映画「市子」を語る/後編 【深堀り解説】そんな生き方ありですか?
[音楽] for [拍手] [音楽] 映画カタルシスです。たけと申します。 今日は映画1個を語る後編でございます。 映画好きなら抑えておきたいであります。 存分に語らせていただきます。 全編の続き目次の4からスタートです。 前編まだご覧になってない方概要欄に リンクがございます。是非前編からご覧 ください。 ではここからストーリーを噛み砕きつつ ついつい感情的になってしまった部分を 熱く語っていきたいと思います。でですね 、この映画自系列が行ったり来たり、 ちょっと飛び飛びなのが魅力の1つでは あるんですが、ここからは必要に応じて 自系率を整理しながら語っていきます。 さすがに結末までは言いませんが、結構 大事なところを何点かネタバレしますので 、是非映画鑑賞後のご視聴をお勧めいたし ます。 [音楽] 川辺一子は3年間一緒に暮らした恋人 長谷川からプロポーズを受けた翌日突然 失走してしまいます。後日川君の元に1子 を探しているという刑事が訪れたりもして ここから1子の行方を追っていくとこうし て始まっていきます。その1個の人生とは ?え、古くからの法律離婚後300日問題 というものがあります。離婚してから 300日以内に生まれた子供は出傷届けを 出すと戸籍上は元夫の子供になってしまう というもの。い子はこれに該当し母が出傷 の手続きしなかったというかできなかった ために無戸籍の子供となりました。戸籍が ないんですね。 一方一子には3歳年下の月子という妹がい ました。妹は戸籍こそありましたが、南病 の金ジストロフィーによりネタきりでした 。 そこで母親はい子に外では月子と名乗る ように言いまして、いち子に月子のふりを させて小学校に入学させます。つまりこの 1個家の外では実より3歳も下のふりをし て月子として小学校、中学校、高校生活を 送り、家の中ではネタ切りの月子の介護を する生活をしていたんですね。 徐々に暮らしも凄んでいき、いち子は母親 の交際相手小泉からDV及び性的虐待も 受けていました。そんな中、コの夏と一子 は月子の呼吸機を意図的に外し殺して しまいます。小泉はいち子と母親に頼まれ 、月子の遺体をイコまさんに埋めて息ね。 [音楽] はい。ここまでがい子の人生の根底にある なわけです。いや、最悪ですね。 やばかったのは母親の夏みですよ。あの 月子こう殺しちゃったいち子の元に母親の 夏みが帰宅してきますね。で、月子死ん でるのを見ていち子に行った一言 ありがとうなって。いやいやいやいや。 ええ、こんな母親どんだけぶっ壊れてんの ?マジで。いや、びっくりした。ていうか 打ちのめされた。あのね、洗濯物を 取り込んどいてくれたんなら分かりますよ 。ありがとうなですよ。うん。そうじゃ ないんだよ。介護に疲れて娘が娘を殺した んだよ。そんな地獄が目の前にあるのに。 そんな一言しか言えないほど壊れてしまっ ている母親ですよ。とこはですね、もう 怖い。ひどい。まあね、悲しいことでも ありますよね。いち子も母親も疲れきって 、もう限界なんてとっくに超えて感情も 善悪の判断もどっかになくしちゃってます からね。が目の前で起こってることから目 を背けるだけで精一杯というか、他になん か言ってあげる気力なんて残ってないん でしょうね。壊れた母親が、ま、泣けなし の母性を振り絞ってやっと出せた一言が ありがうなだったのかもしれません。ま、 全てを理解して攻めたりしないよ。あんた 悪くないよっていう意味でね。いや、でも さあ、 もうあのね、この時がい子にとっての 別れ道だったんじゃないかって思って しまうんです。迷子みたいにね、 立ち尽くすいこを導いてあげられるのは あの時母親だけだったんじゃないかなと 思うんですよ。あの親なら叱ってあげて 欲しかったです。いち子がしてしまった 行為をいち子自身と一緒に軽別して泣いて もう嘘だらけの生活を一緒にぶっ壊して 欲しかった。全て失ってそしてまた一緒に 生い上がるっていう別の道もあったんじゃ ないかと。ま、そういった道を与えてあげ られるのも母親だけにしかできないこと だったと思うんですね。しかし母親の罪に はもうそんな気力残ってなかったんですね 。本当にこのシーンは、ま、残念無念って いう気持ちになりました。あの母親の背中 に向かっていち子は一生懸命何かを言よう とするわけです。でも母親はもう完全に シャットアウト体制ですから、あの花歌 なんか歌っちゃって洗い物とかして平成を 予ってるんですよ。も何にも聞かずに勝手 に全て受け入れてもう考えないように必死 に頭の外に追いやろうとしているように 見えました。ま、とうとう何も言えずに1 個黙ります。そりは何も言えなくなるよね 。これぞ孤独ですね。ま、精神の崩壊に よって家族が人の人生が崩壊していく様を リアル描写で見せられた気がしてちょっと ダメージ半端ないシーンでしたね。あんな に胸が押しつされそうになるありがを私は 知りません。そんな言葉しかかけられない 母親を持った1子がかわいそうでなりませ ん。ついつい取り乱してしまいました。 すごいシーン。うん。すごいセリフ。 ノックアウトです。 高校のクラスメイト北君はいち子のことが 好きでした。いち子を自宅まで送ったある 日、こっそりベランダから家の中を覗いて しまいます。そこではいち子と母親の交際 相手小泉が月子殺害について激しく降て おりはこじれ破滅的な空気レイプされかけ た一子は小泉を視殺してしまいます。これ 一部指示を北君は見ちゃうんですね。直後 北君は一子を救おうと自ら1子の元へ 駆け寄り小泉の死体を線路に生き自殺に 見せかけました。罪を犯してまでして いち子を救った北君。それなのにいち子は 北君を置いて1人で失走してしまいます。 月日が立ち、逃げたい子は1人ぼっちで ひっそり暮らしていました。新しくできた 友達のきちゃんと一緒にケーキ屋さん やろうなって夢を持ったりしてました。 そこに島猫でい子を探しまくってた北君が やってきます。北君はいち子を必死で 引き寄せようとします。俺たちがしたこと 分かってんのか?俺と向き合えと俺が守っ てやるから一緒にいようという北君。 いち子への恋心あってのことでしょうが 悲しいごとにいち子には全くその気があり ません。もう2度と混んといてと北君を 突き離す一子なのでした。 [音楽] はい。ここまでがい子の人生の1大児2つ 目ですね。小泉を視察した直後。あの いち子が泣き叫ぶシーンは胸をえぐられる ようでした。もう杉崎花の超土球の演技が 目に焼きついちゃって、もうこのシーンは 何が何でも見る価値ありまくりですよ。 すごかった。もうね、いちこう発狂してる んですよ。体の中から壊れて砕き散ちって しまいそうに震えてる一子を必死に 抱きしめて大丈夫だという北君。ああ、 もうどんだけ地獄なん。辛すぎ。 で、これがあるからこそですね。いち子が 北君を突き離すシーンはとても見応えが ありました。なんせね、北君役の森永佑き 君が何とも哀れで報われない男を非常に うまく演じていたので、これ突き離す一子 が悪魔に見えちゃうんですね。うわ、本性 出しやがったこの女、あんな思いしたのに 利用だけして捨てるわけて、ま、一瞬思っ てしまうんですけれどもでもいやいや、 あっぱれです。よく言った。偉いぞ、 いち子と思います。この過去の罪を共有し てくれるという彼に甘えることは、ま、 過去の不幸を餌に人を引きつけて、ま、 同場をもに正義感を引き出してまさに過去 の自分と生きることになってしまいます。 そうじゃなくていち子は過去と決別したい わけですからね。それにそういう生き方 って、ま、寄ってくる男に品だれかかって 依存していた母親となんら変わらないです から。そんな人生を選ぶくらいならもう たった1人で生きてやるとアホでもいい、 悪魔でもいい。いいですね。とても 潔ぎよいなと思いました。ま、強くなって しまったい子って感じですね。ま、言って しまえば北君ストーカー派だしね。 ちょっと好きじゃなきゃ別に普通にうざい だけかもね。 [音楽] 北君を振り切り、1人ぼっちで行き始めた 一子。とある祭りの屋台で君と出会い恋に 落ちます。同棲して3年後プロポーズさ れると。ここで長学の知る一子につがる わけですね。ある日ニュースで報じられた 発骨家死体が自分の妹子であることを知っ ている。いち子は何も言わずに逃げること にしたわけです。 を探す君は刑事から一子が無席である事実 を知らされ、同揺しながらもさらに深く 追求していきます。そこで北君に たどり着きます。北君の家にはつい最近 まで一子が潜伏していた形跡がありました 。長谷川君が粘った結果北君が思い口を 開き、かつて母親の交際相手小泉を視察し た過去が長谷川君の知る所となります。 