処刑の島

から気つけてよ。中だよ。よし。 はい。 あんた島に何か仕事でかね。ああ、観測所の工事のやの。 いや、探しに 探すって人がね。 もしあんたんや決ま のかね。いや、 ああ、私の妹夫婦がやってる宿があるけれどよかったら行かないか。街ん中で不便なところじゃないよ。本当によ。この桟橋はできたと思ったら台風でおられてこの後いつ治るからわからんと。また島へは橋が良いじゃ。つまでたってもこの島よな。 そうでもない。だいぶ開げて変わったよ。 おお。 あんた昔島に来たことがあるのかね? あ、ずっと昔。 ああ、わ野本という船主だね。あんたの仕事は? セールスミシンだ。 ああ、ミシンだな。大変じゃな、こんなところまで。あ、あんたさっき誰か探してなさるようなことを言っとった。そうです。知り合いかね。 そうです。大たと言います。 大竹何をしてる? 知らない。実のもんかね。わ島から映ってきてね。それでももう 156 年になるがずっと前からいる男ですよ。 うん。その人を探してるんだね。 そう。その男をね。それともう 1人。もう 1人。 はい。はあ。なんだね。 ああ、野本さんか。 どうしたね。物騒な格好して。 員の崖が逃げてよ。こいつら立ちの悪い野郎で歩道員殴って怪我させやった。 何人だね。 まだ3 人捕まらねえ。獲物はこいつだけよ。 どうしてまた逃げたんだ?この冬場に小出しても逃げるもんじゃあるわ。 そうよ。この島さどこへ逃げられるもんじゃねえ。こいつみてに今に晴らすかして出てくんだろうが。 とにかく警察だけじゃ頼りにならねえから、みんなの手借りて早くと捕まえようと思ってな。 そういえばあんた町の公員してたもんな。 ノさんも低下してくれよ。一言じゃねえや。ちくしょ。どこへ隠れんあったのか。こんな忙しいのに飛んだ量しなくちゃなんねよ。 よしよしよし。 今の男松井というのか? そうだよ。あんた知ってるのかね?昔にかね? そう、昔だ。 ほら、食ってみろよ。せ よ。 うめえぞ。ほら、 やめろよ。も怖えのかよ。 やめろよ。 ほら、ほら、 ほら、めろって。ほら。 てくれよ。いや、やめろ。 ちくしょ。ふぎ。あってくろ。 バカ野郎。頼む。やめてくれ。ちろや。やめれよ。 太郎。 やめて。やめてくれ。 やめて。 やめろ。 やめろ。 あそこまで行くかね。ミシン売りに。そうよな。電気はなくともミシンは動くて。だがミシンで綺麗な着物を縫い上げても小島じゃ切ることもなかろう。あの島も変わったかね。 変わるものかね。今でも風が吹きゃ戦里の父差だよ。 それじゃあ昔は院があった。あの小島にかね。 いや、こっちで手のえなくなった連中があそこへ怒られたようだった。さっきの男が言った脱走したガキはどうなる?小島へ流されると違うのかね? そんなことはなかろ。小島には小学校もあるがそんなことは聞かんな。 こんにちは。客を 1 人連れてきたでよろしく頼む。部屋はあるだろうな。 はい。兄さん、どうも。あ、 部屋はあるが、今日ちょうど畳っての。 もうちょっと待ってもらえんじゃろうか。あ、 いらっしゃいませ。 先に風呂でも入んなさるかね。あれ?黒木先生、今どうして? いや、急にようでこっち来たのがこの西が吹き出して帰るに帰られん。 今日はここりかね。 ああ、久しぶり。この旦那行こうかと思ってます。本んともやんかね。 へえ。 おお。連れがあるのか。 ああ、案内した客だが。あ、四日場が新島行ってきたが逃げたと。 ああ、そらひ。みんな鉄砲持って偉い騒ぎな。全く欲さげ起こすって。 一切みんな小島へ移したらえん。 冗談じゃない。そんなレンジ小島にたら困るよ。