【専門医徹底解説】コロナ後遺症や風邪の後の嗅覚障害の原因と治療法

はいクリックありがとうございます新潟県 柴田市で耳鼻会をやってる富田と申します 匂いを感じなくなって食べ物が全然 美味しくない食事がつまらないなのに家族 ですらこの辛さを分かってくれないこの ように嗅覚障害でお悩みの方が党員にも 多く受信されます匂いがなくなると食事の 楽しみが減るだけではありませんガス漏れ や火にかけていた鍋が焦げていても気づか なくなりますそして認知症が発症する以前 に嗅覚が低下することも分かっています嗅 は生きていくために失ってはいけないもの なんです大事な嗅覚が風やコロナウイルス 感染症で失われることは誰にでも起こり得 ますそうなった時のために今回の動画では 嗅覚障害を自分で診断し直す方法を解説し ていきます動画の後半では嗅覚を刺激し 認知機能を向上させる方法も解説してい ますので是非最後まで動画をご覧ください このチャンネルではちび印行化専門医が 嗅覚だけではなく生きていくのに必要 不可欠な聴覚バランス感覚についても動画 を発信しています見逃したくない方は今の うちにチャンネル登録をしておいて もらえればと思います今日お話する内容は 4つです1嗅覚が失われる2つの原因と 関連する病気2嗅覚障害を自分で診断し 直す方法3コロナや風の後の嗅覚障害に 聞く市販薬4嗅覚を鍛えて認知機能を保つ 方法それでは順番に解説していきます匂い の元となる分子は数10万種類もあります この匂い分子の組み合わせが様々な匂いと なります例えばコーヒーには数百種類の 匂い分子が含まれていますこの匂い分子が 鼻の上部にある急粘膜に付着し急神経が 匂いを感じますこの神経が壊れると匂いが 分からなくなります事故で頭をぶつけたり コロナウイルス感染症で神経が壊れると 嗅覚障害になります旧神経が壊れていなく ても鼻詰まりや鼻水が邪魔をして匂い分子 が急粘膜に届かない場合も匂いを感じなく なります嗅覚障害を引き起こす代表的な 病気はアレルギー性美園蓄の症そして風や コロナウイルス感染の3つですアレルギー 性美園と蓄の症は鼻の問題風やコロナの後 の嗅覚障害は神経の問題となりますこれら 3つの病気を見分けるためにまず鼻水を よく噛んで納豆やニンニなどの強い匂いを 嗅いでみてください少しでも匂いを感じる 場合は急神経が保たれていて壊れていない 証拠ですこの場合嗅覚障害の原因は鼻の 問題でアレルギー性美や蓄の症が疑われ ますどちらの鼻の病気か簡単に見分ける ポイントは鼻水です黄色の粘り気のある 鼻水が2週間続き頭が重い感じがすれば蓄 の症です詳しくはこちらの動画で解説して います蓄の症の治療はこちらの動画を参考 にしてください一方透明または白の花水 ならアレルギー性備えの可能性が高いです 治療は花粉症の薬と同じになりますので こちらの動画を見てみてください鼻水も なく鼻もよく通っているのに匂いが全く 感じられないこの場合急神経が壊れている 可能性があります特に風になったりコロナ ウイルスに感染して1週間後に匂いがし なくなった場合は神経の問題です旧神経が 壊れるメカニズムはまだ解明されていませ んがウイルスが脳に到達しないように求心 が積極的に壊れていると考えられています 急神経は鼻の急場費から脳に直接繋がって いますそのためウイルスが急場念満から 神経を通して脳に伝わりやすいのです ウイルスに感染した時は先に急神経が積極 的に壊れることで神経を通ってウイルスが 脳に行かないように守っていますつまり 嗅覚を犠牲にすることで脳を守っている 可能性があるのですそれではウイルスで 壊れた急神経を回復させるにはどうすれば 良いのでしょうかおすすめはステロイド 天美薬ですウイルスによる嗅覚障害の原因 はウイルスが直接神経を傷つけることと ウイルスから神経を守ろうとする神経細胞 の免疫応答による神経障害の2つが考え られていますステロイドは免疫応答を 和らげ感染初期の鼻の粘膜の炎症やむくみ も抑える効果があります市販薬なら フルナーゼ天美薬などを2から3週間使っ てみてくださいコロナウイルスの オミクロン株による嗅覚障害では1ヶ月で 9割が回復すると報告されています焦らず に神経の回復を待ちましょうただし発症後 3から4週間経っても匂いが分からない 場合急神経が直接ウイルスで障害されて いる可能性がありますこれにはステロイド の効果は期待できませんなので1ヶ月以上 ステロイド転移薬は万全と使い続けないで ください代わりに漢方薬を飲みながら嗅覚 刺激療法を行ってくださいこれら漢方薬と 嗅覚刺激は急神経に栄養と刺激を与え神経 の再生を促します急神経細胞は髪の毛や 皮膚と同じようにに古い細胞が死ぬと 新しい細胞が生まれるサイクルがあります マウスやラットでは旧神経が壊れても4 から6週間で見た目も機能も回復すること が分かっていますこの神経が回復するため に重要なのが神経成長因子と言われるもの ですこれは神経を再生させる肥料のような もので特に脳のカにある救急に多く存在し ています動物実験ではこれを投与すると 救急から急年膜までの急神経繊維が徐々に 伸びることが分かっていますこの肥料で