新た な遺吹きを得ていたのです。 それから7年が過ぎ、昭和60年真夏の8 月。午後の日差しが生事越しに差し込む今 でた志とけ太郎は湯みを手にのんびりと 腰かけていました。 隣の机ではみ子がぶの事務作業を手伝い ながらふと新しく出たアンパンマンの絵本 をめくっています。 このドキんちゃんって誰かに似てない? ページを覗き込んだのぶはしばし考えて から笑顔を浮かべました。 美人でおしゃれやろ。たさんのお母さんに ようにと思う。のぶの視線は棚の上に置か れた写真に向かいました。そこにはと富子 、畑子、千よ子。3人の女性が並んで 微笑んでいる写真。のぶとメイ子は懐かし そうに目を細めます。 ほんまに美人やったね。今頃向こうで3人 中郎か。しみじみとつく声が静かな部屋に 響いたその時。 玄関のチャイムがかくなりました。ノブは あら誰やろと言いながら泡立ち上がり廊下 を小走に去っていきます。残された今で メイクは再び本のドキちゃんを見つめたに 問いかけました。 本当のモデルはお母さんなんですか?母に も少し似てる。でも気が強くて何があって もめげないところはのぶちゃんだよ。 やっぱり め衣子が手を打って笑うとけ太郎が不思議 そうに首をひねりました。 それにしてもなんでドキンちゃんちにした と。見ると心がドキンとするからかあ。 いくつになっても熱々やね。け太郎を青げ にのけぞりながらグラスに入った麦茶を グイっと飲み干しました。笑い声と夏の セミシぐれが部屋いっぱいに広がってい ます。 のぶが玄関を開けるとそこには1人の男が 立っていました。白いワイシャツの襟り元 には汗がにみを半価値で拭いながらどこか 緊張した様子で立ち尽くしています。男の 名は竹山慶造テレビ局に務める若 プロデューサーでした。 ノブは微笑みながら竹山を迎え入れたの 仕事部屋へと案内しました。ドアを開ける と机に向かっていたがこちらを振り返り ます。 テレビ局の竹山さんお話があるそうです。 山は深く一例すると鞄から丁寧に封筒を 取り出し、机の上に差し出しました。 あの、これが企画書です。是非一度おしい いただけないでしょうか?高志は受け取っ た企画書を黙って開き、数ページめくった ところで手を止めました。眉間にシを寄せ 、ぽつりと口にします。 アンパンマンのアニメかですか?はい、 是非実現させたいと考えております。目を 輝かせる竹山とは対象的に表情はどこか 沈んでいます。そんな空気を柔らげようと のが会話を挟みました。 竹山さんはどのキャラクターがお好きなん ですか?日によって変わるんですが、今日 はカビルんルんです。カビルンル可愛い ですよね。大勢でうわーっと現れてえっと あの絵本は1983年4月に発売された ものです。その即頭にのぶは思わず目を 見張りました。滝山は嬉しそうに笑ミを 浮かべながら続けます。 発売された日本は全部それこそすり切れる ほど読みました。本当にアンパンマンの 世界が大好きなんです。 アニメになればもっと多くの子供たちに 知ってもらえると思って。 そのついにのぶは心を動かされそうになり ましたが、隣の高志はなおも渋い化を崩し ません。 前にも1度アニメ家の話があったんです。 でも設定を変えたいと言われてね、 アンパンの顔をしたヒーローがただ悪物を やっつける話にされそうになった。 私は決してそんなことはしません。君が そう思っていてもテレビ局の上の人たちは どうですか?アンパンマンを傷つけられ たくないんです。 沈黙が落ちた部屋に竹山の声が静かに響き ました。 本当にアンパンマンが大好きなんです。だ からどうしてもこの世界を広げたいんです けれどもしは小さく首を横に振り、 立ち上がって深く頭を下げました。 申し訳ありません。今日はお引き取り ください。 竹山は食い下がろうとしましたが、たしの 目には動かぬ意思が宿っていました。