いや、しかし以前はカ員で島抜け測ったものはこらしめにあの小島に流したそうじゃねえか。 そんなことあったかな? うん。あの客がそう言っとったん。以前島にいたか来たかしたことがあるって。 おお。 お客さん、今お風呂を見ますから、それ までどうぞこちらで こちら小島の学校の校調しておられる黒木先生。え、東京から東京から来たんでしたな。ミシンのセールスやっとると。お、 西原です。 黒木です。よ来られた。あんた以前この島におられたの? ええ、ちょっと。 そう、そうか。そういえば何か見たことがあるような気がするな。 そうかね。 いや、あんな小島におると誰でも人声しなってのは 先生をしてられる。 はい。 小学校と中学校の校調しております。小島に来られるようなことがあったらどうかおりください。そうだ。あんた誰かこの島で騒してると言ったな。え、なんとか言ったな。え、大、大竹とか 大竹。 うん。 あの小島におる大丈かね。あって顔見なきゃわからないがこの島にいた人間です。 大竹ならずっと以前から島におるが 聞かんねえ。どんな人だ? あ、あんたは知らんかもな。熱たに。いや、本体はほとんどこんだろ。小島でも人を下げて 1人で暮らしとるが変人じゃ。 変人。 そうよ。変人でまたああいうのを維人というのかもしれん。 偉人。 あ、いや、この一種の選物ですな。先の目があるっていうのか予言者みたいな男でね。それが大したわがままよ。人柄口を出されるのは頭から嫌いでね。村の門とも 6人きや。しかし仕事や商売には目が 聞こう。誰も手を出さんことに1人手を 出しては成功した。例えばつけ油の値段が 下がった年に逆にどんどん苗悩ぎを植えて 育っててそれが2年目には偉い値段で 売れる。 カヌってものを初めて使ったのもこの男で ね。みんなが不良で困ってる時にカヌで エビを釣ってば儲けた。バターも作るし茶 も作る。 これが全て彼独特のやり方でね。成功して誰にも言わない。 バターも おお。小島で牛とヤギを買ってるのはあの男だけだ。 小島で牛が帰えるのかね。 うん。帰えると。 帰ると俺もそこで牛を買っていた。 うん。どんな男かね。ジのじゃないな。ジノ軍じゃそんなチェアってまい。 そうだ。もう 戦争の頃東京の方から来たようだ。 あんたその男と仲が良くはないんですか? わしがどうして あっただけで木のメリアな男だ。 玉業でもログに口もしか 仕事は人を使ってんのがね。 いやいやいやいや1人だ。娘が 1 人おるが本当に色々仕切れに来るんだ。大竹がこの世でがっとるのはあの娘だけじゃろ。全く可愛い娘だ。ああの他には猫にも情けをかけないとこだ。そりや娘と一緒の船で来たったかんな。あ、この風じゃあの子も本当に足止めだ。 先は気も呪っちゃろ。うん。そうやな。 さっきあんたが言っとった。いやいや いやいや。こちらのお客さんが言っとった とか。戦争中本島ので手にいない子供たち を大田け扱っとったな。牛や馬があり。 そうノードというより牛や魔の代わりだっ た。 不良とはいえ前の子供たちをな。 残念な男でね。おげっていうな。何しろ これほれあそこは江戸時代に有名な人殺し のル人の金次郎のい島だ。流されてきて村 の男のウルスに女たちを殺し村に火を放っ た。 それがあんた小島じゃ島神様と一直で神様 みたいにわれているのところだ。その大と いうのも人かね 。 島に流された子供たちはどうしました? さあ、わしはまたすぐこっちに戻ったからな。 その頃も先生をしてたんでしょ? あ、まだ大王教員もな。 子供たちの中で小島で死んだようなものはいませんでした。 え?あ、いやうん。