ある神経成長因子を活性化させる成分が 漢方薬に入っているのです代表的な漢方薬 は当期借薬さ神危刀人参養党ですこれらの 漢方薬は市販されていますので容易に手に 入れることができますこれらに含まれる3 つの成分が神経再生に有効と考えられてい ます僧術は神経成長飲酒を作るのを助け 人参は神経の特許を伸ばす作用借も中枢 神経の記憶障害を改善する効果があるそう ですしかし現在神経成長因子そのものを 含む薬はありませんなぜなら神経成長因子 が脳に到達しにくいからです紹介した漢方 薬は脳にある神経成長因子の働きを高め 嗅覚障害を改善すると言われています直接 神経を再生する薬ではないため効果が出る までに少なくとも3から6ヶ月はかかり ますこれらの漢方薬を飲んだ人の6割で風 による嗅覚障害が改善したそうですコロナ ウイルスの嗅覚障害への効果は不明ですが 他に有用な薬がないので漢方薬を試して みると良いでしょう漢方薬がない海外では 嗅覚刺激療法が行われています良い匂いを 毎日定期的に嗅ぐことで神経を再生させる 治療です2009年の研究では4種類の 匂いエキスを1日2回10分間12週間 買いでもらったところ何もしなかった患者 さんより嗅覚の回復が早かったことが 分かりました匂い分子が神経細胞を刺激士 旧神経の神経繊維が伸びると考えられてい ますこの嗅覚刺激は脳の匂いを感じる部分 の血液の流れも良くすることが分かってい ますそれではどんな匂いを嗅げば良いの でしょうか研究では嫌な匂いではなく4 種類の良い匂いが選ばれています一般的に 匂いは大きく6種類の系統に分かれます この6種類から焦げた匂いと腐った匂い 以外の4つの良い匂いを書きますそれは 果物お花樹木薬の匂いの4つです海外では レモンバラユカリクローブの匂いが使われ ていますネットの通販で嗅覚刺激療法用の 4つのエキスも販売されていますので気に なる方は購入して試してみてください ちなみに日本人にはゆかなどの匂いに 馴染みがないのでパイナップルバニラ ココナッツシプの4つの匂いエキスで嗅覚 刺激治療の研究がされていますこのような エキスを手に入れられない場合は身近な 良い匂いを意識して嗅ぐことを行い ましょうご自身に馴染みのある匂いであれ ば良いですただし腐った匂いや焦げた匂い などの嫌な匂いは避けましょうこれらは 異臭症を引き起こす可能性があるからです 嗅覚の異常の1つで本来の匂いと違って嫌 な匂いに感じる病気です良い匂いの4系統 を特に選んで嗅ぐようにしてください 例えば馴染みのあるお花や果物ひのきなど の柱や焚き火に使う薪などの木材の匂い そしてわさびや生姜メントールなどの ツーンとする薬味の匂いの4種類を選んで 嗅ぐと良いでしょうすごい強い匂いである 必要はありません1日に10秒以上1日3 回は匂いを嗅ぐようにしてください動物 実験では嗅覚障害後1週間で新しい神経が 出現し2週間目から脳の救急が反応する ことが分かっています従って嗅覚刺激療法 は1ヶ月以内に始め匂いをするまで3ヶ月 間はするのが良いと考えられます最後に 認知症と嗅覚障害についてお話します認知 症の人は認知機能が低下する前から嗅覚 障害を起こしていることが分かっています 嗅覚障害のある人は認知症が重症化し やすいとも言われていますただし嗅覚障害 を予防すれば認知症も防げるかというと そうではありません認知症のあるなしに 関係なく年齢と共に嗅覚は衰えることが 分かっています60歳以上の25%に80 歳以上では5050%で嗅覚の低下が認め られます現在カレによる嗅覚障害に対する 治療法は確立されていません風の後の嗅覚 障に有効な嗅覚刺激療法も高齢者には効果 が限定的であることが分かっています しかし日頃から匂いを意識して書くことは 嗅覚障害の早期発見につながります認知 機能の低下に早く気づくためにも匂いを 意識した生活を送りましょう以上嗅覚障害 についてお話ししましたまとめます嗅覚 障害の原因は匂いの分子が急年膜に届いて いないか匂いの神経が壊れているかの どちらか鼻詰まりや鼻水があって匂いがし なければアレルギー整備炎や蓄の症を 考えよ風を引いた後に鼻詰まり鼻水がない のに匂いがしない場合は急神経が壊れて いる風やコロナによる嗅覚障害には感染後 1ヶ月以内ならステロイド転を3週間を 超えたら嗅覚刺激トレーニングをしながら 当期社屋さんを飲むことを考えましょう この動画が良かった方は高評価ボタンを よろしくお願いします今日も何人もの患者 さんがコロナの後に匂いがしないと党員に 来られましたこのまま治らないかもと 考えると不安でで不安で眠れないと おっしゃっていました嗅覚障害は目には 見えず他人への影響もないため本人にとっ ての大きな問題が他人に理解できないため 皆さん大変苦しまれていますそれでも新型 コロナに感染して嗅覚を失った患者さんの 80%が1ヶ月以内に95%が6ヶ月以内 に嗅覚を取り戻していますこの動画を見て 皆さんご自身でできることをやって嗅覚 障害を克服していきましょうこれからも 病院に行かなくても住むように役に立つ 医療情報を信していきますのでチャンネル 登録をして見逃さないようにしておいて くださいそれではまたさようなら

