【感動する話】両親を事故で亡くし入学式に継ぎ接ぎだらけのスウェットで来た美人同級生「私に構わないで…」→両親に相談した俺がタワマン最上階に住ませた結果【スカッと・スカッとする話・朗読】
[音楽] 春の匂いがまだ残る4月の 朝風が少し肌寒くてでも空気のどこかに 始まりの香りが混じっている 新学校の入学式を控えたその日俺は鏡の前 でぎこちなくネクタイを閉めていた新品の 制服はまだ体に馴染まず肩が妙に こそばゆい 俺の名前は佐藤りこの春なんとか死亡校に 合格して高校生活をスタートさせる普通の 15歳だ今日から高校生かあんまり実感 わかんねえな じっとしてなさいネクタイまた曲がってる わよ 母さんが朝から妙に張り切っていて俺の 胸源を世話しなく整えてくるもういいって せっかくの入学式なんだからきちんとして 行きなさいこっちは制服着ただけで いっぱいいっぱいなのに 俺は逃げるように家を出て急ぎ足で マンションのロビーを抜けた外に出ると桜 の花びが風に乗ってひらりと舞いちるなん でもない朝なのにどこかに日常的な匂いが した教室に入ると新しい仲間たちの空気が ピリピリと張り詰めていた誰もが緊張して いてでもその奥にどこかワクワクが混じっ ているこれから始まる新しい生活にみんな がそれぞれの期待と不安を抱えていた自己 紹介の準備をするや鞄の中を何度も確認 するやつ早くも輪を作り始めている グループ静かだけど騒がしいそんな空間 だったけれどその空気はある1人によって 一気に変わった教室の扉がキっと音を立て て開くその子はスエット姿で現れた色わせ たネイビーの上下肘と膝には素人が手縫い したような継ぎはぎがある 髪はボサボサに伸びっぱなして串も通して いないようだったかとがすり切れた スニーカー肩から下げられた古びたトート バッグは生地が薄くなって今にも破れそう だったでもそんな予想いとは裏腹に彼女の 顔立ちはするほど綺麗だった の肌に少し伏せた瞳顔を隠すように前髪が 落ちていたけれどその奥に見えた目元は どこか墓げで見る人の心を掴んで話さ なかっただからこそ彼女の存在は逆に教室 で際立ってしまっていた えシエットマジやばくない入学式にそれは さ 誰かの小声がじわじわと広がっていく 教室の空気がざをついたその時だった私に構わないですりと落とされた言葉けれどそれは鋭く教室の空気を切り裂いた一瞬にしてめきが止まった笑い声もひそひそ声も全てが凍りついたように静かになった彼女は俯いたま際のに向かって静かに歩き何も言わず腰を下ろした [音楽] [音楽] その姿を誰も追いかけなかった視線を 合わせるものすらいなかったまるで彼女 だけがそこに存在していないように なんでそんな格好できたんだいや違う おそらくそれで来るしかなかったんだ その瞬間俺の中で何かがはっきりとした誰 もが距離を置く中で俺だけは目をそらす ことができなかった気づけば彼女の背中を じっと見つめていたホームルームが始まり 担任の自己紹介や学校生活の説明が進んで いく名前を呼ばれたクラスメートが順に 返事をしていく中俺の頭の中はずっと1つ の名前だけを繰り返していた白石替え出 その名前がなぜだか耳に焼きついて離れ なかった帰宅してからもなぜか彼女の姿が 頭から離れなかった教室で見た色汗た スエットボロボロのトートバッグ下を向い て誰とも目を合わせず私に構わないでと 小さく呟いたあの声でも俺にはあの背中が 助けてと言っているように見えた夕飯の時 箸を持ちながら思わず口をついててた今日 の入学式でさ1人だけスエット姿で切って た子がいたんだ白石変えでって子スエット 入学式にそれはまたどうしてそんな格好で わかんないでもなんか放っておけなかった どんな子だったんだ綺麗な顔してたでも すごく孤独そうで誰とも喋らなかったし誰 も話しかけなかった一瞬食卓が静かになっ たその時母がふハを置いて小さく呟いた そういえば白石って苗字聞き覚えがあるわ 区役所の福祉家で働いている知り合いが 言ってたの去年大きな交通事故があったの よそれでご両親がそれって まさかはっきりとは言えないけどその子 身りがいなくて今は1人で古いアパートに 暮らしてるって 制服も買えなくて支援を受けながら通学し ているらしいの 生活保護だけじゃ学費まではとても手が 回らんだろうな保障人もいなければ小学金 だ簡単には売りないし なんでそんなこと に言葉が自然に漏れた彼女のあの表情を 俯いたまま誰にも頼れない背中が頭から 離れなかった お金もない頼れる人もいないでも多分今日 あの学校で学校に来たのも相当な勇気が いったと思うのよだったら俺にできること あるかなその時だった父が腕を組んだまま 真剣な顔で口を開いたなありちゃんの残し てくれたタワムの部屋開いてたろ困ってる 人に使えって言ってたじゃないか今こそ その言葉を言かす時かもしれんなえあそこ でも済まいだけじゃ済まないわよ学費だっ て必要だしあ分かってる俺の名義で小学金 を申請してやろう保証人にもなるさ でももしなかったらその時はうちから立て替えてやればいい生活費も最低限はこちらで用意してやれるただ本人がそのことを気にするならずれ少しずつ返してもらえればいいだけの話だ無理のない範囲でね支援と甘やかしは違うから [音楽] [音楽] あでもまずは気持ちよく学校に通わせて やることが大事だろう生活が安定するだけ であの子の未来はきっと変わると思うの あの年でたった1人で立ってるなんて想像 しただけで胸が痛むわ ありがとう本当にありがとうでもこれは 救ってあげることじゃないのよ隣に立つ こと忘れないで無理はするなただ伝えて みろ選ぶのはあの子だ俺は深く頷いた自分 の中に芽えた何かが胸の奥で確かに脈打っ ていた翌朝ホームルーム前の教室はまだ ざ付きが少なく窓から刺す朝の光が静かに 机を照らしていた 俺は胃を消して彼女の席へと向かった背筋 を正すように深く息を吸い心臓の鼓動を 無理やり落ち着かせながらそっと声をかけ たあの人は白しちょっと話してもいい彼女 は驚いたように顔をあげたまるで自分に声 をかけられるとは思っていなかったかの ように目を見開いていた何 変なこと言うかもしれないけど君住む場所に困ってるんだろ?彼女の瞳が今度は一瞬だけ怯えたように揺れた誰にも知られたくなかったはずのことを疲れた瞬間だったのかもしれないどうしてそれを うちの母さんが君のこと少し知っててさ心配してたんだ で俺の漁師が管理してる玉マンの最上会の部屋今開いてるんだ望音もちゃんとしてるし誰にも邪魔されないだからよかったら住んでみないかって彼女は唇を小さく噛んだま俯いたそんな知らない人の家に私なんかが うちの親父が言ってた困ってる人に使えって俺たち誰かを助けるなんて思ってない ただ必要としてるなら支え合えばいいって そういう家なんだ 少し間を置いてゆっくり言葉を続けた 学費のこととか生活のこともうちで支援し てくれるって無理なく学校に通っていける ようにかかったお金は君が社会に出て働く ようになってから少しずつ返してくれれば いいって 彼女の方がほんの少しだけ震えた まるでずっと張り詰めていた心がふっと緩んだように見えたそこまでどうしてそこまでしてくれるの [音楽] 君はここにいていい人だからだよその瞬間彼女の瞳に涙が滲んだ長いまつ毛の先でそれが光を反射して揺れたありがとう でも少しだけ考えさせて 俺は深く頷いたこの返事だけでも彼女にとっては大きな一歩なのだと分かったから翌日教室に入るなり俺を見つけた楓出がすぐに駆け寄ってきた普段は静かに席につく彼女がまっすぐこちらへ歩いてくるのが少しだけ意外だった [音楽] り君あのお願いがあって その声はほんの少し震えていたけれど確かな意思を宿していたどこか覚悟を決めたような目をしていて俺はその真剣さに息を飲んだどうした [音楽] ご両親にご挨拶がしたいの私の気持ちをちゃんと自分の口で伝えたくて俺は嬉しかった [音楽] 彼女が一歩前に進もうとしていることが 何より嬉しかった分かった母さんも父さん も喜ぶと思うよ彼女は小さく頷いたその 表情はまだ緊張していたけれどほんの少し 柔らかさが混じっていたその微笑みに ようやく希望の色が雇った気がした土曜日 の午後窓から差し込む春の柔らかな日差し がエントランスの代理席の床をぼんやり 照らしていたそこに楓出が現れる インターフォンで連絡を受けた後 エレベーターで一緒に最上会へ向かった 静かに流れる音楽が彼女の緊張を少しだけ 柔らげているようだったリビングに通すと 母と父が出迎えてくれた2人ともにやかな 笑顔でけれどどこか穏やかな経緯のこもっ た空気をまとっていた初めまして楓出さん 量からお話は聞いてますよ来てくれて ありがとうね緊張してるかなでもここは君 の家になるかもしれない場所だからどうか 気を楽にしてね楓は姿勢を正してソファー に腰を下ろしたが両手は膝の上でぎゅっと 組まれていた少し迷いながらもしっかりと 口を開いた この度は本当に突然のことでご迷惑をお かけしてしまって母はすぐに首を横に振り ふわりとした笑で応じた迷惑なんて思って ないわよ私たちはあなたのような子に 出会えたことをむしろ喜んでるの 父も頷いて懐かしそうに目を細める昔うち の父親りのじいちゃんがねよく言ってたん だ人は余った部屋より余った心をかって その言葉に楓出の目が少し見開かれた言葉 につまりながらも何かが静かに染みを渡っ ていくような表情だったあなたがこの先 自分の人生を取り戻せるならその一歩の ために私たちが手をかせるのは幸せなこと なのよ その優しさに触れた瞬間楓出の目にすっと 涙が浮かんだそして静かに口を開く私夢が あったんです小さい頃からずっとピアノを 引くのが好きでピアニストになるのが ずっと夢でしたでも両親をなくしてから 住む場所をとしてピアノにも触れられなく なっていつしか夢なんて遠すぎて見ること すら怖くなっていました父はゆっくりと 頷いた夢を失うことは何よりも辛いでも また見てみようって思えるのは強い証拠な んだ君はもう立ち上がってるよタワマンの 部屋には私が使っていたピアノがあるから よかったら使ってね楓出は俯きながらも 静かに微笑んだありがとうございます本当 にありがとうございますこんな私に温かい 場所を与えてくださってその上費や生活費 まで 働いてきっときっとお返ししますそう言っ てソファーから立ち上がり静かに深く頭を 下げだどうかよろしくお願いします母も 立ち上がって楓出の手を優しく握った こちらこそよろしくね今日からうちのもう 1人の家族よ 楓出はその言葉にポロポロと涙をこぼした でもその涙は悲しみではなくようやく居 場所を見つけたアンドの色をしていたの 瞬間から彼女の新しい人生が静かにでも 確かに動き出したそれから3日後土曜の 昼下がりまだ春の香りが残る柔らかな風が タワーマンションの上層会にも穏やかに 吹き抜けていた彼女は小さなバッグ1つ だけを手に俺たちと一緒にその最上会の 異室へとやってきた荷物は最小限だけど あの時よりも少しだけ背筋が伸びていた 玄関のオートロックが解除され俺がドアを 開けると楓出は一歩部屋の中で立ち止まっ た 広いリビング大きな窓から差し込む日差し 天井まで届く本棚や観葉植物落ち着いた 木目の床としけさに満ちた空気信じられ ないこんなところで私が小さく呟いた声に 現実感がまだ追いついていないのが伝わっ てきたここが君の場所になればいい彼女は 驚いたように俺を見つめた後ふっと微えん だそれはほんの少しのアンドとまだ小さな 希望の明りを灯した笑顔だったこの日から 彼女の最出発が始まった 翌朝の光がカーテン越しに差し込み キッチンでは母が慣れた手付きで朝食を 用意していた食卓には温かいご飯と味噌汁 そして行ってらっしゃいと添えられる言葉 日々が変わった少しずつでも確実に母が 選んでくれた制服に袖を通し美容室で整え てもらったばかりの髪が朝の光の中で キラりと揺れる彼女が教室に入ってくる たび俺はこっそり嬉しくなった以前のよう なざめきや視線はもうなかったむしろ最近 では彼女を1人のクラスメートとして自然 に見る空気すらほんの少しずつ漂始めてい たそんなある日昼休みに渡り廊下で すれ違った時彼女は俺の袖をそっと引いた ジオ君今日ね初めておはよう それ嬉しかった彼女は少し照れたようにでも確かな笑を浮かべて頷いたうんすごく [音楽] ほんの一言でもそれは彼女にとって大きな一歩だったこの子の普通を少しずつ取り戻してあげたいそんな思いが胸の奥に広がっていく彼女はまだ自分の夢を口にしない それでも彼女の目はどこか遠くを見つめて いる閉ざされた日々ではなく少しだけ先の 未来をその住んだ瞳を見て俺は確かに思っ たこの子は今ちゃんと生きてるそれから 楓出との日々は少しずつ穏やかに色づいて いったタワマンでの暮らしが始まってから というもの彼女の顔色は見るたびに明るく なっていった最初こそ遠慮ちにむくことの 多かった替出でも今ではおはようと小さく 声をかけてくれたり教室でも時折りほんの 少し微笑むようになっていた食事は毎日 母さんが手料理を用意してくれた朝は ふわふわの卵焼きと味噌汁夜はハンバーグ や肉が いつもこんなに温かいご飯が食べられる なんてと楓出は最初のうち箸を持つ手を 振わせていた制服も母さんが選んでくれた 新品が2着クリーニング付きで常に清潔に 保たれ彼女は次第にその制服を誇らしげに 着こなすようになっていった最初はすみ ません迷惑かけてばかりでと申し訳なさ そうにしていたが日が立つに連れて自然に ありがとうと言えるようになったその一言 が俺には何より嬉しかったある日の放課後 俺が楓出の部屋に立ち寄るとピアノの蓋が 開いていた この部屋のピアノを引かせてもらって練習 しているのもちろん自由に引いてくれて いいよピアニストになるのが夢だったん だろうん小さい頃から ずっと母が音楽好きでね家にいる時は毎日 引いてた そうだったのか 両親がいなくなって引っ越しして生活も 変わってピアノなんて高級品触れる余裕も 場所もなくなっただからもう2度と引け ないんだと思ってた でもこのピアノここに会ってくれてまた音が出せるって思ったらなんか言葉を飲み込むように小さく息を吸った [音楽] 嬉しかった それ母さんが昔女目指して練習してたんだってさ今は引かなくなったけど楓出が触れてくれたならきっと母さんも喜びよ そうだったんだ すごいなり君のお母さんもあ多分どこかで聞いてると思うよピアノがまた動き出したってさ彼女はほんの少しだけ笑って鍵盤にそっと指を戻したまた夢を見てもいいのかな [音楽] その声は問いかけというより自分への許しを求めるようなカスかなきだった おおそのための場所なんだからさ彼女は 静かに頷いた鍵盤に触れるその手はどこか 震えていたけれど音は確かに希望に触れて いた笑顔が俺の胸に深く染みるこの場所は 彼女にとって再出発になるそんな気がした それからという物ではピアノの練習を毎日 欠かさず続けていた放課後誰もいない静か な部屋に響くのは彼女の奏でる音だけ白く 細い指が鍵盤を真剣に追いかけていく姿は まるで何かに祈るようだった学校の帰りに は学屋に立ち寄りクラシックからポップス まで幅広く買い求めていた動画サイトで 名演奏を繰り返しみては細かい指遣いを 一時停止して確認していたその目は真剣で 力強くて迷いがなかったピアノに向き合っ ている時の楓出はまるで別人だ静かだけど 確かに生きている音を出していたそんな 彼女の変化は学校でも少しずつ周囲の目に 映るようになっていた入学初日こそなんで あんな格好できたのスエット女じゃんなど と影口を叩かれていたが今では制服を きちんと聞こなし髪も清潔に整えていて誰 が見ても落ち着いた美少女という印象に なっていた彼女身は目立とうとすることも なく誰に媚びるわけでもないでも毎日 変わらずに投稿し挨拶をして教科書を開い て真剣に授業を受けるそんな彼女の真面目 な姿勢はやが周囲の警戒心を少しずつ 溶かしていったけれどそれを面白く思わ ないものもいた遠藤まみクラスの中心にい ていつも数人の鳥巻きに囲まれながら廊下 を歩く学園女王様タイプ成績も悪くない 顔出しも整っているブランドもに身を包み 教師にも愛そよく振る舞うだからこそ自分 のテリトリーに異物が入ってきたことが 彼女は我慢できなかった 放課後帰り自宅をしていた俺に近づいてきたまみはわざとらしく笑いかけてきた おはよう今日一緒に帰らない 悪い用事あるんだ ふーんあの子のとこでしょ?タワマンガールのその言葉に俺は思わず振り返った楓のことそんな風に呼ぶなよ [音楽] まみは唇の橋を釣り上げ楽しむように続けた え?何?関係終わりでしょ?入学式あんなボロ服だったのに今じゃ人気のバッグ持ってるし言葉の鋭さに心臓がざらついたけれど怒なる代わりに俺は足を止め静かに口を開いた [音楽] それ楓出がどんな思いで生きてきたか知っ た上で言ってるのか まみは鼻で笑ったあの子ってさ自分のこと 悲劇のヒロインだと思ってるんじゃない ピアノ夢笑っちゃうよね その瞬間俺の胸の奥で何かが音を立てて 弾けそうになった 言い返したい思いっきり怒鳴ってやりたい 拳を握りしめたでもぐっと力を込めたまま それを飲み込んだここでどなっても楓出を 守れるわけじゃない楓出を守るには感情 じゃなく行動が必要だ彼女がこれから 進もうとしている未来を守ってやるには 俺の中で小さな決意の炎が静かにとった俺 は日に日に階の表情が明るくなっていくの を何よりの喜びとして感じていた少し前 まで怯えたように俯いていた彼女が今では 毎日ピアノに向かい真剣なマしで鍵盤を 見つめている ピアニストになりたいその夢に向かって 再び歩き出した彼女の砂はどこか眩しくて 力強かったそんな彼女の姿を見ていると胸 の奥が暖かくなる ある日夕食後テレビの音が静かに流れる リビングで俺は不印に立ち上がり両親に 向かって頭を下げた父さん母さん本当に ありがとう母は驚いたように顔をあげ父情 を緩めてこちらを見た楓でもすごく喜ん でるきっとあの子あのままだったら何もか も諦めてたと思うんだそんな風に言って もらえると私たちも嬉しいわ 困ってる人には優しく手を差し伸べる そんな父さんと母さんの息子で本当に 良かったって思ってるありがとう父は何も 言わずただ静かに頷いたその沈黙が逆に 深い愛情を感じさせた母は目を細めながら 優しく微笑んだ 量がそう言ってくれるのが1番嬉しいよ その夜家の中にはどこか静かな幸福の空気 が満ちていたそんな日々を送るうちに楓出 も学校に馴染み始めていた授業中には手 を上げて意見を言うようになりグループ 活動でも自然と輪の中にいるようになった まだ派手ではないけれど着実に彼女の世界 が広がっていくのが分かったそしてある日 音楽教師から文化祭でのピアノ演奏を提案 されたのだという本人は最初こそ戸惑って いたが練習を重ねるうちにその目には確か な自信が宿っていった夕方肛門を出て 帰り道を並んで歩いていると楓出がふと 立ち止まり俺の袖をそっと引いたねえ り君文化祭で私が引くピアノ聞いていてね もちろん最前列で拍手するつもりだよ彼女は少しだけを染めでもどこか晴れやかな顔で笑った緊張するけどでも行けって嬉しいこんな風にまた誰かに聞いてもらえる日が来るなんて私幸せだよ [音楽] その横顔を見ていると不思議と胸が熱く なるここまで来たんだという思いと彼女が 今を生きているという実感が押し寄せた もう君が泣く理由はないそう心の中でつい た俺は彼女の隣を歩きながら少しだけ空を 見上げた石に照らされた雲がまるで祝福し てくれているように柔らかく染まっていた けれどそんな穏やかな日々に突然気裂が 入った文化祭を1週間後に控えた朝教室の 掲示板前が沢ついていた俺が近づくと 張り替えられた演奏メンバー表に目が 止まったそこにあったはずの白石楓出の 名前が消えていた代わりに書かれていたの は遠藤まみの名前手書きの筆跡が妙に浮い て見えたその異変に気づいた楓出が刑事を 見た瞬間声を失ったように立ち尽くした私 名前なくなってるそしてまるでそれを 待ち構えていたかのようにマミが近づいて きたあらごめんね私もちょっとピアノ 引けるし 先生に楓でちゃん最近忙しそうだから変わってあげたいって言ったら了承してくれたのその言葉に俺の胸がつくまるで楓出が辞態したかのような印象操作 そんな私練習ずっとしてたのに [音楽] そもそもさあんたみたいな子がタワマンから通ってくるって時点でもう普通じゃないんだよねピアノだ 夢だってみんな静かに笑ってるの気づいて ないのその場の空気が凍りつく 楓の顔から見るみるうちに血の毛が引いて いったその夜俺がタワマンの部屋を尋ねる と楓出はカーテンも開けずリビングの ソファーに座っていた部屋は静まりて ピアノには布がかけられている やっぱり私なんてどこに行っても邪魔なんだよね その言葉が胸に突き刺さった彼女はせっかく見つけかけていた居場所をまた失おうとしているそう感じた違う楓ではここにいていい絶対に間違ってない でも何も言い返せないの何か言えばまた浮くし怖いよ その声を震えていたまるで自分の存在その ものを否定されているように思っているの だろうその時俺はようやく気づいたああ俺 はこの子のことが好きなんだただ助けたい とか放っておけないとかそんな感情じゃ なかった 毎日ピアノに向かう姿も周りに馴染もうとする努力もそしてこうして涙を耐えながら必死に立っているその姿も全部が愛しかっただったら俺が戦う君の代わりにちゃんと向き合うよ [音楽] き君の目に溜め込んだ涙が今にもこぼれそうに揺れていた俺はゆっくりと手を伸ばし小さく震えるその手を包み込んだ お前が泣いてるのもう見たくない俺に できることなら全部やるだからもう1人 じゃないその一言に楓はついに涙を こいきれない様子だったただポロポロと 泣きながら俺の手をギュっと握に入り返し てきた ありがとう 温かいその手の温度が少しずつ彼女の中の 冷たさを溶かしていくのが伝わってきた その夜俺は心に誓ったもう2度と楓出を 1人にしないとそしてこの気持ちを ごまかさずいつかちゃんと伝えようと 楓での名前が文化祭の出演者リストから 消えたその日から俺の中で何かがはっきり と大きく変わったどうして彼女はこんな目 に会わなきゃいけない毎日汗をかいて涙を 耐えて夢に向かって1歩ずつ進んでいたの にそれをただの嫉妬や噂で踏みにじられて いいわけがない俺は廊下を早足で歩き音楽 室の前で深呼吸を1つ気持ちを整える間も なく扉を開けた先生すみません 文化祭のピアノ演奏変更されたって聞いたんですけど何かあったんですか ああ佐藤君かあれはね白石さんが少しプレッシャーを感じてるって話でそれで遠藤さんが変わってあげたいって言ってくれてね親切心というか気遣いというか音楽教師は少し戸惑ったように眉を潜め話し始めたそれ本人の意思じゃありません 言い切った自分の声が思っていたよりも強く響いた でももう決まったことだから今更混乱させるわけにもいかないしその言い方はまるで話は終わりだと引き下がらせるためのものだったまみ完全に寝回ししてやがる俺は唇をつく感だ先生まで取り込まれるなんてどれだけ画的なんだ [音楽] 教室に戻ると案の城まみは席で取り巻きを はらせながら余裕たっぷりの笑を浮かべて いた俺を見るにニヤっと笑って近づいて くる佐藤君必死ねそんなに彼女が大事なの お前が何を言おうと関係ないでも楓出を 侮辱するのは許さないまみは肩をすめ わざとらしく首をかしげてきたふん でもさあの子男の家に住んでるって学校中に知れ渡ったらどうなると思う?その一言で頭の中が一瞬真っ白になった翌朝 SNS [音楽] には匿名の投稿が回っていたピアノも家も全部男に養われてるって噂学式は貧乏今はセルブということ文章の火びの癖や 5位の特徴見れば分かる あれを書いたのが誰かなんて想像に固く ないその日教室の空気は明らかに変わって いたえ本当に一緒に住んでの最初スエット できて今はたまずみってやばすぎじゃね 耳に入れたくなくても聞こえてしまう冷た 一戦距離を取るクラスメートまるで空気 そのものが楓出を排除しようとしているか のようだった 昼休み俺が声をかけようと近づくと彼女は一歩身を引いた やっぱり私がそばにいるとり君まで変な目で見られるよね そんなこと気にするな俺がどう見られようと関係ない彼女は首を振った涙を耐えるように唇をか違う両君まで巻き込んでるのが辛いの私のせいで両君まで孤立したら嫌だよ その絵は以前と同じだった入学式の日誰に も居場所を見つけられなかったあの時の瞳 なのに今それが俺のせいだと彼女は思って いるその夜タワマンの部屋のリビングで 彼女はソファーに丸くなって泣いていた何 も言わずただ静かに声すら立てずに俺は 言葉もなくその背中をそっとさすった俺は 何で無力なんだ守るって言ったのに涙を もう見たくないって誓ったのに現実は あまりに非常だったSNSの書き込みは日 に日にエスカレートしていった見出しの ように大文字で拡散された言葉の数々は あまりにも下品で悪意に満ちていた誰かを 傷つけたいだけの言葉画面越しの言葉に ここまでの悪意が込められるのかと 吐き気すらしたその日 昼休み弁当を取りに教室に戻ると後ろから 声をかけられた お前さああの子と付き合ってんの 同じクラスの男子特に仲良くも悪くもない ただのクラスメイトの1人いや付き合って ないけどでもさお前のじいさんが持ってた 家に住んでんだろ それってもう深い関係ってことじゃねその言葉に俺は動けなくなった脳の奥に何かがリッと火を吹いた拳が自然に逃げられていくのが自分でも分かった今何て言った?冗談だとまかす度に耐い切れなくなったバン俺は拳を思いっきり机に叩きつけた空気が一瞬にしてつく [音楽] 替えではなそういう女じゃない俺は誰より 知ってる教室の全員が驚いたようにこちら を見た誰も声を発さない沈黙だけがずっと 張り詰めていたしまったとなったことを 後悔したわけじゃないでも状況が良くなる とも思えなかった放課後教室には俺1人 だけが残っていたカーテンが風で揺れて いるチャイムの音が遠くで響く誰も俺に声 をかけない廊下を通りすぎる足音すら俺を 避けるように聞こえた 楓だけじゃない俺まで笑い物かそう思った 瞬間肩に重くのしかかる孤独が心の奥まで 染み込んできた自分だけは味方で痛かった のに守るって言ったのに 夜タワマンの部屋に戻るとギビングの照明 は落とされ楓出は窓際に座っていた外の 夜景がぼんやりと頬を照らしているき ごめん私きっと足引っ張ってばかりだよね 違う言葉に詰まった本当はもっと何か言い たかった慰めたかった でもそんな言葉は今の楓出にとってただのごまかしにしかならない気がした もう夢なんて見なければ良かったのかな その声にはあの夜の涙と同じ響きがあった夢は見なきゃだめだろ彼女は静かにこちらを見つめた俺はその視線から逃げずに続けた [音楽] お前がまたピアノを引けた時どれだけ嬉し そうだったか俺は知ってるあの音がどれ だけあったかい気持ちにさせてくれたか 知ってるだからやめるなんて言うなよ楓出 の方がフると震えたしばらくの沈黙の後 小さな声が聞こえたあのね私また引きたい 誰かに聞いてもらいたい だからお君ってくれる その言葉に俺の胸が熱くなったあ俺が全部取り返してやる名前も舞台も夢もお前の居場所を俺が取り戻す彼女は何も言わずに目を閉じてそっと小さく頷いた俺は動いたもう黙って耐えるだけの時間は終わり 見て見ぬふりをしていたらきっとまた楓出 が傷つく今度こそ彼女を本当に守るに は行動が必要だったSNSの投稿出演者 リストの改ざ全てがまみの手によるものだ という確信はあっただが感情だけでは勝て ない教師に訴えたところで憶測では動け ないと一周されるだけならば緩ない証拠を 揃えるしかないそう決めてからの数日間俺 はとにかく調べたまずSNSの投稿を 片っ端しから保存投稿された時間帯とまみ がスマホを使用していたタイミングのログ を付き合わせた彼女はSNSを使う傾向や 言葉の癖一致する情報が少しずつ 積み重なっていた次に手をつけたのは文化 祭の出演者リストの改ざこれには学校の 共有ネットワークへのアクセス記録が 関わってくる俺は図書室の管理用PCから 生徒ユーザーIDの履歴を辿どりファイル が書き換えられた日時を終わり出すそして まみのものと思わしIDがくっきりと残っ ていたそんな俺の調査に思わぬ協力者が 現れた放課後の放送室タイミングを見計っ て話しかけてきたのは放送委員をやって いる男子だった 俺前から遠藤さんのやり方ちょっと おかしいなって思ってて白石一さんのこと なんかずっと引っかかってたんだ力になる よ彼は文化祭の進行システムにも関わって おり出演者リストのバックアップファイル も管理していた削除されたはずの旧データ が自動保存フォルダーに残っていたことを 教えてくれたそのデータには最初に白石 楓出の名前が確かに登録されていた証拠が 残っていたそして決定的だったのはある 動画だった別の女子が無断でスマホで録画 していたネタ動画動画の中にはまみが教室 の隅で楓出のバッグを手に取って笑って いる姿が映っていたこれ白師のバッグじゃ ねうわマジで受けるその声と笑い声間違い なく波のものだった誰がどう見ても嫌がら せでありを既損の証拠だったこれで決定団 になる怒りより先に妙なしさが胸に広がっ たあとはこれを叱るべき場所に持っていく だけだ翌日俺はプリントアウトした資料と USBにまとめた動画ファイルを持ち職員 室をノックした案内されたのは生徒指導室 そこには教闘と生徒指導担当の先生が揃っ ていた机の上に証拠を広げながら俺は ゆっくりとはっきり口を開いたこれは白石 楓出に対する嫌がらせと虚偽情報の拡散に 関する証拠です名誉を傷つけ学校内での 生活を困難にさせた加害行為ですどうか 調査をお願いします終えた後室内は数秒の 静寂に包まれた確認させてもらいます これは思っていたよりも深刻な問題ですね 君がここまでの記録を1人でいえ協力して くれた仲間もいますでも何より彼女をもう 泣かせたくなかったんです 教闘たちは真剣な表情でファイルを見つめ ていたその姿勢にようやく信じてもらえた という手応えを感じた楓出の涙をあの笑顔 を絶対に無駄にはしないそう改めて誓った 瞬間だったその数日後校内の空気がざつい た遠藤まみが生徒指導室に呼び出されたと いう噂があっという間に広がっていた5 時間目が終わる少し前俺はちょうど水を 飲みに行こうと教室を出たおでその姿を見 たまみは顔を真っ赤にして廊下の奥から 戻ってくるところだった制服の不装を ぎっと握りしめ肩を怒らせ視線は伏せた まますれ違う時彼女が低くとなるように ついたなんでなんで私だけその声は怒り よりも恐怖と混乱の方が強く滲んでいた目 の奥は濁っていてこれまでの勝ち誇った 余裕はどこにもなかったはあ終わったな俺 は静かにそう思ったその日の放課後急遽 職員会議員が開かれたそして翌朝朝の前後 放送で共闘が読み上げる内容に教室の空議 が一変した文化祭における不正行為及び 特定生徒に対する誹謗中傷行為が確認され ましたつきましては当該生徒低学処分と いたします 静まりた教室の中で誰かが小さくついたえ 何マジかよああそんなことしてたのか かつてまみの取り巻きだった数人は異常に 顔を伏せ何も言わなかった その姿はかえないほどの事実を突きつけられた証のようだった うん だがそれだけでは終わらずミの母親が学校に怒鳴り込んできたらしいうちの娘がなぜ証拠って何陰謀じゃないのと職員室で声を荒げたそうだだがすでに証拠は十分に揃っていた [音楽] 生徒数名からの証言PCのログSNSの 投稿記録そして決定的な動画保護者の講義 もただの騒ぎとして静かに処理された週末 には匿名掲示板やSNSで某名門工除女子 が文化祭直前に低額というスレッド型拡散 された実名こそ伏せられていたが制服の 一部校舎の背景スマホケースの柄などから 遠藤まみだと特定されるのに時間はかから なかった本人のSNSのアカウントにも 皮肉や冷やかしのコメントがあいついだ いつも自撮りアップしていたのに最近静か ですね定額とか逆に目立つわ因が応法って こういうのを言うんだなその後まみの アカウントが削除され彼女は転校していっ ただがネトは残酷だった新しい学校の掲示 板にもこんな書き込みが現れたのだやばこ れって遠藤って子じゃね前の学校で文化祭 荒らして定学になったって噂マじSNS 見つけた噂は王引き名前だけでなく過去の 画像や統合までさらされ続けた かつて物だった彼女が今やい物の対象になっていたそして彼女が再び学園の女王として帰りくことは 2 度となかったそれから数日後昼休みが終わる直前教室に担任の先生が顔を出した [音楽] [音楽] さちょっと職員室まで来てくれるか 廊下を並んで歩きながら俺の胸は少しだけざついていた何かまずいことでもあったか?