は 再び頭を下げ、静かに机に向かい直します 。竹山は唇を噛みしめながら一例し、 ゆっくりと部屋を後にしました。 それから1週間が過ぎたある日、再びない の玄関にチャイムの音が響きます。 対応に出た野の前に立っていたのは先日 断られたはずのテレビ局の竹山慶造。顔に は疲労の色が浮かびつつも目には強い意が 宿っています。 どうしても諦めきれなくて来てしまいまし た。のぶは戸惑いながらも竹山を座敷に 通し、お茶を入れました。 た志は会いく外出中でした。それでも 竹ัย山は静かにしかし熱のこもった声で 話し始めました。 ブはその言葉に耳を傾けながら胸の奥が 震えるのを感じました。 竹山は他のプロデューサーたちとはまるで 違っていたのです。ただの企画ではなく心 からアンパンマンを愛している。その熱意 がの胸に深く届いていました。 夕暮れ時 が帰宅するとのぶは静かに新しい企画書を 差し出しました。 また竹山さんが来てたの。どうしても諦め られないって。え、また来たの? たしは驚きながらも企画書を受け取り、 パラパラと目を通しました。 ノブは穏やかな声で竹山の思いを伝えます 。 竹山さん、幼稚園の本棚のでアンパンマン の絵本が手垢で真っ黒になっちうのを見た んやと。それ見て思うがやって、アンパン マンはもっとたくさんの人に愛されるべき 存在やって、 それからね、出版され中へ本を全部 読み直して弱くて格っこ悪いアンパンマン が逆にかっこえって、尊敬するにはいられ ないって。 そういう人やきアンパンマンを預けても ええやないかって思うが私は た志は黙ったまましばらく考え込みました 。 やがてたしは立ち上がり 机の上の電話に手を伸ばしました。じきを 取り番号をゆっくりと回します。 柳内た孝志と申します。竹山慶造さん いらっしゃいますか? まもなく竹山が電話口に出たのでしょう。 たは静かに、しかしはっきりと語りかけ ました。 竹山さん夜ないです。 僕はね、あなたもテレビ局もまだ信用して いません。でも神さんのことは信用して ます。やりましょう。 電話を切るとはのぶの方を巻きほっとした ように微笑みます。のぶもまた力強く頷き 、その胸にじんわりと温かいものが満ちて いくのを感じました。 竹山との出会いは偶然ではなく必然。ノブ はそんな確信に包まれていました。 アニメ家が決まり、高志は主題家アンパン マンのマーチの歌詞を任されることになり ました。 徹夜で書き上げた現稿用紙を手に、たしは 静かに部屋を出てきます。 できたよ、のぶちゃん。 声をかけられ、のぶはそっと現稿に手を 伸ばしました。その指先が触れた瞬間から 胸の奥がじんわりと熱くなっていきます。 声に出して読み始めたのは歌い出しの1節 。 そうだ。嬉しいんだ。生きる喜び。たえ命 が終わるとしても 言葉の重みが心にずっしりと響き、ノブの 声は途中でかれました。涙が頬うのを止め られず、現稿を持つ手が少しだけ震えてい ます。 これはあの人たちの声やね。 部屋の隅、光の中で静かに置かれている 千ひのラジオがあで2人を包み込んでくれ ているようです。その隣にはと富子、畑子 、千オが並ぶ写真立て。その奥にひしが 映る1枚。そして清が残した小さな手帳。 それら全てがこの歌詞に気づいているよう でした。ノブは目頭を抑えながら何度も何 度も歌詞を読み返します。読み進めるたび に過去の思い出とそれを未来へと繋ごうと するた志の思いが心に染み込んでいきまし た。 ようこんな言葉不敢だね。たさん。たしは 照れ草そうに笑い静かに答えました。 僕1人じゃかけなかったよ。みんながそば にいてくれたから。だからかけたんだ。 その言葉にはまた涙を流しました。でも その涙は悲しみではなく感謝と希望の雫 でした。朝の光がさらに部屋を包み込み、 現行用紙の上に落ちた影がそっと揺れてい ました。 