紹介した動画

参考文献
はじめての嗅覚トレーニングセット(容器・説明書つき)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/58/12/58_58.1356/_pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkotokeibu/127/2/127_71/_pdf/-char/en
厚労省コロナ嗅覚障害報告
https://www.m3.com/clinical/news/1044328
https://www.m3.com/clinical/news/1044329
嗅覚刺激療法のレビュー
https://www.rhinologyjournal.com/Rhinology_issues/manuscript_1517.pdf
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD178BX0X10C22A5000000/
https://www.nationalgeographicla.com/ciencia/2022/05/como-recuperar-el-olfato-despues-del-covid-19-un-entrenamiento-te-ensena-a-hacerlo
においの6種類
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/lary.25245
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shikohinbunka/2016/1/2016_06/_pdf/-char/ja

0:00 タイトル
1:09 目次
1:28 匂いのメカニズム
2:08 嗅覚障害2つの原因
2:24 原因を見分ける方法
3:13 コロナ後の嗅覚障害
3:59 治療①ステロイド点鼻
4:34 治療②漢方薬
6:36 治療③嗅覚刺激トレ
7:56 簡単な嗅覚刺激
8:55 認知症と嗅覚障害
9:47 まとめ

今日お話しする内容は、4つです。
①嗅覚が失われる2つの原因と関連する病気
②嗅覚障害を自分で診断し治す方法
③コロナや風邪の後の嗅覚障害に効く市販薬
④嗅覚を鍛えて認知機能を保つ方法
それでは順番に解説していきます。

①嗅覚が失われる2つの原因と関連する病気
匂いの元となる分子は数十万種類もあります。
この匂い分子の組み合わせが様々なにおいとなります。
例えばコーヒーには数百種類の匂い分子が含まれています。
この匂い分子が鼻の上部にある嗅粘膜に付着し、嗅神経が匂いを感じます。