そんな思いが一瞬頭をよぎったが先生の表情は穏やかだった室の前で足を止め担人がつりと口を開いたと君がいなかったらしさんは壊れていたかもしれない [音楽] [音楽] 俺だけじゃないです協力してくれたやつが 何人もいたんです勇気を出して証言して くれた人もいました俺はただそのきっかけ を作っただけです 他人はゆっくり頷いてから少しだけ目を 細めた 彼女の演奏を聞きたいなちゃんと舞台に 至ってくれるといいなその言葉に俺は静か に笑って頷いた俺もそう思ってます その足で俺はタワマンの部屋へと向かった エレベーターの中なぜだか鼓鼓動が早く なるピンポンと鳴らしたチャイムの音に しばらくしてドアが開いた彼女はソファー に座っていたカーテンは閉じられたままで 部屋は静かだった なんだか静かすぎて怖いくらい その目はまだ少し疲れていたけどどこか安心したような限りもあったもう大丈夫だマみんはいなくなったよ天校も決まったって彼女は驚いたように顔をあげぽつりと呟やいた本当になんか夢みたい 夢じゃないこれからだよお前がまたステージに立つ番だ 逃げる理由なんてもうどこにもない ひくありがとうその声にはかに涙の気配が滲んでいた俺はただ君にピアノを引いて欲しかっただけだよ初めて聞いた時心が揺れたんだあの音絶対に誰かの心を救えってそう思った [音楽] 彼女は唇を噛しめながらでもゆっくりと笑ったそして泣くのを耐えるようにぐっと目を閉じた後小さくついた ねえまたあの曲聞いてもいい もちろん俺何度でも聞きたいよ楓出はゆっくりと立ち上がりピアノの前へ向かった [音楽] 椅子に腰を下ろし背筋を伸ばすと鍵盤に そっと両手を置いたその瞬間部屋の空気が 変わったそして静かに最初の一応が鳴った それはあまりに静かで優しくてでもどこか 強かった不安悔しさ涙全てを抱えてそれで も前を向こうとする彼女の音だった 決して果てではないけれどまっすぐでの ない戦立それはきっと彼女がこの数ヶ月で 手にしたもの誰にも奪えない自分だけの音 白石楓出の音がそこにあった 文化祭まであと数日校内の装飾もどんどん 進み階段や廊下には手作りのポスターや フラッグが彩取られていった教室では 出し物の準備で賑やかな声が飛び生徒たち はいつになく気に満ちていたそんな中再び 張り出された文化祭ステージプログラム ボードにしっかりと堂々とこう記されてい たピアノ 独石 で今度こそ正式にメイン演奏者として発表 された以前のような改ざも因質な悪意も ない真正面から与えられた正しい評価 そして正しいチャンス教室の掲示板を見た 時楓出はしばらくその場に立ち尽くしてい た表情は動かずただ目を細めて静かにその 文字を見つめていた名前がある おつりとついたその声に張り詰めていた 空気が解けるような気がしたあこれが本番 だ 楓は少しだけ目を潤ませてでもすぐにそれ を見せないように俯いた 今度はちゃんと立てる気がする逃げないっ て決めたからり君がずっと背中押してくれ たから 俺はただの応援だよポットライトを浴びる のはお前だ 彼女はふっと笑ったあの日涙を耐え ながらまたあの曲引いていいと言った時 よりもずっと真の通った表情 で放課後音楽室のグランドピアノの前に 座る楓出の指はすでに本番の緊張を感じて いたそれでもその手は震えていなかった 彼女はゆっくりと深呼吸し目を閉じた あの日ピアノに触れられた時のこと忘れないもう 1 人じゃない誰かに届くように今度こそちゃんと引こう鍵盤に置かれた両手がゆっくりと音を奏で始める音楽室に響く戦術は確かに本番前の音だった [音楽] そしてその背中を廊下からそっと見守る俺 がいた この一音一音がきっと誰かの心を動かす俺 は信じてる 文化祭当日朝から校内は華やかな空気に 包まれていた教室の扉には色鳥取りの装飾 廊下では売店や出し物の準備に走り回る 生徒たちの姿笑い声呼び込みの声 スピーカーから流れる音楽あちこちに高校 生の青春が溢れていた俺は人の中を抜け 体育館の設営を手伝っていた舞台前の椅子 を並べながらそっとステージに置かれた グランドピアノに目を向けるいよいよこの 部屋が来た 重ねてきた日々の1つ1つが今日この瞬間 のためにあったような気がしたリハーサル を終えた楓出はステージ袖で1人静かに目 を閉じていた大きく深呼吸を1つその度に 胸源が小さく上下している彼女は今日白い ブラウスに黒のロングコートという シンプルな衣装を選んでいた 華やかではないけれどどこかで彼女の強さが伝わって見えた俺はそっと近づいて声をかける緊張してるか [音楽] うんでも不思議と怖くないんだ なんで だってり君がここにいてくれるからその一言に胸の奥が熱くなるのを感じた [音楽] 報われたなあ ずっと見守ってきた背中が今こうして しっかりと前を向いているやがて常難内 アナウンスが流れた 続きまして本校1年白石楓出さんによる ピアノ独です 視界の言葉と共に体育館のざめきがすっと 消えていった静寂の中楓出が舞台の中央へ と歩いていくその姿は光に溶け込むようで まるで1枚の絵のようだった椅子に座り 背筋を伸ばし鍵盤に両手を置くそして音が 鳴った最初の一音で空気が変わったのが 分かったそれは決して派手な戦実ではない けれど音と音の間にある静寂までもがなぜ か心にしみる 楓出の奏でる音は優しくはなくそしてリと していた悲しみを知っているからこそ 生まれる音孤独の中で見つけた小さな光誰 かに救われたその思いの全てが音に乗って 伝わってくる観客の目が全て舞台に 吸い寄せられていた涙をそっと脱ぐ女子 生徒の姿もいくつか見えた届いてるこの音 は確かに届いている言葉ではない心その ものが語る戦立として そして最後の和音がゆっくりとなり終わっ た 会場は静まり返ったまま誰もすぐには声を 出さないそのしけさこそが何よの賞賛だっ たそして1人2人と静かにしかし確かに 拍手が起こり始めたそれはやがて波紋の ように広がっていき体育感を包むような 温かな大きな拍手となった 拍手は止まらなかったしばらくの間誰も 立とうとしなかった楓は舞台の中央で深く 一例した後そっと涙を拭いながら笑ってい た舞台を降りた楓出はステージ袖に戻って きた瞬間力が抜けたように肩を落とし そしてふっとほっとしたように微笑んだ やっと終わった 少し焦んだ額体に神が張り付いていた けれどその笑顔はどこか晴れやかで今まで 見たどの笑顔よりも彼女らしいものだった 最高だったその一言に楓出はちょっとだけ 目を見開いてそして嬉しそうに目を細めた き君が守ってくれたから 彼女の目にはもう涙はなかったそこにあっ たのは自信と誇り乗り越えたものだけが 持つ静かな強さだった こんな日が本当に来るなんて誰かの前で ちゃんとピアノが引ける日が来るなんて 本当にありがとう よかったな帰れうんでもねり君だけじゃ なくてあなたのご両親にもありがとうって 伝えたいの 少しだけ声が震えたでもそれは悲しみじゃ ない温かさから滲む感情の震えだった制服 も食事も住む場所もそれにピアノまで私に とっては全部が夢みたいな毎日だったのか 目が覚めたら全部消えてるんじゃない かって何度も思ったでもあの人たちが 優しくしてくれなかったら私はきっと学校 にも来られなかった 伝えとくよきっとすごく喜ぶ楓は小さく 頷いて舞台を振り返った空っぽになった ステージでもそこには確かに彼女の音が 残っていたその夜の公式SNSには文化祭 感動の締めくりとして楓出の演奏の写真と コメントがアップされた1年生ながら堂々 とした演奏でした白石さんの演奏涙が出 ました本当に素晴らしかったです音で物語 を語るってこういうことなんだって思った コメント欄には生徒だけでなく保護者から のメッセージも寄せられていたうちの娘が あの音は忘れられないって言ってました心 が現れるような時間でしたありがとう 白石楓出の名前は文化祭を感動で 締めくくったステージの主役として しっかり刻まれた そしてかつてまみが匿名で投稿していた 悪意のアカウントはすでに完全に削除され ていた あれだけ騒がれていた名前も今や誰の話題 にも登らない彼女が作った嘘と悪意は風に さらされて後方もなく消えたのだ代わりに 静かに残ったのは1人の少女が自分の力で 立ち上がり夢をもう1度掴んだ確かな即石 だった 月日が流れ春の気配が少しずつ町を包み 始める頃高校生活の締めく括くりとなる 卒業式を目前に楓出は晴れやかな顔でその 日を迎えていたそして第一死亡だった女題 からの合格通知 白い封筒を震える手で開いたあの瞬間の ことを俺は一生忘れないだろうその 帰り道夕やけに照らされた波き道で楓田は 小さな声で言った私ちゃんと進めたよあの 日り君が言ってくれた おかげ夢は見なきゃだめだろって それはお前の力だよ俺はちょっと背中をしただけだ でもその少しがなかったら私は立ち上がれなかったと思うのあの時の私に必要だったのはできるって信じてくれる人だったから彼女の言葉には涙ではなく確かな悟と感謝があったその週末楓では久しぶりにうちのビングにやってきた [音楽] [音楽] 白いシャツにシンプルなスカートという 服装ながらどこかびて見えたのはきっと 成長の証だろう夕方の柔らかな光が部屋に 差し込む中テーブルには母さんの手作り ハンバーグと父さんが焼いたガーリック トーストが並べられていたさたくさん食べ てね今日はお祝いなんだからほらこれ うまく焼けたぞ自震作だ ありがとうございます [音楽] にやかに話す両親の前で楓では少しだけ緊張したお持ちで箸を置いたあの今日ちゃんとお話したくて来ましたどうしたの?改まって父はグラスを持ったまま表情を少しだけ引き締めた楓出は 2人の顔をまっすぐ見つめた 本題無事に合格しました これも全部お2人のおかげです いやいやそんな努力したのは君自身だろ いえ最初に制服を買ってくれたことご飯を作ってくれたこと住む場所を与えてくれたことしてあの時私を受け入れたことがなければ私は学校にすら通ていませんでした 彼女の声が少し震えた本当に感謝しています 私この家に来てり君だけじゃなくて家族って温かいものなんだって改めて知りました [音楽] 楓でちゃんその言葉が1 番のご馳想だな楓では一度深く息を吐き少し照れくせそうに笑ってそして丁寧に深く頭を下げた本当にありがとうございました [音楽] 私たちもねあなたに出会えて良かったと思ってるのよあなたが頑張る姿を見るたび何度も励まされたわこれからもうちの自慢の娘としてずっと応援してるからな 楓出の頬がほんのに赤く染まり瞳がりと光ったその空間には言葉にできない温かさが満ちていた [音楽] 血のつがりなんて関係なかったここには 確かに家族と呼べる絆が存在していた 大学入学後彼女の進学先が遠方だったため 以前のように毎日会えるわけではなくなっ たけれど俺たちの関係は何ひつ変わら なかった時々週末になると彼女はタに帰っ てくる かつて避難場所だったその部屋は今では帰って来られる場所になっていたただいまお帰りコーヒー入れてあるよリビングの空気はあの日同じだった変わらない景色の中で楓出はピアノの前に座る俺はその隣で湯気の立つカップを持ちながら静かに音に耳を傾ける [音楽] 季節が変わっても何も語らなくてもこの 時間だけ はどこまでも温かかった そして数年が過ぎだ楓出は問題を卒業し いよいよプロとしての道を歩み出したのだ 初めて開いたソロリーサイタルは町の 小さなホールだった観客席には数十名の 観客親しげな関係者もいれば音楽好きの 一般客もいたその片隅みに俺は静かに座っ ていた照明が落ち舞台にスポットライトが 落ちるそこに現れたのはスカートの裾を そっと抑えながら歩く1人の女性かつて スエット姿で俯いていた少女の姿はもう そこにはなかった 女はステージの中央でピアノに向かい 美しく磨かれた鍵盤に手を置いた静かに音 が始まるその音は優しく温かくそして 何より強かったたくさんの涙と迷いを超え た人間だけが奏でる生きてきた証のような 戦立だった 一局を終えると楓出はマイクの前に立った 今日は来てくださって本当にありがとうございます 少し緊張したようにってから彼女は続けた私はかつて私に構わないでとついた子でした傷つくのが怖くて誰にも頼れなくて生きているのに息をしていないような日々を過ごしていました席が静かにその言葉に耳を傾ける [音楽] でも手を差し伸べてくれた人がいました私 の存在を温かく見守ってくれた人たちが 確かにいたから私はここにいますそして今 私の音が誰かの心に届いたならそれだけで 生きていて良かったと思えるんです その瞬間会場が大きな拍手で包まれた バれるような完成ではないけれど1つ1つ の拍手が心からの祝福を送っているのが 分かった舞台袖に戻る前楓出はそっと客席 の片隅を見た俺の姿を見つけてほんの少し 口元を緩めて笑った 終焉後学屋の裏で待っていた俺の前に彼女 はまっすぐに歩いてきた見ててくれた 最初から最後まで よかった何が に見て欲しかったからちゃんと夢を叶えた私を俺は少しだけ笑ってコートのポケットから温かい観光品を取り出したじゃあまたタワマンで隣で聞かせてもらうよ 彼女はカを受け取りプルタブを開けた後をそっと頷くうんこれからも何度でも [音楽] よそらには春の星が甘くまた叩いていた静かな風が吹く中で俺は人生で 1 番誇れるピアノの音を思い出していた文化祭の手もリサイタルの余因過去になった今 俺たちはいつもの場所にいたタワー マンションの最上会夜の風が穏やかに吹く ベランダで楓出と2人肩を並べて腰かけて いた手には温かい観光ほんのりと立ちのる 湯が緩やかに夜空へと溶けていく しばらく言葉もなく町の明りと星空を ぼんやりと眺めていた は払えなかったあの時り君の家族がい なかったら私ここにいられなかった そういった楓出の声は小さくてでもとても まっすぐだった当たり前のことをしただけ だよ楓出はカを胸源で抱えるようにして ふっと笑ったその表情はあの頃とはまるで 違う遠慮じゃなく感謝の笑顔 そして静かに空を見上げた もしもあの日私がスエットで学校に行かなかったら何も始まらなかったね それでも俺はお前を見つけたと思うよ楓では驚いたように顔を向けたでもすぐに笑って肩を寄せた もう構わないでなんて絶対に言わないからね [音楽] うん 俺もずっと構い続けるつもりだから その時2人で見上げたゆ空に一際は明るい 星が流れた一瞬のことだったけどそれは まるでこれまでの全てを祝福するような そんな静かな奇跡だった誰にも気づかれず に流れたその星は願い事を託すというより ももう十分だよと微んでくれているよう だった 夢は1人じゃ叶わないでも誰かとならいや 愛する人がいて支えてくれる人がそばに いればきっと超えられるそれは偶然の 出会いだったかもしれないでもその出会い を本物にしたのは俺たち自身だった今日も またこう片手に変わらない夜を2人で 分け合っている この空の下で何があってもきっと俺たちは 大丈夫だ [音楽] 俺の名前は倉本じ30歳ファッション ブランドエテルナのデザインチーム主任を 務めているとはいえ俺は装飾の専門学校を 出たわけでもなければデザインの勉強を 体型的に受けたこともない学歴だけを見れ ば俺はこの業界にいるべき人間じゃないの かもしれないそれでも今こうしてエテルナ の中心に立っているのは俺が服作りを心 から愛しているからだ 母さんこれどうやるの 小学生の頃俺はよく母に使い方を聞いていた俺の母は要塞が得意だったからだ寄制品をそのままるのではなく買ってきた服を自分好みにアレンジして楽しんでいた穴が開いたっつけてを変え 古くなったワンピースは スカートとに作り替える 服ってねちょっと手を加えるだけで全然 違うものになるのよ母はそう言いながら ミシンを踏む俺はその姿を見るのが好き だった新しい服が生まれる瞬間のワクワク 感生地が形を変え自分だけの一着になって いく楽しさ気づけば俺も母の真似をして 小さなはれを縫い合わせるようになってい た 服作りって楽しい 最初はおもちゃのぐるみの服を作っていた次第に自分が着る T シャツをリメイクするようになり中学生になる頃には友達からそれいいねどこで買ったのと聞かれるほどになっていた現実は厳しかったは福な方では大学職専門学校に行く余裕はない だから俺は高校卒業後すぐに働くことを 選んだ俺が選んだのはアパレルショップの アルバイト有名ブランドではなく街の 小さなセレクトショップだったが服が好き な俺にとってはそれだけで十分だった バイトの合間に店の服をじっくり観察し どんなデザインが売れているのかどういう 服が人気なのかを学んだだがどれだけ服に 囲まれていても自分の作った服を売れる わけではない俺は服を売る側じゃなくて 作る側になりたいんだそんな思いを抱え ながら夜は家で古着をリメイクし オリジナルのデザインを作り続けた ボロボロのデニムに刺繍を入れシンプルな ジャケットに素材のパッチワークを施す誰 かに見せるわけでもなくただ作ることが 楽しかったある日俺はふと思い立ち自分の 作ったジャケットをSNSに投稿してみた 特に意味はなかったいいねがつけば ラッキーくらいの気持ちだっただが 思いがけず反響があったこれどこで買え ますかめちゃくちゃかっこいい販売予定は ありますか次々とコメントがつき フォロワーが増えていった俺の作る服には 価値があるのかもしれないそれが俺の中で 確信に変わった瞬間だったSNSの投稿を 続けていたある日俺のDMに一通の メッセージが届いた初めまして私は ファッションブランドエテルナの デザイナーですあなたの作品にとても興味 があります一度お話できませんかその ブランドの名前を見た瞬間心臓が跳ねた エテルナとは日本でもトップクラスの人気 を誇るブランド俺のような無名の デザイナーにそんな大手から声がかかる なんてまるで夢みたいな話だった俺はすぐ に返信した 是非お話を聞かせてくださいそして数日後 俺はエテルナのオフィスへと足を踏み入れ ていた高級ブランドの名にふさわしい洗練 されたインテリアと流れるような静かな 空気壁には歴代のコレクションが並び数々 の受賞歴が誇らしげに飾られているここが あのエテルナか 俺は改めて自分がとんでもない場所に来てしまったことを実感した雪室で待つこと数分現れたのはエテルナのデザインチームのリーダーだった あなたのデザイン拝見しました 彼は俺のSNS に投稿していたデザイン側をテーブルに広げる独学にしてはなかなかのセンスですね 独学にしてわっか分かっていたこの業界では専門学校や美大卒が当たり前高卒で独学の俺がここにいること自体が慰霊なのだ 正直学歴の面で言えばあなたを採用するのはリスクがあるだが彼は俺のデザイン画を指で名ぞりながらこう続けた このセンスは簡単に学べるものじゃないうちで働いてみる気はありますか?俺は迷わず答えたよろしくお願いしますそれでもすぐにデザイナーとして認められたわけじゃないエテルナに入社して最初の 1年間俺はただの雑用係かりだった 倉本お茶この資料コピーしておいてボタン が取れそうなジャケット塗っておいて くれる先輩デザイナーたちの雑夢を ひたすらこなす日々俺は何のためにここに いるのか自分でも分からなくなることが あったそれでも俺は腐らなかった仕事が 終わった後も1人でデザインを書き続けた デスクに積み重ねられた記事のサンプルを 触りながら夜遅くまでスケッチを描き何度 も修正を重ねる誰も見ていなくても俺は 作り続けるそれが俺の熱意だった夜の オフィスにはほとんど誰もいない デスクライトの下俺はペンを走らせる誰 よりもトレンドを調べ誰よりも努力し誰 よりもファッションを愛していた 雑誌を読みさり海外のコレクションを チェックしSNSで最新のストリート ファッションを分析する時には店に並ぶ服 をひたすら触って素材感を確かめたり トレンドカラーの組み合わせを実際に布字 で試したりしたここで必ず俺のデザインを 世に出してやるだが現実は厳しい デザイナーとしてのチャンスはいつまでも 訪れなかったある日車内で新作ジャケット の企画会議が開かれた先輩デザイナーたち がブランドマネージャーに次々とスケッチ を提出するしかし今1つ納得がいかない ようだったそこで俺は意を消して スケッチブックを取り出したこのデザイン どうでしょうか静まり会議室悪くない ブランドマネージャーは俺のデザインに 興味を示してくれたその一言が俺のここで の運命を変えた俺がデザインした ジャケットは試作品として制作されること になったのだ厚生担当と何度もやり取りし ながら襟りの形竹のバランスボタンの配置 細部にこだわり抜いたそして数週間後 エテルナの新作として発表された展示会日 俺は緊張しながらショールームの橋で様子 を伺っていたするとこのジャケットいいね シルエットが洗練されてるやメディア関係 者が次々とジャケットの前で足を止める 俺のデザインが認められた俺のデザインし たジャケットは大ヒットしその鉱石が認め られてデザインチームの主任に昇進しただ がそれはゴールではなかったむしろそこ からが本当の勝負だった主任になった俺に 求められるのは個人のデザイン力だけでは ないチームの方向性を決めブランドの未来 を形づる責任がしかかる俺が認められたの はたった1着のジャケットでしかないここ で満足していたらすぐに過去の人間になる 俺はさらに努力を重ねることを決意した それからの俺はあらゆるジャンルの服に 挑戦したシャツコートパンツドレス デザインの幅を広げエテルナのシーズン ごとのテーマに合わせた新作を考案し続け た夜遅くまで記事を選びパターンの細かな 修正を何度も 繰り返す時にはミシンを使って自分で試作 品を作ることもあったアシスタントの デザイナーが驚いた顔をする 自分の手で形にしないと本当にいい服か どうか分からないそれが俺の心情だった デザインチームを引っ張る立場となった俺 は個人のセンスを磨くだけではなくチーム 全体をまとめる役割も担うことになった 新人たちのデザインを見る機会も増えた時 には若手のアイデアを積極的に取り入れる こともあった主人このカラーリングはどう でしょうこのシルエット今のトレンドに 合うと思うんですが 面白いなじゃあ一度試作品を作ってみよう 俺自身も若手デザイナーから刺激を受ける ことが増えた新しい素材新しい発想過去の やり方に固執せず柔軟に変化することを 心がけたそうやって経験を積み重ね俺は 少しずつデザイナーとしてそしてリーダー としての地位を確立していっただが俺は まだ学歴の壁を完全に超えたとは思ってい ない倉本主任って学歴ないんでしょまあ 実力はあるんだろうけどやっぱりブランド の顔としてはそんな声が聞こえてくること もあったどれだけ努力をしても肩書きだけ で判断されることがあるそれが俺の立つ 世界の現実だったそんな俺にとって最も 厄介な存在となっているのが俺の直属の 上司は瀬ゆき45歳エテルナのデザイン 部長だ彼女はかつてエテルナの看板 デザイナーとして呼ばれた人間だ彼女は 名門の復職大学を卒業しデザイン コンテストでは過去国内外で何度も受賞 天才デザイナーとして業界からの注目を 集めていた彼女の卒業政策は一流ブランド のクリエイティブディレクターからも賛さ れ業界の最前線で活躍することが約束され たようなものだったそしてエテルナに入社 するとその才能はすぐに開下30代の頃に は車内で絶対的な影響力を持つ存在となり のスターとなった特に彼女がデザインした ロングコートは一斉を風備しファッション の表紙を飾るほどのヒット策となった 瀬のコートを持っていないと今期の おしゃれは語れないそんな言葉が流行する ほど彼女のデザインは当時の市場を接見し ていただがそれはもう10年以上も前の話 だファッションの世界は日々進化している 新素材新しいカッティング技術SNSに よるトレンドの加速しかしは過去の栄光に あをかきそれに順能しようとしなかった 彼女にとって自分が全盛紀だった頃の ファッションこそが正解でありそれ以降の 流行は啓白で無価値なものに移っていた 流行なんてどうせすぐに廃たれる本物の ファッションはいつの時代も変わらないわ よ都合のいい言い訳を並べ新しいトレンド を学ぶことをった注意のデザイナーたちが 最新のファブリックやデジタルデザインの 研究に励む中彼女は過去の受賞歴ばかりを 語り昔はこうだった私の時代はこうだった と繰り返すばかりだった当然彼女の デザインは次第に時代遅れとなり評価も 落ちていったそのことは本人ももちろん 気づいていただから業界のトレンドが 変わり若手のデザインが評価されるたびに 彼女の胸には焦りが募っていっただが 気づいているのに認めないのだこの ブランドは私が作り上げたもの今の若手は 根本的にセンスが違うのよ彼女は過去の 栄光にすがり続けた自分のデザイナーとし ての衰えを感じているからこそ自分より 才能のある若手の大統を何よりも恐れてい たそしてその恐怖はやがて嫉妬と嫌がらせ へと変わっていった学歴のない叩き上げの デザイナー俺のような存在が彼女には 何よりも気に食わなかったのだろう 倉にあなたは確かに実力があるかもしれ ないけどブランドの顔としてはふさわしく ないわね 俺のデザインがコレクションに採用された 時も決して表は褒めなかった本当に売れる のかしらんその言葉にはいつもトがあった 彼女は決して俺の成功を認めようとはし なかっただがそんなことはどうでも良かっ た実力で認めさせるしかない俺はただ黙々 と仕事を続けるしかなかった彼女の若手へ の嫉妬は凄まじいものだ自分より才能の あるものが現れることを何よりも恐れそれ を目のうちに積み取ることに執年を燃やす 女だった自分の立場を守るために新人 デザイナーたちが斬新なデザインを提案 するとあなたはまだこのブランドの本質が 分かっていないわねと鼻で笑いながら即座 に却下するそれはデザインそのものに 対する評価ではなく単に自分が気に入ら ないから潰すというエ語だった車内の プレゼンでも彼女は容赦なく若手を 叩きつしたこんなものどこにでもある デザインよあなたの個性が見えないわね次 はもっとまともなものを持ってきなさい 彼女の言葉は若手にとっては酷な宣に 等しかった肩を落とし時には涙をこらえ ながらスケッチを握りしめて会議室を後に するものもいた彼らの提案したデザインが 決して悪いわけではないむしろ時代を 先取りした確信的なアイデアも多かっただ がそれを認めたくないものが権力を持って いる以上何の意味もなかったせっかくの アイデアが彼女の一言で闇に葬られること は何度もあった時代に若手デザイナーたち はどうせ却下されると移縮し新しい提案を することすらためらうようになったこの ままではエテルナの未来はない中には彼女 の理不尽なやり方に耐えられず会社を去る ものも少なくなかったこのままじゃ エテルナは変わらない才能あるデザイナー が一部の権力者のせいで正当に評価されず 埋もれていくそんな環境が続くなら エテルナに未来はない俺が変えなければ ならない俺は彼女の存在がエテルナの成長 を妨げていると確信していただからこそ俺 は若手デザイナーたちを支え続けた彼らの 才能が潰されないようにとしていつか瀬の 支配を終わらせるためにそんなエテルナで 俺があいつに初めて出会ったのは1年前 だった入社してきたばかりの小やしおり 22歳高卒でデザイン経験も浅いだが誰 よりも努力しひ向きに学ぼうとする新人 だった注意が副職専門学校や美の中で彼女 の経歴は異質だった初めて名簿で彼女の 名前を見た時高卒という文字が目に止まっ た 珍しいなあこの業界では専門の教育を受け ているのが当たり前それがないということ はよほどの情熱があるかそれとも間違いか けれど初めて彼女のデザインを見た時俺は 確信したこいつは本物かもしれないそして 彼女の初めてのデザインプレゼンの日会議 室には先輩デザイナーたちが並び重い空気 が漂っているしおりは緊張しながらも必死 に説明を続けた 今回のコンセプトは日常に溶け込むモダン 差を追求しつつどこか1つ個性を際立た せるデザインにしました資料を握る手が 少し震えている俺は内心で応援していた 悪くないむしろフレッシュな視点があって 面白いしかし冷たく1つの声が彼女の言葉 を遮え切った にひどいわね一瞬で会議室の空気が 凍りつくは瀬はしおりのデザインを容赦 なく切り捨てたトレンドも知らない1人 よがりなデザインやり直しなさい彼女の 視線は冷たくそこには一切の情けもなかっ た他のデザイナーたちは沈黙し誰もしおり をかおうとはしないこの場では瀬に逆らう ことがどういう意味を持つのか全員が知っ ていたからだしおりは唇を強く噛みしめ 震える手で資料を抱えながら静かに会議室 を出ていった俺はその姿を見ていたまるで 昔の俺を見ているみたいだ学歴がないと いうだけでどれだけ努力しても彼女からは 正当に評価されないしかしそれでも自分の 才能を信じて努力し続ければ道は開ける それは俺自身が身を持って証明してきた ことだっただからこそ俺は彼女に声をかけ ずにはいられなかったプレゼンが終わった 後廊下の隅でしおりは資料を抱えたまま 立ち尽くしていた俺は彼女のそばに かけより声をかけた おい落ち込んでる暇なんてないぞ彼女は 驚いたように顔をあげる 倉本すね 目には悔しさとほんの少しの迷いが浮かん でいた俺は彼女の手元の資料を指びさした お前のデザイン全部がダメなわけじゃない 俺は彼女のデザインのどこが優れているの かどう改善すればもっといいデザインに なるのかを1つずつ教えたその間しおりは メモを取りながら真剣に耳を傾けていた こいつはきっと生やがるそう確信した瞬間 だったそれからのしおりは驚くほどの スピードで成長していった夜遅くまで デザインを書き直しトレンドを研究し アイディアを磨き続けるミーティングのに 彼女のデザインは洗練され確実に進化して いた時には深夜までオフィスのデスクに 向かいひたすらスケッチを繰り返すことも あった もっとこのラインを滑らかに配色を変え たらどうなるかな思考錯誤を重ねながら 彼女は少しずつデザイナーとしての地信を つけていったある日彼女が完成させた デザインを見た時俺は確信したこのまま 社員にとどめておくのは惜しすぎるしおり お前若手デザイナー向けのコンテストに出 てみないか突然の提案にしおりは目を丸く した え私がですか ああお前のデザインはもう車内だけにとめるべきじゃない彼女は戸惑った表情を浮かべスケッチを見つめるでも私なんかが少し自信な下げにつくしおりまだ自分の才能を信じれていないのが分かるお前なら行ける 俺は迷いなく言いきった一瞬の沈黙の後 しおりはギュっと拳を握りしめ力強く頷い たそして迎えたコンテストの結果発表の日 しおりは会場の片隅で緊張したお持ちの まま自分の名前が呼ばれるのを待っていた それでは今年の若手デザイナーコンテスト 入勝者を発表します 前の空気が一気に張り詰める大型 スクリーンに受賞者リストが映し出され そこにコミやし織りの名前があった 信じられない 彼女はスクリーンに移し出された自分の 名前を見つめたまま息を飲んで立ち尽くし ていた俺は思わず彼女の肩を叩いたやった なしおり 彼女は振り向き目には涙が浮かんでいた 倉本主に本当にありがとうございますその言葉にはこれまでの努力と報われた喜びが詰まっていた俺はただって頷いたコンテストでの受賞機にしおりのデザインが次のコレクションに正式 採用されることが決まった通常新人の デザインがコレクションに採用されること は入れのことそれだけ彼女のデザインが 優れていたということだ車内でも彼女の 才能を認める声が広がり始めていたしかし その事実が1人の女の怒りを買ったは瀬 ゆき自分より才能のあるデザイナーが出て くることを極端に嫌う女特に高卒で学歴も ないしおりの大統は彼女のプライドを 激しく刺激したのだろうしおりの受賞を 知った瞬間瀬の表情は氷のように冷え切っ ていたその目は静かな怒りと嫉妬に燃えて いた俺はその視線を見逃さなかった 嫌な予感がするこのまま何事もなく終わる とは思えない何かが起こるそんな気がして ならなかった時は流れ年末のある日 エテルナの本射ビル最上会にある豪華な ホールこの日はエテルナにとって最も重要 なイベントの1つである年間表彰式が行わ れる日だった照明が落とされ単純に スポットライトが当たる華やかな音楽が 流れる中司会者がマイクを握った 本日はお集まりいただきありがとうござい ますエテルナ年間表彰式今年も始まります 社員たちの間から拍手が湧き起こる表彰式 では売上貢献度想像性成長性の3つの観点 から最も優れたデザイナーたちが表彰さ れるその中でも特に注目されるのが最優秀 新人だったが緊張感を持たせるように ゆっくりと封筒を開く今年の最優秀新人賞 は会場に静寂が 訪れる小宮やしおさんですその瞬間 スポットライトが一斉にしおりへと向け られた周囲から拍手と完成が上がるしおり は驚きの表情を浮かべ隣にいた俺の方を見 た えおめでとうしおり俺は微笑みながら彼女 の肩を軽く叩いたしおりは目をうるませ ながら男へと向かった最優秀新人賞とは 単なる名誉だけではないこの受賞者には次 のような特典が与えられるブランドの時期 コレクションへのデザイン採用 ファッションへの掲載研修のチャンス車内 での小心つまりこの賞は若手デザイナーに とって未来を大きく左右するものだったダ に立ったしおりは震える手でマイクを持つ ままさか私 が彼女の声はかれていたがすぐに深呼吸し 言葉を続けた 私は高卒でデザイナーとしての経験も浅い ですでもここで働くようになって服作りの 楽しさを改めて実感しましたこれからも 成長し続けたいと思いますありがとう ございます 会場内に大きな拍手が巻き起こった俺は その姿を見ながら心の中でつくしおりお前 は本当に努力した がないからと言って評価されない世界実力 を証明しなければ生き残れない業界だが しおりは諦めなかった毎日遅くまで デザインを書き続けトレンドを学び成長を 止めることなく前に進んできたその努力が 今正式に評価されたのだ これでようやく少しは自信を持てるだろう しかしその背後で静かに怒りを燃やして いる人物がいたそうは瀬だ男場で笑顔を 浮かべるし織りを見つめながら瀬の拳は 強く握りしめられていた ふざけないで 彼女は表面上は微笑みを浮かべながら拍手 を送っていたがその指先は白くなるほどに 力が入っていた の成長を喜ぶどころか嫉妬に狂っていたのだ この私が新人に活躍を見せつけられるなんて 彼女のりには自分が若手だった頃のことがよぎる当時のエテルナには今以上に厳しい上下関係があった自分が生いや上がるためには他人を蹴とすしかなかった 新人なんて潰されて当然よ思わず唇の橋 からつぶやきが漏れた隣にいた他の社員が 一瞬彼女を見たがすぐに視線をそらした誰 も彼女に意見することはできない あの子は私が叩きつすこのまま成功を手に するなんて許せないを決意した彼女はこの 後に行われるアフターパーティーでしおり を地獄に突き落とす計画を立てていた表彰 式が終わった後彼女は華やかなアフター パーティーの準備に取りかかっていた シャンデリアの光がキめく会場テーブルに は高級なワインやカナっぺが並び デザイナーやモデル関係者たちが断性し ながら優雅な時間を楽しんでいる 俺はしおりと一緒にテーブルの橋に立って いた彼女は緊張したお持ちでグラスの水を 手に取るどうしたそんなに緊張してたら 受賞の感動が台無しだぞ すみませんまだ夢みたいでお前はちゃんと 努力したその結果が出ただけだ ありがとうございます彼女が小さく微笑ん だその時不に鋭い視線を感じた目を向ける とそこにはせ部長が立っていたまるで祝福 の場に煮わしくない鋭い歯を隠し持って いるかのような視線それは決して純粋な 祝福の笑ではなかった俺は嫌な予感がした その場にいる誰もがしおりの受賞を喜び 未来に期待を寄せているそれなのにただ 1人は瀬だけがこの空気に溶け込んでい ないのだ このまま何もなければいいがしかしこれ までの彼女の言動を思えばそんな楽観的な 考えは通用しないことくらい分かっている 若手の大統を何よりも嫌い嫉妬に駆られる 女がこの席で大なしくしているはずがない まるで獲物を狙う蛇のように瀬は静かに しかし確実に何かを仕掛ける機会を伺って いるそんな不吉な気配が俺の中で膨らんで いった小みやさんおめでとう高卒でもここ までやれるなんて大したものね それは祝福の言葉には到底聞こえなかった 嫌みと皮肉をたっぷりと含んだその声に しおりは一瞬だがすぐに表情を引き締める ありがとうございますは瀬部長彼女は相手 に揺さぶられままいと冷静に答えただが瀬 の視線はさらに鋭さを増し次の一手を すでに準備しているようだった そうねでもコンテストのデザインあなたが 作ったって証拠あるのかしらその瞬間空気 が変わった俺はその言葉に舞を潜める 何が言いたいんですか もしかして誰かのデザインを借りたんじゃ ないかって話よ そんなことしおりの顔が一瞬青ざめる しかし俺はすぐには瀬の狙いを悟ったこれ は単なる因縁だ瀬はしおりのデザインの 価値を貶しめ周囲に疑念を抱かせることで 彼女の成功を崩そうとしている そんな根拠のないことを言うのはただの 名誉ですよ 証拠がないのはどちらも同じじゃない彼女 の目は冷たくどこまでも残酷だっただが俺 は一歩も引かないなら証拠を見せましょう か俺はスマホを取り出ししおりと一緒に 作ったデザインのラフガや制作家庭の画像 を開いたそれを見た周囲の人間たちは次第 にざめき始める彼もがそのデザインが確か にし織自身の手によるものだと理解した は瀬は言葉に詰まり口を継ぐんだだが瀬は 簡単には引き下がらなかった そうよかったわねどこかのある笑ミを 浮かべながら彼女は手に持っていたグラス の中身を揺らすでもそんなに誇らしげにし ていて大丈夫かしら 次の 瞬間彼女のグラスに注がれていた圧が勢い よくしおりの頭情にぶち負けられた きゃあ しおりが驚きの声をあげる熱い酒が髪から 下たり落ちドレスの生地が濡れ気が立ちる 俺はすぐに駆け折りしおりの肩を抱いたおい大丈夫か 大丈夫 彼女は震えながらも必死に耐えていた周囲の人間たちは固まっている祝賀画ドに包まれていた場が一瞬で張り詰めた静寂静寂に変わる誰もが目を疑った だがそんな中たった1人だけ微んでいる 人間がいた あらごめんなさい手が滑ったみたいまるで コップの水を少しこぼしたかのような軽い 口調だった俺は拳を握りしめるふざけるな これは事故ではないこれは意図的な嫌がら せだこの場でしおりを恥ずかしめせっかく の成功を台無しにしようとする最低の行為 俺の中で沸騰するような怒りが込み上げる だが俺は衝動に任せて動くつもりはなかっ たこんなやのせいでこの場を台無しにはし ない俺は冷静にスマホを取り出し社長の 社代陣に直接連絡を入れた 数分後会場の扉が大きく開かれ社代社長が入ってきた場の空気がぴりつく何があった [音楽] 俺はすぐに状況を説明した鋭い声が静まり返った会場に響く振り返るとエテルナの社長が険しい表情でこちらに歩み寄っていたは瀬は驚愕したように目を見開く 社長どうしてここに?まるで自分がとめられることなど想定していなかったかのような表情彼女の視線は周囲を彷徨い理解が追いついていない様子だった 倉本から連絡を受けた そう言いながら俺の方を一する 倉本がどうして 戸惑いながら俺と社長を交互に見つめる社長は冷静に説明を続けた 私は以前倉本と一緒に仕事をしたことがある その言葉に会場の何人かがざついた 彼がまだ主任に昇進する前ある プロジェクトでデザインを担当したことが あったなはい社長時々にアドバイスを頂い たこと今でも覚えていますそれはエテルナ の特別企画ラインの立ち上げの時だった 社長はデザインチームの一部メンバーと 直接やり取りしエテルナの新しい方向性を 模索していたその時俺もデザイナー アシスタントとして関わっていたのだまだ 何者でもなかった俺にとって社長の アドバイスは貴重な学びだった その時から彼の実力は認めていた 社長は俺に目を向けながら言った だからこそ彼の連絡には耳を傾ける価値があると思ったのだよ その一言がは瀬の表情をさらに歪ませる [拍手] でもそれがどうして今ここにつがるんですか?まだ納得できていない様子で彼女は食い下がる 簡単なことだ 信頼できる社員から緊急の連絡を受けたら直接確認しに来るのが経営者の責任だからだ その言葉には瀬はようやく事態を理解したようだった 何があったんだ彼女が震えているじゃないか 部下の才能を寝たんで部長が彼女に圧感をかけたんです え社長これは誤解です焦りに満ちた声で なおも言い訳けを続けようとするは瀬 しかし社長の目は冷たく光っていたくだら ん言い訳は聞きたくないその一言では瀬は 完全に言葉を失った しおりのデザインなんて大したことあり ません それにコンテストのデザインは私が考えたものですしかし誰も彼女の言葉を信じないもういいお前を今すぐ首にする は?は瀬の顔から血の毛が引いていく お前のような人間がいることがこのブランドにとって外だ 待ってください私がなければ開発チームは いなくても問題ないむしろない方がいいその言葉が瀬にとどめをさしたちょちょっと待ってください社長さっきも言いましたが誤解ですこの後に及んで彼女はまだ必死に弁解しようとしている 私はただ彼女が失礼な態度を取ったから 軽く注意しようと 注意圧感を頭からぶち負けるのが注意だっ て言うんですか俺は怒りを抑えながら睨む しおりはまだ震えている社長は目を細め 静かに言った お前は部下の才能ネタみ潰そうとした それが事実だろ 違います彼女のコンテストのデザインは私が手を加えたものなんです私がなければ彼女の作品は完成していなかった完全な出ち上げだ周囲の人間たちも一斉に彼女から目をらす誰も彼女の言葉を信じようとはしていなかった下たちは皆沈黙している 誰も彼女の味方をしようとしないこの瞬間 は瀬は初めて気づいた彼女にはもう誰1人 として味方がいないということをそれは あまりにも遅すぎる気づきだった ねえあなたたちも何か言いなさいよ彼女は 周囲に助けを求めるように視線を送るだが 皆を伏せるか軽く首を振るだけだった そんなバカな 次第に彼女の顔から血の毛が引いていく 社長は深いため息をついた もういいもうお前の言い訳は聞きたくない とにかくお前は強りで解雇だ ズばりと言い切られは瀬は完全に言葉を失った お前はかつて優れたデザイナーだったしかし今のお前は違う成長する努力もせず過去の栄光にすがり才能ある若者を潰そうとする全部知っているぞそんな人間にこのブランドを任せることはできない あ 荷物をまとめて今すぐ出ていけ その瞬間は瀬の顔が絶望に染まった社長お願いですもう 1 度だけチャンスをください瀬は泣きそうな声で混が願するしかし もう決定事項だ その一言が瀬の心を完全に折った彼女は力 なく膝をつき頭を抱える周囲の社員たちは 冷たい視線を向けていたかつて彼女が部下 を見下し追い詰めてきた時のようにこれが 因果応法ってやつか 俺は覚めた目でその光景を見ていた しばらくしては瀬は立ち上がりよめき ながら出口へと向かう誰も彼女を止めよう とはしなかった 私が私がいなくなってもいいのこの ブランドは さり際の彼女の独り言が場内に虚しく響い ていた は瀬が会社を去った後エテルナは一瞬の 静寂に包まれた長年彼女の独裁的な 振る舞いに怯えていた社員たちはそれが 現実なのか信じられない様子だったしかし 次の瞬間控えめな拍手が聞こえたパチパチ パチそれが次第に大きくなりやがて海場中 の拍手へと広がっていった やっと終わった本当に首になったんだな誰 もが安していたそれほどまでには瀬は車内 で恐れられていたのだ一方は瀬は自分の オフィスに戻り震える手でデスクの上の 資料を掴んだ こんなこんなはずじゃなかった彼女の脳り には過去の栄光がよぎるかつて自分が ファッション業界で注目を浴びコンテスト で賞を相談なめにしていた頃しかし時代は 変わった流行を学ばず進化を止めた彼女は ついに見放されたのだそれでも諦めきれ ない彼女は最後のプライドを捨て彼女は 自価談パをしようと社長室へ駆け込んだ 社長やっぱり納得がいきません どうかどうか考え直してくださいだが社代社長は書類から顔をあげることもなく淡々とした声で言い放ったお前にもう居場所はない それがは瀬ゆというデザイナーの終焉だったその後は瀬は自分のキャリアを守るため業界の知人に助けを求めた お願いするからどこか紹介してだが エテルナを首になった応募な性格が原因 らしいなしかも新人を妬んで嫌がらせ そんな人間どこも雇えないよ噂はまた琢間 に広がり誰も彼女を受け入れてはくれ なかったかつて彼女が業界を牛じっていた 頃周囲の人間は彼女の顔色を伺っていただ が今や彼女はただの問題そんなわけない かつてはエテルナの看板デザイナーだった んだから私はまだやれるそう信じて彼女は 履歴書を送り続けただがどの企業も彼女の 採用を見送った申し訳ありませんが機殿の 経歴は当社の求めるものではありません今 は若手のデザイナーを積極採用していまし てまた機会があればご連絡いたします建前 の言葉が並ぶが実際には誰も彼女を雇う気 などなかった高級レストランで開かれる ファッション関係者の集まりにも彼女は足 を運んだだがそこで もあらは瀬さん久しぶりですね最近はどう してるんですか表面上は笑顔を見せつつも 誰も積極的に彼女と話そうとはしなかった 彼女の名前が出ると会話は不自然に途切れ 話題が変わる どうしてみんな避けるのよ かつては彼女の言葉1 つでトレンドが動くほどの影響力があっただが今や彼女の存在は業界の黒歴史嘘よそんなの 叫びそうになったがそれを口にしたところで何も変わらない誰も彼女を見ていなかったかつて自分に媚びていた者たちはみんな去っていった その瞬間彼女はやっと悟ったもう終わった のだと瀬が去ってから1週間後エテルナの オフィスには今までにないほどのす々しい 空気が流れていたデザインルームでは長年 抑圧されていた社員たちが自由に意見を かわし合う姿が見られるようになっていた これもっとこうしたらどうかなそれいいね ちょっと試してみよう以前なら瀬の顔色を 伺いながら消極的に話していた社員たちが 今はまるで解き放たれたように新たな アイディアを交わしている長年支配してい たものが消え社員たちの表情はどこか解放 感に満ちていたそんな中車内全体会議が 開かれた会議室のスクリーンには新体制 発表の文字が映し出されるその瞬間社員 たちは息を飲んだ誕生に立った社代社長が ゆっくりとマイクを握る エテルナは今新たな時代を迎えようとして いる静まり会場 このやり方に固執するのではなく変化を 受け入れ新しい価値を生み出していこう彼 の言葉に社員たちは静かに頷くそれは瀬が いた時代とは決しエテルナが本当の意味で 進化しようとしていることを意味していた 社長は一呼吸を置いて会場を見渡した後 ゆっくりと言葉を紡ぐ これからのエテルナを担うデザインチームの新たなリーダーすなわち部長には一瞬の間その沈黙が場の期待感を一層高めた 倉本修を任命する その言葉が発せられた瞬間会場の空気が一気に弾けた 倉本主任が新リーダーだってこれでやっと まともな職場になるどこからともなく白手 が湧き起こりそれは次第に会場全体を 包み込むほどに広がっていった笑顔で拍手 するものほっとしたように肩を撫で下ろす もの社員たちの間にはアンドと期待が 入り混じった声が溢れていた俺は静かに その場に立つ ありがとうございます表向きは冷静を予っ ていたが心の奥では強い決意が生まれてい た 俺がこのブランドを引っ張る才能を潰す 環境を2度と作らせない かつて俺も学歴という壁に阻まれ正党に 評価されるまでに時間がかかったしおりの ような才能のある若手が潰されることの ない環境を作ることが俺の使命だった エテルナの未来はここから変わるこの瞬間 からエテルナは新しい時代へと突き進んで いくのだ あれから数ヶ月しおりも驚くほどの成長を 遂げていたエテルナのデザインチーム主任 として今では若手デザイナーたちを指導 する立場になったかつては自分が悩み ながらデザインを考えていた側だったが今 では社員たちのアイディアに耳を傾け共に より良い作品を生み出す役割をに担って いるデザインチームでは若手デザイナー たちがスケッチを広げ次のコレクションに 向けた新しいアイディアを話し合っていた 俺はその様子を少し離れた場所から見つめ ていたしおりは1人のデザイナーの スケッチをじっと見つめながら優しく アドバイスを送るいいですねでもここを 少し変えるともっと良くなると思います 指先で髪の橋を軽く叩きながら具体的な 改善案を伝える目を輝かせ感謝を述べる 新人の姿を見て俺はふと昔のしおりの姿を 思い出していた必死に努力し何度も俺に アドバイスを求めていたしおりそして今 彼女は自分が受けたものを次の世代に返し ている俺は作業の合間を見てデザイン ルームへと足を運んだ お前もすっかり育成する側になったな しおりは俺の言葉に微笑みながら顔を あげる倉本さんのおかげですその言葉に俺 は苦笑いしながら首を横に振った これからはお前と一緒にこのブランドを 引っ張っていく なしおりは一瞬驚いたようだったがすぐに 真剣な表情になった はい彼女の目にはかっこたる決意が宿って いたかつて若手デザイナーとして奮闘して いたしおりが今では次の世代を導く立場に なったそしてエテルナには新たな時代が 訪れようとしているそれから半年後俺は デザインチームの新リーダーとして仕事を こなす日々の中である噂を耳にした聞いた かは瀬まだファッション業界にしがみつい てるらしいかつての同僚が苦笑いしながら 話す聞けばいくつかのブランドに履歴書を 送ったそうだがどこも彼女を雇おうとはし なかったと当然だエテルナを解雇された 時点で彼女の悪表は業界中に知れ渡ってい たデザイナーとしての復帰は絶望的だった のだからそれでも彼女はプライドを捨て きれず小さなアパレルショップで働き始め たらしいだがそこで もいらっしゃいませ果て高級ブランドで 指示を出していたは瀬が今は店員として客 に頭を下げているどう見ても瀬よりも若手 の先輩に接客が悪いと注意を受けていた 屈辱に顔を歪めるかつての傲慢な彼女は どこにもいなかったそしてある日彼女は ファッション業界から姿を消したかつて 自分が踏みにじってきた才能に最後は自分 が踏みにじられる形になったのだったは瀬 の転落をした俺は改めて自分の進むべき道 を見つめ直していた 俺は彼女のようにはならない俺の役目は 若手の才能を潰さず育てることだデザイン ルームに入ると若手デザイナーたちが それぞれの作品を広げていた記事の感触を 確かめながら新しいアイデアを形にしよう と必死に取り組んでいる俺はそんな彼らの 姿を見ながらゆっくりと席に立った いいかお前らデザインに必要なのは学歴で も肩書きでもない俺の言葉に全員が顔を あげる 大事なのはお前たちが作る服にどれだけの 思いを込められるかだ俺は1人1人の顔を 見ながら続けた服はただの布じゃないそれ を身にまとう人の気持ちを変える力がある だからこそ自分の作るデザインにどれだけ の情熱と覚悟を持てるかが大事なんだ 若手デザイナーたちは真剣なマ差しで俺の 言葉を聞いていた彼らの目には迷いのない 光が宿っている俺は静かに微笑みながら目 の前のデザイン画を1枚ずつ手に取った これはいいなでもここを少し変えたら もっと良くなる俺が指摘するとデザイナー の1人が嬉しそうに顔をあげるいんな やり取りをしながら改めて思う俺の選んだ 道は間違っていない俺が育てた若手が成長 していく姿を見られることそれが何よりも 嬉しかったそして今同じ気持ちで若手を 育ててくれるしおりがいるかつて俺が彼女 を導いたように今度は彼女が後輩たちの 才能を伸ばしている 頼もしくなったなしおりそんな彼女の存在 が俺には何よりも心強かったエテルナは 確実に進化している俺たちは未来を作って いるのだ それから1年後エテルナはかつての閉鎖的 な環境を出し自由な発想が生まれる企業へ と変貌していたデザインルームでは若手 からベテランまでが対当に意見を交わし これまでになかった確信的なアイディアが 次々と形になっていくブランドの方向性も 明確になり個々のデザイナーが自分の スタイルを発揮できる環境が整ったその 結果エテルナの名前は日本国内にとまらず 海外へと広がり始めていた 最近のエテルなデザインのクオリティが 一気に上がったな以前は伝統的なブラン ドってイメージだったけど今はモダンで 洗練されたスタイルが強くなった海外の バイヤーたちがエテルナの新作 コレクションに熱線を送る特にロンドンや ニューヨークのファッションウィークでは エテルナの新しいデザインコンセプトが 高く評価されたエテルナの新作近年の トレンドを匠に取り入れているそれでいて オリジナリティもしっかりある各国の セレクトショップや百貨点がエテルナの アイテムを扱うようになりその地名度は 世界規模で拡大していった そしてついにエテルナはパリコレクション に正式参加が決定した 創設以来エテルナは長年世界進出を目指し ていたしかしパリコレは簡単に参加できる 場ではない厳しい審査をクリアし世界の トップデザイナーたちと肩を並べる実力が 必要だっただが今のエテルナにはそれが できるだけの力があった世界の ファッション業界で本格的に評価される チャンスこれはエテルナにとってそして俺 たちデザインチームにとっても歴史的な 瞬間だった ここまで来たんだこの1年間俺たちは必死 に走り続けてきたそして今エテルナは世界 に認められようとしている 倉本さんパリコレの賞の準備順調に進んで ますよしじゃあ全員で最後の仕上げだ デザインチームのメンバーがそれぞれの デザインを最終確認し賞のリハーサルが 行われるかつての圧力で潰されかけた才能 たちが今では堂々と自分の作品を世界に 向けて発信しているパリコレ当日エテルナ の賞は大成功を納めた世界中のメディアが 絶賛し各国のバイヤーたちがエテルナの デザインに興味を示した俺としおりはパリ の会場で肩を並べて立っていた ここまで来たなはいでもまだまだこれから ですよ ああまだまだやることはたくさんある次は ニューヨークですね お前本当にたましくなったな 倉本さんのおかげです2 人は微笑み合いながら満席の紹介を眺めるエテルナの未来は輝いていたこれからも俺たちは才能を育て続ける誰の才能も潰させはしないそうで新しい時代のエテルナを作ってくのだから 私は春ナ30歳の女性だ今日は彼氏の量と 一緒にデートなのでお目かししてきたは とても忙しいからデートはあまりできてい ないそれもそのはず彼は医者だからだ彼は 私よりも年上の34歳である年齢からして ベテランではないが患者さんに頼られてき て嬉しいと言っていたそれに後輩もいるし 指導があるので毎日大変だそうだ私は普通 の会社員なのでそこまで忙しいわけでは ない道務化で働いているので給与計算の 時期になると多忙ではあるがそれ以外忙し すぎて家に帰れないなんてことはなかった でもりは勤めている病院に夜勤でもないの にい残って止まることがあるらしいお医者 さんって大変なんだなと思った 待たせてごめんねさっきちょっと先輩から 電話があっ ていや大丈夫だよ呼び出しとかじゃないの いやそうじゃないけど次の学会のことで相談したいって言われてそっか今度合学会があるって言ってたもんね京都だっけ [音楽] そうそう京都なんだよ観光したいけどそんな時間あるかな?