『落日』 あらすじとレビュー ・湊かなえ原作【 Netflix・Amazonプライム・U-NEXT】
「生きる価値なんてない人間なんだって!」と叫ぶシーンがあるんですが、
もう涙がこぼれてしまう作品でした。 みなさんごきげんいかがでしょうか? しゅうさくです。 今回は、Netflixで配信中の話題作『落日(らくじつ)』――
全4話を通して、ひとつの物語としてまとめてレビューしていきます。 2025年6月9日まで
NetflixジャパンTVランキングでも一位になっていました。 原作は“イヤミスの女王”湊かなえ(みなと かなえ)さんによる長編小説。 ちなみにわたしはイヤミスと聴いて何のことかわかからなかったんですけれども、
イヤな終わり方をするミステリーの意味もあるんだそうです。 わたしは影響を受けやすいタイプなので
ネガティブなものはなるべく避けているんですけれども、 今回はそれを知らずにたまたま見て、最後まで見て
「あ!いい作品だなー」と思ったのでレビューしているという流れです。 2023年にはWOWOWでドラマ化され、
そして今、Netflixで再び注目を集めています。 監督は『ミッドナイトスワン』の内田英治(うちだ えいじ)さん。 脚本は『ソロモンの偽証』などで知られる篠﨑絵里子(しのざき えりこ)さん。 重厚な人間ドラマとサスペンスが融合した、非常に完成度の高い作品です。 最後まで見てスッと涙が流れてしまいました。 この辺りはラストにレビューするとしまして
まずはあらすじから紹介していきましょう。 物語の核となるのは、 15年前に笹塚町(ささづかちょう)で起きた一家殺害事件―― そして、その事件を映画化しようとする二人の女性。 映画監督の長谷部香(はせべ かおり)、
そして新人脚本家の甲斐真尋(かい まひろ)。 香が脚本を依頼した真尋は、事件の舞台・笹塚町の出身。 事件の加害者・立石力輝斗(たていし りきと)、
その妹・沙良(さら)、そして亡くなった真尋の姉・千穂(ちほ)。 それぞれの人生が、過去の事件を軸に交錯していきます。 第1話では、香が真尋に脚本依頼を持ちかけるところから物語が始まります。 当初、事件と関わりたくないという態度を見せていた真尋ですが、
次第に過去の記憶と向き合うことになります。 一方の香も、幼少期に“ベランダで誰かに救われた記憶”が
事件と繋がっていると信じており、
その真実にたどり着くために映画制作を始めたのでした。 第2話では、真尋の姉・千穂の存在が明かされます。 千穂は事件の犠牲者ではありませんが、
真尋にとって大きな心の傷を残した人物です。 また、香の過去もより深く描かれ、
彼女がなぜ映画監督になったのか、
その原点が浮かび上がってきます。 香と真尋は次第に信頼関係を築きながらも、
それぞれの“隠された過去”が物語に緊張感を生んでいきます。 第3話では、香が「私、人を殺したの」と衝撃の告白をします。 クラスメイトを助けたのですが、結果自殺してしまったのです。 また、千穂が残した日記や写真を通じて、
立石力輝斗と千穂が実は恋愛関係に
あったことが明らかになります。 事件の輪郭が徐々に変わり始め、 香と真尋の目的が“真実を明かす”から “真実を受け入れる”方向へとシフトしていきます。 そして最終話、第4話。 力輝斗が犯人とし刑を執行される前に書いた手紙や、
千穂との間に残された想いが明かされていきます。 香が幼少期に救われた“あのベランダの記憶”と、力輝斗の過去が重なり、
物語は静かに、しかし深く結末へと向かいます。 香と真尋は、自分の中にある痛みを見つめ直し、
それを物語として昇華するという選択をします。 香は“誰かの人生を救う映画”を、 そして真尋は“姉の思いを伝える脚本”を完成させることで、 それぞれの喪失に一区切りをつけていきます。 『落日(らくじつ)』というタイトルの通り、
すべてが沈んでいくように見える物語ですが、 最後には静かな“光”が差し込みます。 加害者、被害者、傍観者、 それぞれが何かしらの罪や痛みを抱えていても、 その過去を“知ること”は、次に進む一歩になる。 そんな深いテーマを、映像と演技と脚本で見事に描ききった作品でした。 原作が素晴らしいので、
ドラマ制作スタッフやキャスティングもマッチして、
存分に活かされたのではないでしょうか? そして北川景子(きたがわ けいこ)さん演じる香の、抑えきれない過去への衝動。 吉岡里帆(よしおか りほ)さん演じる真尋の、静かな情熱と変化。 そして黒木瞳(くろき ひとみ)さん演じる大畠凜子(おおはた りんこ)の、
重く深いプロとしての矜持。 三人の女性や様々な繋がりが織りなすこの物語は、 間違いなく2020年代の日本ドラマの中でも
屈指の完成度と言えたのではないでしょうか。 さてこの作品なんですけれども、一話では当然全体を描くためにゆっくりとした、
シンプルな進み具合なんですよね。 私たちが理解するために必要なものなんですが、 ゆっくり見ようかな、と思っていったん止めて、