この神経が壊れると、匂いがわからなくなります。
事故で頭をぶつけたりコロナウイルス感染症で神経が壊れると嗅覚障害になります。
嗅神経が壊れていなくても、鼻づまりや鼻水が邪魔をして匂い分子が嗅粘膜に届かない場合も、匂いを感じなくなります。

嗅覚障害の原因や治療は、嗅神経が生きているか壊れているかで大きく異なります。
嗅神経が生きている場合は、匂い分子が鼻の天井にある嗅粘膜に届かない、つまり鼻の問題で匂いがしなくなります。
一方、嗅神経が壊れている場合は、嗅神経から脳までの神経そのものの問題です。
嗅覚障害を引き起こす代表的な病気は、アレルギー性鼻炎、蓄膿症、そして風邪やコロナウイルス感染の3つです。
アレルギー性鼻炎と蓄膿症は鼻の問題、風邪やコロナ後の嗅覚障害は神経の問題となります。

②嗅覚障害を自分で診断し治す方法
これらの3つの病気を見分けるために、まず鼻水をよくかんで、納豆やニンニクなどの強い匂いをかいでみてください。
少しでも匂いを感じる場合は、嗅神経が保たれていて壊れていない証拠です。
この場合、嗅覚障害の原因は鼻の問題で、アレルギー性鼻炎や蓄膿症が疑われます。
どちらの鼻の病気か簡単に見分けるポイントは、鼻水です。
黄色の粘り気のある鼻水が2週間続き、頭が重い感じがあれば蓄膿症です。
一方、透明または白の鼻水なら、アレルギー性鼻炎の可能性が高いです。
治療は花粉症の薬と同じになります

鼻水もなく、鼻もよく通っているのに匂いが全く感じられない。
この場合、嗅神経が壊れている可能性があります。
特に風邪になったりコロナウイルスに感染して1週間後に匂いがしなくなった場合は、神経の問題です。
嗅神経が壊れるメカニズムはまだ解明されていませんが、ウイルスが脳に到達しないように嗅神経が積極的に壊れていると考えられています。
嗅神経は、鼻の嗅上皮から脳に直接つながっています。
そのためウイルスが嗅上皮粘膜から神経を通して脳に伝わりやすいのです。
ウイルスに感染したときは、先に嗅神経が積極的に壊れることで、神経を通ってウイルスが脳に行かないように守っています。
つまり嗅覚を犠牲にすることで脳を守っている可能性があるのです。

③コロナや風邪後の嗅覚障害に効く市販薬
それではウイルスで壊れた嗅神経を回復させるにはどうすればよいのでしょうか
オススメは、ステロイド点鼻薬です。
ウイルスによる嗅覚障害の原因は、ウイルスが直接神経を傷つけることと、ウイルスから神経を守ろうとする神経細胞の免疫応答による神経障害の2つが考えられています。
ステロイドは免疫応答を和らげ、感染初期の鼻粘膜の炎症やむくみも抑える効果があります。
市販薬ならフルナーゼ点鼻薬などを2から3週間使ってみてください。
コロナウイルスのオミクロン株による嗅覚障害では1か月で9割が回復すると報告されています。
あせらずに神経の回復を待ちましょう。

ただし、発症後3〜4週間経っても匂いが分からない場合、嗅神経が直接ウイルスで障害されている可能性があります。
これには、ステロイドの効果は期待できません。
なので1か月以上、ステロイド点鼻薬は、漫然と使い続けないでください。

代わりに漢方薬を飲みながら、嗅覚刺激治療を行ってください。
これら漢方薬と嗅覚刺激は、嗅神経に栄養と刺激を与えて、神経の再生をうながします。

嗅神経細胞は髪の毛や皮膚と同じように、古い細胞が死ぬと新しい細胞が生まれるサイクルがあります。
マウスやラットでは、嗅神経が壊れても4~6週間で見た目も機能も回復することが分かっています。
この神経が回復するために重要なのが「神経成長因子」といわれるものです。
これは、神経を再生させる「肥料」のようなもので、特に脳の下部にある嗅球に多く存在します。
動物実験では、これを投与すると、嗅球から嗅神経細胞までの神経線維が次々に伸びることがわかっています。
この肥料である、神経成長因子を活性化させる成分が漢方薬に入っているのです。