あったらあちこち見たいしバどこにも行きたいなちょうどいい季節だしさあ [音楽] [音楽] まあちょっとでも時間があるといいね せっかく行くなら楽しみたいよね量は素敵 なレストランを予約してくれていた イタリアンの店だったがちょっとお高い 感じだったので私は緊張してしまった一応 事前にその店のことは聞いていたので おかしな格好などはしていない清楚なワン ピースそれから高すぎないヒールの パンプスにブランドの小さなバックを持っ てきていたブランドと言っても私のお給料 で買えるものだからそんなに高くない東京 で働いているとはいえ中小企業の老務化の 社員だから手取りは30万なんてあるわけ もない手取りで23万あればいい方だこれ も残業代であるたまに暇な時に電子書籍で 雑誌を読んでいた女性雑誌にはこれでもか と言うくらい目玉が飛び出そうな金額の バッグや服がたくさん出てくるそれに ピアスやネックレスもとんでもない金額で ありえないと常々思っていた キラキラオエルの1週間こでというところ を読んでみたら私はたげてひっくり返り そうになった月曜から金曜まで全く違う ハイブランドのバッグを持っているでは ないかしかも1つ50万とか70万もする やつである私が持ってきているブランドの バッグはアルバイトを頑張れば学生さんで も買えそうな値段のものだ一体どこで働い たらそんな値段のバッグをポンポン変える のだろうか雑誌だからブランド物を掲載し たら広告量が入るのは分かっているが読者 としてはあまり役に立たない似たような ものを探して買うしかないんだなと思った 今日のバッグはこの間アウトレットで 5万円で買ったものなのでそこまで高く ないなんならこの間すれ違った女子 大らしき女の子が同じものを持っていたで も別に壊れていてボロボロなわけでもない しいいだろう高級イタリアンにハイ ブランドの50万のバッグを持って来い なんて決まりはないのであるイタリアンは とても美味しくて私はほっぺタが落ちそう だった今日は美味しいお店をたくさん知っ ているのでデートの度に毎回予約して くれる頼りっきりで悪いなと思いつつ私は れれた店なんて知らないのでお任せしてい たそれからロマンス映画を見て2人で ショッピングを楽しんでからお別れした 明日からまた月曜なのでいい気分転換に なったと思う じゃあまたね何かあったらLINEするよ [音楽] うん分かったそれじゃあまたね家に帰ってからお風呂に入って明日の準備をした私はに礼の LINEを [音楽] 入れておいたいどうもっと帰ってきたのでちょっとニコっしてまっただがそれから LINEが帰ってこなのである 仕事も忙しいし学会もあるから大変なん だろうと思って気にしないようにしただ けど1週間経っても2週間経っても量から の変信はない何かあったのではと思ってい た時姉から電話がかかってきたはるな元気 にしてるこっちはとっても元気よ ああお姉ちゃん急にどうしたのまあ私も 体調はいいけれどあんたの彼を奪ってから 私毎日が楽しくて元気発よ どうもありがとうあんたの彼最高ねまもう 私の彼だけど えちょっと何それどういうことなの お姉ちゃんりに何かしたのだから私が奪っ てあげたのりったら私にメロメロなのよ あんたみたいな女より私みたいに綺麗で ナイスバリーな女がいいに決まってるわよ ねだってあんたって痩せて貧層で3とも ないからいたべちゃんこちゃん そんなひどいなんでそんなことしたのねえ どうやって近づいたの私が診察に行って ちょっと迫ったらコロって言ったのよ男 って単純よね私の魅力にもうクラクラして たに違いないわ 医者の彼氏もらってごめんねこれから セレブな生活楽しみますまああんたには 底辺の男がお似合いよそうね中卒の小汚い おっさんとかどうとてもいいんじゃない 清掃員とか作業員とかがいいんじゃない かしら 最低お姉ちゃんなんて大嫌い私は姉からの 電話を切った後ワンわん泣いた そうか最近からの変信がないのは姉が奪っ ていたからなのか両は内花の医者だったの で姉が病気をしたとかなんとか嘘をついて 診察に行ったに違いないそこでグイグイ 迫って女の武器を使ったんだと思うと 秋怪我した 姉の冬は最低な人間で他人の彼氏を奪う ことをこれ以上ない喜びとしている人間だ 私が高校の頃に初めてできた彼氏も奪われ てしまったのでその時ショックで泣きめい た姉とは10歳年が離れているのでそこ まで仲良く遊んだ記憶はないだが意地悪さ れた記憶だけはしっかり残っているのだ私 も30歳にして独身なのだが姉は40歳で 結婚したことはない姉は他人の彼氏を奪っ てはコロコロ相手を変える人間だ相手から 捨てられているのかもしれないが姉は こっちから捨ててやったわなんて自慢に 言っていた私はもうすぐ彼と結婚したいな と夢見ていたのでショックで立ち直れそう になかっただって領都はもう付き合って4 年にもなるこれだけ付き合っていれば将来 のことだって考えるし年齢も年齢だ会社の 荒沢女性はどんどん結婚していくし子供が いる人だっているなんだかこのまま私だけ 取り残されてしまう気がしたショックで たまらず私は会社でもミスをしまくってい たのでおつさんに叱られまくっていたおつ さんは給与計算実務の検定1級を持って いるとかで大変偉そうにしている私は2級 まで持っているものの1級には落ちていた ので小ばにされていた確かに給与計算で ミスなんてしたら致名的なので私が悪いの は言うまでもないめちゃくちゃ腹が立った ので一級を最受験して受かってやろうと 思ったそれで猛勉強していたらなんと合格 したのであるそれから資格勉強が趣味に なったが1人ではくじけそうなこともあっ たバイナンシャルプランナーや年金 アドバイザー社老師などを取れば結構 役立つのではないかと思って社会人の勉強 アカウントなるものをTwitterで 作ってみたTwitterに勉強 アカウントを持っている人がたくさんいて 資格を問わずみんなでネット上で集まって 励まし合っている私も彼らに刺激をもらっ て自分のやるべきことを書いて投稿してい た別に国家資格などの勉強だけでなく外国 語をやる人もいたそれからとても南海な 哲学書やら宗教書を読んでいる人もいて 自心がくすぐられた社会人になっても みんな頑張っているんだなと毎回思う いろんな資格に興味があったがとりあえず ロ務家だから車老師を取ればいいのではと いう安直な発想で書店に入門書テキスト 問題集を買いに行ったのだが中身をちらっ と見て圧倒されたなんだこの膨大な科目は 絶対に覚えられるわけがない 計算実務検定1級も簿記2級も取ったが それどころの話じゃない法律用語が全く 意味不明でチぷンカ粉だったので諦めよう と思って手に取った本を戻そうと思った その時後ろにいた男性が声をかけてきたの である君さっきからそれを熱心に見てた けどやめるのえ あの資格試験受けてみようと思ってるんだ よね確かにそれは難しい試験だって言われ てるけどコツをつめば何とでもなるよ実は 僕それ持ってるんだえシ老師持ってるん ですか うん 登録してないから社郎老師とは名乗れないけど持ってるよ [音楽] へえ君どうしてそれを取ろうと思ったの?何か理由があるんじゃないの?私務家で働いてて前に給与計算の検定で 1 級取ったんですそれから勉強って楽しって思ってまた何か役に立つものを取ろうと思いました [音楽] Twitterにもたくさん勉強してる 社会人がいるって知ったんで特にスーさ んっていう人がすごいんですいっぱい資格 持っておられて受験生に向けたアドバイス が役に立つのでフォローしてるんです ああもしかしてそれ俺かも俺 Twitterではスーさんって名前で やってるからえ資格取るのが趣味だったん だ あああのフォロワー1万人の資格の達人 スーさんすすごい 俺本名はスバル君は えっとはナですそっかこれも何かの縁だし よろしくね まさか私がフォローしている人と書店で 会うなんて思っていなかったそれから私は たまにスーさんとスバルさんと会うように なったスバルさんはいつも似たような格好 をしているが服がないわけではないらしい 毎日朝に何を着たらいいか悩むのが嫌で上 は白のワイシャツそれから下はジーンズか チノパンか綺麗目なスラックスだそうだ あの圧砲者のスティーブンジョバーズさん みたいでちょっとかっこいいなと思ってい た彼と付き合うようになり私はスバルさん の家に招かれたそこでいろんなことを教え てもらうこともできたスバルさんは勉強が 得意で時間をかけなくてもすぐ頭に入る らしいだが私はかなり努力しないと理解 できないし同じ問題を何度も間違うので こんな調子で本当に車老師試験に受かるの か心配だった合格率は毎年6%くらいだと 言うし複数回受験してやっと受かるって 言うじゃないかだがスバルさんはなんと3 ヶ月で受かったらしいさらにもっと難易度 の高い司法書旨には5ヶ月で受かったとの ことだったので天才なんだと思ったスバル さんはとにかく勉強が好きでいつも黒ブ メガネをかけていて大人なしい印象だった しかし私が喜ぶ姿を見たいと言ってデート では素敵な場所に連れて行ってくれる かっこいい一面もある普段おっとりしてい て大人なしい人だけれど笑った顔が無邪気 でそこにも引かれていたそれから1年後に 結婚した8月にあった試験には受から なかったけれど高成年金で足切りをされた ので来年リベンジすることを誓った毎日 クタクタになるまで猛勉強していたら スバルさんが心配してくれて生き抜きしに 行こうと言ってきたのだ夫となったスバル さんは本当に優しくて私が頑張っていると 料理だってしてくれる彼自身はたくさんの 資格を持っているので他の受験生に アドバイスなどをしているがちっとも偉 そうじゃない最近スバルさんはギリシャ語 とミャンマー後の勉強を始めたと言って おり私にはチんぷンカンぷンな文字を スらスら読んでいたからやっぱり頭がいい のだと思った ねえあまり張り切ってたら8月まで持た ないよ体も心も休めないとそそうよね 京都にできた5つ干ホテルに止まらない ラグジュアリーヒルってところそこのお 料理美味しいんだって行ってみようよそう だねたまにはのんびりするのも悪くない かしらじゃあ予約しておくね楽しみだなあ そういうことで私たちは京都にある5いつ ホテルのラグジュアリーヒルに泊まること になった外し系5つ星ホテルだが日本庭園 もあって京都らしさがあるらしいそれに ホームページを見てみたら確かにお料理は どれも素晴らしいものだったそして新幹線 に乗って京都に着きそこから ラグジュアリーヒルを目指した丁寧な接客 をしてもらいさすが5つ干しだなと思って 部屋に入るそれから館内でお茶でも飲もう と思ってうろついていたら姉に遭遇したの であるあらあらこんなところでひょろい 痩せっぽちのあんたに出会うとはね 今から甘いものでも食べてちょっとでも脂肪をつけるつもり?あんたどれだけ食べてもまな板のペッタンこなんだから諦めたら はあほっといてよ私は前から痩せっぽっちでガリガリでまな板なことを気にしていた [音楽] 痩せていていいねとかスタイルいいじゃん と言ってくれる人もいるが個人的に自分の 体型は好きではない女性らしくないし幼児 体系みたいで嫌なのだそのことを知って いるのに姉はわざわざ意地悪発言をして くるので腹が立つ姉は自分が法なボディで 色気たっぷりだと思っているようだが女性 らしい綺麗さではない悪い言い方を吸えば デブだしかし姉は勘違い女なのでむっちり 愛されボディだと言っている高校の頃姉が 体重系に乗っているのを見てしまったが なんと80kmあった私と同じ156cm なのに私も自慢できるような体型ではない し顔だって美人ではないでも両が姉の方を 選んだことについては悔しく思っていた それからりが遅れてやってきたどうも トイレに行っていたようだ あれ元カのはナじゃんこんなとこで会う なんて思ってなかったよ あるな誰かと来てるの えっとああなたやあお知り合い紹介するわ私の姉とあまり言いたくないけど元彼の量 [音楽] あらあんたの結婚相手ってこの人あんたの 旦那ダサいわねブランドも着られないの量 は全身ブランドコーデなのに貧乏同士お 似合いなんじゃないあんたも貧層だしその 鳥柄みたいな体に安っぽいワンピースで ちょうどいいじゃない陰謀底辺夫婦が 5つ星ホテルなんて来てよほど頑張ったの ね1年分のお給料でも突っ込んだ はあ私の夫貧乏じゃないけどはあうちの 彼氏の量の方が金持ちだもんねだって医者 だもん編集 1200万でブランドは何でも変えて車だって BMW [音楽] よえっと夫はいわゆるミニマリストで年収 1億だよ はあ 別に貧乏臭い格好じゃないしほらジャケット着てるしシャツだって着てるスラックスだって履いてるし これブランド物じゃないけどオーダー メイドなんだ ちょっと待ってあんたの旦那って一体何者 なの 経営者だけどスバル必勝塾っていう資格 学校を経営してるんだ 経営者ですってうん彼自身いろんな資格を 持ってるんだけど合格のノウハウを活かせ ないかって考えたみたい年間で7 つくらい資格取ったみたいだからすごいよね彼自身も教団に立つけど基本は経営をしてるんだ [音楽] そんな俺より稼いでるなんてだだが俺は医者だ医者より優れた人間なんてこの世にないそう意思国家試験に受かってなければただの一般人だ [音楽] あそ まあ勝手にそう思えば医者が優れた人間ねえ浮気してるくせによくそんなこと言えるね [音楽] は?なんですって りあんた私の同級生と付き合ってるんじゃなかったの?お姉ちゃんから乗り換えてえみ子と付き合ってるんだと思ってただってえみこから聞いたからさ [音楽] この間お泊まりデートしたんでしょ?写真まで送られて自慢されちゃったよちょっとりそれってどういうことなのよねえそのエミこって女は誰なの?何してくれてんのよ何がお泊まりデートよ私の高校時代の友達で看護学部に行った友達だよ [音楽] [音楽] ほら確か量と同じ病院で勤務してるんじゃ なかったっけ医者が優れてるね人格はどう なんだか とても素晴らしい趣味をお持ちなんですね 最悪私のこと一生大事にするって言って くれたじゃないあれは嘘だったのねえ何が どうなってるのよなんとか言いなさいよ 姉がギャンギャンはめいていたので周りのお客さんはこちらを見ていたそして大変恥ずかしい思いをしたのである私とスバルさんは小さな声で返してあげていたのだが姉の声は覚醒を使っているんじゃないかと錯覚するくらいに大きいそれからの声も大きかった [音楽] 彼は姉と付き合っていたはずなのに浮気していたそれなのに逆切れしており最低の男だと感じた誰がお前みたいな女を本気で好きになるかあんたはただの遊びだよ遊び [音楽] [音楽] はあちいちゃん大好きって言ってくれたじゃんあれは本気で言ってたんじゃないの [音楽] すげえ 何がちいちゃんだ?ブーちゃんの間違いか?あんたさ勘違いしてない 40 超えたおばさんに本気になるわけないでしょ京都に来たのも別の理由があったからなんだけど [音楽] 何があるのよ?私と 5つ星ホテルでまったりする以外に何があるのよ 京都で美人ちゃんと遊ぶためだよ こっちで開催されたで知り合ったジョイのまきさんと遊んでワイワイするためだよそんなこともわからんのかブス ぶブスですって絶の美女に向かってなんてこと言うの?結婚して業主婦にさせてくれるって約束だったじゃない [音楽] 言ってないよそんなこと勝手にお前が言ってたんだろ あんたなんか養うわけないだろこの引きにはひどいひどいもういい東京に帰るとんでもないことになってしまった姉は大鳴きしているし量は隣散らしている姉は最低最悪の人間だったがちょっとかわいそうになるくらいだった [音楽] 量がこんな人間だと思ってなかったので私 は別れて正解だと思ったりは京都で開催さ れた学会でまきさんという女さんと出会っ たそうだそして男女の中になって忙しい ながらも休みの時は会っていたという こいつも最低だし地獄に落ちてしまえと 思った女心をモて遊ぶ遊び人だし人間とし て終わっているそれから私はスバルさんと お茶を飲んでくついでいた館内にある豪華 なテラスでまったりしているととてもいい 気分になれた事件に落ちてから来年度こそ はと思って勉強を再開したがしょっぱな から飛ばしすぎて肩も首もバキバキに凝っ ていたし何より頭痛がひどかったいつも机 に向かっているので体が痛くなるのも 当たり前だ私はスバルさんみたいに天才型 ではないので相当努力しないと南関試験に なんて受からないつバルさんは短期間で いくつもの資格を取り趣味で何回な本を 読んだりしているけれど偉そうではないし 尊敬できるとても穏やかだしなんだかナの ようなのだ彼はブランドもに興味がなく 知らない人が見たら貧乏臭いと思うかも しれないでもブランドを身につけること だけが金持ちだとは限らないスバルさんの 着ているものはオーダーメイドで質が良く 洗ってもクタクタにならないのが特徴だ それからスバルさんは物を大事にしており 使えなくなったら雑金にしているガチガチ のミニマリストではないので物が全くない わけではなく趣味の本などはたくさんあっ ただけど無駄に買い物しないのでお金を 使うことこそ金持ちだと思っているような 人間からは誤解されるのだろうそれでも スバルさんは何も思っていないようだった 他人に貧乏臭いと言われても勝手に言って いればいいと思っているのかもしれない 本当に豊かな人は心まで豊かなんだなと 思った実のいいものを最低限ってそれを 大事にするという生き方は尊敬できる私は これまでいらないものを大量に買ってああ 買ったけど使わなかったし捨てようかなと すぐに捨てていたそれから雑誌に出てくる ようなキラキラしたファッションをいつも 羨んでいたこんな素敵な服やバッグを 買える人はいいなとか私ももっとお金が あれば買えたのにと思ってへこむことも あったでもそんなことしたって意味がない のだ他人と比べてんだって自分が得する わけじゃない私はスバルさんと付き合った 当初彼の素情を知らなかった付き合って いるうちに有名呼び校の経営者だと知った けれど彼がお金持ちだから結婚したわけで はないスバルさんの生き方に惚れて結婚し たのだラグジュアリーヒルデの滞在は とても最高のものだったお料理は恐風で 味付けは上品といった感じである美味しい お茶も飲めたし抹っ茶のスイーツもどれも 美味しかった スバルさんが行ってきたらというので エステやスパなど堪能したが極上の サービスを受けられて私はすっきりと リフレッシュできたのであるそうして京都 での滞在を終えて私たちは東京に戻った 経営者でとても忙しいのにスバルさんは私 のために家事を頑張ってくれる業主婦に なってもいいと言われたが私も自分の力で お金を稼ぎたかったので資格を取って転職 でもしようと頑張っていたそして8月に なった大体8月の4周目が試験なので みんなゴールデンウィークあたりから 追い込みをかけている今回こそは足切りに 合わないように頑張ろうと決意した苦手な 厚生年金で点数を取れるようにズバルさん からも対策を教えてもらっている今年こそ 受かって転職を実現させようと思った試験 当日ガチガチに緊張しており最初から 引っかけ問題に引っかかりそうになった 丁寧に文章を読んで選択式を解いていく それから昼休憩を挟んで卓一試験なのだが 眠気が来てしまい頭がぼっとしてしまった でも応援してくれる夫のためにも受かって 見せると最後まで全力を出したのだ自己 採点した結果なんとかギリギリ受かってい そうだったそして結果発表の日私は ドキドキしてしまい早朝に目が覚めた ああ神様どうか受からせてくださいと祈り ながら見たら見事合格していたのである2 回目で合格なのでそこそこいい出来なので はと自分で自分を褒めた おめでとう頑張った会があったねやっぱり はナは努力家だよルバルさんみたいに容量 良くないから時間かかったけどなんとか 合格できてよかったわ 何回目で受かっても一緒だからさ今日はお 祝いにしよう仕事が終わったらいい レストランに連れて行くよえでもいいんだ 俺がそうしたいからお祝いくらい盛大に しよう バルさんがまたしても素敵なレストランを 予約してくれたので私は銀座で高級なお 寿司を食べたこんなところに来るのは 初めてだったのでマナーを間違えないか 緊張してしまい固まっていたでもお寿司は ネタが大きかったし大トロなんて油が乗っ ていて最高に美味しかったこんないいお 寿司は食べたことがない姉はあれから 塞ぎ込んでいるそうだ私と姉は本当に仲が 悪いが一応姉を結婚式に呼んでいたでも姉 は私のことが嫌いなので結婚式に来なかっ たからスバルさんのことを知らないの だろうそれから実は私は両親にも愛されず に育った一応大学まで行かせてもらえた だけありがたいし物質的には満足していた だけど両親は姉を可愛がっておりうっかり できてしまった私についてはダメな子とか いらなかったなんて言っていたのだ姉は 小さな頃からぽっちゃりしていたようだが 夏っこいので可愛がってもらえたようだだ が私は臆病で瞳見知りなので祖父母からも 可愛がってもらったことはないし実の両親 にもそこまで愛されていなかった両親は姉 にスバルさんのことを悪く言っていた らしい見た目が貧乏臭く底辺っぽいと浮長 していたそうだスバルさんは私の実家に来 た時ニコニコしていたが内心嫌な思いをし たに違いないスバルさんの親は本当にでき た人で嫁の私のことを気遣ってくれている 本当の親がこんな人ならいいなと思える ような義両親なのだスバルさんとの結婚式 は私にとって特別な日だったのを今も覚え ている写真を見るといかにその時私が幸せ だったか分かるくらい私はニコニコして いるのだあって私にとっては初めて家族が できた瞬間だったからだ本当の家族という のは血の繋がりじゃなくて精神的なものな のかもしれないスバルさんは夫だから血が 繋がっていないけれど私にとっては最高の パートナーであり初めてできた家族だから だスバルさんはいつも私を支えてくれて私 が家族として愛されることを教えてくれた 勉強だけでなく体調が悪い時も家事を 手伝ってくれるし優しくて頼りがいがある 温厚そうに見えるけれど変な人に絡まれた 時だって助けてくれたから男らしい一面も 持っていて惚れ直した彼は私にとって 優しい夫であり良き理解者でもある私が 言わなくても何でも察してくれるから前世 から結ばれていたのではないかと思える くらいだったスバルさんは私のことをいつ も大切にしてくれるし私たちはお互いに 尊重し合っている彼の仕事の多忙さも 分かっているから私が料理できる時は健康 に配慮したものを作っていたいつも 美味しいと言ってくれて私は苦手な料理を 頑張って良かったと思った 春な転職決まったんだってうんそうなの この間面接に行った会社に受かったんだ そっかこのA 社だよねすごいね採用されて良かったじゃ ないかうんまたロームをやるけど資格も 取ったし行かせたらいいな今度は社老師 事務所もいいかなって思ったけど民間企業 の方があってそう でまあ資格を取ったら絶対その仕事をし ないとダメってことはないしね俺だって 講師と経営やってるから資格を生かしてる かどうかはよくわからないしいやスバル さんは合格のノーハウを生かしてるから 十分だよ教えてもらった勉強法でなんとか なったし そうかなそれはありがとう私は転職が 決まり大企業に行くことになったそこでも ロームをやることになったが資格の知識を 活かせたらいいなと思うお給料も以前より 運アップして満足できたでもこのお金は 将来のために取っておくことにしたお給料 が増えたからって私はハイブランドなんて 欲しいと思わなくなったのである精神的な 満足感が得られたのでお給料は将来の子供 のために取っておこうと思ったのだ何でも かんでもスバルさんに頼っていては申し訳 ないし自分ができることは自分でやりたい ある日起きたら体調が悪かったもしやと 思って妊娠検査薬を買ってみたら妖精だっ た新しい会社に務め出して2年経ってから のことである私は妊娠が分かってから スバルさんと相談して3級育級を取ること に決めた大企業なので法律に基づいて3級 育級を取ることができるし先輩も嫌そうな 顔をしなかったからだスバルさんは本当に 優しい人で私が妊娠してからはますます 優しくしてくれた私たちは一緒に妊娠中の 健康管理を行い出産準備もしっかりとした 可愛いベビー服をニコニコしながら買って くるスバルさんはすっかりパパである10 後もスバルさんが育児に積極的に参加して くれたおかげで私は3つにならずに住んだ 俺が掃除やっておくから少し寝ていたら 夜間授入で寝てないでしょあありがとう 新政治って大変ね2時間に泣かれると体が 持たないわね このために俺がいるんだし何でも頼ってね やれることはやるからうんありがとう育級 が終わってからも私は仕事と育児を両立 することができたスバルさんと家事育児を 分担しお互いに協力して生活していた毎日 会社で仕事をしてそれから保育園に迎えに 行くのは辛かったでも子供がニコニコして 微笑んでくれるとそれだけでわあまとして 頑張れる気がしたのだスバルさんは私が 働くことについて何も言わない辛かったら やめてもいいとか子供を見ていたいなら家 にいていいと言ってくれているでも無理し て仕事なんてしなくても養っていけるとか 偉そうな発言はしないのだ確かにスバル さんの稼ぎだけで十分に生きていけるが私 だって精神的に満足したかった実家で内が にされいらないこと言われていたから会社 で必要とされることに価値を見い出してい たのかもしれないでも家族をないがしにし ていいなんて思っていなかったので休みの 日はみんなでお出かけをした元彼に振られ た時は人生終わったと感じたけれど今は とても充実しているそういえば元彼の量は 既婚者に手を出して訴えられたそうだバカ なことして人生台無しだなと思った私は スバルさんと運命的に出会えて良かったと 思っている 俺はいず言うとイベント会社で20年働い ている20年も働いていれば何かしらの 役職につけているはずなのだけれど残念 ながら平社員のままだイベント会社は換算 機が少ない学生や世間が休んでいる春休み ゴールデンウィーク夏休みシルバー ウィーク年末年始の前後が半忙期あとは ハロウィンやクリスマスバレンタイン ひ祭りといった幼児ごとの前後も半忙機と なるいわゆるパ算機と呼ばれる期間は6月 くらいしかないそれでも来年の6月は プライベートで忙しくなりそうだ1人残業 しているオフィスに通い出して20年が 経った高校を卒業してから正社員として 働き出して20年だ高校生の頃は アルバイトとしての勤務だったけれど今で は要素でデスクをもらえるくらい任せて もらえる案件も増えたデスクの上の エナジードリンクの空感は日に日に増えて いく昼食も夕食もまともに食べられたのは いつだっただろうかエナジードリンクと 栄養サポート食品が主食になってもほや 文句を言われない生活はとても楽で少し 寂しい接電対策として夜の10時を過ぎれ ばオフィスの半分は明りが消える俺の デスクの上とパソコンの明りしか頼りに ならない一室でチカチカと何かがまたいた 俺のスマホだったゆかりかスマホの ディスプレイを見れば妹のゆかりから メッセージが届いていたお兄ちゃん忙しい のにごめんね結婚式に使う写真が欲しいん だけどお兄ちゃんの写真あんまり持って なくてデータでいいから送ってもらえない かなまるでゆかりが本当に話しているよう なメッセージに思わず方が緩んでいくのが 自分でも分かった来年の6月ゆかりは結婚 式をあげるその時に使う写真が欲しい らしい普通の兄弟であればこういった時は 実家か両親に頼めばいいのだろうけれど俺 とゆかりは頼るべき実家がないいや正確に 言えば俺だけが実家も両親もいないこう いう時にいつも後悔するあの時ゆかりと 離れて暮らすとなった時俺がもっと大人で あれば良かったのだと 俺がもっと頼りがいあれば俺とゆかりの 写真も多かったのかな 誰に拾ってもらえるわけのないため息と 愚痴が俺しかいないオフィスに無した ゆかりは父親の顔を知らない顔どころか 名前すら知らないし存在しているかも わからない俺は過ろじてぼんやりと父さん の背中を思い出せるくらいだそもそも あまり家にいない人だったそして母さんは 俺が中学2年ゆかりが小学4年の時に息を 引き取った元々体が強くはなかったらしく それでも俺とゆかりを育てようと一生懸命 働いてくれた結果だそうだ正直当時は 目ま苦しく変わっていく環境になれるのに 必死で大人たちが交わしている会話を気に かける余裕もなかった今自分が社会人に なってみてわかる俺のこの生活に2人分の 育児が入り込む余地はない母さんは相当に 頑張ってくれていた母さんがどれだけ 頑張ってくれても3人での生活は貧しい ものだった俺が中学生になっても白米のお 変わりはできなかった育ち盛かりの体には 辛い毎日で空腹で眠れない夜だってあった だから俺とゆかりが入った施設での生活で 初めて安定した生活と満腹感というものを 知った母さんがいなくなってしまったこと は寂しいし悲しかったでも腹いっぱいに ご飯を食べられることは嬉しくて複雑な 感情をどう表現していいのか当時の俺は 知らなかった施設に入り俺とゆかりは 初めてクリスマスプレゼントというものを もらった 俺は受験が近かったこともあって参考書を もらったゆかりはずっと欲しがっていた キャラクターの筆箱だった記憶がある腕箱 が入っていた放送士を大切に畳みしばらく それを抱きしめながら眠っていたゆかりの その姿は今でも鮮明に覚えている俺と ゆかりの別れが訪れたのはそれから2年後 のことだった俺が高校1年ゆかりは小学6 年生だったゆかりが近藤家の容姿になった のだ近藤が何度も自動用語施設に通い ゆかりと面談をしていたそれから近藤家に 遊びに行くようになって泊まり込みで遊び に行って今思えばあれは里親度前の試験 だったのだろうゆかりは大なしく幼い ながらに人の顔色を伺える子供だった 母さんと暮らしていた頃も俺が腹をすかせ ているだろうとゆかりもうご飯いらない お腹いっぱいだからお兄ちゃん食べていい よと茶碗を俺に差し出してきたことが何度 かあった だからゆかりであれば問題なく近藤家に 引き取ってもらえるだろうと分かっていた 近藤夫妻もどちらも穏やかな人たちで近藤 夫妻の間には子供がいなかったからきっと 静かで平和な家庭になるのだと思った そして俺の中に1つの疑問と不安が芽えた じゃあ俺はどうなるのだろうか 本当ならばゆと君も家に招えてあげたいん だけどゆかりとの里親度が締結された日 