そんな噂があったが人が殺されたとか神隠しにあったとかいや、戦争中残ったし多分うやむやになったな。 うやむやですか?あなたはそれを確かめては見なかったんですね。 わしがかね。 いなくなった。 殺されたってのは小島で刺役されていた不良の 1人じゃなかったのか。 いやあ。いや、私は知らんよ。 お客さん、お風呂へどうぞ。部屋のその前にできますから。もうお食も終わったから。 うん。一浴びなさいよ。船の疲れが取れる。 荷物を運んどきます。 どっかで見たな、あの人。以前島にいたと。 この島にな。 あ、兄ちゃん、悪いけど、あの川まずの前運んどいてください。 はいよ。 どうかしたかね。あの客が上がったら馬ひも風呂へ入っていいかな?先生よ。あんた本当にあの客に見覚えがあるのかね? うん。 そんな気がしたがどうにも思い出せん。それがねえ、先生、 今夜船は出るの? 今夜は無理だ。いくら月があってもこの西風じゃ藤しても船からどうやって上がる? 大丈夫。慣れてる。 慣れてるだって大事こっから船を出すことって難だ。 風はいつ投げる? 俺は多かった。明日いっぱい吹くだろう。明日か。 なんで急ぐ?あんな小島前へ帰るのかい?恋人でも待ってんのかね? 明日ないだら船を出してくれる? ああ、とにかく日寄り次第だ。ま、明日来てみな。明日も無理だと思うがよ。 本度行くんなら無理して船出してみが行く 先は小島じゃああ おい、あちゃん。あやちゃんじゃねえかよ。どこ行くんだ? どこだって買ってよ。 この日数じゃ踏んでもめえうちでは親父が泣いて心配してるぜ。 だから帰るんだよ。 どうやってよ。いいから怖がらず乗りな。町まで送ってってやら やだ。 なんでお酒け残った 6 人宿も渡しめ止まるあるのか。おいなんな俺の時期なよ。 誰が? 親父に似がって豪場だな。とにかく乗りな。こんなところにいても仕方あるめ。え? おい、あちゃんさって乗れよ。なんだよお前。この前話したこと考えてみてくれたか?悪い話あるめ。俺だってこの島ばかりにいるつもりはねえな。 いつまでも親父とあんな小島にうれてても仕方あるめ。 やだよ。やだって言ったろ。誰があんたなんかと。 ごだと思ってんだ。小島じゃねえぞ。その気ならたった今お前をどうにかしちまってもいいんだ。常の方は誰もいねえや。だ、 お家。変なことしたらどうなるか父ちゃんが言ってた。 昔あんたが何をしてたかばらしてやるってね。 何? そう言ってたよ。ばらしてやるって。 てめの親父だって。 なんだよ。父茶が何だってんだよ。いえ、行ってごらん。な んだよ。 いいか?入ったら親父によく言っとけ。今に見てろこの死に底ってな。 ちし やるな。 社長、あの女には手間どるね。なんなら俺がどっかで待ち伏せといて勝ちに込もうか。 せ、 でもよ、いい女だ。あんな小島に置いとくじゃねえや。 昔あんなじゃなかったんだ。広くと決まで強くなりやがって。 でもよ、いい女だ。 お先にいい歌。 ああ、部屋は突き当たりの右だよ。 まさか なんだね。いや、 思い出したかね。いや、 まさか ま、から帰ってく。 帰ってく。は、俺が先生でもここに囲まう わけにはいかない。帰って大た竹に頭を 下げて謝るんだな。 待て。様。どんだ。様。 あんたかわいそうね。そんな言った相手を囲まくきれるもんじゃない。こは必ずあいつを見つけ出すよ。 見つけたら殴り殺すわよ。 だからだから俺にどうしようと言うんだ。 あんたが生じ甘い言葉かけるからよ。 じゃ、どうしたらいいんだ? 俺には何もできやしない。俺はこんなことに関わりたくないんだ。それなら最初からサブは来てねえか? いや、燃やしない。 先生、あんなのをかまったって N1 匹の寝ちもいるだけなんですよ。