代表的な漢方薬は、当帰芍薬散、加味帰脾湯、人参養栄湯です。
これらの漢方薬は、市販されているので、容易に手に入れることができます。
これらにふくまれる3つの成分が神経再生に有効と考えられています。
蒼朮は神経成長因子を作るのを助け、人参は神経の突起を伸ばす作用、芍薬も中枢神経の記憶障害を改善する効果があるそうです。

しかし現在、神経成長因子そのものを含む薬はありません。
なぜなら、神経成長因子が消化管から吸収されにくく、脳に到達しないからです。
紹介した漢方薬は、脳にある神経成長因子の働きを高め、嗅覚障害を改善すると言われています。
直接神経を再生する薬ではないため、効果が出るまでに少なくとも3から6か月はかかります。
これらの漢方薬をのんだ人の6割で風邪による嗅覚障害が改善したそうです。
コロナウイルスの嗅覚障害への効果は不明ですが、ほかに有用な薬がないので、漢方薬を試してみると良いでしょう。

漢方薬がない海外では「嗅覚刺激療法」が行われています。
良いにおいを、毎日定期的に嗅ぐことで神経を再生させる治療です。
2009年の研究では、4種類の匂いエキスを1日2回、10分間、12週間嗅いでもらったところ、何もしなかった患者より嗅覚の回復が早かったことが分かりました。
臭い分子が神経細胞を刺激し、嗅神経の神経線維が伸びると考えられています。
この嗅覚刺激は、脳の臭いを感じる部分の血液の流れも良くすることが分かっています。

それではどんなにおいを嗅げば良いのでしょうか
研究では、嫌な臭いでなく、4種類の良い匂いが選ばれています。
一般的に匂いは、おおきく6種類の系統に分けられます。
この6種類から、焦げた匂いと腐った匂い以外の4つの良い匂いを嗅ぎます。
それは果物、お花、樹木、薬味の匂いの4つです。
海外では、レモン、バラ、ユーカリ、クローブの匂いが使われています。
ネットの通販で嗅覚刺激療法用の4つのエキスも販売されていますので、気になる方は購入して試してみてください。
ちなみに、日本人にはユーカリなどの匂いになじみがないので、パイナップル、バニラ、ココナッツ、湿布の4つの匂いエキスで嗅覚刺激治療の研究がされています。

このようなエキスを手にいれられない場合は、身近な良い匂いを意識して嗅ぐことを行いましょう。
ご自身に、なじみのある匂いであれば良いです。
ただし、腐った匂いや焦げた匂いなどの嫌な臭いは避けましょう。
これらは「異臭症」を引き起こす可能性があるからです。
嗅覚の異常の一つで、本来の匂いと違って嫌な匂いに感じる病気です。
良い匂いの4系統を、特にえらんで嗅ぐようにしてください。
例えば、なじみのある①お花や②果物、③ヒノキの柱や焚火に使う蒔きなどの木材の匂い、そして④わさびや生姜、メントールなどのツンとする薬味の匂いの4種類を選んで嗅ぐと良いでしょう。
強い匂いである必要はありません、1日10秒以上、1日に3回は匂いを嗅ぐようにしてください。
動物実験では、嗅覚障害後1週間で新しい神経が出現し、2週間目から脳の嗅球が反応することが分かっています。
したがって、嗅覚刺激療法は1ヶ月以内に始め匂いがするまで3ヶ月間はするのが良いと考えられます。

最後に認知症と嗅覚障害についてお話しします。
認知症の人は、認知機能が低下する前から嗅覚障害を起こしていることが分かっています。
嗅覚障害のある人は認知症が重症化しやすいともいわれています
ただし、嗅覚障害を予防すれば認知症も防げるかというと、そうではありません。
認知症の有る無しに関係なく、年齢とともに嗅覚は衰えることがわかっています。
60歳以上の25%に、80歳以上では50%で嗅覚の低下が認められます。
加齢による嗅覚障害に対する治療法は確立されていません。
風邪の後の嗅覚障害に有効な嗅覚刺激療法も、高齢者には効果が限定的であることが分かっています。

しかし嗅覚トレーニングは、低コストで安全性が高い非常に魅力的な治療法です。
予防効果があるかは不明ですが、日頃から匂いを意識して嗅ぐことは、嗅覚障害の早期発見につながります。
認知機能の低下に早く気づくためにも、匂いを意識した生活を送りましょう。