旦那さんである一心さんは俺を相談室へ 呼びそう話してくれた奥さんのみずさんは ゆかりと出かけていてきっと一心さんは俺 と2人で会話をしたかったのだろうと思う 私は会社を経営していてね恥ずかしいこと にまだ安定はしていないんだ不安定なこと もないのだけれどもし2人ともを引き取る となればこの施設ほどの生活は保証でき ない一心さんはゆと君はもう高校生だから 隠しても仕方がないし正直に話をさせて もらうねとつけ出した俺はゆっくりと頷い て一心さんの言葉を受け入れた苦労させる ことはないと思うでも贅沢な暮らし はクリスマスはどうなりますか俺は一心 さんの言葉を遮切りそう聞いたクリスマス クリスマスゆかりにプレゼントを渡せる ようになりますかたまにでいいからケーキ は食べさせてやれますかゆかりは本当は メロンが好きででもメロンは高いから バナナとりんごが好きなのだと嘘をつかせ ないで良くなりますか言いながら俺は 母さんとゆかりで3人で暮らしていた6畳 一間の木造アパートを思い出していた5号 はける炊飯機に毎日2号しか炊かれない 白米特売で買ってきた豚肉を1日分ごとに 分けて何日過ごせるか考えている母さんの 背中あの毎日を少しでもゆかりに思い出さ せてしまうのであれば 俺は施設に残ります一心さんは苦しそうな 顔をして申し訳ないと頭を下げてくれた 一心さんが全て悪いわけじゃない高校生に なってアルバイトを始めていなかった俺に も日はあったのだろうと思う施設の居心地 の良さに甘えた俺のせいだゆかりと俺が 離れることになったのは俺がそうポツポツ とつぶやきながら一さんと話していると 一心さんが勢いよく顔をあげたアルバイト を探そうとしているのかなそして俺は今の 会社を紹介されたそう俺が現在在籍して いる会社は一心さんが経営している広告 代理店の子会社なのだここにいれば私と縁 が切れることもないゆかりちゃんともいつ でも会える一心さんはいつか必ずゆと君も 呼べるようにするからと言ってくれた けれど自由に連絡は取れるし大人になった 今俺は誰かと暮らそうだなんて思わない 幼い頃のゆかりは会う旅に泣いていたなん でお兄ちゃんは同じお家に帰れないのとま 新しいワンピースの袖を濡らしていた きっといい生活をしていたのだろう結婚式 の会場だって誰もが知っているだろう有名 な場所だったこれで良かったのだという 思いとゆかりに寂しい思いをさせてきた 自分がゆかりの兄として結婚式に出ていい のか迷う自分がいる それもこれも俺が未練がましいからだな 仕事用のカに入れている退職届けを 取り出すこれを書いてから1年が過ぎた 日付のLは空にしておいてよかった提出 する時に日付を書けばいいあの時一さん からアルバイト先を紹介された時に断れば 良かったのだ中途半端にゆかりとの縁を 保とうとしてしまったからゆかりに寂しい 思いをさせて俺だって希望と未練を 立ち切れずにいるこの退職届けを提出して 一心さんとのいやゆかりとの援護切ら なければいけないそもそもゆかりに身りの ない兄がいるだなんて結婚相手は知って いるのだろうか俺はゆかりの人生に邪魔な のではないか早く近藤家と縁を切らなけれ ばいけない そう決身して1年も経ってしまった今日 こそはこの退職届けを提出しようとそう 思うたびにゆかりの泣いている姿を 思い出してしまうのだ じゃあ伊塚君現場チームの課題と進捗を ああ えっと週明けの午前中に行われるチーム 会議が苦手だ20年出席してきても俺が チームリーダーとなって発言するように なって10年以上が経過しても慣れはし ない このイベント会社にいる営業部の現場 チーム営業チーム事務の全員が参加する 総税30人ほどの会議だ今各チームで 上がっている問題は何か各チームの売上は 滞っている案件は議題が週末に伝えられ 週明けには会議で発言をしなければいけ ない売上や損失といった数字であれば週末 に出しておける けれどチームの課題や進捗は会議の前に チームで話し合っておかなければいけない のだ営業チームにも言えることだけれど 現場チームも全員が会社に揃う日はない 20年もいる俺が断言するのだからないの だ事前に曜日と時間を決めておいても営業 から突然現場を振られたら行かざるを得 ない現場でクライアントと話が盛り上がり 新しい現場が決まればまた会社に行けなく なるだからいつも現場チームの議題や新捗 はアンケートフォームで回答を募りその 回答を俺がまとめてチーム会議に望む週末 に発表の練習をしておいても名前を呼ば れるとどうしても手に汗が滲んで喉がと 言葉を通さなくなってしまうのだ 静か君大丈夫顔色悪いけど大丈夫いつもの 緊張だから隣の席の峰岸さんがこっそり声 をかけてきてくれるけれどそれに向き合っ て誠実に返事をしている余裕もない目線を 合わせることもしないで早口に返事をする だけで精一杯だったでもいつもより顔色 悪いよ無理しないでおい伊塚まだか峰岸 さんの声と安藤部長の声が被る俺は峰岸 さんの声を右手で精立ち上がった すみませんまとめていた資料を探してい ました早くしてくれよみんなの時間を奪っ ているという自覚はないのか申し訳あり ませんえっとでは現場チームの現代の課題 としては俺は話しながらゆかりから 受け取ったメッセージのことを思い出して いた正直1から10まで台本のように発言 する内容を資料にまとめてきているのだ 立ち上がってしまえばあは資料を 読み上げるだけで終わるそれでも緊張する ものは緊張するのだけれど峰岸さんの言う 通りきっと今の俺はいつも以上に疲弊して いるのだろうゆかりの結婚のことを考え たくなくてここ最近はいつも以上に仕事を していた自覚がある 明確に売上につがるような現場対応を各々 ができるようにならなければいけないと 考えますとはいえ現場チーム全員が大久も 有求も消化できていない状態なので人員の 確保ができない限りは進捗が難しい状態 ですそのためにまずは人員確保が目標です 俺が言い終わり以上ですと座ろうとすれば 安藤部長から具体案はという低い声が飛ん できた 確保の舞台でしょうかおろそうとしてきた 腰をまたあげる会議室の前方に ふんぞり返って座っている安藤部長が鼻を 弾くように笑う 20年もいてないやは座り方が違うな具体 案も考えてこないで会議に望むのかああ いえ人員確保の具体案についてはこの後 ジムチームから発表があるとえっと会議の 前にジムチームに相談してあってもういい もういい君のその声を聞いていると眠く なる座れ安藤部長がそう言うとどこから ともなく俺を笑う声が聞こえてくる峰岸 さんが何それ立ち上がらせたのはそっちな のにと俺の代わりに怒ってくれていた俺は 現場チームのリーダーとはいえ役職がある わけじゃないチームリーダーなんてな ばかりで要はチーム会議での発言をしなく てはいけない嫌な役回りを押し付けられた だけだ道部長が言う通り20年も在籍して いたくせに役職がついていないのは俺だけ だろうとはいえ少心の話が一切なかった わけじゃない正社員として入社して3年 ほどで俺にも小心の話は出ていたおそらく そこで昇心を断らなければ今の俺は課長家 少なくともか係長の席には座れていたと 思うなぜ心の話を断ったのか理由はゆかり と話す時間を最優先させる必要があった からだ俺が入社して3年その時期はゆかり がちょうど四春機で近藤家へ行って5年 ほどが経っていた少し浮かない顔して帰り たくないんだよねとらしていた時ださんや みずさんに問題があったわけじゃないのは 分かっていたあの2人はいつだってゆかり のことを大地に考えて動いてくれていたし 近藤家での生活は十分に贅沢なものだった はずだゆかりのみからもそれは見て取れた ただ母さんを失って兄である俺と別れて 1人自分を引き取ってくれた本当の親では ない誰かと過ごすことに考えるところが あったのだろう当時我わ我がママ言って ごめんねとゆかりは何度も言っていた きっと全ては気の持ち用なのだということ もゆかり自身気づいていたのだ環境に問題 がないとはいえゆかりが浮かべていた もかしそうな表情は俺の心も締めつけてき たのだ ゆかりが助けを求めた時に何か話したい時 にすぐに駆けつけられるようにしたい俺が 小心の話をもらった時期はそんな状況だっ たのだ断るしかなかったその時に小心の話 を受けていれば今頃給与も上がっていた だろうしゆかりのご衆議もはませられたか もしれないたられバを話しても仕方がない とはいえどうしたってため生きが増えて しまうその時俺に小心の話を持ってきて くれたのが安藤さんだった さんとはそれまで何度も一緒に現場に行き 学生気分が抜けない俺に会社のことを1 から教えてもらっていた感謝はしている 本当ならば安藤さんの期待に答えたかった でも答えられなかった安藤さんが俺を見る 目が変わったのは心を断った時からださん が俺にかける言葉を間違えてしまうのは俺 が原因なのだだから俺は安藤さんに何を 言われてもいいこれくらい今まで俺が送っ てきた人生の暗さに比べればなんてことは ないのだからゆかりが結婚式をあげる予定 の式場は都内の幻想とは離れた静かな場所 にある名前は耳にしたことがあるけれど まさか自分がここに訪れることになるとは 思わなかったそれほどに有名ででも普通に 生活していたら手が届かないような式場だ 結婚式の打ち合わせに兄弟連れてくるの ゆかりくらいだよだって男の人の意見も 欲しいじゃん旦那連れてこいよじ平君は 忙しいのおごそかなソファーに並んで座り ゆかりと軽くを言っていたら軽い笑い声が 聞こえたその声に反応して振り向けば ソファーから少し離れたところにある チェアーで一心さんが微笑んでいたいや ごめんね仲良しだなと思って一心さんに 会うのは半年以上ぶりだ最近ゆかりに会う 時は外食ばかりしていたしそもそもゆかり に会うのだって23ヶ月ぶりかもしれない 気づけばここ数ヶ月は仕事ばかりしていた 元気にしていたかなおかげ様で人手不足で 忙しいですそうか今度会議で議題にあげて おこういや大丈夫ですよ募集もしています しきっと今だけなので俺が両手を振り慌て て言えば一心さんは納得がいかないような 顔をしてしぶしぶ頷いてくれた俺が務めて いるイベント会社の親会社である広告代理 店はどうやら相当に設けているらしいそれ は一心さんが身につけているものからも 分かるしゆかりがこんな場所で結婚式 を上げられるのは一心さんの会社の経営が 右肩上がりだからなのだろう 忙しいところわざわざ来てくれて ありがとういえまあ妹に呼ばれれば来ます よ一応兄なのでお兄ちゃんが頼りになると はいえじ平君にはやっぱり自覚を持って 欲しいよね自分の結婚式だって自覚あるの かなゆかりは唇を尖らせて不満を口にする けれどそんなの本気で言っているわけじゃ ないのがわかる気が緩んだ時にすぐにける ゆかりの口元が幸せを叫んでいるように 見えたゆかりの旦那になるじ平君とやらは インテリアデザイナーをしていて世界中を 飛び回っているらしい俺もまだ会ったこと はないけれど一度食事をしたらしい一心 さんが安心していいと言っていたので きっといい男なのだと思うそしてその巡平 君に合わせてゆかりもそのうち日本を出る 純平君はニューヨークにも家を持っていて 将来的には2人そこで暮らすことになる らしい 結婚してあんまりわがまま言うなよ今まで みたいに何かあった時俺がすぐに行ける わけじゃないんだから俺は早口で言う スタッフの人が入れてくれた酸味の強い コーヒーを飲んでゆかりから顔が見えない ようにしたそんなすぐに向こうへ行くわけ じゃないから大丈夫だよ大丈夫ってそれは それでじ平君に失礼だろ結婚するって決め たんだから少しでも早く一緒に暮らさない となんでなんでって家族だからそこまで口 にして俺ははっとしたお兄ちゃんだって 家族なのに一緒に暮らしてなかったじゃん そうだゆかりの言う通りだいや実際には すぐに会える距離にいるのと国外へ行って しまうのとじゃわけが違うでもゆかりに 取ってみれば自分の意見は無視して家族と 一緒に暮らせなくなる方が辛かったに 決まっているその寂しい思いをじ平君にさ せるんだぞ俺は声を絞り出してそう言った そう言うしかなかったゆかりも少し拗ねた ように黙り込んだ後で分かってるよと呟い たゆと君少しいいかな結婚式の担当 プランナーが控え室に来て打ち合わせが 盛り上がってきた時だった一心さんは扉の 前で手招きをして俺に声をかけてきた ゆかりの様子を伺えば打ち合わせに真剣で 俺が口を挟むこともなさそうだった 一さんの背中を追いついたのは会場の テラスだった 私も妻もここで式をあげたんだよ私が会社 を立ち上げたばかりでなかなか打ち合わせ に来ることができなくてね怒ってしまった ミスにこのテラスで許してもらうまで何度 も謝ったんだ懐かしいな遠くの高いビルを 見つめて昔の話をする一心さんの背中は 成功者の力強さを感じたゆかりはこの背中 を見て育ったのだ俺とは違う環境で自分で 選んだことなのにその事実が俺の胸を 締めつける意外でしたてっきりゆかりの 旦那さんが後継候補なのだと思っていまし たから苦しさから目をそらすためには話題 を変えるしかなかった俺の一言で振り向い た一さんは目を見開いて驚いていたそんな つもりは最初からなかったけどねと苦い 笑いを浮かべるゆと君少し未来な話をさせ て欲しいんだけれど一心さんが少しずつ俺 に近づいてくるとして俺の目の前で 立ち上がり今の会社をやめて欲しいんだと 確かにそう言った申し訳ありませんでした 月曜俺は全員に向けて頭を下げている チーム会議が始まる30分前だった今週の イベントで使う景品が予定の倍の数届いて しまったと倉庫から連絡が入ったのだ景品 は今週末のイベントでしか使用できない イラストが描かれていて他の現場での活用 はできそうになかった 会議直前まで外出していた安藤部長には メールで報告しすぐに主催者へ連絡を入れ ていればあっという間に会議の時間になっ てしまった イベントの予定人数が予定よりも多いこと から今回の納品数の半額は先方で持って いただけることとなりました 残りの半額はうちの負担となります申し訳 ありません安藤部長の低い声に続き司法 発砲から生き混じりの笑い声が聞こえて くるミスの原因と対策の報告書は本日中に 提出 今ここで言ってもらえないか安藤部長の声 に驚いて顔をあげれば安藤部長は笑い ながら俺を見ていた 20年もいるんですからそれくらいでき ますよね安藤部長の隣の席にいる営業の 本道課長も安藤部長と同じような表情で 俺礼を見ているいや本道課長だけじゃない 会議室にいるほとんどの社員が俺を交渉し ていたその中に23人心配するように俺を 見つめている視線も感じたその中でも安藤 部長をじっと睨んでいたのは峰岸さんだっ た 20年もいてくれたから自分で対処して 半額は先方に持っていただけることになっ たんじゃないんでしょうか本来であれば 全額うちが負担すべきところ先方はそう いう時もあるよねとおっしゃってくださり 信頼関係も気づけているように思えますが 峰岸さんが立ち上がり早口で言うジム チームの課長で実務上の決済権を持つ峰岸 さんがそう言うならと室内の半分ほどの 表情が変わったのが分かった 生きになったもんだ峰岸さんの話を受けて 表情をしった安藤部長が下打ちをした室内 の空気がどんどんと冷えていくのが分かっ た誰もが口を閉じ次に誰かが話してくれる のを待つ安藤部長と峰岸さんが睨み合い 空気が一段遠重くなる安藤部長が 立ち上がろうとしたと同時に口を大きく 開けた俺はもう一度頭を下げてやめます からと声をあげたのだ俺に放たれるべき 言葉を峰岸さんに受け止めさせるわけにも いかなかったこれ以上彼女に迷惑をかける のも嫌だった会議室にいる社員たちが目を 見開いてお礼を見ていた やめるって言った峰岸さんの小さな声が俺 まで届く俺は峰岸さんの方を見て小さく 頷く 足元から鞄を引き上げそこから退職届けを 取り出したそれを持ったまま安藤を部長の 前までかけていく逃げるわけじゃありませ ん今抱えている案件は全て終わらせてから 行きますし今回の件も負担額分の売上を 上げるまでは頑張らせてくださいでも 新しい案件は引き継ぎません申し訳あり ません安藤部長が俺の目を見たまま封筒を 受け取るその場で風を開け中を取り出した 日付は昨日付けかはい今回の件がなくても 今日提出するつもりでしたただそこに書い た退職日は2ヶ月後ですが今回の件で少し 伸びる可能性がありますのでその時は次が あるってわけだな俺の声を遮切り安藤部長 が笑う立ち上がり俺と同じ目線になった 安藤部長がいつもよりも小さく見えたこの 会社だけが俺の世界じゃないと気づけた からだろうそれは言えません 40歳間近の独身男が次の職場も決めずに やめられるわけないだろう生活があるもん な売り言葉に買い言葉で出た退職の話じゃ ないのであればきっと次が決まっている はずだ でも安藤さん正社員とは限りませんよ俺と 安藤部長の会話に割り込んできたのは本道 課長だいよいよ峰岸さんも立ち上がり俺 たちの近くまで駆け寄ってきたそういや そうだなコンビニのアルバイトへだって 立派な転職だ安藤部長が笑うと本道課長も 笑うそれに習うように室内に笑いが起きて いくひどい光景だと思ったこの中に20年 もいてそれが普通になってしまっていたの だ そうですねコンビニ工場どこのアルバイト だって立派な職業ですそれを否定はしませ んが俺はこの後も社員の予定です冷静に そう返すと安藤部長の拷毛な眉がびくりと 動いた 万年平社員の40近い高卒男がうちを出て 雇ってもらえるところがあるというのか あまり笑わせるなよ せている自覚はありません事実を述べて いるだけです 俺の返答を安藤部長の交渉が吹き飛ばそう としたその時だった負けないで負けちゃ だめいつの間にか隣にいた峰岸さんが俺の シャツの袖を掴んでいた俯きそうになった 顔を慌ててあげるやっぱり安藤部長が今 までよりも頼りなくて小さく見えた少心の 話を断った申し訳なさも部長という役職も このチーム会議を支配していた威圧感も 全ての要因のせいで錯覚を起こしていたの だと気づいた少しの沈黙の間俺は久しぶり に安藤部長と向き合ったしっかりと安藤 部長の顔を見たのは久しぶりだったのかも しれないおいみんな途端安藤部長は机に 広げていた資料を片付け始めるそして会議 室に響くような声で社員全員へ呼びかけた 毎止だ今日は今から現場の視察へ行く 稲岸さんが眉間にシを寄せ首をかしげた 安藤さんはニやりと口元を歪め俺を刺す 無能を雇うポンコツ企業はどんなとこだ ちゃんと確認しないとな可愛い部下が世話 になるところなんだ安藤部長は俺の前に 立ちかるまるで謝るなら今のうちだと言わ れているような気がした俺がいつまでも 動かず返事もしないままでいれば他にも 行きたいやはいるか全員は難しいだろう けどなと俺の顔を見たまま安藤部長は笑う 見たい見たい本道課長をはじめとした営業 チームのメンバーを中心に会議室にいた ほとんどのメンバーが手を上げた挙手をし なかったのはさっきも俺に心配そうな視線 を向けてくれた人たちだった峰岸さんも そうだ俺は心の中でその数命に感謝を述べ て1歩前に出た安藤部長に近寄ったのだ じゃあ見に行きます俺の一言で室内に完成 が上がるして安藤部長は口元を引くと 動かして冷たい視線を俺に向けてきていた 峰岸さんは最後まで大丈夫なのと俺の隣を 離れなかったこれ以上心配も迷惑もかけ られないと言い会社に残るよう告げると もう同期残ってないから寂しくなるねと 珍しく眉を8の字に下げていたいくら部長 の提案指示とはいえ会議に参加していた ほぼ全員が外出しては業務に支障が出ると いうことで車両者に乗れる営業チームの 数名とれで俺の次の職場へ向かうことと なった車両者のエンジンをかける時にこの 車を何度運転してきてあと何回運転できる のかを考えた20年は長かった色々なこと があったけれど寂しさを感じることは 不思議じゃない ここは本社じゃないですか車を本社の駐車 場に止めた時後部座席から聞こえてきた 一言を俺は無視した助手席に乗っていた 安藤部長の表情からは何を考えているのか は読み取れなかったみんな本社ではいつも のように騒げないのか静かに俺の後につい てきてくれたそれでも社長室に俺が向かっ ていると気づいたのだろう社長室がある 風呂の通路でちょっとと本道部長から声を かけられたどういうつもりですかどうって 俺の次の職場が見たいというのでここは 本社だろしかもこの先は社長室君何を考え ているんですかですから俺の次の職場をご 案内しているだけですよじゃあ伊塚君は 本社に引き抜かれたと部長そんな話は聞い ていますか本藤課長が安藤部長に 問いかける安藤部長はまっすぐに俺を見た まま何も言わないあれゆと君よかったつい ていたんだね声が下方を見れば社長室から 一心さんが顔を出していたいつも通り 穏やかな笑を浮かべ手を振ってくる急にご 連絡したのに遅くなってすみません俺が 一心さんへ駆け寄れば一心さんの視線が まだ通路で止まっていた社員たちへ向け られた君たちも早く来なさい一さんの声は いつもよりも低くておそかだった今まで 感じたことのない社長としての一心さんを 買いま見たような気がして少しだけ嬉しく なる車両者に乗り込む前に一心さんへ今日 の経緯と本社へ向かう胸のメールをして おいてよかった本社についても一心さんが いなければ俺が入社するということを誰が 知っているのか分からないままだったそう 俺は昨日一心さんから本社に来るように 言われていたのだゆかりの結婚式の 打ち合わせの途中に俺はずっとゆかりの 旦那になるだろう人が一心さんの後を継ぐ のだと思っていたけれど一さんはゆかり ちゃんの兄ということは私たちにとって ゆと君が近藤家の長男のようなものだから と言ってくれた ゆかりが一心さんたちの元へ行き俺は ゆかりの兄だけれど兄じゃなくなったのだ と複雑な環境を受け止めきれないでいた別 の家庭へ行ってしまったゆかりを妹と呼ん でいいのかそう悩んでいた時期もあった けれど昨日一心さんの言葉を受けて全て俺 の記だったのだと気づいた途端目の前が 広がった気がしたのだ俺が生きてきて見て きた世界は狭かったのだと思ったすぐに 一心さんへ本社行かせて欲しいと返事をし た本社の駐車場に到着してスマホを確認 すれば一心さんからすぐに来なさいと返事 が来ていたさてゆと君から話は聞いたと 思うけれど彼は今の仕事が落ち着き次第 本社にて預かることになった長を通さずに 決めてしまって申し訳なかったね一心さん は勤めて穏やかな口調のまま話を進めた 一心さんが室内にいる営業チームの メンバーを見渡しても誰も何も言わない 本来であれば移動という形になるのだろう けれどゆと君は今までと環境も業務内容も ガらりと変わるそれに今後のゆト君の立場 から君たちと関わることはなくなるだろう と考えて転職という形を取らせてもらう ことにしたんだけれどそれが不満だったの かな一心さんは安藤部長に向かって話を する安藤部長は表情を崩すこともなく口も 開かないこの空気に耐えきれなくなったの だろう本藤課長がすっと手をあげた 質問してもよろしいでしょうかどうぞ一心 さんが深く頷いたのを確認して本道課長は 1歩前へ出る 一列に並んでいた営業チームのメンバーの 中で最初に口を開くのはこの人だろうと なんとなく思っていたゆト君という呼び方 も気にかかりますがそれよりも伊塚君の 今後の立場とは一体どういうことでしょう かああそうだね説明が足りていなかったか ゆと君にはこれから私の後を継ぐために 本社の業務を覚えてもらうんだあと継ぐ 途端ざめきが起こる部長とその場にいた 営業チームメンバー一道が震え出したゆと 君話していなかったんだね家庭の事情は 複雑なので俺の返事を聞いてそれもそうだ ねと頷いた一さんは覚悟を決めたように顔 をあげたこの子は私の息子でねギリだ けれど私は本当の息子のように思っている 誰よりも幸せになってほしいとそう願って いる一心さんが立ち上がりみんなと目線を 合わせる妹のために自分の感情に蓋をして 寂しい思いをしてきたそれでもゆト君は 一言も弱ねを吐かなかった一心さんが俺を 手招きして隣に並ばせる一心さんの隣に 立つことが今までは怖かった緊張したでも 今はこの場所が1番安心する不思議な感覚 だったこれほど優しくて強い男を知らない この子は私の自慢の息子だよ誠実で実直に 業務に取り組んできたと信じているとは いえこの子の実際の業務姿を見てきたわけ じゃない私の決断に不満や意見があれば この場で募りたいと思うけれどいかがかな 営業チームのメンバーは顔を見合わせて やっぱり口をつんでしまうその中で安藤 部長が堂々とした一歩を踏んだそして一心 さんと向かい合う ありません私が知る中でも彼は最も誠実に 実直に働いてくれるやですそして部長の体 が横を向く今度は俺と向かい合う体制に なってくれた小心の話を断られて勝手に 裏切られた気になってしまっていた居塚が 抱えていた苦しみや寂しさに気づけなかっ た上司であるならば本当はそういった弱ね を聞いてやらなければいけなかったのに 安藤部長がゆっくりと頭を下げてきた今 まで申し訳なかった俺こそ不害ない部下で ご迷惑ばかりおかけして申し訳ありません でした大切に育てていただいたこと忘れ ません俺も安藤部長に向けて頭を下げる するとどこからか小さな拍手の音が聞こえ てきたそれはだんだんと大きくなり10人 もいない室内で鳴らされているとは思え ないほどの音となるこれからは子会社の1 社員として影ながらお前を支えるよ峰岸の ことも心配だろう頭を下げたままつやかれ た安藤部長の一言はきっと俺にしか聞こえ ていないだろう拍手の音に紛れ込ませたの は安藤部長の照れ隠しなのかもしれない頭 をあげた安藤部長と俺に一心さんが 微笑みかけてくれる これは今までの君たち2人の生き方が得た 信頼だと感謝だよ俺と安藤部長は顔を 見合わせるそして笑った一心さんから もらったこの言葉をこの瞬間を俺は生涯 忘れないだろうお兄ちゃん日曜日だからっ て遅くまで寝ちゃだめだよ俺が今までお 世話になってきたシングルベッドはネット ショッピングで買った安物の硬い マットレスだったおはようゆかり朝から 元気だなお兄ちゃんて朝弱かったっけいや この家の布団が寝心地良すぎるんだいつ までも布団に痛いって言っている人の 気持ちがよくわかったよ俺があびをし ながら布団から出ればゆかりは肩を揺らし て微笑えんだゆかりは無事に席を入れた 伊塚ゆかりから近藤ゆかりになり今は今 ゆかりとなったそして俺は近藤家での生活 を開始した荷物はほとんどないといえば 一心さんがそれならば早めの方がいいと すぐに引っ越しの手配をしてくれたのだ 半年から1年の間でゆかりは日本を出る そうなればきっと今までのようには会え なくなるだろう そうなる前に一緒に暮らそう一心さんは そう言いたかったのだと思う 起きて誰かがいる帰ってきても誰かがいる いいもんでしょ1人じゃないってゆかりが 俺にタオルをくれて顔洗ったらリビングね と言ってきたお父さんとお母さんが話が あるんだって一心さんがなんだろうわかん ない私にも教えてくれてないんだよね ゆかりも首をかしげるそして先にリビング に行ってるねコーヒーでいいよねと俺の 返事を聞く前にリビングに向かってかけて いった世話しなさは母さん譲りかな俺は そうつき洗面所に向かったゆと君おはよう おはようございます遅くなってすみません 顔を洗い着替えてからリビングへ行けば みずさんもゆかりもちろん一心さんも ダイニングテーブルで朝食を食べていた 昨日も遅くまで会社にいたらしいね疲れは 取れたかいはい布団がふカフカで お兄ちゃんそれしか言わないさんもみず さんもゆかりも笑っている幸せが充満した ような室内が俺の累線を少しだけ緩めた じゃあ少しだけ話をしてもいいかな味噌汁 の器を置いた一さんはみずさんにアイ コンタクトを送るみずさんは小さく頷いて から1枚の写真をテーブルの上に置いた さんミすずさんが出した写真に映っていた のは俺とゆかりの母さんだったそして 母さんの隣には若い頃のみずさんがいる あなたたちのお母さん里子さんよねはい母 をご存知だったんですか俺の問にみすず さんが頷いたゆかりは突然の話に理解が 追いついていないらしく目を見開いたまま 固まっている 貞子は同じ大学の後輩だったの優しくて 自分が苦しくなっても笑顔で誰かのことを 思っているようなそんな子だった急に大学 をやめたからどうしたのかと思ってたら 結婚をするんだって言って俺が生まれた からですねなんとなく見えてきた話に口を 挟めばさんは少しだけ申し訳なさそうに 微笑えんだそれで私が大学を卒業する時に 久しぶりに会ったら1人親になっていて体 も弱いから心配したのそうしたらさ子は私 に何かあったらこの子をよろしくお願いし ますって笑ってその時の母さんを思い出し たのだろうかずさんはうるんだ目元に服の 袖を当てていた一心さんがミすずさんの 背中をさすりゆっくりでいいからと言った この2人の穏やかでお互いのことを 思い合っている空気がとても好きだそして そういえば母さんもそんな人だったのだと 今になって思い出す俺は辛かった生活や 母さんがいなくなってゆかりとも離れる ことになった寂しさにばかりわれていた けれど母さんだってゆかりだって苦しくて も誰かのことを思える人だったそんな2人 と家族で一緒に生活できていたことを誇り に幸せに感じてきた涙落ち着いてきた らしいミずさんが赤くなった目元を抑えて 微笑むそしてゆっくりと口を開いて続きを 話してくれたそれから何度かゆと君が本当 に小さかった時にあったんだけど覚えてい ないよねすみません正直父親のことも あまりよく覚えていなくていいの気にし ないで貞子の家に遊びに行ってもすぐに 帰っていたの疲れた顔をした里子が無理に 笑うのが辛くてね ミすさんが少しだけ俯く鼻水を1度すり 勢いよくあげた顔は無理に笑っているよう だった俺がゆかりが覚えていない母さんが どれほど苦しい思いをして俺たちを育てて くれたのかを今更知ることになるだなんて そういえば母さんの辛い表情なんて見た ことがなかった母さんは最後までいつだっ て穏やかで笑って前向きだった私にゆと君 のことをよろしくって言ったその時は冗談 だったんだろうけれど結局残念なことに なってしまったミすの不法を聞いてこれも 何かの縁だと思ったのじゃあなんで私じゃ なくてお兄ちゃんが選ばなかったの ようやく頭が働いてきたらしいゆかりが ほんの少しだけ語尾をきつくしてみすず さんを問い詰める一心さんもみずさんも眉 を蜂の字にして困ったように笑った 俺が俺はゆかりと向き合うゆかりの瞳には 涙が溜まっていた俺が言ったんだよ一ちん さんは俺に一緒に来ないか聞いてくれたで も俺が施設に残るって決めたんだなんで私 はお兄ちゃんがいなくなって寂しかったの に寂しいとも言えないままでそれでゆかり ちゃんのことを思って決断したんだよ顔を 真っ赤にしたゆかりが涙を流す一歩手前 だった一さんがゆかりに柔らかい声で 語りかけるゆと君はゆかりちゃんが クリスマスプレゼントをもらえるかどうか メロンが食べられるかどうかケーキが食べ られるかどうかを聞いてきたそうだったね 覚えていたんですね衝撃を受けたからね なんでこれほど優しい子が自分の思いを 飲み込まなければいけないのだろうと そして自分の経済力のなさをは情けなく 思ったそんなことゆかりを引き取って もらえただけで俺は十分でしたその上 アルバイト先まで紹介してもらえてでも 本当はすぐに引き取ってあげたかったの ごめんね俺と一心さんの会話に割り込んで きたみずさんはまた涙を流していた何度も 何度もごめんねと言いながらとうとう言葉 をつまらせる俺はゆかりの顔を見た俺の 視線に気づいたらしいゆかりも俺を見上げ てきたきっと俺たちの思いは同じだと ゆかりの目を見て確信した謝らないで お母さん先に声を出したのはゆかりだった ゆかりの声に反応したみずさんがゆっくり と顔をあげる 私お兄ちゃんがいなくて寂しかったけど 幸せだったこの家で育ててもらえて大切に してもらえて本当に幸せだった 俺もゆかりが優しくて素敵なまま成長でき てあんなに素敵な旦那さんと結ばれること ができたのは一心さんとみすずさんそして 2人に俺たちを託してくれた母さんの おかげだとそう思っています俺がそういえ ばとうと一心さんも目頭を抑え出した俺と ゆかりは顔を見合わせるそして笑顔で2人 にありがとうとそう告げたこれほど温かく て幸せな朝を俺は知らない今日のこの日を 俺はきっと生涯忘れないだろう [音楽] とんでもないことに えどうしたんですか おい佐々お前のせいじゃないのか?