ここにはいないよ。勝手に走してみろ。 本当にあんたが埋まってないんですか?こにゃ来なかった。 あの子が何したの? ただ逃げただけなんだよ。 親方。これが落ちてた。奴つはやっぱりカで逃げるつもりだ。 早く。 よし。ガキの手 1つじゃカヌは動かねえな。 待て。 なんで?サボを捕まえてどうするきだ? どうしようと俺も勝手じゃねえか。 さっきの帰りの車の中にいたと。さてな。見たが気づかなかったな。 確かに。 あんたを知ってるって向こうであんたん名を言ったよ。 俺の名を ああ、あんたを昔知ってるみたいだった。 さ、奴が土装持ってる確か。 ああ、俺カがいたみに見たよ。手に取って見たよ。 そいつは面白いや。 面白いってあんた。 俺に何の用があるんだ? 美人のセールスだと言ってたが、黒木先生があの小島の校長のな、あの人も見覚えがあるようだ。ここまで思い出しかけ思い出せねえみてだ。クさん、あの男を見て急にビクビクしてるの。 ビクビク? まさかそのあんた今日の不良の脱走とは関係あるまいな。 まさか。しかし土どを持った人間が島へ来てもおかしいことあるめ。他になんか俺のこと言ってなかったかい? いや、それだけだ。 人を探すとね。あ、もう 1人大竹という 大竹? うん。確かにそう言った。あ、黒木さんの話じゃう。小島に変人がいるそうだな。 変人じゃねえ。奴つはき違いだ。その男が探してるってな。小島の大竹かよ。 ああ、とにかくそのうち小島に行くような口ぶりだったか。 はてな。俺が立ってみようか。や、考えなかわからねえ。あの観測所の入のことでなんか ちょっと妙だな。もさん、その客夜山形旅館に止まってるんだな。 ああ、とにかく俺土装を見て急に嫌な気がしたね。い や、ありがとう。奴が今も部屋にいるかどうか確かめてくれ。 あ、おかん。これ そんな先生、もうやめときなされ。だいぶ回っとるかな。 えって、この風は明日はまだやんぜ。あんなくでおな久しぶりや。 だって先生あの子小島でそんな忙しいこともあります前なの。 仕事は暇島でもあんた家にネタ切りの神さんがおってあのうん。 奥さんまだ悪いの? まだ悪いのって?あれは一生あのままじゃ。中期は一生そのままか?死ぬかどっちかよ。 まだ若いのにね。 本当におられた頃には奥さんにも生徒がようなついておったにいい人じゃ誰にも優しってくんなく あ 何すんのよすんだろ やめて何すんだよじゃねえ まだ子供じゃないか。 子供だって俺のもんだよ。 渡さないよ。あんたに渡したら殺されちゃうよ。 あんた。あんただって人の子の親だろ。その子の親のこと考えたらどうなのよ。どけんだよ。 うわ、これ仲やったらほっと言って喋るからない。これじゃ働けないからね。怪我が治るまで私たちが預かるわよ。オ、それじゃあ預かってもらおうか。うん。 治ったらもらに来るからな。 よいしょ。ああ。ライック。帰ろ。帰ろ。あ。う。 あ、 はい。お茶よ。本当にどうしてこっち来ないの? あき、いつまで置いとくつもりなんだ? あんた。あんたの生徒とあの子といくつ違うってのよ。食べたかったらまだたくさんあるわよ。 あ あ、あ、ああ。ああ。 あ、あ、俺だ。何? 1歩も外に出てね。間違いねえな。 あ、間違いに矢に閉じこもった木だってのおがた。 閉じこもった木 誰なんだろ、一体。 なんかやばいこともあるんすか? いや、 やだとすもってるとなるとほっとくわけがいかねえな。何人なんかある前にこっちから先に叩けの人は俺なんなら宿を踏み込んでもいいですか? 待てね。俺が行く。お前吸っ込んでろ。 まついか 先生。あんたもここに止まってんのかね。 