2006年の蛯原友里。「エビちゃんが日本経済を動かした日」〜8490億円の真相〜

さて、今日はちょっと時間を遡って 2006 年という年に注目してみたいと思います。あなたはその頃のこと覚えてますか? なんとなくこうリーマンショックの前でちょっと楽観的なムードがあったというかファッション、特にキャンキャムなんかの影響力がものすごかった時代ですよね。 [音楽] まさにそうですね。あの頃の中心にいたのがやっぱりモデルの海原りさん。海原さん。 エビちゃん。ええ、 もう彼女は単なる人気モデルっていうだけじゃなくて、なんていうか、時代の象徴みたいな存在でしたよね。福岡の大学生だった方があっという間に国民的なスターになった。 本当にシンデレラストーリーですよね。今回はその 2006 年に巻き起こったエビちゃん現象について皆さんと一緒に深く見ていきたいと思います。 いいですね。 なぜ彼女があそこまでの存在になったのか、その背景とか当時の空気感とかその辺りを探っていきましょう。 はい。まずこの現象を語る上で欠かせないのがやっぱり雑誌キャンキャムの存在ですね。 ですよね。 2000 年代の半ばこの雑誌の発行物数最大で 80万部って言われてるんですよ。 は80 万部。ちょっと今では考えられない数字ですよね。 本当に単なる雑誌っていう枠を超えて当時の若い女性たちのこう憧れそのものを定義していたような力がありました。 うん。うん。 で、その戦略が面白くて手の届く憧れっていうのをすごく意識していたんですね。 手の届く憧れですか? ええ、つまり読者がこれなら私も明日来ていけるかもって思えるようなリアルクローズを提案する。しかもアパリルブランドと組んで商品までやっていたんです。 ああ、なるほど。 だから読者も自分ごとして捉えやすかったんですね。 そうなんです。 当時のキャンキャムには海原よりさん、それから山田ゆさん、押し切り萌えさんっていうわゆる 3大トップモデルがましたよね。 あ、そうそういましたね。それぞれ個性がいましたけど。 ええ、その中でも海原さんは特にキャンキャムの顔っていう感じでした。 まさに彼女が対現していたのがあのエビちゃんオールスタイル。 甘くてフェミニンで可愛いを全面に出した感じ。 うん。わかります。 これがですね、前方有受けするファッションとしてすごく指示されたんです。 前方受け。 はい。同僚にも上司にもそれからここがポイントなんですけど、特に男性に好れるっていう。 ああ、なるほど。 当時の女性たちにとってはこれを着ていれば間違いないっていうある種安全でかつ魅力的に見える選択肢だったわけですね。 具体的にはアプイザーリッシュとかああいうブランドが代表的でしたっけ? そうですね。わゆるコンサバ系です。ふんわりしたブラウスに膝ぐらいのスカートとか あとアンサンブルニットとか色はやっぱりピンクとかベージとかパステルカラーが多かったイメージです。 ええ、まさに。 で、その根底にあった価値観がこれまた象徴的なんですけど、めちゃホモテっていう 出ました。めちゃモテありましたね。 あったんですよ。モてることつまり異性から見て魅力的であることがもう隠れたテーマとかじゃなくてはっきりと目標として打ち出されていたんです。 それは結構今考えるとすごいことですよね。 そうですね。 後に出てくるようなもっと個性とか自分らしさ、あるいは同性からの共感を大事にする青文字系とはかなり対象的でした。 うん。うん。 だからキャンキャンはただ服を紹介するだけじゃなくてなんていうか社会的な成功とか恋愛の成功への近道を示すアイデンティ工場みたいな役割もに担っていたのかもしれません。 そして忘れちゃいけないのがエビちゃんシアター。 ああ、ありましたね。あれは人気でした。 写真とセリフで綴るあの連載企画。彼女を主人公にした架空のラブストーリーみたいな。 そうそう。あれでとの間にすごく強いこう感情的な繋がりが生まれたんですよね。 2006 年にはあの連載だけの増号まで出たくらいですから。 増号まですごい。 なぜ彼女の魅力がそこまで社会現象になったのかって言うと、やっぱり彼女のイメージが日本文化に深くね付いている可愛いっていう価値観ともう完璧にシンクロしたからだと思うんです。 ああ、可愛いですか? ええ、可愛いって単に容姿だけじゃなくて幼さとか親しみやすさとかそういうニュアンスも含みますよね。彼女の持つあの甘くてフェミニンな雰囲気はまさにそのど真ん中だった。 なるほど。 だから一家性のブームじゃなくてもっと深いところで響いたんですね。 そういうことだと思います。文化的な B 意識のある種の確信部分と共明したんじゃないかと。 そしてその凄まじい影響力を示すキーワードがエビ売れですよね。 出ました。エビ売れ。彼女が雑誌で来たり CM で紹介した商品がもう雑誌の発売と同時にあっという間に店頭から消えるっていう。 各企業もこって彼女を起してましたよね。 雑誌が完売情報をニュースにするほどだったとか 具体的な例をいくつかあげるとすごいですよ。 是非聞きたいです。 例えばファッションだとあるブルーのトレンチコート。これがなんと 3万枚売れたって言うんです。