日が過ぎセミの声がまだ残る昼下がり。 そこに姿を見せたのはテレビ局の制作担当 竹山。 素晴らしい歌詞です。どの言葉にも強い 思いが込められているのが分かります。 そういって一呼吸をいた後、少しだけ顔を 曇もらせました。 ただ1点だけここなんですが、たえ命が 終わるとしてもという表現に放送局内で 慎重な意見が出ておりまして、 場が一瞬静まりました。のぶは黙ってい られず思わず身を乗り出します。 あの、この歌詞の中で私はここが1番好き です。命をかけてでも誰かを守るアンパン マンの本質がここにあると思います。 竹山が視線を落としたまま固まっている としもそっと口を開きました。 僕も同じ気持ちです。アンパンマンの魂が 宿っている一説だと思って書きました。 すると竹山はまっすぐに顔をあげ決意 を滲ませた口調で言いました。 単体意見は私が押し切ります。これを放送 できなければテレビマンとしての僕の存在 意義が揺らぎます。人生をかけてでも残し たい言葉です。 たしはその言葉に一瞬目を見開きましたが 、やがて優しく首を横に振りました。 そんな風に自分を削るようなことしないで ください。そこまでしてくれてありがとう 。でも僕が書き直します。 え、もちろん譲れない思いもある。でもね 、子供たちに届けるものだからこそ作り手 同士が喜びながら向き合っていたい。僕に とってはそれが1番大事なんです。 ありがとうございます。その代わり視聴す べきところはちゃんと通させてもらいます よ。いい作品にしたいから僕も全力で 取り組みます。場の空気が少し柔らぎのぶ もアンドの笑ミを浮かべました。で、他に も直すとこあるんですよね。はい。すみ ません。実はこことあとこちらも 竹山が申し訳なさそうに指を刺すとは苦傷 しながら鉛筆を手に取りました。何も言わ ずその箇所に静かに線を引いていきます。 現行のに浮かぶ鉛筆の音だけが静かな午後 の部屋に響いていました。 高志は宣言通り政作の家庭で一切の打球を 許しませんでした。テレビアニメそれアン パンマンが完成するまでには丸2年の最月 が流れていました。 昭和63年10月3日午後5時の放送開始 時刻を前にのぶはテレビの前で待ってい ました。その隣には志の姿。2人の視線は まだ何も映っていないテレビの画面に じっと注がれていました。 やがて主題家のイントロが流れ始め画面に アンパンマンが登場。赤いマントをはめか せ、ふっくらとした顔で元気に空を飛ぶ その姿にのぶは思わず声をあげました。 ほんまに空 の中でまっすぐに空を駆け抜けるヒーロー の姿。それは信とた孝志が共に描いてきた 夢の形でした。 一方、東京の一角。手島の仕事部屋では ペン先が世話しなく紙の上を走っていまし た。手島はアドルフに継ぐの現稿を進めて いたのです。 けっぱなしのテレビから警戒な音楽と共に アンパンマンの声が聞こえてきたその瞬間 、手島の手が止まりました。静かに顔を あげ画面を見つめた手島の瞳目にカスかな 光がります。 占いさんやったんだな。 ペンをそっとに置き、手島はそのまま テレビの前に椅子を引き寄せました。画面 の中で繰り広げられる優しさと勇気な物語 。見るうちに手島の方には知らず知らずの うちに柔らかな笑ミーが浮かんでいました 。 そしてもう1人村は街角の電気屋の前に 立ち止まっていました。 小ウィンドウの中で並ぶテレビでは ちょうどアンパンマンが流れています。 そこに映るのは白髪の髭を蓄えたジャム おじさんの姿です。子供たちが画面に夢中 になる中、1人の男の子がふと安村の顔を マじまじと見つめ、首をかしげながら口に しました。 ねえ、おじさん、邪魔おじさん 違う。村だ。少しむっとしたように返し ながらも村はその場を動うとしませんでし た。再びテレビに目を向けるとアンパン マンが笑顔で飛び回るシーンが流れてい ました。それを見つめる矢村の頬も知らぬ 間に緩み。