そうじゃ。 この宿にお前あった。見た。 何を? あれが帰ってきた。サボが サボ 小島におったサボじゃ。 サブロがまさか 間違いないって生きとった。サ見たんだ。 まさか信じられんだろうがサボじゃんらんかった。生きとって サブ郎がしろ。先生、その三郎はドスを持ってるよ。ドスを飲んで俺に会いに来るって野本がそう知らせてきた。 それから大を探した。 お、 何のために今おろんなって? 何のために?帰ってくるにはそれだけのわけがあるこったろうよ。そうか。生きていたのか。先生よ。ここで俺に会ったことは話せでねえぞ。 わサボーター呼びかけておらん。 それがいい。 奴はあんたにも恨みがねえことはねえ だろうからな。 小島へ行く船はこっから出るのか?うん。そうだな。あんたも小島行く聞かね。行ってもウル人の墓の他何にもありゃせんよ。寂しいところだ。 大竹という男はあそこにいるだろう。 おたになんの?おたにようならここで閉まんからにもがある。あれが彩かあんたあの知っとんのか?ともしやあんたサボだ。さん、あんたは夕べ気づいてた。それでも声をかけられなかったな。 昔と同じように。でも今俺の名を尋ねてどうする?あんたまた黙って見てない。 あんた声何しに来た?松井と大丈を探しとるということだ。 奥さん元気か? うん。中気で倒れたままだ。 そ、昔あの人に壊してもらった米の飯の味は忘れん。 しかし、しかしどうし 来ぞ。 ありがとう。 小島はよく見えるがここは寂しくて物騒だ。員を逃げた奴らのことは知らなかった。 あんたどうしたこと?小島が見たかったからさ。ここが本島で一番小島と近い。 昔は小島からよくここを見た。投げてる日は海の上を歩いても行けそうに思えた。 以前小島にいたの? いたよ。 いつ頃? あんたがまだこんなに小さかった頃だ。 私は知ってる?私の父は 大竹さんかね。 知ってるのか? 知ってるよ。 どうして小島を出たの?今本島にもいないんでしょ? そうだよ。 そんなに急いで帰りたいか?あんな島そんなにいいかね?小島 父さん。 なるほどな。 島へ何しに戻ってきたの?小島へは行くの? うん。事がある。 どんな 行けば そう来たら私のうちへも来て父さんは変人だけど私が助けてもらってお礼する そのことはいいさ。あんたの親父さんには関わりないこと。 でもさっき父さんがいたら大変だったよ。 殺されただろ。 あいつだ。親父さんはあんたのこと可愛がってくれるか?大きくなったな。 いつ頃の私を知ってんの? こんな、こんな頃だ。大竹さんの格の中に入れられていつもあの男、あの人と一緒にいたよ。 私と遊んでくれた? うん。遊んだよ。 さ、もう帰った方がいい。奴らは向こうへ逃げた。今来た道なら大丈夫。 どうもありがとう。また小島で会えるわ。 うん。会えるた。 野郎。もう少しで逃が来た。手応えあったと思うがよ。これで奴らの辺たりの剣闘はついた。明日はこっちも山がりだ。惜しいとこだった。足ぐらい当たったんじゃねえかな。 とジープな。下の方だったかな。 あ、こっちだ。 どうだ?量はできたかね?人間を狩るとは昔と違っていい身分だな。せいサブロかやっぱり。 生きていたのか。あ、生きてたよ、この野郎。 何がようか。お前も俺に用がありそうだな。ま、そんなとこに釣ったてねえで乗らねえか。久しぶりだ。 どっかでゆっくり話そうじゃねえか。 いいだろう。お前がそう言うんだならな。おい。お待た。 何だ? 静かにしろ。鉄砲捨てるんだ。お前の車 まで崖の下に飛び込んでもいいんだぜ。 それを捨てろ。捨てるんだ。 降りろ。昔話をするにはいい場所だ。 来る時、俺はお前とここで2人っきりの話 をすることにしたんだ。 