お前何かしたんだろ?さすが中卒のアホは違うなあ取引先に迷惑でもかけたんだろう [音楽] お前の人生お先真っ暗だ ででも私は何もしてません課長は俺に対して意地悪そうな笑顔を向けていた俺としては何も悪いことをした覚えなんてないのだが知らないうちに霊を働いてしまったのかと思ってドキドキしていたあどうか [音楽] 誰か助けてくださいこの際誰でもいいので 俺をピンチから救ってくださいと心の中で 祈っていた俺の名前は佐々木至る25歳の 会社員だ俺は家が貧乏だったのもあり中卒 で働き始めた生活保護を受けて高校に進学 するという発想すらなく俺は中卒で働く しかないと思っていたのだだが中卒の俺に 対する世間のマざしは冷たく俺はみんな から馬カにされていた新学校に行った同級 生からは底辺呼ばわりされたがそれでも 家族のためだと思って頑張って働いていた のである親戚がやっている建築の仕事で なんとか日を稼ぎ俺は毎日くびれていただ が腰を痛めてしまい力仕事はできなくなっ たのだそういうわけで俺は建築の作業員を 辞めて今は会社員をやっているいろんな 企業を受けたいと思っていたが職案でまず 求人のところを見たら高卒以上と書かれて いて俺は受けることすらできなかった そんな時やっと探し当てたのが今俺がいる 会社だここは学歴不らしく実力さえあれば 入社できるらしいまた今は経験がなくても スキルを磨いて戦力になれそうならそれで いいとのことだった俺はわにもすがる思い で給食の申し込みをしてなんとかこの会社 に入った面接では何と言ったか今となって はっきり思い出せないきっと相当緊張して いて頭の中が真っ白だったのだある日俺は 寝坊してしまったので朝ご飯を食べずに 支度していたやばい遅刻だ遅刻どうしよう あと10分で家を出ないと電車に間に合わ ないいや俺の足ならなんとかなるか俺は足 が早くて運動だけは得意だっただから商店 街を突っ切って人通りの少ない路地に抜け て駅まで行けば電車に間に合うこの方法は 以前寝坊した時にもやっており間に合って いたのでそう思ったその時なんて今より 大変であと5分で家を出ないとダめだった から今の方がマしであるそういうわけで俺 はスーツを着てカを持って家を飛び出した この時点で3分経過だったのでまだ全然 大丈夫だなと思って小走で駅に向かう そして駅に到着した時に目の前を歩いてい た女性が倒れたのだ俺は一体何事だと思っ て慌てて駆け寄った大丈夫ですかお姉さん その女性は見た感じ十歳から25歳くらい だった何の反応もなかったので俺はきっと この人が何らかの病を抱えているんだと 思ったその女性は意識もなさそうで ぐったりと道端に倒れている駅にいる みんなが俺たちを見てあれどうしたの かしらと言っていた誰か助けてくださいお 医者様はおられませんかここにお医者様は おられませんか看護師さんでもいいです誰 か医療関係の方はおられませんか しかし誰も反応してくれず俺1人で女性に 声をかけ続けていたもうダメなのか救急車 を呼ぶまでになんとかしないと思っている 時ある1人の若い女性が近づいてきた あの私でよければお手伝いしますえっと 看護師さんいえ看護学生です何の役にも 立てないかもしれませんがとりあえず救急 車を呼びますえっとそうだAEDでも私 看護学校に入ったばかりで何も知らなくて じゃあそこにあるから取ってきてください お願いしますはいわかりましたその若い 女性は名前をレミさんと言ったレミさんは この春から看護学生になったばかりでまだ 医療のことは全然知らないらしいしかし誰 かを助けたいと思う気持ちがあるだけで俺 は救われたレミさんはAEDを取って来て くれて俺に手渡したそれから電話をかけて 救急車を呼んでくれたのだ意識もないしも していないこれは神定士か こうなったらやっぱりAED を使うしかない ああの大丈夫でしょうか?うん俺は使えるから大丈夫だと思うそしてレミさんは周りから女性の体が見えないようトレンチコートは脱いで覆ってくれた俺は女性のブラウスのボタンを外し AED 電池スイッチをスライドさせて蓋を開けた それから電源がオンになって音声ガイドが 聞こえたのでそれに従い電パッドを貼った のだよし押すぞえいオートショックAED ではなかったので俺はボタンを押した女性 の体に電気が流れてまな板に乗せられた魚 のようにビクンと跳ねたえみさんは初めて 人命救助を見たらしく驚いていた大丈夫か なもうこれでなんとかなると思うけどすぐ に救急車がやってきたので女性を運んで もらったレミさんが俺の代わりに突き添い として乗ってくれたのだ 私ちょうど今から行く病院の付属看護学校なのでこの人のご家族がお見えになるまでついていますでもそれじゃあレミさんは授業が そんなのいいんですやっぱり命の方が大事ですから ありがとうレミさんこの時なんとすでに 10時前だった 時計を見てうわあっと思ってしまったが もう今更どうにもならないので電車に 飛び乗ったそうして電車に揺られて最寄り 駅で降りてダッシュしたのだが会社に着く 頃には汗だだった課長が俺を見てカに怒っ ている おいこらお前一体どこで何やってた えっと人助けをしておりましてそれで遅刻しておりましたつくならもっとマしな嘘をつけお前なんかが人助けできるわけないこんな時間まで何やってたんだアホか 本当なんです私は駅で倒れた女性にAED を使って救助しておりました ふうんそうなんだまあお前は下心があって そんなことしたんだよな だって女性にAEDを使う男なんて いらしいやしかいないに決まっている どうせ訴えられるぞまあ訴えられて人生 終了はさすが中卒 お前みたいな童貞にはお似合いのマロだ ひどいです私はそんな目的で助けたわけじゃありませんきっとご病気か何かがあって大変だと思ったので助けたまでです [音楽] [音楽] おお何生意きに反抗してるんだよお前が遅刻したことには変わりないだろう お前の代わりなんてたくさんいるんだぞ この会社で働かせてもらえているだけ ありがたいと思えよどうせお前なんて女性 から訴えられるだけだ震えて待ってろ底辺 君 そんな田山課長はひどいことを言って ニヤニヤ笑っていた俺はただあの女性が 心配でたまらなかったし助けたかっただけ だ神に誓っていらしい目的で近づいたわけ ではないこんな発想をして意地悪を言って くる課長こそいらしいと思ったでもどう しようやっぱり訴えられるのかなでも俺が やったことは正しいしあの時レミさんが AEDを持ってきてくれてなかったら俺が あの人を放置して探し回っていたはずそう だとするとやっぱり俺は正しかったんだ ああ神様どうか助けてくださいあの女性と 俺を守ってください 普段何も進仰していない俺だがこの時 ばかりは神様に祈ったよくある困った時の 神田の身というやつであるそれから俺は 普段通りの業務をこなしていたのだが課長 が俺に対してやたら嫌みったらしく言って きてイライラしたただでさえ不安なのに 課長は今日助けた女性のことでチクチク 言ってくるのだそれから課長は俺に対して やたら多い仕事を押し付けてきた他のやが やっている業務も俺に割り振ったのだ お前はこれとこれやっておけ明日までにA 社の見積もり出しておけそれからB社に今 から行って契約取ってこいよえでもB社田 さんの担当してる会社ですよね なんで私がやるんですか お前俺には向かうのか?いいからやれって言ってるんだ俺の命令が聞けないのか そんな無茶ですよだって私B 社のことなんて何も知りませんし おい山田このアホが何か言ってるからお前の持ってる資料とか全部渡してやって 今からこいつを向かわせるから えそんな待ってください 言い訳けばっかりしてないで会社に貢献したらどうなんだ?遅刻大魔王君 [音楽] 山田という男性社員も嫌なやで俺を見下していた彼は会社で成績がいいので俺みたいなやが嫌いなんだろう [音楽] 俺は至って平凡でこれと言って営業成績が いいわけでもない山田は営業トップだった しお荷物社員の俺のことを嫌っていたのだ 確かに仕事ができない俺が悪いのだがここ までみんなから気嫌いされなくてもいいと 思うなんでみんなこんなに冷たいんだろう か俺はだんだん皮屈な考えになりやっぱり 俺が中卒だからこんな風に扱われるんだと 思ったでも中卒で働くことを選んだのは 紛れもなく俺自身であるやろうと思えば 生活保護を受けて高校にだって進学できた し小学金を得て大学にだって行けたはずだ 制度を知らなかった俺が悪いしそういう ことを調べず努力すらしなかった俺のせい だしかしここまでひどい扱いを受ける言わ れはない言われた通り山田から資料を 受け取って俺は必死に頭にデータを 叩き込んだB社の会社の取引状況や売上 推移なんかも頭にインプットしようと懸命 になった してB社にアポを取って伺うと思ったのだ がそちらは都合が悪いらしく今度にして くれと言われた課長はちょっと面白くなさ そうで下打ちをしていたああお前が ケちょんケちょんに言われて帰ってくる ところは見たかったのになあ じゃあB 社と契約をしてこいっていうのは嘘でただ私がけなされるところが見たかったってことですか?ああそうだよそれが何かあそこの上田原社長はとっても怖いしどうせお前みたいな出来底損ないが言っても契約なんて取れないだろうよマジで面白いわ [音楽] そんなのあちらに迷惑ですし やめてくださいよ一体何考えてるんですか お前さ誰に向かってそんな偉そうな口聞いてるの?俺は課長だよお前はただの平社員それも中卒の平なんだ俺に向かって舐めた口聞いてるとだじゃおかねえぞ [拍手] 課長は昔悪さをして何度も警察のお世話に なっていたらしい飲み会の席などで過去の 武勇などを聞かされるのだがその話は大体 いつも同じだった何度も同じ話をされて うんざりなのだが課長はきっと話したこと を忘れているに違いないそれか覚えていた としてもただ自慢したいだけなので俺たち が静まりをどうでもいいと思っているの だろう それでさあ俺は15の時にバイクを盗んで 走り回ったってわけよ小崎豊かの歌にあっ たろ盗んだバイクで走り出す うわまたこの話やってるよ これ何回目だと思ってるんだろう [音楽] そんでさあ俺は釘バット持ってたんよいいだろかっけえだろ俺は番長って呼ばれてたからなそんなこと今更話してどうすんだよ痛い大人だなあもうこの人 45歳なのに何してるんだろう 昔悪かった自慢とか本当にどうでもいいわ 課長は自分が悪だったアピールを毎回して くるので本当に鬱陶しかったはっきり言っ て興味ないし女子社員も苦笑いなので空気 を読んで欲しいと思うだけど課長は空気を 読むのが下手なのかあえて読んでいないの か知らないがとにかく自慢がすごかった どうでもいい話を何度も聞かされるこっち の身にもなってほしいと思うそして会社で もイらつくことがあるとすぐにお年のよう な言葉を使うのだ実際に手を出されたりし たことはさすがにないのだが元々不良だっ たので至るところにその返俺は学生の頃 とても大なしいタイプだったのでこういっ た人種は本当に苦手である翌日俺は たくさんの仕事があったので早めに会社に 行ったすでに課長がいて俺を睨んでいた お前は上司より早く来ることもできないの かこれだから使えない中卒ははあ も出てないアホはやっぱりダめだな常識がなってねえ [音楽] あまり他人のことを悪く言いたくないが課長の言っていた高校はヤンキーで有名だっただから中卒の俺を見下しても正直どんぐりの性比べなんじゃないかなと思った [音楽] 新学校に行きとてもいい有名大学を出たと かならまだ分からないでもないが元不良の 人間にこんなことを言われても困る不良で あっても今は真面目に生きているならそれ でいいが課長は元不良アピールがすごいし やたら選ぶっていたので尊敬できないなぜ こんなのが課長になれたのかわからないが この人は猫を被ることだけは天才的だった 社長の前でヘコへコしごまを吸っているの を何度も見たのだがはっきり言って別人 だった俺は課長のことを無視して業務を 始めたうちは朝の9時からスタートなのだ がまだ8時前だった課長に押し付けられた 仕事のせいでどんなに早く会社に来ても 意味がないくらいだきっと今日も残業なの だろう昨日も結局残業して帰ったのは夜 23時だったくびれてぐったりしていたの で通勤途中にコンビニで買った栄養 ドリンクを流し込む効果があるのかは知ら ないが飲まないよりはマだと思ったのだ こういうのはある種のプラシーボだろう それから9時になったうちの会社は小さい ので社長室というものがない社長はいつも 俺たちと同じフロアにいて重要な話がある 時だけ大雪を使っていた社長の目の前に 置かれていた電話が桁たましくなり社長は それに出た はいはいえそうですかありがとうござい ますわざわざご連絡いただき 社長の声はここからあまり聞こえないが ちょっと焦っているように見えた俺は何か アクシデントでもあったのかなと思って 社長を見つめてしまった社長は震える手で 樹を置いてそれからこう呟いたのだ とんでもないことに ん何かありましたかいやB社の上田原社長 からだったんだが佐々木君に話がしたいと 言っておられておいコラスお前のせいじゃ ないのかもしかして昨日アポを入れたのに すっぽかしたとか いやあちらは今日伺う予定になっていまし た昨日は都合がつかないと それ本当か?間違いとかじゃないんだろうな はい秘書の方を通してお話したので間違いありません上田原社長は昨日はご多忙だったようですので もしかして失礼な電話したとか変なメールよこしたとかじゃねえだろうな本当使えないやつ いや違うんだよえどういうことですか [音楽] 上田原社長がお礼を言いたいとおっしゃっておられるんだほうそれはつまり私にってことですよねまあ前に B 社を担当していたのは私ですしね佐々には何の感謝もないでしょう いや君にじゃなくて佐々木君にだよ佐々木 君は昨日駅で倒れていた女性を助けたんだ よねその女性上田原社長の娘さんだったん だあなんですって 課長はま抜けな声を出して驚いていただが 俺も同時にびっくりしたの女性がB社の 上田原社長のご霊嬢だなんて思いもし なかったからだ娘さんは心臓の病気があっ て大変らしいんだそれであの日は病院へ 行くため駅の方に向かっていたとのことで ねそうだったんですかそれは知りません でしたそれにしてもびっくりですね上田原 社長の娘さんだったなんて全くわかりませ んでした 女の子は男親に似ると言われているが必ず しもそうじゃないしなあ上田原社長は君に 痛く感謝していたよそれで君に直接お礼を 言いたいそうだでもどうして私だと分かっ たんでしょうだってあの時娘さんの意識は なかったんですよ 君そこで看護学生さんと出会って協力して救助してくれたんだろうその学生さんが君が落としていった電子マネーカードを発見したんだよそこに名前があったから君と分かったんだ [音楽] いつもパスケースに入れてたんですがどうやらないわけですね俺は電子マネーカードでも買い物をしていた [音楽] 今日もコンビニでそれを使って決済しよう と思ったのだがパスケースになかったので 家に忘れてきたと思っていたしかし実は あの時落としておりさんが発見してくれた のだそこに名前も書かれていたので俺の 名前が判明した俺はB社にはすでにアポの 連絡を入れていたのでお年主と俺が同一 人物だと分かったのだ 佐々木なんて苗字は珍しくないが至ると いう名前はそこまで多くないしかも至るの 字は漢字で至ると書くからだもちろんB社 には電話だけではなくメールも丁寧にして いたのでそれで分かったんだろう佐々君 本当に君は素晴らしいよそんなことをして いたなんて知らなかったよ だって私は昨日出張で大阪にいたしね いえいえただ困っている人を放っておけなかったんですそれにしてもわざわざお礼の電話なんて娘さんは今大丈夫なんでしょうか?もう大丈夫だそうだよあれからすぐに処置をしてもらってことなきを得たらしいそれで娘さんも意識を取り戻したなんだ [音楽] [音楽] 彼女も今はもう起きて君にお礼を言いたい とのことだ看護学生さんが君のことを話し たそうでね手付きが慣れてたって学生さん が言ってたそうだよえこいつの手付きが 慣れてた女性の服を脱してそういうことを きっといらしい目線で見ていたに違いあり ません社長騙されてはいけませんよこいつ はゲスです 君は何を言ってるんだその発想こそゲスだ と思うんだけどね倒れている人が女性で あってもためらわずAEDを使ったなんて 偉いじゃないか最近は女性にAEDを使っ た後で何か言われるかもしれないと思って ためらう人が多いらしいしきちんとやった 佐々木君は立派だよ もしかして前にも人助けをしたことがあるのか いえ人に使ったのはこれが初めてですですが私は講習を受けたことがあり実は使い方を知っていたのです えそうだったのかだから慣れていたんだね はいつか誰かの役に立てるようにと思って講習を受けていました でも本当に誰か助けるなんて思ってい なかったので受けていてよかったです 俺は前に救命の講習を受けたことがあった ただ興味があってやってみようと思ったの だが結構知識がつくし誰かのためになれる ならそれでいいと思ったでも本当にAED を使う機会が来るなんて思っていなかった からあの時は気が同点していた 助けてくれたレミさんがいなければ1人で あたふしていたかもしれない俺は自分1人 で娘さんを助けたわけじゃないと思った 優しいレミさんがいたからこそ安心して AEDを使うことができたのだそれから娘 さんは退員したそうだ上田原社長は俺と レミさんにご馳想をしたいと言って レストランに招いてくれた そこには元気になって顔色のいい娘さんが いた どうもこの度は娘を助けてくださり ありがとうございましたこっちが娘の南 です 初めましてではないですけどきちんとご 挨拶するのはこれが初めてですねこの間は 助けてくださりありがとうございました いえいえ私は何もしておりませんよこのレミさんがそばについていたんですから いえ私は救急車に乗っただけで何も あの時私のことが他から見えないようトレンチコートで覆ってくれてたんですよね知ってますよ [音楽] えなぜ知っているんですか ちょうど動画がアップされていたんです 私のことは覆われていて見えないようになっていましたけれどあなた方が救助してくれている様子が移されていたんですよ そうでしたか レミさんがそうしてくださったおかげで私は安心してあれを使うことができました本当に助かってよかったです 君たちには感謝してもしきれないよ うちの南がこうやって助かったんだから南 は生まれた時から体が弱くて心臓も少し 弱いんだだから毎月大学病院に行って検査 をしたりしているんだけどあの日は ちょうど検査の日だったんだよそうあの日 はちょっといつもより体調が良くなかった けれどだからこそ病院に行って検査して もらおうと思って頑張っていたんですでも 途中で気分が悪くなって息をするのも しんどくなって気づいたら私はベッドの上 でしたあの時心臓が止まってたんですねで もAEDを使ってもらったおかげで私は 病院についてすぐに処置をしてもらい意識 も回復したんですそうですかでも本当に 間に合って良かったですまあ私はただ AEDの使い方を知っていただけなので運 が良かったのですがいえ運重要な要素です よあなたがいなければ私は誰にも助けて もらえず倒れたままだったかもしれません しねもし少しでも遅れていたら脳に酸素が 生き渡らずあの世に行っていたかもしれ ませんだって呼吸も止まっていましたしね それなら良かったというかいや良かったという言い方は変ですかねまあお役に立てたなら光栄です [音楽] 本当に助かってよかったです私最後までいられなくてすみませんお父様が来られてから帰ってしまいましたからそれはいいんですよだってあなただってお忙しいでしょうし [音楽] レミさんは看護学生さんだからやること だっていっぱいあるでしょうなのに学校の 授業より私を優先してくださって本当に ありがとうございます レミさんがいてくれたから佐々木君のこと も分かったんだそうじゃなきゃ取引先の 社員だとも分からなかったろうたまたま 佐々木君がカードを落としていてまたうち にメールや電話をしていたから同一人物と 特定できたわけだがこれも何かの縁だと 思うさあたくさん食べてくれ今日はご自装 するから遠慮しないでいいからねえでも そんなの悪いですこういう時は素直に 甘えるものだよ になったらわかるさそうですよこれは ほんの気持ちですからどうぞ食べて くださいねではいただきますねありがとう ございますありがとうございますそうして レミさんは上田原社長親子と共に食事をし た結構高級なお店だったので緊張して しまったがお料理はどれも一級品だった 聞けばこの店は上田原社長がよく家族で来 ている店らしいやっぱり社長となると こんなにいいものを食べているんだなと 思った貧乏家庭だった俺には縁がないもの だったので珍しいものを食べて満足できた 今日はどうもありがとうございましたとても美いしかったです [音楽] 本当にありがとうございます [音楽] いやいやいいんだよこれはただの気持ち程度だから君たちが満足してくれたなら私はそれでいいんだなあ南ええお 2 人が満足してくださったのなら幸いですこのご案は一生忘れません そんな大げさなでも助かって本当に良かっ たですお体に気をつけてくださいねはい ありがとうございますこれからもっと健康 に気を使って生活しますね私も困っている 人がいたらすぐに助けられるようになり たいですだから勉強が辛くても頑張って 看護師になって見せます あなたには看護師がぴったりだと思うわ是非頑張ってね はい それから俺たちは解散した南さんが助かって本当に良かったと思う俺はただの興味本意だったが救命講習をしていて良かったと感じたは役に立つことがあるかもしれないしやっぱり人生に無駄なことなんてないと思ったからだ [音楽] [音楽] ちなみに俺はB社での契約を成功させ俺が 恥を書くところを見たくてたまらなかった 課長は悔しそうにしていた俺に対して同じ ように意地悪をしていた山田も悔しがって いた結局上田原社長から今度から担当は 佐々木君でと言われたので俺が担当になっ たのである課長も山田もこれには激怒して 勝手にギャーギャー騒いでいた俺としては 頑張った結果なので騒いで文句を言われて も困るなといった感じであるそれから何度 もB社に足を運び俺は大きなを成功させて うちの社長からも評価された社長は俺を 昇進させると言っていたので課長は俺に 対して暴言を吐きまくっていただがその 暴言が行きすぎていたのでさすがに社長が 怒ったのである田山君なんだねその物言い はそんな言い方をしていいと思っているの かいやただ私はこいつが昇心なんて早いと 思っているから行ったまでです 君は課長だろう課長という人間が部下に 対してそんな威圧的な態度を取ってどう するんだ私は出張が多いし君を信頼してい たんだよ私がいなくても君ならうまく やれると思っていたのにどうしてそんな 言い方をするんだいそれじゃあ嫌がらせ じゃない かですがこいつのような貧乏中卒が昇心 なんてありえません私は断固反対します 君は人のことを言える立場かいここに入っ た時不良っぽさが抜けきれていなかった じゃないかそれでも私は君を信じて教育し こうして課長にしたんだ きっと私は騙されていたんだねああ佐々木君ごめんよ私がしっかりしてないから いや私はそこまで気にしていないので大丈夫です それから女性社員からも苦情が出ていてこれ以上放置できないから田山君にはやめてもらうよ えちょっと待ってください 苦情って何ですか?