3 万枚1つのコートが ええ、当時の編集長もこれは異常なことだって言ってたそうです。ワンピースなんかも同じくらい売れたものがあったとか。 いやあ、すごい。 それからもっと身近な例だとマクドナルドのエビフィレオ。 あ、エビフィレオ。あれもそうなんですか? そうなんですよ。2005 年の秋に発売されて、キャンペーンにエビ原さんを起用するとたった 4週間で1000万食。 1000万。 あまりの売れ行きに翌年の 1 月にはもうレギュラーメニュー入りです。 へえ。じゃあ私たちが今普通に食べてるエビフィレオも元々はエビちゃん効果で。 そういうことなんです。きっかけは大きかったと思いますよ。 他にもありますか? もちろんです。 フジフィルムのデジカメファイン pックス2006 年にイメージキャラクターになって顔綺麗ナビっていう機能のプロモーションと彼女のイメージがぴったり合ってました。 ありましたね、そのCM。 あと姿勢道の人気日焼け止めアネッサの主要モデルも勤めてました。新太陽系最強っていうキャッチコピー覚えてませんか? 覚えてます。印象的でした。 それから明治の直例とかしフランとかね。もう本当にジャンルを問わない。 うわあ、こうして聞くと本当に当時のメディアで彼女を見ない日はなかったみたいな感じですね。 まさに。で、これらがもたらしか経済効果。これがまたすごい数字で一説によると 8490億円とも言われてるんです。 8490 億円。ちょっと桁が大きすぎて相場が ですよね。 このエビが示しているのはもう海原よさん自身が彼女が登場する雑誌や CM よりもある意味信頼される広告になっていたってことなんです。 彼女が言うなら間違いないみたいな。 そういうことです。彼女が身につけるもの推薦するものは流行の最先端であり社会的にこれでオッケーという保証を与える力があった。 なるほどなあ。 消費者は単に商品を買っていたんじゃなくて、エビちゃんという理想のイメージ、ライフスタイルそのものを買っていたとも言えますね。 1 人の人間がメディアプラットフォームだったわけです。 うーん。すごい時代ですね。で、このブームの中心にいたのはどういう人たちだったんでしょうか? それはやっぱり2000年代のOL つまりオフィスで働く女性たちが中心でしたね。 当時の働く女性たちですか? ええ、当時の社会状況をちょっと考えてみるとちょうど女性の非正雇用が吹いていた時期でもあるんです。 2006 年には働く女性の半数以上が非正規だったというデータもあります。 ああ、そうか。そういう時代背景もあったんですね。 そうなんです。 だからエビちゃんオイルが見せていたあの明るくておしゃらで仕事も恋もうまくいってそうなイメージっていうのはもしかしたらどこか不安定さを感じていた女性たちにとって一種の憧れのファンタジーだったのかもしれない。 なるほど。現実とのギャップを埋めるような。 ええ。 そして同時に彼女たちのファッションっていうのは会社で悪友立ちせずでもちゃんと魅力的でという非常に安全な選択肢でもあったわけです。 確かにあのスタイルならどんな職場でも浮かない感じはしますもんね。 そうですね。そして先ほども出ましたけど当時のファッションは赤文字系が主流でやっぱり男性からの視線表を意識するっていうのが大きな価値観としてありました。 海原さんはその表の究極の対現者みたいなイメージでしたね。 まさにこれはその少し前に流行ったもっと個性的である意味過激だったギャルファッションなんかからのゆり戻しっていう見方もできます。 ああ、なるほど。ギャルからもっとコンサバな方向へ。 ええ、エビちゃんオイルの清楚でいわゆるお嬢様っぽいスタイルはより秩序だった伝統的な女性らしさへの怪奇を象徴していたという側面もあったと思います。 そしてやっぱり可愛いという文化的な価値観。 そうですね。そこは大きいですね。彼女のイメージはまさに日本の可愛い文化の象徴でしたから。 これらの要因がちょうど 2008 年の金融危機前の比較的消費マインドが安定していたというか、まだ楽観的だった経済状況の中でうまく噛み合ったわけですね。 ええ、その経済的な背景もエビのような大きな増傷連を後押しした要因の 1つだと思います。 そして彼女の活躍は雑誌だけにとまらなかったんですよね。 そうなんです。2006年の4 月には女優としても本格的にデビューします。ドラマブスの瞳に恋している。 ああ、ありましたね。稲垣五郎さんと森さん中の村上さんが出演されてた。 そうです。そうです。で、エビ原ソの役柄がなんと人気モデルのエビ原とみ役っていう [音楽] とみほぼ本人役みたいな設定だったんですね。 そうなんですよ。現実の彼女のパブリックイメージとドラマの役柄を重ね合わせるっていう非常にうまい戦略でしたね。 それはになりますよね。 ええ、キャンキャンでやっていたエビちゃんシアターの世界観を今度はゴールデンタイムのドラマっていうもっと大きな部隊で展開したようなものです。 で、そのドラマの視張率もすごく良かったんですよね。 ええ、平均で16.0% 初回はなんと19.9% を記録したんです。20%近く。すごい。 