何を話すんだ? 色々あるさな。まず俺があの島じゃなんで死んだはずの人間になってるのか、そいつを思い出そうじゃないか。その後で俺がどうやって助かったかを話してやる。俺じゃない。あの大だ そうさ。だがお前はそれをそばで見てた。奴が俺に怒って俺を殺したのは誰のせいだった?お前にとっちゃただの仲間ビりの遊びだったろうかな。 俺はどこでもこうやって高いところから海を見下ろすといつも同じことを思い出すんだ。 おい、どれだ?サボじゃねえか。 こっちへ来い。 こっちんだ。 また詰めがったな。 違う違う。俺じゃない。松井が俺の口撃つわ。 しあら、逃げた。 お前だってル人じゃないか。お前だってこの島でくまるんだ。 何?するか。ああ。 は よし。 よし。 お、くそ。おい、許してくれ。何でもする。あの頃の俺は悪かった。嫌なやつだった。俺もなんとかあの島を忘れようと思ってるんだよ。 お、忘れられるんか。俺決し忘れたかねえよ。 許して。あ、こ、これ通りだ。 許してくれよ。あ、頼む。許してくれ。今の仕事の半分上げてこの通りだ。 頼てくれ。 てくれ。 お前は黙って見てた。 あの男の後ろであの仲間と楽しんでみてた。 それだけじゃない。俺が逃げた時それを外し後で大に教えたのもお前だ。俺に今何を拾ってうんだ? お前にも同じ思いをさせてやりたいだけさ。 許してくれ。 お客さん、小島のとこへ行き出さるのかね。 芦ヶ原。 え、原なんでまたあんなところへ牛しおらせんよ。 今でもいますか? うん。虫てかねえ。ああ。 え、ある人 よかったら私のうちへも来て。 あ、あ、島行ったらわしの学校に止まるがいい。宿直しな。ああ、やがんな。わしのうちでもええが。 ああ、先生のお客さんかね。 お 早 お じゃ、さよなら。私のうち山の裏側だから。 あの娘は父親と 2 人きでな、小島の裏の一番返なところに住んでるでの。そこへは山を超越えてもいけるんでしょう。 うん。それが入れ道だよ。こっから歩くとすると 2 時間近くはかから何しらの悔しい山だから。 昔はこんなに小さかった。 昔は竜人が島抜けしてよ。この海峡を泳いで渡ろうとして溺れてんだ。え、一が強いがあるでよ。小島も変わった。 変わらないのは海 サボだよ。サボが生きとった。戻ってきた。サボが 何しに何しよ。 奥さん、以前は世話になりました。 何しに 小島 行かせたら 行かんよ。あのは大たを 殺したいほど憎んでんのはわかるが引かせ たらいかんよ。あんた 殺させたらいかんよ。しかし わしにどうできる? わしにはもうどんにもできんわよ。 を行かせたら よ。 どうした? 早いじゃないか。 ああ、 この小島に来ると日の出前に叩け起こされ た習慣が戻ってくるよ。 毎朝切るたび本当を眺め直しても本当は一 に近くはなっちゃいなかった。 いな先生日が登ってくら と同じ色した人海だ。全く妙な気がするな 。20年前がつい昨日のようだよ。いや、 今もまだまだ続いてるような気がするぜ。 あんた今日やっぱり足の花へ。 大たのところへ行く気がね。 それがどうしたの? 行かん方がいい。行かん方が。あの男は昔は変わったよ。昔と同じ海と日の色だよ。 サボ誰々しく呼ぶな。お前さんの知ってるサボは死んだぜ。今の俺がお前さんに何の関わりがある?それに俺が会いにくない。もう 1人の人間もいるんだ。 もう1人だ。誰だ? 誰でもいい。いいかね。昔のサボもお前さんには何の関わりもなかったんだ。そうじゃなかったか。お前さんはただ黙って見てりゃいいんだ。黙って。と同じようにな。お前さんには何にもきやしね。サ いや、あんたは 足が原行く道は昔と変わりはねえんだろうな。 