気づけば子供たちと同じように 顔いっぱいに笑ミが咲いていました。 のぶは父、ゆう太郎の帽子をそっと見上げ ました。父ちゃんうちの夢はアンパンマン が叶えてくれたみたいや。ふとこぼれた その言葉は長い年月の探し物に収支を打つ ものでした。自分が追い求めてきたった1 つの正義。それをあの優しい顔をした ヒーローアンパンマンが教えてくれたの です。 翌朝、竹山が額体に汗を滲ませ、肩で息を しながら柳池にやってきました。 ちょっとご報告が 慌ててコップに水を注ぎ、差し出しました 。竹山は霊を言う紐もなく一気に水を 飲み干し、ようやく息を整えました。 どうされたんですか?電話でも良かったの に。にこれはどうしても直接お伝えし たかったんです。実はちょっとした誤参が ありまして、 その言葉にたしの顔が一瞬怖ました。 まさかテレビマン人生の危機とかそんなに 視聴率悪かったんですか? 冗談めかしながらもどこか不安を滲ませる たしに竹山はすぐさま首を横に振りました 。いえいえ、まさか3%と予想されていた それアンパンマンですが、なんと7%も 取ったんです。快墟です。大成功ですよ。 その瞬間、ロブとの顔がパッと輝きました 。まるで朝日が差し込んだように部屋の 空気が温かく明るくなります。 と信のぶの思いを載せたアンパンマンは今 確かに日本の空へ羽としていたのです。 その日九龍の扉が開く音と共にランコが姿 を見せます。サファリスタイルで現れた ランコを見てヤは思わず目を見張りました 。 今度は海外か。はい。難民キャンプの取材 に行ってきます。筋を伸ばしてそういうの 声には静かな決意が込められていました。 ヤはためき混じりに目を細めます。止めて もどうせ行くんだろう。すみません。軽く 頭を下げたランコにヤギはポケットから1 枚の封筒を取り出しました。 これ誕生日には少し早いけど 受け取った封筒を見つめながら団子は 微笑みました。 給料の理念ですね。記念日や誕生日に カードや小さな贈り物をする。そうする ことで人は争いをやめて笑顔になる。 みんな仲良く。 そんなのただの綺麗事で嘘っぱチだと君は 思ってるんじゃないのか。ヤギさんが本気 でそう思ってるのかずっと聞いてみたかっ たんです。少しの間を置いてヤはまっすぐ に彼女を見つめました。 人間は戦争を繰り返す生き物だ。愛や平和 が幻想だとしたら、そんな世界を未来の 子供たちに残すなんて俺には耐えられない 。 私も嘘っぱチだなんて思っていません。今 はどこかで戦争は続いているからせめて 関心を持ち続けてほしい。そういう国の ことじゃなくて自分のこととして その言葉を聞いてヤギは小さく頷きました 。 分かった。行ってこいけど危険は犯かすな よ。 はい。開けてもいいですか? 封筒の風を切ると中から出てきたのは ロールパンのような髪型の女の子が ちぎり絵で書かれた素朴な手作りカード でした。 その可愛らしさにランコはふっと笑って しまいます。これ給料の商品じゃないです ね。もしかしてさんの手作りですか?笑う な。カードを開いたその時中に何かが 挟まっているのに気づいた乱コの手が 止まりました。小さな指輪がそっとそこに 忍ばされていたのです。 一瞬呼吸を忘れたように固まった後、 ランコはそっとカードと指輪をしまい、 ゆっくりと立ち上がりました。 それじゃ行ってきます。背を向けて 歩き出すその背中にヤギはまっすぐに声を かけました。 帰ってきたら考えてくれ。分かりました。 振り返らずに答えた卵の方には柔らかな笑 が浮かんでいました。 そしてランコが扉を開けて外へ出るとヤギ は静かに窓の外を見上げます。どこまでも 続く空の先にの背中を思い描きながら ヤギは自分が幸せだと感じていることに 気づいたのでした。 事務所では女子たちが現稿を仕上げた志は 作業台でアンパンマンを書いていました。 