その後長谷川君はいち子の母ナを尋ねます 。ナは偽名を使い徳島で男と落ちぶれた 生活をしていました。い子を探している こと救いたいんだと決意と覚悟を示す 長谷川君になみは誰にも言わなかった過去 を打ち明けます。ここで一子が月子を殺し た過去も長川君の知るところとなります。 はい。ここまでがいちこの失踪の理由が 分かったところですね。いちこの壮絶な 人生を知ってしまった長谷川君ですが、 まあ人の過去なんて探るもんじゃないすね 。みんなあーだこうだ嫌なこと言いますし 耳を塞ぎたくなるような過去まで聞こえて きてしまいますかな。君なんて長谷川君に バッチバチでお前には無理だとか、あいつ は俺にしか救えないんだとか言ってくるし でもね過去に何があろうと何を言われよう と長谷川君にとってはどうしてもいち子っ て愛した人でしかない。ただそばにいたい 人でしかないんですね。どうしたらいいの かなんて分からないし、もうこの時点って 長谷君人生を狂わされていると言っても いいんでしょうが。それでも彼は喜んで いち子に人生をかけるでしょうね。 なんか彼を見ているとあの坂本寺監督の顔 という映画のワンシーンを思い出します。 映画としては全然軽色の違う作品です けれどもでもまこれも逃亡犯ですね。死な ないで死ぬぐらいなら逃げてどうかどこか で生きていてというあのセリフを思い出し ます。人が人を親底好きになるとどんな 事情があろうとそう言いたくなるもので その人がこう別の顔を持っていたとしても 一緒に過ごした幸せな時間は紛れもなく 現実ですからとにかくまた会いたいんだと 一緒に生きていたいそれに尽きるという 思いですね。 ま、母親とのシーンではそんな長谷川君の 一を断在することなくただ強く求める 気持ちが伝わってきましたね。ま、母親の 夏み。これ川君を見送るフェリー乗り場で 無言で深いお辞儀をします。このシーン とても良かったですね。あの、長川君に、 ま、1子を託したという1個をお願いしま すっていう気持ちと母として無力だった 自分をはもうダメ親ですいませんでし たっていう気持ち。さらには1子との本当 の別れ。もうあの子の人生には関わらない よっていう気持ち。それらが全部詰まった お辞儀なんだろうなと初めて母親らしい姿 だなと感じました。 [音楽] ストーリー噛み砕くのはこの辺にしておき ます。ここからはざっくりとした展開と 感想を語ります。この映画はいち子という 女性を追いかけながらもずっとあの他人 目線でい子が描かれています。少しずつ 真層が明らかになっていきますが、それら はあくまで長谷川君と刑事の視点、しかも パズルのピースは1他人の証言ですからね 。しかしだいぶ後半になってやっと1個の 視点が出てきます。いち子が自分の言葉で 自分の気持ちを語ってるんですね。この シーンは際立っておりました。あの、長川 君との幸せな暮らしを回送してるんですが 、あれ、ミステリーはサスペンスは、ま、 表紙抜けしちゃうほど穏やかでキラキラし て見えました。なんてことない。こう普通 の暮らしの中でたまに喧嘩とかして仲直り して体壊したら完病してくれてみたいな。 ただ一緒にいるという幸せがそこにはあり ますね。 み子にとってこの今の自分にただ静かに 寄り添ってくれる人がいるっていうのが どれだけ幸せだったことか。あ、もう失い たくないでしょうね。結婚したいでしょう ね。でも婚姻届け1個って書けない戸籍 ないもんね。月子って書くこともできない 。死体上がってからね。ああ、叶わない。 叶わないけどせめて汚したくないんだよな 。 過去の自分を長谷川君との間に持ち込み たくない。だから大好きだけどこのままお 別れしなくちゃいけないなと。プロポーズ された時の嬉し涙にはそんな深い意味も あったんですね。悲しいですね。なんか 海層シーンで寝込んでるいち子のほっぺタ に母親と同じかあったり、あのいち子がね 、母が歌ってたあの花歌を歌ってたりする とかが妙に胸に刺さりましたね。そばカは 偶然なのかな?ちょっとわかんないけど。 新しい人生を生きようとする1ですが、 どんなに過去の自分を捨てようとしても母 との繋がりがにみ出ちゃって るっていうのがなんか抗えない宿命みたい な切なって思いました。 そして物語はラストに向かっていきます。 このラスト、ま、若干見るものに委ねられ ている感じがありますが、ま、 エンドロール前の最後のシーンからさする に考えられる結末は1つかなと思います。 