サ サぞ。 おーい。 向こうから姿が見えたよ。ヤギを話しに来 たんだ。 私のうちへ来たんだろ? ああ、ここは足が原 そうだよ。 前に来たことあるの? ある。 なんでこんなところへ? 俺はここで後ろ勝ってた。その頃ヤギも一緒に。 おさんいるかね? いるよ。あんたのこと話したよ。 俺の うん。あんたに助けてもらったと。 そうか。 うちへ来たんだろ。 うん。 うちの父さん変わってるから驚かないで。 とっちゃんすぐ戻る。仕事残したんだから。 どうしたの? いや、今は他には誰もいないのかい? 他にって 下きの小作人のような 誰も 牛の世話 私と父ちゃんだ。 そうか。 で 表示しねえぞ。 父ちゃん夕べ行ったろ。本当で私を助けてくれた人だよ。 こんにちは。 娘が 足に何か用事か ねえ、 土地を買いたいと思いましたね。 の島につき畑がなかったらケもらおうか。 父うちゃん。 これは 昔の路人が掘ったんだ。 お、よくできてる。 何をして何もしない蹴ってく。おたさん、土地の話じゃなく、あんたにちょっと尋ねたいことがあるんだがね。あんた昔戦争中のことだ。雇い人を使って仕事をしてたことがあるね。 雇い人と言ってもほんの子供たちだ。本島の会員からここへまた島送りにされてきたな。そうかな。 忘れてやしないでしょう。その中には松井というやも。今本島で松井戸県の社長をやってる。 あの 松井がその仲間で一緒にいた原という子供を知りませんか?西原三郎。みんなサボと呼んでた。知りませんか?覚えてませんか?知らんな。 忘れたのかもしれないな。 いや、私は人の名前を忘れるような男じゃない。松井って男は痛くが忘れたんですね。 この島で死んだ子ですよ。あんたに雇われてる間にね。神隠しで行方不明になったともね。 それがあんたに何の関係があるんだ? 兄弟ですよ。 私は行くところが早く帰ってくれ。 父ちゃん 気にしないで。人嫌いでと父ちゃんいつもあなんだ。 いや、こっちこそいきなり来て。あさん頼みがある。なんだ この仏像ぞ俺に貸してもらえないかね。明日まででいい。珍しいもんだ。映して帰りて。 それを 明日必ず返すぞ。ほら、クロクさんとこの小学校に泊まってる。頼むよ。 いいわ。私取りに行くわ。 いや、俺が持ってくる。もう一度親父さんと話したいし。いいんだね。 だ 。 待って。あんたと墓場の上の林で生き違いになった。 俺に何か妖怪。 あんた父ちゃんに何をしに行く? 何も 嘘だ。黒先生が言った。 あいつがなんて あんた父ちゃんになんか敵をするんだろ。昨日のあれから父ちゃん様子が変だ。 お、そうい。 父ちゃん何をしに行く? あや、お前覚えていまいな。 20 年前この島にいた人のサブ郎のことを。そのお前の親父が何をしたかに聞いてみるかい。 何をしたっていうのさ? 殺したのさ。 殺した。 そうだ。殴り殺し海へをり込んだ。 嘘だ。 がいい。親父は今頃はっきりそれを思い出しする人。 来るんだ。一緒に。お前にも何もかが分かる。 返す。 昨日の話の続きで来たよ。ちゃう占えって言ったじゃねえか。 そうじゃない。死んだサブ郎の話だ。 そんな人間のことは知らねえよ。 忘れたとすると不思議だね。あんたに殺された人だよ。あんたの持ち物だった牛やギかの奴隷だった男の子だ。あんたに殺され海へ放り込まれたな。 知らねえよ。 知らない。本人があんたを見て覚えてる? 本人がそうさ、サブロだよ。おさんよく見ないか?俺がサブロだよ。まさかまさかと言ったな。全くまさかだ。そうだな。 サブ郎だ。 お前さんに殺され、海へ放り込まれて死ん だのが俺だ。 