これで彼女の存在感とか魅力っていうのが元々のファッション好きの層だけじゃなくて本当に日本中のお茶の間に浸透したまさに国民的なスターダムに書き上がった瞬間と言えるでしょうね。 雑誌での人気がテレビに波及してテレビでの活躍がまた雑誌や CM への注目を集めるっていうすごい相場効果が生まれていたんですね。 まさにその通りです。 ただ一方でこれだけ大きなブームになるとそのなんていうか影の部分というかそういう側面も考えられますよね。 と言いますと 例えばさっき出ためちゃモテ文化あれが女性の美しさとか成功の形をなんかこう 1 つに決めつけてしまうようなそういうプレッシャーもあったんじゃないかなって。 ああ、なるほど。わゆるの呪縛みたいなことですね。 そうそう。 確かに男性からの評価をすごく気にするあまり自分の個性とか本当に好きなスタイルを出しにくくなるっていう見方はありますね。 特定のゆるエビちゃんオール的なスタイルへの同調圧力が当時はかなり強かった可能性はあります。 うん。うん。みんなが同じような格好をしてたや記憶もありますしね。 そうですね。そして時代の大きな転換点になったのがやっぱり 2008年のリーマンショック。 ああ、そこで空気が変わりましたよね。 ええ、経済的な不安が広がって節約思考が高まったり、それからファッションの世界でもちょうど海外のファストファッションブランドがどんどん日本に入ってきたり、 ザラとかH&Mとか そうです。あるいはもっと多様なスタイルを提案する青文字系の雑誌が対当してきたりしてキャンキャン的な価値観がまあ一だった時代っていうのは終わりを告げていくわけです。 なるほど。 だからエビちゃん現象のあの熱狂っていうのはある意味で 2008 年以前の経済的な楽観主義とセットになった一種の文化的なバブルだったとも言えるのかもしれません。経済状況が変わるとやっぱり文化的な流行も変わっていくんですね。 時代の移り変わりを感じますね。でも海原ゆさんご自身のキャリアはその後もずっと続いていますよね。 そうなんですよ。 そこが彼女のすごいところだと思うんですが、 2008 年にキャンキャンを卒業されて、その後はお姉さん雑誌の姉キャンへ。 はい。 さらにその後はドマニー、そして今は 40 代ケのマリソルで表紙を飾るなど活躍を続けていらっしゃいます。 なぜ彼女はこれだけ長く第 1戦で指示され続けているんでしょうか? それはやっぱりあのエビちゃん OL っていうあるし固定化されたイメージから見事に進化を遂げたからでしょうね。 進化ですか? ええ、モテっていうキーワードからもっと大人の女性のエレガンスとかキャリアあるいは結婚や出産を経て母性といったテーマへとご自身のライフステージの変化に合わせて発信するメッセージも変化させていった。 なるほど。 かつてのキャンキャン読者だった層も一緒に年齢を重ねていく中で彼女は常にその世代も新しいロールモデルであり続けている。 だから単なる過去のアイコンじゃなくて、今も多くの女性にとっての憧れの存在であり続けているんだと思います。 読者と一緒に成長してきたっていう感じなんですね。 まさにそう言えると思います。 いや、今日は2006 年のエビちゃん現象を振り返ってみましたけど、改めてすごい時代だったんですね。 本当ですね。可愛いを対現するカリスマが いて、絶大な影響力を持つメディアがあっ て、そして大量消費と同調を後するような 経済状況があった。いくつかの要因が本当 に奇跡的に重なって生まれた特別瞬間だっ たんだなと感じます。2000年代の日本 をすごく象徴する出来事ですよね。 が中心になってああいう 1 つの大きな流行ムーブメントを作り出したっていう意味ではある種のモノカルチャー時代の最後の輝画の 1つだったのかもしれないですね。 うーん。なるほど。最後にこれを聞いてくださっているあなたにもちょっと考えてみて欲しいことがあるんです。 はい。あの、2006 年頃に提示されていたあの、理想の女性像って当時の女性たちの生き方とか、あるいは社会全体の価値観にどれくらい影響を与えたんでしょうか。 うん。 そして、あの、前方位受けを目指す感覚って形は変わっているかもしれないですけど、私たちの心のどこかに今もちょっと残っていたりしませんか?その辺り是非考えてみていただけたらと思います。

2006年、日本中を席巻した「エビちゃん現象」。
雑誌『CanCam』は発行部数80万部を記録し、モデル・蛯原友里は「めちゃ♡モテ」の象徴として国民的スターに。
彼女が紹介した商品は瞬く間に完売し、その経済効果は 8490億円 にも上ると試算されています。

本動画では、
• なぜエビちゃんが社会現象になったのか?
• 「エビ売れ」を生んだ仕組みとは?
• その影響は女性の生き方や日本文化をどう変えたのか?
• リーマンショック後に訪れた終焉と、その後の進化

を徹底的に解説します。

あの頃を知る世代には懐かしく、若い世代には新鮮に映る——
「かわいいは正義」と言われた時代の真実を一緒に振り返りましょう。

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