いち子は何とも悲しくて恐ろしい選択をし たんだなと。ま、逃亡の末のこの最後は うん、すげえ女だな。参りましたっていう 感じですね。 もう、あの、こんなこと言ったらやぼかも しれんけど、ついつい思ってしまうんです よね。もう逃げなくてもいいじゃん。1個 って。あの、小泉殺しは正当防衛だし、 月子殺しは、ま、ロストケア的な、ま、 心身喪失だし、死体域も心身攻略と言える し、もう逃げなくても裁判すりゃなんとか なりそうじゃんって思ってしまいます。 もうさ、とりあえずさ、風長谷川君からの プロポーズの返事は、あ、えっと、ここは 1つ事実でお願いしますって言っといてさ 、もういちこよ、そこはうまいことやれよ とついつい思ってしまいました。ちょっと あまりにもいちこに幸せになって欲しくっ て。だってさあ、長川君ならきっと全部 受け止めてくれるよってね。 まあでもね、いち子の気持ちを考えてみる とな。何も自分がそうなりたくてなった わけでもないのになんで人生かけて後始末 だけ私がしなきゃいけないのって思っ ちゃうかもな。宿命は背負いたくて背負っ たわけじゃないもんね。全部打ち明けて もし長谷川君がドん引きしたら嫌われ ちゃったらどうしてくれるんっていう感じ だしね。ま、今ここに存在してるのに戸籍 とかで存在の証明をしなくちゃいけないっ てなんか理不尽っていうかい子は別に戸籍 が欲しいとかじゃなくて生きていたいだけ だったはずなんですよね。ま、私が存在し ていることは私と私のそばにいてくれる人 だけが分かっていればもうそれでいいんで ほっといてくれと。もう普通の幸せを諦め て孤独に生きる覚悟なんて特の昔にできて んだよ。ほっとけよって。私がいちこだっ たらそう思うかもなって感じです。 この映画見終わった後結構ダメージだった のでエンドロールをぼおっと見てたんです がエンドロールしばらくした後ね声が 聞こえてきます。も本当ならば楽しいはず のこの声ですがラストに聞くととても 悲しく切ないものでした。 いやあ、映画1個だいぶヘビーな作品でし たね。ま、それだけ言いたくなることが 多い映画でもありました。ま、味わい深い 傑作ですね。 なんていうか、この手の作品って、ま、 例えば見ると元気が出るとか、明るい 気持ちになれるとか、そういう娯楽的要素 は全くないんですよね。だってへこむもん 見ると なんでこんな暗い映画を見てわざわざ へこむ必要があるんだろうかって正直思っ ちゃったりもするんですけどでもまあこう いった映画でしか体験できないものがあ るっていうことで 味わっておいて損はないかなとこの映画を 噛しめたらきっと人として厚みが増すん じゃないかなと思います。 ちょっと偉そうに色々喋っちゃいましたね 。もし筋違いなこと言ってたらごめん なさい。でもきっと共感してくださる方が いると信じております。喋り使えたので 全然違う1個でも見て気分転換します。ご 視聴ありがとうございました。他の動画も 是非見てくださいね。たけびっちでした。 バイバイ。 [音楽] り
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■映画「市子」■
過酷な家庭環境で育った1人の女性の壮絶な半生と真実に迫るヒューマンドラマ。監督を務めた戸田彬弘が主宰する劇団チーズtheaterの旗揚げ公演作品を監督自ら、杉咲花主演で映画化した。
舞台『川辺市子のために』は、サンモールスタジオ選定賞2015で最優秀脚本賞を受賞。観客からの熱い支持を受け2度も再演された。
映画「市子」では、主演・杉咲花が、第47回日本アカデミー賞で優秀主演女優賞、第78回毎日映画コンクールで女優主演賞を受賞するなど、高い評価を得ている。
公開■2023年・日本
監督・脚本■戸田彬弘
脚本■上村奈帆
主演■杉咲花
助演■若葉竜也/森永悠季/中村ゆり
ストーリー■
3年間連れ添った恋人、長谷川からプロポーズを受けた翌日、
市子は忽然と姿を消してしまう。
途方に暮れる長谷川のもとに、市子を捜しているという刑事が訪ねてくる。
市子の行方を追って長谷川は、彼女と親交のあった人々から話を聞くうちに
市子が生きてきた壮絶な人生を知っていく。
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