何日かしてからまた見始めました。 それからはもう、2話、3話、4話と観るのを止めることができませんでした。
ずっと見続けて一気に終わりました。 例えば二人のお父さんが優しいという共通点があり、
この辺りも意図して描いたのだと思います。 いろんな面で香と真尋の繋がりが偶然ではなくて、
定めなんだよという風に伝えています。 全員がどこかで何かしら繋がっている運命の糸というものを感じさせました。 本当にキャスティング良かったです。
黒木瞳さん演じる大畠凜子。
いやー、やっぱり彼女の持つオーラや、 パーッと周りに見えない金色の光が出てくるんですかね。
華がある方なんですけれどもやはり。 そんな黒木瞳(くろき ひとみ)さんが大畠凜子を演じていて。
大畠凜子は真尋の会社の上司なんですね。 脚本家としての大先輩でもあります。
やっぱり頼りなくてどちらかというと結果を出せてない真尋に対して、 もう仕事がバリバリできる、
脚本家としても経営者としても腕が立つ凜子という
対照的な描かれ方をしていました。 表現、見せ方が良かったです。
途中でえ?実は嫌な上司なのかなと思わせつつも いやー、流石!っていう感じの会社の上司としての
責任感、それから愛情、面倒見の良さ そしてまた、しっかりと厳しいところをはっきり言うというような、
そんな上司を描いていました。 黒木瞳さんの魅力が存分に発揮されていたのではないでしょうか。 去り際も素敵でしたね! 主演の北川景子さんの美しさもプラスでした。
また見たい、その表情を見たいと思う分、
ストーリーと合わせて気づけば最後までみてしまいました。 吉岡里帆さんが、隠しておきたい過去に囚われて、
人間関係に支障を来すかのようなネガティブさを見せる真尋を演じていました。 理由を知るにつれてより引き込まれていくんですが、
吉岡里帆さん自身凄くキレイな方なんですけれども、 あえてそこを出さずにどちらかというとパッとしない分、
ラストにかけての笑顔がめちゃ良かったです。 そして作品の中で15年前に妹沙良を殺害し、 自宅に火を放って両親も殺害した犯人、 立石力輝斗(たていし りきと)を演じている竹内涼真(たけうち りょうま)さん。 どちらかというと男性側の主役なんですけれども、
出番が少ない中で見事に演じられていました。 家族からのDVで社会に適応できなくなってしまった。 でも、奥底にある人への優しさ、思いやり、
愛情の深さが凄く伝わってきました。 とにかく、背負わされた十字架がキツすぎるんです。
それは重要な要素でもありました。 彼が「生きる価値なんてない人間なんだって!」と叫ぶシーンがあるんですが、
もう涙がこぼれてしまいました。 どうして繊細で優しくて愛情深い人が、 こんなにも自分を生きる価値がないと思うほどに
人生は理不尽なのでしょうか? この作品は、ラストがその後のことは想像してくださいね
というような終わり方になっていて
視聴者に任せる、委ねるという部分もあります。 イヤミス、という部分は善良で優しくて思いやりのある愛情深い人たちが 救われない悲劇で人生を壊される、
その辺りにあるのかもしれません。 そんな人たちの苦しみや辛さが現実の世界にも
あるような事なので、よりリアリティーがありました。 では、そこに救いはないのでしょうか?
落日とは、悲劇や翳り、不運を表現しているだけなのでしょうか? 一方で落日は美しい夕陽でもあり、 どこかで前向きになれるのか?
どうやって生きていくのか? そんな事も考えさせてくれる癒しと希望の象徴でもあるのかもしれません。 香や真尋が、上司の凛子、父親など
素晴らしい人たちの支えで映画を完成せようとする。 それは選んでいく、切り開いていける希望もあるという
メッセージなのかもしれません。 落日をご覧になられた方はいかがでしたか?
まだの方はご覧になられてみてはいかがでしょうか? 現在、Netflixで配信中です。
以上、原作湊かなえさんの落日全4話のレビューでした。 というわけで、そろそろお別れです。 今回見てよかったな、楽しかったな、
また次回も見たいなという方は ぜひ高評価、サブスクライブをお願いいたします。 外のスズメがめっちゃ鳴いてますね(笑)
すみません、朝早くから録ってるので
鳥のさえずりが時々入ってるんですけれども。 外のスズメがめっちゃ鳴いてますね(笑)
すみません、朝早くから録ってるので
鳥のさえずりが時々入ってるんですけれども。 お相手は私、しゅうさくでした。 また次回お会いしましょう。 ありがとうございました。
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【落日】イヤミスの女王湊かなえ原作がドラマ化。
wowwowからスタートし今ではNetflix、AmazonPrime、U-NEXTなどなどで配信中の泣ける作品。
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