机の上にはマーカーや消しゴムのかけが 散らばり忙しさを物語っています。一方で のは電話でスケジュールを調整。テレビ アニメの成功によりの仕事は休増しの部は 支え続けていましたが事務所は限界を迎え 新しい人材が必要となっていました。 その後午後のは邪室に若い出し中尾成功を 呼びます。 どうしてどうして私なんですか? 驚きと不安の混じった声で問いかける子に はゆっくりと頷きながら答えました。 せ子さんはアンパンマンを愛してくれてる 。でもそんな人今では日本にたくさんい ます。 でもね、みんなが見向きもしなかった頃 からあなたはずっとアンパンマンを好きで いてくれた。あの子の良さを誰よりも信じ てくれていた の静かな言葉とざしはせ子の胸に強く響き ました。やがて誠子はその思いを 受け止めることにします。 翌日事務所の扉が開きたが外回りから帰っ てきました。玄関に足を踏み入れるとせ子 が立ち上がり慌てて頭を下げました。 先生、お帰りなさいませ。君はえっとお茶 のお弟さんだったよね。はい、中尾せ子と 申します。今日からこちらでお手伝いさせ ていただくことになりました。よろしくお 願いいたします。あ、そうでうちの神さん はお出かけになりました。え、今日は取材 や対談で忙しい日なんだけど、どこへ? まあ君に言っても仕方ないか。すいません 。 スーツの上着を脱ぎかけながら、た志が奥 の仕事部屋へ向かおうとすると、せ子は 思わず後を追いかけました。 あの奥様は病院に行かれました。 病院か具合でも悪いの。 その言葉にせ子はぐっと唇を噛み、目を 捨てました。言葉を探すように俯いたまま のせ子の様子にた志しの胸に触りとした 不安が広がります。一歩せ古子の前に 進み出たその足がふと止まりました。 静まり部屋に時計の病心の音だけが響いて いました。 橋の多元に立つの野部の背中は夕やけの光 に照らされ、どこか墓毛でした。風が川も 渡り、のぶの髪をそっと揺らしていきます 。 遠くからその姿を見つけたは急いで かき寄りました。走る足音に気づいたのが ゆっくりと振り返ります。のぶちゃん ごめんなさい。たしさんがこんなに忙しい 時に細い声にた志はかぶりを振り息を 切らしながら首を横に振りました。何言っ てるんだよ僕こそ。ごめん。仕事ばっかり でのぶちゃんのこと全然気づけなかった。 本当にごめん。 のぶはそっと笑みを浮かべました。その 笑顔はいつもと同じようでいて、どこか影 を落としていました。 大丈夫。 うん。手術したらすぐ元気になるき、 た志しの胸がギュっと締めつけられるよう に痛みました。 まるで自分の心臓が今にも叫び出しそうに なっているのを感じます。その時近くを親 が通りすぎていきました。 この子が母親の手を引きながら声を弾ませ ます。 ママ、アンパンマン始まるから早く帰ろう 。 その言葉にのぶは太目を細め、通り過ぎて いく親子の背中を見つめました。そして 明るい声で振り返り、たしに微笑みかけ ます。うちらもはよ帰ってアンパンマン みんとね。 た志は言葉を失ったまま、ただその横顔を 見つめました。 のぶちゃんうちは大丈夫ちゃ。たしが 追中儀元気100倍や。 その声は風のように優しくてどこまでも 強くてたはそっとの部の肩を抱き寄せまし た。 夕やが2人を包み込み、長く伸びた影が ゆっくりと道に重なっていきました。 2人は肩を寄せ合いながらゆっくりとキに 着きました。その歩みは確かに1つの願い と1つの愛を運んでいたのです。 ノブが退員したのは年が開けたばかりの 冷たい風の服。玄関を開けると見慣れた 家具と温かな木の香りがのぶを出迎えます 。久しぶりの我が家 のぶはそっとソファーに腰を下ろし、窓の 外を見つめながらほつりとつぶやきました 。今年の桜は一緒に見れんかもしれんね。 その言葉を聞いた志はすぐさまの部の隣に 座り、前を向いたまま口を開きました。 