いらしいことをしようとしたそうじゃないか全く何をやっているんだね えっとその 俺が人命救助をしたのをいらしい目線で見ていたに違いないとか言っていたくせにこの課長の方が頭の中はしいことでいっぱいだったみたいだ [音楽] どうも女性社員に嫌なことをして苦情が 直接社長の方に行ってしまったらしい こんな変態な人間はもうここにいてくれ なくて結構だと思ったあれから課長は解雇 になったので俺のストレスは軽減された相 変わらず仕事は忙しいが成績も上がって いるので山田からの意地悪もない実力が ある人間に対して何を言ったって初詮 負け犬の遠いにしかならないからだそして 俺は2年経ってなんと南さんと結婚した 彼女の方から告白してくれて俺は本当に ドキドキした妻となった南は心臓が悪いの で子供を産むことができないでも俺は子供 を産んで欲しいから結婚したわけじゃない し南と共に過ごせるだけで良かった上田原 社長には息子さんもいて俺にとっては犠牲 に当たるだから俺が向こ入りして後を継ぐ 必要もなかったそういうわけで相変わらず 今も同じ会社で働いているそれから数年が さらに経過した俺と南には子供がいると 言っても南が産んだ子供ではない南の病気 が落ち着いて体力もついてきたので用姿を 引き取ったのだ用姿となった娘のカレンは 俺たちと血が繋がっていないのにやること なすことそっくりだそしてどこか笑った顔 も妻に似ている根元も似ているから知ら ない人はみんな普通の親子だと思うらしい カレンは元気だが寄付のある子供だっただ から南がたまに皮膚に連れて行ったのだが そこになんとれさんがいたレミさんは皮膚 で働く看護師になっていたのだこんな ところで会えるなんて思ってなかったわ 前に行っていた皮膚のおじいちゃん先生が亡くなったからここに変えたのよ そうだったんですか この子は姿だけど私の愛する娘なのアトピーが最近ひどくてねかわいそうに痒そうで私も幼い頃ひどかったんですが年齢と共に落ち着くこともあるので頑張りましょう [音楽] そうね今気よくやっていくわ 俺は今こうして南とカレンと暮らすことが できて本当に幸せだまだまだ親としては 未熟だけれどどうか彼女たちにはいつまで も元気でいてほしいし常に笑っていて もらいたいだから仕事だって頑張るし育児 にも積極的に参加していこうと思える今は 課長補佐だけれどいつかはもっと昇心し たい家族のために頑張って稼ぎたいと思っ ている 終わりだわもうどうしようもできない約束 していた通訳がこず正談がダメになりそう な社長の顔色は真っさだ今回の クライアントは人筋縄ではいかない相手 頑張っている社長の力になりたくて俺は ついに決心をする俺の口から流長な フランス語が流れるとその場の空気は一変 したのだそして俺の名はセ田徳馬30歳 突然だが俺のあだ名は役たずさんだいや ひどくないかもちろん俺の前でそんな風に 呼ぶやはいないだが影でそう言われている のは知っているというか俺の耳にも入っ てる時点でそれ影口とは言わない本当 役たずさんには参っちゃうわよねなんで あんなに役たずなんだろう本人に聞こえ たらもはや公然の事実だよな俺が働いて いるのは清水株式会社という中堅の勝者だ 勝者って言うとビジネスマンがスーツを 着こなしてバリバリ活躍するイメージかも しれないが俺はその輪の中に入れず ひたすら窓際で雑用をこなす存在だなんて 言ったって役たずさんだからだせ田さんお 茶お願いできますかみんなちょっと休憩し たいみたいではいかしこまりました俺は 素直に急頭室へ向かい人数分のお茶を 入れるそれをトレーに入れて1人1人の デスクに置いていくどうぞどうぞほぼさ ないように注意してお茶を配り終わり ほっと自石で息をつくだが席に戻った瞬間 にひそひそ声が聞こえてきた女性事務の 杉浦さんだ やっぱり役たたたずさんは役たたたずさんよねえだってこれ欲茶じゃない私はストレートの紅茶が好 きっその人が好きなもの入れないプチ休憩なのに [音楽] ああああそうですよね普通なら気を聞かせますよね杉浦さんはいわゆるおつ様だ いつも大声で他の人の嫌味を言ったり ため息をついて不嫌を巻き散らしている 女子社員も男性社員も挙げ国には上司まで もが彼女に気を使っていたもちろんおつ様 でもいいおつ様はいるだろう10位に気を 使いみんなが笑顔で働けるようにして くれるような残念だが我がにはいないよう だ ああなんか私ストレートの紅茶が飲みたい わ杉浦さんが大声を出して視線をチラチラ と送ってくるのを感じるああの杉浦さん すみませんすぐ紅茶に入れ替えます慌てて 立ち上がり杉浦さんから紙コップを 受け取るすると杉浦さんはにっこりと 大げさなくらい笑ったあらせ田さんいいの なんだか悪いわいいえすみません気が効か なくてそんなことないわよじゃあお願いね はい俺が再度急室に行くと背中から笑い声 が聞こえる本当期待を裏切らないわよね そうですねまあ役たずさんにお着みさせる 方が悪いのかも [笑い] 薬たたたずさんはたたたずさんですからね俺は何も言わず無言で紅茶を入れ直した別にいいけどな俺は気にしない俺の日常はこんな感じだああ今日は杉浦さんが休みなのかそれだけで一気に平和が上がる気がする だが俺にはあと1人要注意人物がいたその 1人が今俺のデスクにやってきたおい 瀬戸た引き先に渡す資料コピー取っといて くれ営業の高なが乱暴に書類を押し付けて くるはいわかりました素直に受け取り コピー機の前に立つコピーくらいなら ミスらないし俺は淡々とコピーをして 高なしに渡すおおそこ置いといてくれ ポピーのタバーを持ってきてもこちらの顔 すら見ることはないまあ通常運転だな俺が 席に戻って10分ほど経った時だおい瀬戸 高なしが鬼の行層で俺に近づく顔を真っ赤 にして頭から湯気でも出そうなほど一体 何事だろうこれ去年の資料じゃねえかどう してくれるんだよえ俺は高の言葉に驚き 書類をよく見るそれは確かに昨年の取引 データだっただけどそれを持ってきたのは 高なしだえでも俺渡された資料をそのまま コピーしましたよ俺が伝えると高なは目を 見開いておこるはあ俺が間違えたって言い てえのか いやそうじゃなくて俺は事実を伝えただけ ですと言おうとしたのだが仲しは最後まで 聞いてくれなかったもういい使えねえな バサっと乱暴に資料を投げ捨てる高なし俺 は無言でそれを拾ったその様子を見ていた 女子社員たちがまたクスクスと笑う ねえねえまたやらかしたんだって うん笑える今度は何去年の資料コピーした らしいわよその言葉に笑い声が起こる 本当役たずさんねもう名前役たずさんで いいんじゃないなんでこの会社にいるの うーんそれが1番の謎よねそこでまた 笑い声が起こる俺は何も聞こえなかったを して机の上で背を丸めたそして少しの間目 を閉じて感情をやり過ごしたのだった おはようございますおはようございます 社長おはようございます一応俺も挨拶を するがもちろん社長から返事が帰ってくる ことはない俺がいる清水株式会社の社長は 清水あという女性だ29歳にして社長と 言うだけあってめちゃくちゃ有能しかも 美人と来ていて車内の若い男どはみんな 憧れているでも一応彼女の社長業は期間 限定だ仙代の社長が病気療用中で復帰する までの代理社長だ頑張ってるよな本当 すごいや彼女はこんな俺にも笑顔で接して くれるセタさん来月の取引先のファイル ちゃんと整理しておいてくださいねはい 間違えないでくださいね自目で見られて しまう信用ゼロ当然のようにどうせミスる と思われている社長の視線には期待の かけらもない はい大丈夫です 俺が真面目な顔で頷くと彼女は笑う 冗談ですよ間違えるなんて思ってませんからどうやら彼女にからかわれたらしいしてやったりという笑顔は彼女を年齢相応に見せるまあされても困るんだけどなあれ以外俺は仕事ができないわけじゃない むしろある分野に関しては車内の誰よりも 優秀な自信があるまあ俺がそれを隠して いるから誰も知るわけがないんだけどそう この時の俺はまだ知らなかった役立たず 扱いされていた自分が会社のピンチを救う ことになるなんてせ宅君ポピーお願いあと この資料を営業部に回しといてくれるはい わかりましたさあ私たちも頑張るわよはい 今日も俺の仕事も雑用ばかりだっただけど その量は普段よりも少しだけ多いなぜ かってそれは大手海外企業との重要な相談 が決まったからだ清水株式会社の名運を 左右する大事な取引会社全体がピリピリし ていてみんな準備に予念がない違うわそこ の表現はそうじゃない当然社長での気合い も尋常じゃなかった父の不在でもこれは 大きなチャンスだ今日10時から ミーティングだからね全員5分前には来て てね会議室では日々社長筆頭に各部門の 担当者たちが入念な打ち合わせを繰り返し ている営業 部はプレゼン資料の準備とプラッシュアップそして俺は相変わらず雑用係かりだまあ俺にできるのはこれくらいだしな おい捨てたお茶を運んでいた俺に営業部の高なしがにつきながら声をかけてくる せっかくだしの挨拶くらい練習しとく まあセタには無理か そう言った後に小さく役立たずさんだし とつくしっかりと聞こえている 俺は苦笑いしながらそのまま足を進めた 全く役に立たないやつに雑用頼むのも不安 だな後ろでクスクスと笑い声がするいいさ 気にしない俺はただいつも通りの仕事を こなすだけだテクテクと歩いて社長室が 近づいてくると声が聞こえたうんうんそう よ大和田さんでお願いしようと思うの社長 の声が聞こえた俺は立ち止まり少しだけ 聞き耳を立てる大和田はじめさんですか彼 なら安心ですねええ彼なら語学も堪能だし それに用姿もいい先方にとって印象がいい でしょ 大和めどこかで聞いたことがある名前だ気になりながらも俺はノックして社長室に入る失礼いたします社長お茶を持ちしました そうありがとうそこに置いておいて社長の机には何枚かの履歴書が並んでいた俺は何気なく視線を落とした時ある名前が目に入る 大和田はめ俺は履歴書の顔写真を見て俺は 思わず息を飲んだ知ってるいやむしろ大学 時代に忘れがないくらい有名だった男だ俺 と同じ大学だったが接点はほぼないだが そんな俺でも知っているくらい大和輝いて いたマジか記念で出ただけなのにまさか 優勝するなんてな 大学のミスターコンテストで優勝し雑誌の モデル活動もしていたしかも語学も堪能で 英語だけでなくフランス語やドイツ語も 龍長に話せると噂だったまた大和田トップ だってよやばい聞いた大和田君今テニスし てるんだって嘘レアじゃんね見に行こうよ スポーツ万能成績も優秀まさに日の打ち所 のない男だった大して俺はどうだったか 特に目立つこともなくただひっそりと 過ごしていた人前に出るのは苦手だし社交 的でもない同じ大学にいたはずなのに まるで別世界の人間だったふーん俺はつい 履歴書をじっと見つめた大学時代と変わら ず整った顔立ちの写真経歴も花しく大手 企業の通訳経験があるらしいそりゃ社長が 選ぶのも当然だんどうかした社長が俺を 見上げるいえ何でもありません俺はそっと 履歴書から視線を外しお茶を置いた大和田 さんはきっとうちの会社の力になって くれるわ 社長はそう言って自信ありげに微笑んだ はい俺は軽く頭を下げ社長室を後にした それから2日後大和田が会社へやってきた 皆さん今日から我が社の通訳として協力し てくださる大和田はじめさんです本日は わざわざご挨拶に来ていただきました 社長の明るい声がオフィスに響く俺は後方からその光景を眺めていた社員たちの視線の先にいたのは大和田めああ本当にかこい モデルやってただけあるよね爽やかだしオーラが違うさすが社長の選んだ通訳こんな人が談についてくれるなんて安心だな 女性社員たちの目はキラキラと輝き男性 社員たちはどこか嫉妬含んだ視線を向けて いたまあ無理もない大和田は相変わらず 完璧な男だった更新身長整った顔立ち洗練 された仕草グランドのスーツをスマートに 着こなし清潔感も申し分ないそして何より その表情には絶対的な自信があった 初めまして大和田はめです低く響く声が オフィスを包む今回の正談では通訳として サポートさせていただきます皆さんと一緒 にお仕事できるのを楽しみにしています そう言って軽く頭を下げると女性社員たち から完成が上がるああ素敵やっぱりエリー とは違うねいい目の保用だわあの杉浦さん さえメロメロだ車内の雰囲気が一気に華 普段の礼な扱いとは運礼の差だな俺が挨拶 したところでああお疲れと流されるのが席 の山だまあ俺に期待されることなんて何も ないしなでは大原さん今日は短い時間でし たがよろしくお願いしますね社長の言葉に 大和田は軽く頷くええ正談当日は万全の 準備をして挑みますのでご安心ください彼 は最後に爽やかな笑顔を見せるとそのまま オフィスを後にした女性社員たちは名残り をしそうに見送っているああまたすぐ来て ほしいなこんなイケメンと一緒に仕事 できるなんて最やっぱりエリートは違うな エリートで顔もいい男たちは負傷しつつも どこか悔しそうな顔をしていたそんな中俺 は1人あることに気づく大和田がお尻の ポケットからスマホを出した時役園玉が 転がり落ちた 俺は拾って渡そうと大技の跡を追うように 廊下に出ると彼がスマホを耳に当てている のが見える俺が100円玉を拾った時彼が 通話を始めた はそんなもん悪いけどそっちに回す余裕 ねえわ声のトンが先ほどと全く違う先ほど の爽やかな雰囲気は消えせぶっキラボで 王平な口調だからさあなんとかごまかし とけよ適当に言い訳して実感稼げばいい だろ生み倒せばいいんだって何の話をして いる俺は足を止め柱の影からそっと様子を 伺ったつうかさあの正談もさ俺の適当な 英語でなんとかなるっしょ社長もちょろい し適当に調子合わせとけば勝手に信じ るって適当な英語俺は眉間にしがよるのが 分かったえバレたいやいや適当に乗り切る に決まってんじゃん俺の顔見ればみんな 騙されるんだからさほら俺イケメンだし めんどくさくなったらばっくれればいいん だって軽く笑う声が聞こえるスマホを ポケットに突っ込むと何事もなかったかの ように姿勢を正した俺は柱の影でしばらく 動けなかった大技は始めあの完璧に見える 男が実はただの口先だけのクズだった なんてだが今は黙っておこう今ここで指摘 したところで誰も俺の言葉なんて信じない だろう 何もないといいけどこうして運命の承談 当日清水株式会社の未来がかかった大手 海外企業との重要な交渉の日だ会場となる イベント会場のテーブルには最高級の コーヒーと茶が並び清水赤社長はスーツの 袖をぎゅっと握りしめていた俺は会場の セッティングに借り出されていたのだが おかしいわ社長の顔には明らかに焦りの色 が浮かんでいたそれもそのはず大和田は まだ来ていないのだどうして連絡がつか ないなんて社長はスマホを何度も操作し何 度も大和に電話をかけるコール音が鳴るだ が繋がらない繋がらない社長は顔を仕かめ たメールも未読のまま 何やってるの?大わだまさかこの大事な将団の日にすっぽかすなんてことがあるのか?いやでもあの大技の性格からしてありえそうではあるがそこへ社員の 1 人が駆け込んできた社長取引先のCEO がもうすぐこちらに入るそうです そんな 社長の顔色が変わる通訳なしでこの相談をどう乗り切れというのか相手の CEO はただのビジネスマンではなかった彼の名はエドワードハミルトン欧米を中心に巨大な展開する物で鉄な戦略としても有名だ彼にはある癖があった やっぱりあれがネックだよな彼は交渉相手 を試すために意図的に複数の言語を使うの だその言語もフランス語やドイツ語 スペイン語果てはロシア語までに渡る つまり優秀な通訳がいなければまともな 交渉すらできないこんなの無理よ社長は 絶望的な表情で椅子に沈み込んだ今更他の 通訳を探す時間はない社員たちも顔を 見合わせな空気が流れるどうしますか社長 もうどうしようもないわ社長が思わずそう 呟いたその時だったガチャ会議室の扉が 開く音そしてエドワードハミルトンが堂々 と入ってきた社長はハッとして顔をあげた グモーニンミスシミズ彼は微笑みながら 一例するその背後には数名の幹部クラスの 社員が控えていたさあ交渉を始めようそう 言いながら彼は席につく社長の手は小さく 震えていた通訳なしでこの正談をどう 乗り切るこのままでは会社が終わる青い顔 の社長を盗み見るとなんとなくその目には 涙が見えた気がしたその時だ俺が覚悟を 決めたのは真とした空気を切り裂くように 俺は静かに口を開いたボンジムシュ ハミルトン会議室にいる全員の視線が俺に 集中するえ社長が息を飲む社員たちも硬直 しただ呆然と俺を見つめていた彼は ゆっくりと眉をあげるおやフランス語を 話せるのですか彼は興味深そうに微笑む俺 は落ち着いた口調で続けたええそれに他 21言語も話せますんだと彼の表情が一瞬 で驚きに染まった会議室がとめいたちょ ちょっと待って社長が同揺した声をあげる どういうことなんでフランス語なんて 喋れるの俺は小さく息を吸いゆっくりと 社長の方を向いた すみませんこれまで言ってませんでしたが 俺22カ国語を話せるんです社員たちが さらにざめくは嘘だろえ捨てたって英語 すら危いと思ってたんだけどそんな 騒がしい会議室をよそに俺は彼に向き直っ た次は流長な英語だハミルトン様通訳が来 られないので私が本日の通訳を担当いたし ます 彼は驚きを隠せない様子で俺をじっと 見つめたそしてにありと笑う俺は面白い そう英語でつぶくと俺を試すように言語を 変えたではドイツ語で話そうか君たちの 今回の提案だが実に面白い俺は即座に ドイツ語で返すそれはありがとうござい ます現時点で懸念される点は何でしょうか すると彼は目を細め今度はロシア語で話し 始めたそうだな言わせてもらえればこの 数字の根拠を知りたい俺は彼が知りたい 根拠について社長に質問それはね直近の 市場データからなのほらここよ俺は 落ち着いて社長の言葉をロシア語にして 伝えたなるほど確かにこれなら数字の根拠 になり得るなそう言った彼は自分が連れて きた幹部たちと話をしている俺には彼が 話す言葉が分かったが社長を始め社員たち は緊張した様子で見ているそれにしても エドワードハミルトンには下を巻く本当に この人はどれだけの言語を操れるのだろう そして彼が口を開いたユの名前を教えて くれまさかの日本語で一瞬俺も拠トんとし てしまう彼はいたずらっこのような表情で 俺を見る俺に強く興味を持ったらしいセ田 徳馬ですセタそうか実に素晴らしい彼は 満足に頷き社長の方へ向き直った清水社長 あなたの会社にはとんでもない才能がいる ようですね社長はまだ状況を飲み込めてい ない様子だったが俺の方を見て何かを確信 したような目をしたええ本当にそう思い ます俺は笑いながらファミルトンに 向き直る日本語とてもお上手ですねそう ですよねこれだけ他言語を操れるあなたが 日本語ができないことはない俺がそう言う と彼はニやあやりと笑う日本語はとても 奥深い多少手こずったがなんとか聞いて もらえるようになったさ日本語が難しいの は本当によくわかります そちらの話し合いの結果をお聞きしてもあもちろんさ満一致で君たちと契約を結ごうあありがとうございます こうして団は順調に進み交渉は成功した清水会社は 1 つの大きな契約を勝ち取ったのだそれにしても君の通訳にあったのは初めてだとても素晴らしいよ 是非また君とは会いたいそう言って いただけて公栄です私も久しぶりに いろんな他言語を話すことができて 楽しかったですまたいつかお会いし ましょう俺は彼とがっちりと握手をする ああそうしよう次に会う時には私も君に 負けないように何か言語を習得しておこう かなそれはいいですねまた色々な言語で 話せることを楽しみにしています エドワードハミルトンとその幹部たちを 見送り俺は会場に戻ると近くにあった椅子 に各く腰をかけた疲れた久しぶりに他言語 を話して頭から湯気が出そうだっただけど やはりとても楽しくてせたさん社長がいつ の間にか俺のそばに立っている驚きと感謝 の目で俺を見ていたあなた一体何者なの その言葉に会場にいた社員たちも俺を 見つめているのが分かったそうだよなマジ で何者なんだよたざめきが広がる中俺は 軽く肩を救め静かに微笑んだただの 雑用係かりですよいやいや普通そんなに 話せるわけないでしょ英語だけとかでも 大変なのに社長がまだ信じられないといっ た表情で俺を見つめる俺は少し息を吐き 遠い記憶をたどるように語り始めたそう ですよね でも俺外交官の家に生まれたんです ええ 会場に再び嫁めきが走る父も母の外交官でした幼い頃から色々な国を点々として気づけば生活のために自然と他言語を身につけていました すごいじゃんちょちょっと待って それってどんな国に社員の1人が興奮気味 に聞く俺は思い出せる限りを言葉にして いくアメリカフランスドイツロシア中国 スペイン台湾ポーランドアイルランド他に も色々ですねそりゃ22カ国語も話せる わけだ 確かに育った環境ってすごいのねそんな声が溢れる中ある社員がぽつりとやくじゃあエリート中のエリートじゃんあれ?じゃあそんなエリートがなんでうちの会社で雑用なんか?その鳥に俺は少しだけ表情を曇もらせたエリートだなんてそんなものじゃありませんよ たまたま両親がそうだっただけで俺自身 なんて大したことないですから社長が俺を じっと見つめる何かあったの自分のことを そう思ってしまうようなこと俺は少し間を 置いてから静かに答えた社長の瞳は真剣で 何かごまかすことは無理そうだったから俺 は自分の過去を話し始めた小学6年生の時 両親が事故で亡くなりました会議室が 静まり本当に突然のことだった2人で デートの帰り交通事故に巻き込まれて しまったのだ息を引き取る前に2人とも俺 のことを気にしてくれていたそうだ俺を 残してはいけないと両親はとても優しい人 たちでした葬式にはたくさんの人が来て くれてその人たちもみんな俺のことを心配 してくれたんです両親の同僚や友人の中に は俺を引き取りたいと言ってくれる人たち もいただけど色々な話し合いの末に俺は 日本へ戻ることに父の両親はもう亡くなっ ていたので母の両親に育ててもらったそれ で日本に住んでいた祖父母の家に引き取ら れましたでもそれまでずっと海外暮らし だった俺にとって日本は全く知らない国 だったんです知らないって日本人なのに そう思われるのも無理はないだから俺は 丁寧に説明をした生まれは日本ですでも 物心つく前に海外に行ってずっと他言語 環境で生活していただから日本語は ほとんど話せなかったんです両親も日本語 で会話をする時もあったが豪にいれば豪に 従えということで土地を点々とするたびに その土地の言語を話していたのだだから俺 はほとんど日本語と接することなく生きて きたえじゃあ帰国してすぐの時って全く 話せませんでしたあの時は本当に苦労した 祖父が多少英語が話せる人だったから通訳 をしてもらって日本語を教えてもらった それでも少しずつ話せるようにはなったん ですけどやはり片言でしたよ日本人なのに 日本語が話せないクラスメイトにはすぐに 変なやつ扱いされましたそんなひどいわ なんで日本語ができないの日本人なん でしょって俺が何か言うたびに笑われたり 真似されたり子供ってそういうところある よなそうだな純粋な分きついことを平気で 話したりするしやったりするわ確かに子供 だったからかもしれないもう少し大きく なれば違ったと俺も思うそれで必死で日本 語を勉強しました不自由しないくらいには 話せるようになったんですけどねでも1度 ついた印象はなかなか消えなくて結局俺は クラスでも浮いたままでしたそうだったの だからいつしか目立たないようにしようっ て思うようになったんです海外ではどんな 国に行っても異国の子として扱われました 楽しいこともたくさんあったけど嫌なこと が全くないわけではなかったやはり差別さ れたこともあるしからかわれたりしたこと もある居場所を見つけるまで時間がかかっ たことも日本に来たら日本人なのに変なや とからかわれるなんだかどこに行っても居 場所がない気がして仕方ありませんでした 俺はふっと息をついたそれで人とあまり 関わらないようにして日本語がちゃんと 話せるようになってもすっかり引っ込み 事案になってしまったんですそれをこじら せてこんな大人になりました俺が最後 シャかしたように笑ってもみんなは笑って いない社長も社員たちも静かに俺の話を 聞いていた外議室には静かな空気が流れて いるああなんか気まずい空気だと思って いると沈黙の中ふと社長が微笑む ありがとうさん本当にありがとう俺は驚い たように社長を見る人と関わりたくなかっ たのにそれでも私を助けてくれて ありがとう社長の目には確かな感謝の色が 宿っていたあなたがいなかったら私もこの 会社もどうなっていたか分からないわ お父さんに会社が潰れちゃったって連絡し ないといけなかったかもだから本当に感謝 してるの俺は少し照れ臭くなり目をそらし ながら答える社長が頑張っているのを見て いましたからえ驚いた顔に俺は少し笑った あまり見せないそういう表情は29歳 らしいものだ俺はただの雑用係かりでした けど社長がどれだけこの会社のために必死 に頑張っていたか知っていますだから助け たかったそれだけです社長は驚いたように 目を見開いた後ふっと柔らかく笑った そんな風に思ってくれていたなんて ありがとうそれに俺は少し真き懐かしい 記憶を思い出しながら続けた仙代社長は俺 を雇ってくれた音人ですから父が社長は目 を丸くするえどこの会社に行っても居場所 を見つけられなかった俺をここで働かせて くれたのが仙代社長でしたここならお前の ペースでやればいいってそれは何とも お父さんらしいわ社長は微笑みながら 小さく頷いたその表情は父を誇らしく思っ ているのだろう俺も仙代社長を思い出して 心が温かくなっただから俺はここで働いて いたんですせめても恩返しがしたくてその 言葉を聞いた社長は深く頭を下げた本当に ありがとうお父さんの会社を守ってくれて そんなそんな社長頭をあげてください俺は 慌てて言う俺はただ自分がやるべきことを やっただけです社長はゆっくり顔をあげ まっすぐに俺を見たその目には強い信頼と 感謝の色が浮かんでいたそれでも私は あなたに感謝しているのありがとう 俺は照れ臭くなり軽く肩をすめた あああの背たふと後ろから高なしが俺を 呼ぶ声がする振り返るとそこには社員たち が立っていた彼らは気まずそうな表情を 浮かべながら俺を見ていたせああいやせた さん高なしにさ付けで呼ばれて俺は驚いた もせ呼びだったから今まで本当に進ま なかった高なしの言葉に他の社員たちも 次々と頭を下げる俺たち何も知らずに ずっとセ田さんのことを馬鹿にしてさんが いなかったらこの会社は終わってた本当に すみませんでしたひどいことばかり言って ごめんなさい本当にすみませんでした みんなが一斉に頭を下げる姿を見て俺は 少し驚いた正直今までのことを気にしてい なかったわけじゃない影で役立たずさんと 言われ軽んじられてるのは決して気持ちの いいものじゃなかったこれでいいと思おう としていたけどやっぱり心の中では傷つく でももういいですよ俺は静かに言ったたち は顔をあげ驚いた表情を浮かべる許して くれるんですかひどいこと言ったしてたの にそんなのもう気にしてませんから正直に 言えば気にしてました俺は軽く笑って見せ ただって俺みんなに役たずさんって言われ ても仕方がない働き方でしたからみんなが 俺をそう思うならそれでもいいって思って ましたでも今はもう違います社長や社員 たちが俺をまっすぐに見つめている俺も そろそろ変わらないといけませんねその 言葉に社長が嬉しそうに微笑んだええこれ からは一緒に頑張りましょうセ田さんまだ うちにいてくれる少し不安そうな社長俺は 小さく息を吐き穏やかに笑ったはい もちろんですこうして俺と会社の関係は 大きく変わったのだったあの日以来会社の 中で俺を役たずさんと呼ぶものは誰もい なくなったそれどころかみんなが俺に 温かく接してくれるせ田さんお疲れ様です 今度言語の勉強を教えてもらえませんか そんな言葉をかけられるたびに胸の奥が ふすぐったいような気持ちになる俺はここ にいてもいいんだそんな実感が少しずつ 湧いてきたある日あの場にいなかった杉浦 さんが俺の前に立ったせ君どこか言いにく そうにしている彼女に俺は軽く微笑む おはようございます杉浦さん俺が挨拶をし てもその場から立ち去る様子はないその 彼女は視線をそらしもじも字しながら 小さく頭を下げた今までのことごめん なさいね俺は驚いたまさか杉浦さんが謝っ てくれるとは私あなたのことを何もでき ない人だと思ってたのでも実際は違ったの よね本当にごめんなさい気にしてませんよ 俺は静かに答える俺も何も言わなかったん ですから杉浦さんは少し驚いたように目を 見開いた後ふっと笑ったありがとう君そう 言って彼女はそっと肩を叩いてくれたとし て最近になって仙台社長も復帰し元気に 働いているいやあ俺がいない間に会社が 偉いことになってたみたいだな仙代社長は 豪快に笑いながら俺の肩をポンと叩いた せったお前が助けてくれたんだってな そんな大したことじゃありません俺は 苦笑いしながら答えるいや大したことだよ 仙代社長は真剣な顔で俺を見つめたお前は ずっと目立たないように生きてきたのかも しれないでもなそれでも必要な時には 動ける人間ってのは本当に貴重なんだ俺は その言葉にじっと仙代社長の顔を見つめた だからこそ頼みがあるそう言って彼は にやりと笑ったお前の語学力を生かせる 部署に移ってくれないか俺は本当に驚いた え今のうちの会社には国際的な取引が増え ているお前の力が絶対に必要なんだ仙代 社長の言葉に俺は少し考え込んだでもすぐ に答えは出たわかりました俺は静かに頷く やらせてくださいこうして俺は新しい部署 で働くことになったそこでは俺の語学力が 存分に生かされ日々充実した仕事ができて いる せ君次の海外プロジェクト通訳として同行してもらえないか セ田さん急ぎでこのメールの翻訳お願いできますか?