RSウイルス感染症が増加傾向 足利市ではワクチン接種費用を助成
特に乳幼児が感染し重症化するおそれのあるRSウイルス感染症が、栃木県内で増加傾向にあります。
重症化を防ぐための妊婦向けのワクチンも製造と販売が承認され、足利市では接種費用の助成が始まっています。
「RSウイルス感染症」を発症すると、発熱やせきといった軽いかぜのような症状が出ますが、ほとんどの場合、数日から1週間ほどで徐々に回復します。
「RSウイルス」には2歳くらいまでにほぼすべての子どもが1回は感染するとされていて、特に生後6か月未満の場合は、肺炎や気管支炎を起こして重症化し、入院が必要となることがあります。
県内の医療機関から8月3日までの1週間に報告された感染者の数は35人で、増加傾向にあります。
一方でこの「RSウイルス感染症」の重症化を防ぐための妊婦向けのワクチンが開発され、2024年1月に製造と販売が承認されました。
このワクチンは「母子免疫ワクチン」と呼ばれ、妊娠24週から36週の妊婦が接種することで、生まれてくる赤ちゃんに抗体を与えることができ、「RSウイルス感染症」の重症化を防ぐことができます。
県内では2025年度から足利市でワクチンの接種費用の助成が始まっています。
1回あたり3万円台の接種費用のうち、市が1万6千500円を医療機関が1千円を補助しています。
市の担当者によりますと、接種費用の助成は全国的にもめずらしく、「安心して出産できる環境整備の一助となるよう制度をスタートさせた」と話しています。