そんなことないよ。のぶちゃんが入院し てる間色々調べたんだ。病院の先生に聞い たり、同じ病気の人の体験談を読んだり、 元気になった人もちゃんといる。体にいい と言われたものは全部試してみよう。 たさん、締め切りこジャン地あるのに 大丈夫?ちゃんと仕事もしてたよ。のぶ ちゃんに怒られるからね。 ありがとう。たしはほんまに優しい。 のぶはふっと笑ミを浮かべ、た志しの顔を 見つめました。 こんなに優しい人がおるらって、その人の 女将さんになれるらて。うちは世界一幸せ じゃ。 その言葉にた志は俯き、恋を振わせながら 返しました。 どうしてそんなこと言うんだよ。僕はまぶ ちゃんの病気にも気づいてあげられなかっ た。こんな時までのぶちゃんに心配かけて 情けないよ。 のぶはゆっくりと首を横に振ります。 そんなことない。たしがおらんかったら うちはどうなっちゃったかわからん気ね。 たしはいつもうちの心を明るく照らして くれた。お父ちゃんがどうなった時も自分 が生きって映画か分からんなった時も どんな時もかっこつけんと弱い自分を見せ てくれたやうちは救われたがよい 達水側のたしが大好き のぶちゃん あと少ししか一緒にお連剣度 どんどん溢れてくるがようう死ぬ。この体 はたしの愛でいっぱいちゃ。 たしはたまらずのブをそっと抱き寄せまし た。 ぬくもりの中に言葉では言い表現せない 思いが込み上げてきます。 教えてくれないか?のぶちゃんに何をして あげられるのか。 のぶは少し考えてから静かに言いました。 いたらうちの1番好きなあの歌手。 たしは一瞬戸惑いながらも頷きました。 アンパンマンの町 そっちやのってたさんが初めに書いた歌詞 がえ ボツになった方 のが小さく頷くと高志は呼吸を整え声を 震わせながら歌い出しました。 例え 命が終わるとしても ノブはその歌声に目を細め、心からの愛し さを称えた瞳で見つめました。 ありがとう 。今ようわかった。た志さんがこのに込め た思い。 命はいつか終わる。でもそれは全ての 終わりやのって受け継がれていく アンパンマンの顔みたいに。 やき生きることうなしいことやないがや。 うちの残りの命はたさんにあげる気ね。 ノブの言葉にた志の方法涙が伝えます。 どうしようもなく流れていく時間が怖くて たまらなかった一方で、今2人で生きて いるこの瞬間が掛けがえのない宝物のよう に輝いていました。 そこから奇跡のような5年間が過ぎていき ました。のぶの体はまるで病気なんて なかったかのように元気を取り戻し たしと穏やかな日々を重ねていきます。 2人の元にやってきたのは愛見本。その 愛らしい姿は家の中に新しい笑い声と ぬくもりを運んできます。 なんでもない時間が何より尊い宝物に思え ました。 そんなある日、東京の小さな出版社から 取材の申し込みが届きました。 アンパンマンの原作者としてではなく夫婦 の人生物語として 取材当日のは少し緊張したも持ちで膝の上 にちょこんと座った盆の頭を優しく撫でて いました。 その様子を見た若い記者がにやかに口を 開きました。 奥様から見て先生はどんなことですか? のぶは小さく笑い、たしの顔をちらりと見 ました。 たしは恥ずかしそうに視線をそらします。 根っか優しい人なんです。ちょっと標準を 外れるくらいに虫も殺せんところがあって 心配になるほどです。 が嬉しそうに頷き、手帳にペンを走らせ ました。 そうですか。ではお2人の慣れ染めを是非 聞かせてください。 不に視線が重なった瞬間の信とた志は揃っ て微笑みました。言葉が出るより先にの心 に浮かんだのはあの日ごめよ駅のホームで 初めて見た志の姿。あの時はまさかこんな 未来が待っているとは思わなかった。 少年の日にた志が書いてくれたゆ太郎の絵 。パンク競争に出た日息を切らして走った あの空の青さ。