それがどうして 死んだ人間が口を聞くわけはない。死人が 生き返るわけがねえんだとそしたら俺は 殺しちゃいねえ。 潮に乗り流されてるのを三宅の漁師に 拾い上げられた。 よく見な。俺は三ブ郎だよ。三郎なんて知らねえよ。俺はサボだよ。 サボ? 変わったろう。お前さんも変わった。しかし変わりはしねえこともあった。 そりな、もう1度生きてお前さんに会い たいという俺のたった1つの願いだ。 めっちゃ その願いのために今まで死者りで生きてき たんだ。ここで死にかけた時もその願いの ために持ちえて生きてきた。 俺にどうしようだ。 あいちゃん、 お前を育てさの鬼だ。をしろって言んだ。 いや、その前にまだすることがある。俺は探していたもう 1 人の人間に会いに来たんだ。大た、お前はけ沼だ。沼造だね。 何? あちゃん、これがお前も知らねえ。お前の父親の本名だ。おたい。 お前はキ馬だ。話を分かりやすくしてやろう。そのために昨日借りた仏道からお前の指紋を取った。それとが全く重なったよ。 この世に全く同じ指紋が2 つとねえことは誰よりもお前がよく知ってる。よくもこの指紋カードが残ってたもんだ。またよく俺もこいつを手に入れたもんだよ。随分苦労した。 ある人間からケ沼がお前だったということ を聞かされ、俺は死にぐいでこの証拠を 探した。 俺を殺した大が俺の父親や母親兄貴までも 切り殺した特務の憲兵毛沼早朝だっていう ことの証拠だ。 俺の父親の名は西原一郎。 原一郎。 そうだよ。お前が国のために切り殺した当時のアナーキストだ。あの時み込んで家族ごと殺したな。初斎でちになって生きたいたぼ父の顔と俺とどっかに似合ったところがあるかね。 その時の軍政府はお前の殺人を世間に知ら れるためにお前を生きながらに隠しホムと してここへ流した。 俺は個人になって世間へ放り出された。 そんな子供が1人でどうやって生きて いけるというのかね。 いつの間にか俺は不良少年になって感と いう感を渡り歩いて行きついたのがあの島 だ。 そうさ、 なん度となく島の毛を測った。お前が目と 花のこの小島にいたとは知らずにな。 何とも随分長い間かかって俺たちはまた こうやってやっと巡り合いというわけだ。 よく生きていてくれたよ。 けさん。いや、おさん。 霊を言うぜ。全く俺の今までの人生はお前さんを覗いてはありえなかったよ。 やめてやめてやめて。 誰に人の気持ち やめて。 わからんねえな。 お前にも俺の気持ちが分かるかよ。だ、 そうやって指の顔いでも指紋は嫌しねえぜ 。 どけよう。さあ、どけよう。 父ちゃんやら。 私からやんな。殺してやる。殺してやる。 やめろよ。 あんただってその時もっと大きかったら兄さんと同じように殺されても殺されても父さを守ったでしょう。 どけ、 どけ、どけ、どけよ。殺しはしねえ。 大た け 指を指を詰めろ。 その下のある指を詰めるんだ。 詰めるんだ。その親指を1分。それでいい 。 詰めるんだ。 ああ 。 あ 。

処刑の島 – 武田泰淳の原作を石原慎太郎が脚色、篠田正浩監督が映画化
作品情報 – 絶海の孤島を舞台に、少年時代に家族を惨殺された男の心情と復讐劇を見事に表現した新田昌の演技が話題に。三國連太郎、岩下志麻ら、ベテラン個性派俳優が多数共演。
ストーリー – 昔から「流人島」として知られる孤島に三郎という男が現れる。アナーキストだった父と母、兄を特務の憲兵・毛沼曹長に惨殺された彼は20年前、毛沼と共に島に流され、牛馬以下にこきつかわれたのだった。再び島にやってきた彼は昔裏切られた松井と対決する。
出演

#新田昌
#岩下志麻
#佐藤慶
#殿山泰司
#小松方正