試験の日た志の忘れた受験 表を胸に抱えて駆け抜けた町の匂い。 そして原 で再開した日。 知法で並んで働いた日々。ガード下でくれ たま新しいハンドバック。そして東京で 過ごした日々。 ノブは目を閉じて静かに深呼吸をしました 。 ああ、全部宝物です。 この人と生きてきた時間が、この人のそば で過ごした人生が、それが何よりの誇り でした。 のぶは変わらず子供たちに絵本の 読み聞かせを続けています。その日も子供 たちがぎゅに座り、ラブの声に耳を済ませ ていました。 としてね、アンパンマンは困っている子を 見つけると自分の顔をちぎってあげました 。 読み聞かせが終わった後も子供たちは それぞれにアンパンマンは僕のヒーロー。 私はドキンちゃんが1番と口々に お気に入りのキャラクターを語り合ってい ます。 ロブはその場の中に自然に溶け込み、 笑い声を響かせていました。 その様子を志は少し離れた場所から見守っ ていました。すると1人の子がふとしの姿 に気づきます。あ、アンパマンの先生だ。 その声に数人の子供たちが反応します。 アパマンの先生だ。柳先生。次の瞬間には 10人、20人の子供たちが元と駆け寄り 、笑顔で腕にしがみついてきました。あ、 ちょっと待って。押さないでね。 ありがとう。ありがとう。 たしは苦傷しながらもその小さな手の ぬくもりを受け止めました。子供たちは 元気いっぱいにアンパンマンのマーチを 歌い始めました。 そうだ。嬉しいんだ。生きる喜び た志も照れながらその歌に加わります。輪 の中で子供たちと一緒に体を揺らしながら 嬉しそうに声を合わせました。 のぶは笑いながら少し後ろからその光景を 見つめています。嬉しそうに歌うたしの顔 。その肩に乗った小さな手。風に揺れる 子供たちの笑い声。 行け。みんなの夢守るため。 その歌声が真っさな夏の空に吸い込まれて いきます。 誘導雲の向こうまでまっすぐに届いていく ようでした。 夕暮れの空が赤色に染まり始めた頃、信と は並んで歩いていました。足元の影が長く 伸びる中、はふと立ち止まり、空を見上げ ました。 ねえ、たし ん。どうしたの?ののぶちゃん。 のぶはふわりと笑いました。その目には 優しさが宿っていました。 たしはうちのアンパンマン焼き。 の声は風に乗って優しく響きます。2人は また歩き出し、自然と手をつぎました。 その手の温かさが何よりもの強さでした。 2人の歩く一本道はまっすぐに遠く遠く どこまでも続いていました。まるで未来へ と続いているかのように 空には1話の鳥がこう描くように飛んでい ます。 それはまるでアンパンマンのように誰かの 元へ向かっているようでした。 2人が信じ続けた優しいヒーロー。今日も どこかで誰かの笑顔を守るために高く高く 空を飛び続けているのです。 最後までご視聴いただきありがとうござい ました。コメントを残してくれると嬉しい です。チャンネル登録、高評価もお願いし ます。 またよければチャンネルメンバーになって いただけると大変公栄です。是非とも応援 をお願いいたします。

『怪傑アンパンマン』の舞台が幕を閉じ、登美子の微笑みに心を揺らす嵩。
やがて生まれた“ばいきんまん”という存在は、ただの悪役ではなく、子どもたちに人間の多面性を映し出すキャラクターでした。
八木の戦争体験、蘭子の決意、そして武山の情熱が交差し、ついにテレビアニメ『それいけ!アンパンマン』が誕生します。

主題歌『アンパンマンのマーチ』をめぐる「たとえ命が終わるとしても」の一節に込められた想い。
のぶと嵩が共に歩んだ“奇跡の五年”。
そして子どもたちの歌声が未来へとつなぐ“やさしい正義”。

夫婦の愛と夢が結晶となり、日本中に羽ばたいていく最終週の物語を、じっくりと振り返ります。

――アンパンマンは、今も誰かの笑顔を守り続けているのです。

#ドラマ
#ドラマ感想
#あんぱん