最初は戸惑うこともあったが今ではこの場所が自分の居場所だと感じるようになっていた人にはちゃんと輝ける場所があるそれを手に入れるためには自分から動かなければならない時もあるということをこの会社で学んだ これからもここで一生懸命に働いていこう俺が輝く場所はここなんだから本当ですか あもう決めたことだゆ会長室で秘書の山根有リ沙とのやり取りを俺は思い起こしていた大手食品会社の会長県 CEOになって半年が経過していた 僕は父から後をついで会長県CEOになっ たが社員の声や思いを聞きたかったそこで 業務の合間を塗って全国の死者を巡ること を実行に移した今日は朝1番の新幹線で 東京を立ち広島飛車に向かう予定がある さてそろそろ出かけるか 僕森マキアは静かな部屋の中で鏡の前に 立っていた僕はスーツを切るのをやめ カジュアルな服装に身を包み直した黒の ジャケットに白のTシャツそしてジーンズ というたちこれは普段当たり前のように 過ごしている会長県CEOとしての異厳と は無縁の姿だ帽子を深くかりサングラスを かけ自分の顔を隠す準備を整えていた これが本当の自分かもしれないなあ そんな独り言を呟いてみたが誰も反応が あるわけではない普段の僕は企業の顔とし て常に他人の期待に答えなければならない でも今日は違う今日はただの一市民だ 鏡の中の自分を見つめながら僕は心の中で 今の服装に満足していた会長としての 役割りを果たすことは重要だがたまにその 重圧に押しつされそうになる半年前に会長 県CEOに就任した僕は経営者としての 責任感を強く感じていた社員たちの声を 聞くことができていないのではないだろう か服を着替え終えた僕はその服装を一望 する鏡を見つめ自分を俯瞰していた僕が こうして服装をカジュアルに変えて会長と 思われないように振る舞う理由は僕が自分 自身に貸したある使命を忠実に実行する ためだ 上司の嫌な行動が止まりません先日は 飲み会えでお腹を触られました せっかく理想の職業に透けたのにこのままではやめざるを得ません [音楽] 先輩の指導が厳しすぎます重要な情報をわざと教えてもらえないなど仕事にも視聴をしています私はもうつでも自表を出せます [音楽] 最近僕の元には名代しの若い社員たちからの匿名のメールが届く そのメールの件数は次第に増えており内容 は上司に対する苦情だった若くて才能の ある社員たちからの苦しい訴えが相ついで いるのだ社員たちが苦しんでいるのもこの まま放置してはおけない彼らの声を直接 聞かなければ何も始まらないではないか 僕は経営者としての責任感を感じて社員 たちの声を聞くことができていないその 事連マを抱えていたそのために行動し なければと考えていた 会長を当てに直接メールを送る専用 フォームを解説します 会長に就任した直後僕が車内に対して宣言 したこの行為によって社員たちは会長に 対して直接自身のことを訴える機会を得た のだ 僕自身は新しい事業のアイデアなどを寄せ てもらえると期待していたのだがことは そうもいかず実際には社員たちが苦しんで いる実情をトロするものばかり社員からの 必要なメールを読むたびに僕の心は痛み 無力感に苛まれた こうなったらこれらの投稿に直接 リアクションを起こすべきですやはりそう でしょうか会長は意見を聞くと言っても その結果としてリアクションをしないそう 思われることで社員の式が下がり会社の 生産性が低下すると思います 経営者としてまだ経験の少ない僕を コンサルティングの専門家である有田二司 は社員たちからの心の叫びに何かしらの リアクションが必要だと提案した少なく とも会長ご自身が直接その社員に会うなど のアクションはあって叱るべきではない でしょうかそのことが社員の信頼度を高め ます有田のアドバイスを聞いた僕は是非 それを実行したいと思ったしかし堂々と 会長が死者などに出向けば彼らの苦しい 実情が隠蔽され問題の解決には至らないの ではないかと僕はその点を深刻に受け止め た実際先月に訪れた新潟死者や金沢死者は 会長が来ると分かって身構まえており社長 や死者の重約が僕を艦肝心の若い社員の 登場はなく彼らや彼女らがメールで訴えて きた庁代理への苦情を確認できるような 現実を確認することはできなかったその ことが非常に悔しかったのだ 僕が会長と分からないように死者の様子を 見てみるのはどうだろう僕は変装して現場 に足を運ぶことで彼らの実情を知ることが でき職場環境の悪化に苦しんでいる彼らの 手助けができるのではないかと考えた社員 たちと同じ目線で彼らの思いや苦労を理解 することそれができれば経営者としての 自分も成長できるはずだそう考えた僕は 全国の死者を内密に巡り若い社員の叫びを 受け止めようとした全国企業である森の 会長が長期間本社を離れるわけにはいか ないが秘書の山根有沙のスケジューリング の工夫もあって時間を年出できたそして 今日は1泊2日の予定で広島市を訪れる ことにした次第ださて今日はどの変装を するべきかな僕は深呼吸をし心を落ち着け たそして選んだのがこの服装というわけだ 今日はかなりシンプルですね広島に向かう 新幹線の車内で有リ沙は僕の服装を見て 評価してくる コンセプトは通りがかりの若者って感じだけどおかしいかい おかしくはないですけど広島市社内にこんなカジュアルな人がいればなんだか違和感を覚えるかなってすみません私の個人的感想です そうかいや君のファッション戦争を疑っているわけじゃないちょっと作戦を変更することも考えないといけないかもしれないな 広島までの約4時間の道中で僕たちは何気 ない会話をしながら広島死者での隠密視殺 についてその行動や方法を考えていた現場 の空気を感じることで何が必要かを見極め たいんだ社員たちの真実の声を聞くために 会長としての肩書きを外したいんだよ会長 のお気持ちは理解しますタブレットで変装 を確認しましょう有沙が僕に会いそうな スタイルをチェックできるアプリを用意し てくれた既存のファッションアプリを使っ ていて服装も自由に変えられるらしい 僕はこのアプリで自分に似合う 変装スタイルをチェックしてみた この服装にすれば僕が会長と見られること はないだろうそう思いますじゃホテルに チェックしてからご用意してみます が席を外し衣服の手配のために業者に連絡 を取ってくるという僕は有沙に全てを託し タブレットをそっと閉じたそして新幹線の 車窓に目を向け少し眠ることにした 会長なんて本当はなりたくはなかったんだ けどなあ 半年前森フードの会長県CEOは自身では なく父親であったその父親が体調を崩して 西洋を必要とすることとなりその後その 公人は僕と決められた将来的に後を継ぐ ことにはなっていたがいきなり平社員から 会長になるとは思っても見なかったもう 少し社員として経験を積んで会長を継ぎ たかったよ事情があるのだ私も命を削って まで会長の椅子にはしてないお前もこの 会社で23年間経験を積んできたやがって CEOになるのに時間は関係ない肺の病気 を 訴える北海道で西洋をするという父に僕は 逆らえなかったこうして半年前に会長に なった僕は誰かに頼るわけにもいかず自分 なりの会長像を見つけようと努力したが その答えを見い出すことはできていない森 フードを快適な職場にする今はそれしか できない深長としてできることに限りは あったが少なくとも社員たちの心情を 組み取ることそのための努力はしたかった だから僕はこうして全国の死者を回ること にしたのだお昼ご飯はどうされますか定番 のお好み焼きって感じですかそうだな広島 の訪問は午後1番じゃなくてもいいだろう から ホテルの近くにあるお好み焼け行ってみようじゃないか そうおっしゃると思いましたのでホテルの近くの店予約しておきました 食のことに関しては行動が特に早いよねつも 痛み入ります JR 広島駅は海洋以来の大海層が進みま新しいビルが点高くそびえ立っていたそしてそのビルを包み込むように真夏の晴れた空が広がっていた [音楽] 青い空に白い雲が浮かび穏やかな風が僕の 頬を撫でるホテルまでの道乗りを歩くこと にした僕は広島の街並を満喫していた遠く に見える電園風景や山々が印象的でそして 町の幻想が交互に広がる中で僕は静かに 自分に課せられた使命を改めて気持ちの中 で整理していた森フードの会長として社員 たちの声を直接聞くことが会社の成長の きっかけとなり会社の未来を切り開く鍵に なると思った 社員1人1人の声を聞くことで森フードを より良い企業にするそのためのヒントが 見つかるはずだ今日の一歩が未来を変える きっかけになる僕はホテルに近づくにすれ 心が高なるのを感じていたそしてその後 広島市に出向いて社員の様子をどのように 把握しどのように彼らの心の知るかを シュミュレートしていたのだった会長到着 しましたなんだか古というかなんというか 汚いホテルだとはなかなか言えなかった 予約した有リ沙の機嫌を損ねるからだ正直 言って中学旅行生が止まるような昭和 スタイルのビジネスホテルであった入り口 には実際に中学旅行生がたくさんいてこれ から広島の町に繰り出そうとはしゃぎ ながらロビーにたろしているある意味に 満ちている光景だった会長が高級ホテル から出てきたところを見られたらどうなり ます大浴場とサウナがあるのが唯一の 救いかな何かおっしゃいましたかあ いやいやなんでもないよこれ 以上僕の心の声が漏れないように有にチェックインを進める僕ロビーにいる外国人フロントマンに手続きを依頼するとなぜか英語で話しかけられる有リ沙と一緒に苦笑いしながら僕はエレベーターで自分の部屋へと向かうここのホテルの方にお願いしてこの衣装をお借りしました [音楽] [音楽] 部屋に入るとベッドの上に置かれていた清掃作業員の作業員セットに気がついた 先ほど新幹線の車内で色々と服装を見定める中で今日はこの衣装を選んだ 清掃作業員になって死者のオフィスフロアに何気なくてください 確かにそれは明暗だでもせっかくだから掃除もしようか [音楽] 本気ですか あトイレ掃除でも何でもやることにするよ社員が快適な環境で仕事をできるようにするのも会長の務めじゃないかそれもそうですね 特に社員の現実を知りたいと考えると トイレは石好の場所だお室内では入れない 本音もトイレで一瞬一緒になった社員同士 がついつい本音をもらすことが多いことは 僕も実態で知っているつまり僕が望んで いる現場の声を直接聞くには最適の場所だ と思ったのだとりあえずお昼にしましょう そうだなその後ホテルから徒歩3分の場所 にあるお好み焼き店に僕らは入った広島の お好み焼きは麺が入っているのが ベーシックだそうで僕はそばを選んだそれ にしても作業来てからここに来るなんて 思いませんでしたよでも聞かなしておか ないと社員にバレるかもしれないだろ ソースの匂いが染みついているくらいが リアリティもあっていいじゃないか 僕のコメントに有リ沙は薬と笑った彼女の笑顔を久々に見た気がするポでもしないとねここまでするだけの大事な仕事だよ若い社員たちが苦しんでいるのだからなんとか助けてあげたいと思うからね [音楽] 私も会場に助けていただいたのでその気持ちはよくわかります じゃ食べたらこの足で行こうか君はいつものように [音楽] はい成功法で行きますね 秘書として秘書長に応援しておきます 僕はお好み焼き店のトイレに入ると鏡で自分の姿を改めて確認した普段の自分とは全く異なる姿に満足して数秒間見つめてしまった社員たちの思いを直接感じ取るそのたびにいい芝居をしちゃ社員たちがどんな声をあげているのか自分の目や耳でしっかり握するぞ [音楽] 店を出ると店先で有理沙が待っていた僕は 有沙に作戦の回収を告げる言ってくる しばらく堂々と連絡は取れないから君の 判断で動いてもし何かあれば私の変装を 見抜かれないようにフォローしてくれいつ ものように社員たちの反応を見て必要なら サポートしますからご安心を僕は頷き お好み焼き店を後にしたそこから10分 ほど歩いた場所に昨年度進築した広島飛者 ビルが歯に入るこんなに新しいビルなのに 若い社員が苦労しているのか 広島市者の営業部にいる若手男性社員から の電子メールによると上司から指示が何度 も変更されることや業務命令と消した残業 が多くあるというこれらの対応により精神 的に参ってしまい給食する社員も出てきて いるとのことだ 彼らの訴えの証拠を少しでも集めておかね ば僕はいつものように眼鏡に仕込んでいる カメラのスイッチを入れた見と肛門のよう に悪業の現場を見つけて生売するのは僕の スタイルではない自らが証拠を集めて後日 になってからそれらを示して改善を迫る スタイルだだから僕が会長であることは 絶対に現場でバレないように徹底している 僕は何気なくビルの中に入ると清掃作業員 としての役割を意識した社員たちが フロ案内を忙しく生きかう中僕は1人の 清掃員として溶け込んだ誰も僕に会長だと 声をかけるものもいないしそもそも清掃員 に声をかけるものはいない挨拶ぐらいして もいいのに社会人としてのマナーを疑う ような思いを僕は抱いていたがとにかく先 を急いだ営業部の様子を真っ先に見たい僕 はそのため4回まで階段で登った階段で 向かう途中僕は周囲の様子をしっかりと 観察したガラス越しに見えるオフィスの中 では若い社員たちが科目に仕事をしている 真面目に仕事をしているというかお苦しく 辛そうにしているようにも見える彼らの 苦しみを理解したい楽しく生き生き仕事を してほしいオフィスの様子を買間見るたび に僕に現状僕に状況を打破したい強い思い が芽えた営業部のフロアに着くと僕は 真っ先にトイレに向かった男子トイレに 入ると用具から清掃用具を取り出しトイレ 掃除を始めるここで社員たちの声を直接 聞けば様々な問題の原因が分かるはずだ 社員たちが何を思い何に苦しんでいるのか 真実を知るために全力を尽くそう 僕は声に出さず心の中で自分の目的を貫া することを改めて誓いモを握る僕がトイレ 掃除を始めて5分ほどすると社員たちの 話し声や笑い声が聞こえてくる作業をし ながら注意深く周囲を観察し聞こえてくる 会話も聞き漏らさ掃除を続ける中で実際に トイレを使用する社員たちの会話は印象的 であった最近部長が厳しすぎるよね誰も あいつに逆らえないしちょっとしたことで となられる俺だって今朝1番にやられたよ 僕も怖くて何も言えないんだ上司に相談 するのもためらっちゃうよねあの子も先週 から休んでる部長にかなりやられていた からね 僕らがターゲットになるのは時間の問題だ よ 僕は彼らの声を聞き心が痛む思いがした 状況を改善しなければと改めて思った声を 集めようと掃除を続ける僕はモップを使っ て丁寧に床を拭いていた清掃用具を交換し 作業に集中していると突然背後から大きな 声が響いたどけ僕は驚いてのけぞり思わず 振り返った目の前に立っていたのは広島 死者の遠用部長である大和だった彼は 厳しい表情を浮かべ僕を見下すような視線 を送っている僕は自分が掃除をしている ことに対して大田が不快感を抱いているの が分かった邪魔なところで作業しやがって 周りを見て作業できないのか俺が用を済ま せるまで掃除をやめろ廊下で待ってろ 僕はその命令に従うしかなかったトイレの 外へと出て廊下で待機する大和田は僕が出 て行こうとするのを確認しふんと鼻で 背せら笑っていた あの男を確か3ヶ月前に本社に来た時面接 しているの大和田の印象を過去の記憶から 思い出し彼の情報を整理しようとした僕が 廊下に立っている間社員たちが忙しそうに オフィス内を生きっているオフィスの一角 からは電話の話し声や上司が部下を失席 する声が聞こえてくる僕はここで何が 起こっているのかを徹底的に把握したいと 思い始めた特に大和のような上司がいると 社員たちはどれだけ苦しんでいるのだろう そして最近届いた匿名のメールが何を意味 しているのかを改めて思い返した若い社員 たちが上司から厳しく失席され指導とも 言えない行為に苦しめられているそのこと に僕は胸を痛めたこれでは会社の生産性も 低下するそんなことを考えているうちに 大和田がトイレから出てきたすっきりと 満足げな表情を浮かべて出てきた彼は僕の 存在を確認すると下打ちをして信じられ ないことを言い放ったバイトのおっさんは 素でトイレ掃除でもしとけや 大和田は僕に向かって聞こえるように 大きく声をあげたその言葉は廊下にいる 社員やオフィス内にいる社員にも明らかに 聞こえていたガラス越しに僕の方を見て僕 と目線があったと分かると目をそらす社員 もいる営業部の社員たちの姿勢が僕に集中 し係かり町レベルの人間のうち何人かは 笑いをこらえながら僕の様子を見ている どうなってるんだこの職場は 僕の心には恥ずかしさも多少はあったが それ以上に怒りが込み上げてきたでも僕が ここで感情的になるわけにはいかなかった 会長であることを明かしてはいけないその 気持ちが僕の理性を保っていたこれが現場 の実情か大和の態度は正直許せない彼は 自分の権力を傘に来て誰も逆らえないと 思っているのだろうか本当にひどいよな あの部長あんな言い方するなんて まるで人間扱いされていないみたい誰も彼に逆らえないから申し訳ない廊下にいた社員たちは僕に聞こえるか聞こえないかのレベルの音量で僕に対して同場の言葉を述べていた僕にはその一言 1区が全て伝わったを改善しなければうちの会社はダメになる 僕は改めて会長として決意を新たにした 大和田に負けるわけにはいかない大和田は 廊下にいて立ち話しをしていた別の部署の 部長に出くわしたのだろうが母と下品な 笑い方をしながら僕の方をチラチラと見て 出来の悪い作業員を入れるようではだめだ 総務部長に委託業者を変更してもらおうと 語っていたもちろんその会話の内容は僕の 耳にもしっかりと入ってくるのだ 部長失礼ですよ ああ誰だ君は 本社秘書家の山根と申しますその本社の秘書が 1 人でここに来て私を注意するといいのか1 人ではありません 待機していた有沙は廊下の隅から今までの様子を見ていたそして大和技のブレな態度に生き通りを感じ身を乗り出して大和田に立ち向かったのだ [音楽] [音楽] 会長正体を明かしてください 有沙の声は周囲のし付けさを破り社員たちの注目を一斉に集めたおいおいなんてことを言うんだ会長であることがバレるとどうなるのだ?頭の中で様々な思考が薄まく正体がバレてしまったら社員たちの思いを知ることも難しくなるが有君の真中も痛い分かるこうなったらなるようになるだろ [音楽] [音楽] 僕はつけていたメガネと帽子を外しつけも を取り去った周囲の社員たちが驚きの表情 を浮かべる中僕は本来の姿を明らかにした そして社員たちの視線を一心に受け大田に 向き直った大和田部長いや本社で新製品の 販売促進の説明を受けたねあのプレゼンは 見事だったが君が死者でこのような 振る舞いをしていることを見てみぬふりは できないよ 会長大田は僕の顔をマじまじと見てから今 起きていることを理解したようだその瞬間 通時代劇のような勢いで大和が目の前に やってきたそして僕の目の前で彼は突然 土下座をした申し訳ありませんでした本当 に申し訳ありません周囲の社員たちも思わ ず息を飲む有沙も僕も同様の反応であった その場にいた22名社員たちは一斉に こちらを見て何が起きているのか分からず 呆然とする大田の態度が一瞬で変わり まるで別人のように見えた先ほどまで放っ ていた威圧感を失い大田は真剣な表情で 謝罪している副会長あなたがこんなところ で掃除をしているとは思っても見なかった 私の言動がどれほどブレーだったか今痛感 しています本当に申し訳ありませんでした もうこのような振る舞いはいしません僕は 会長として何か言わねばならないと背筋を 伸ばし彼に退治した大和田部長あなたの 態度が社員たちに与える影響を考えたこと はそれはどういう意味ですか若い社員たち はあなたの言葉に傷つきあなたを恐れて いるのです社員たちが僕の言葉を聞き逃す 前と静かに耳を傾けている中僕は話を続け た私たちがこの会社で働く理由は互いに 支え合うためですあなたは若い社員を指導 し時にはフォローして支え合う環境を作る のが仕事ですよあなたがその責任を果たさ なければ社員たちはどんな思いをする でしょうか大田は僕の言葉を真剣に 受け止め顔をあげたト座をやめようとし ない彼の目を見ると反省と理解の色が見え 始めていた 私はもっと社員たちのことを考えなければ なりませんでした会長のおっしゃる通り です申し訳ありません会長この会社で働い ているみんながあなたの部下です彼らが 安心して意見を言い提案ができる環境を 作ることがあなたの役割です私も会長とし て彼らの声を大切にしますあなたの声も もちろん大切にします周囲の社員たちが 静かに頷く中大和田は僕の言葉を噛しめ 聞いていたこれまでの自分の行動を反省し 僕の言葉に勘明を受けているようだった これからは社員たちの声に耳を傾けることを約束します私も変わります明るい職場をちゃんと作りますその言葉からも忘れないで頑張ってくれますか もちろんです男大和2号はございません 大和田は反省し切りで周囲の社員たちも大和技のあ有あり様を物めずらしそうに見ていた この騒ぎを聞きつけて社長が実質から 駆けつけてきたが僕は目に求めない土下座 を崩そうとしない大和を流し彼を再び 立ち上がらせるとオフィスに戻って仕事に 励むように彼の肩を叩きながら伝えた大田 は何度もこちらにお辞儀をしオフィスに 戻って行ったのだった 申し訳ありません会長いいよ君が僕のこと をいかに心配してくれているのかが分かっ た からいつも僕のことを止めようとする君が あんなに感情的になるとはねもうからかわ ないでくださいすまないすまないでも君の 意外な一面を見られたのは幸いだったその 日の夜ホテルに帰った僕は有沙を伴って 高級レストランに向かった止まっている ビジネスホテルと比べてもレストランの 外観は洗練されたスタイルエントランスに はキラびやかな照明が輝きドアを開けると 豊かな香りが漂っているホールスタッフが 丁寧に僕らを迎え入れメニューを差し出し てくる有沙が自分の注文をしづらそうだっ たのでどんなものでも頼んでいいよと言う と彼女は軽く笑顔を見せスタッフに注文を 告げていた今日はコンサルの有田さんと 話すことがたくさんありますね 大和田の件も結局はどうするのか考えて いるのですか 実ははっきりとした答えを持ってはいない んだあんな校門みたいな展開になって彼の プライドも実際はき続いただろうとはいえ 彼に苦痛を強いられている社員がいる以上 何らかの措置は必要だろう し僕は昼間の出来事を何度も思い出し ながら心の中で思いを巡らせた今日大和 から受けた侮辱的な言葉やその後の土下座 の光景が頭に浮かぶそれらの事実を踏まえ て自分が会長として何をするべきか何より どのように社員たちを守るかを考えながら 僕は深くため息をついただから有田さんを 食事に招いておいて正解だったよ有田さん がちょうど広島に別の仕事でいるって言う からいいタイミングだよ前才が届き始めた 頃有田が到着し軽く挨拶をかわしたその後 も落ち着いた雰囲気の中で僕らはワインを 注文し次々運ばれてくる高級料理を味わっ た食事とワインを楽しみ心身共に リラックスし始めたのを見計僕は有田に 尋ねた有田さん先ほどお伝えした今日の 大技の件ですがおかげで彼に対する社員 たちの思いが見えてきました あなたの見込み通りの結果が得られました この調子で今後も社員の声を受け止めます 僕はそう言って有田に感謝の気持ちを込め て深く餌釈したすると有田も答えるように 真剣な表情でじっと僕を見つめていたそれ は良かったです少し自信をつけられたかも しれませんね そこまではまだ大田については社員に対し 様々な業務の市場を与えていたその疑いが 固まれば場合によっては長会解雇にするの も十分ありでしょう長会解雇ですか労働 基準法や含む規定で判断すれば最大でも それくらいの措置ができるとそういう意味 で申し上げていますそうするべきだとは私 は思いませんとおっしゃいますと全ては 会長のご一存です会長がご判断されるべき と思います僕は自身の考えを述べることに した有田の反応が知りたかったからだ 彼を許そうと思っています人間誰しも失敗 はあるものですから僕の方針を告げた途端 有田はなぜか表情をこもらせた有田さん 何かいえ会長が大きめになったことです から私はそれを存します僕が有田の言葉に リアクションできないでいると有田は さらに言葉を続けた会長そもそもこのよう な行為を私が進めたのは完全の時代劇を 見せるためでは決してありません私の思い とは全く違うことになりました 僕は有田から告げられた突然の言葉に困惑 しを潜めたそれでは何を見込んでいたの でしょうか 有田は少し考えた後僕の目をしっかりと 見つめた私が見込んでいたのは会長ご自身 がどう変わるかということです有田の言葉 に僕は驚きつつも有田が何を感じて 欲しかったのかを理解できずにいた成長を することが大切だと言いたいのかそれとも 別のことだろうかでも具体的にどうすれば いいのか示してもらえないと分からない僕 はそんな思いを心に抱いたがありてに真中 を見破られ前とポーカーフェースを貫いて いた有田は何の答えも示さなかった僕は 自分の中で思考を巡らせるが有田の意図を 掴むことはできなかった ホテルへの記録あえて徒歩を選んだ僕と有リ沙先ほどの有田の発言について僕は率直に有沙の意見を聞いた先ほどの有田さんのことだけど [音楽] 私有田さんのおっしゃいことをなんだか分かる気がします 僕にはさっぱり 正解かどうか分かりませんでもなんだか分かった気がします それは僕にも教えてくれる もちろん教えません もちろん 有田さんは会長として成長して欲しいと会長に願っているんです組織を預かる立場の人間として品格を備えて欲しいと思っているんですだからここで答えを聞いてその通りになったって会長は成長できませんよ 有沙にそこまで言われると僕はそれ以上件 の答えをこうことはできなかったリ沙と 別れて自分の客室に戻ってからも寝つけ なくて悶も々としていた僕だったが結局 この日の朝まで深い眠りに着くことは叶わ なかったあ有田さんからメールだ朝5時 寝つけなくて自身のパソコンを立ち上げ メールチェックをしていた僕は有田さん からメールが届いていることに気がついた 早速メールを開封しその内容を急いで 読もうとするおはようございます会長昨日 はご馳想になりましたこれからも死者訪問 を行うと思いますが次の訪問先を札幌に することを提案します札幌には以前会長が 1社員だった頃に上司であった一田涼介が 営業部長として不妊していますもちろんご 存知だと思いますが彼に会えば貴重な意見 を得ることができるでしょう僕はメールを 読み進めながら世話になった一田のことを 思い出した一田涼介は僕がまだ若手社員 だった頃の上司であり僕は彼を尊敬してい た一田は厳しいながらも構成であり社員を 大切にする姿勢が印象に残っている彼と 再開できるチャンスが訪れたことに僕は心 が踊った確かに一田さんに会うことが できればたくさんのことを学べるかもしれ ない彼の経験や考えを聞くことで私自身も 成長できるはずだ 僕は札幌への訪問を即したそして有田に メールの返信を打ち始めたおはようござい ます有田さん札幌への訪問是非実現します メールを送信した後僕は窓の外を眺めた朝 の光が街を照らし活気が触れる光景早速 有沙君にリスケジュールをお願いしなくて はその後有沙に最長性を依頼した僕は有沙 の回答が3日後と聞きこの後立ちおる岡山 での承談をなるべく早めに切り上げ東京に 戻ることを決めた 岡山で宿泊する予定であったのを取りやめ東京に戻り重要な案件をきっちり進ませそれから札幌死者に向かう手を整えたのだ [音楽] かなりタイトなスケジュールですが会場も頑張ってくださいね すまない感謝するよこうして札幌死者を訪問することが実現し僕はそれだけで嬉しかった人である一田に会えるのだから僕はそれだけで十分だったのだ そして3日後僕と有沙は有田の提案通り 札幌市に向かったあえて交通手段として 選んだ新幹線の車窓から見える北海道の 風景は美しく青とした森林を称える山々や 広大な平原がずっと広がっている北海道の 大地僕はこれからの再開に胸が高なるのを 感じていた 田介との再開は僕にとって特別な意味を持っているはずだしかし有田さんはなぜ一さんに再開するようにし向けたのだろうか [音楽] 私には分かりますよ 分かっていても教えては もちろん教えません やっぱりねその日の夕方札幌死者に朝着すると僕はその光景に目を奪われたようこそ おいでくださいました会長私がご案内いたします社長よろしくお願いします今日は功法で殺にむ田さんに作業員では対面できまいこ生々生 堂々CEOとして訪問することにした札幌 市は10年前に建設したのだが昨年に提案 があって改築を行っている僕も実際に札幌 者を今見ているわけだがすごく新鮮みの ある環境であったオープンなオフィス レイアウトが印象的で自然光がたっぷりと 差し込む明るい空間そのオフィスの中では 名やかな雰囲気の中社員たちが自由に意見 をかわし合い時には笑い声すら聞こえて くるもちろん社員たちは生き生きとして いる これが理想の環境だ みんなが自由にアイデアを出し合ってとても活な仕事ができている僕もここで働きたいと思うよ今まで見てきた死者とは明らかに違いますよね [音楽] 僕は社員たちがコーヒーを片手にディスカッションをしている様子を見て思わず微笑んでしまった仲間に入りたいと思ったぐらいだ別のエリアを見ると一田さんを中心にして多くの社員が集まり気に満ちいる [音楽] 一田さんは穏やかな笑顔を浮かべながら 社員たちの話に耳を傾けている彼の存在は 周囲に安心感を与えているそう思える様子 だった僕は有沙と共に一田さんの元へ 歩み寄った 一田さんごぶ沙汰してますおおマキアえ じゃなくて会長ではありませんか いは僕らに気づくと夏の太陽のように 明るい表情で迎えてくれたそんなかこまら なくてもマやでいいですまやでじゃお言葉 に甘え て市田を囲んでいた若い社員たちも僕が 会長だと分かるとみんなが悪を求めてきて 僕は1人1人に握手をしていったこんな こと初めての経験だったまきや本当に久し ぶりだな元気にしていたかおかげ様で元気 です札幌死者の環境は素晴らしいですね 一田さんは嬉しそうに笑い僕を見つめた ありがとうここはみんなが自由に意見を 出し合うように心がけている会長として みればこの環境はまさに理想系じゃないか なんでな僕は一田さんに何度も同意するか のように愛槌を打ち何度も頷いたどうすれ ばこの死者のような活発なオフィスに できるのでしょうか 一田さんは少し考えた後笑ミを浮かべた それは簡単なことではないが基本はお互い が心を通わせることだよ社員同士が信頼 し合って安心して意見を言える環境を作る ことが大切なんだとして古速なことをし ないようにもねお互いがいい人を演じる ようになってはだめだ 僕はその言葉に深く頷いた 心を通わせることと古速なことをしない ことこの2つが大切なんですね本当に心に しみます一田さんは続けて自身の経験を 語り始めたこのオフィスを構築するに あたって心がけたのはただ1つなんだ社員 1人1人の意見を尊重することたったそれ だけなんだよ意見を出しやすい雰囲気機を 作るために保湿環境もルールも大胆に変え たよそうなんですか札幌者では定期的に ランチーを開いてるんだ みんながカジュアルに話せる場を設けて アイデアが生まれるようにしているランチ メイティングですか確かにリラックスした 環境だと意見も出やすいでしょうねそれに お互いの好みも分かるから人間同士の交流 ができるんだよそうするとお互いが信頼し 合って仕事前面前もコミュニケーションが 活発になる当たり前のことをしているだけ なんだがみんなが喜んでくれるんでな僕に とってはすごい見本となる改革なのに一田 さんはそれを自慢しようともしない上は 働きやすい環境にしているだけで成果を 出しているのは若い社員だそうあっさりと 言ってのける一田さんのことを僕は今でも 尊敬しているのだありがとうございます あなたの言葉を胸に私も社員たちの声を 大切にし信頼関係を築いていきます 一田さんは満足に頷き僕の便をじっと 見つめたそれができれば必ずいい結果が 生まれるはずだ私も応援しているよ自分 らしさを失わないように頑張れ その後僕と有沙は一田さんと共にオフィス 内を巡り社員たちと交流した社員たちは僕 に対して様々な質問をし会社の今後につい て興味を示した様々な質問を投げかけてき てくれて僕はそれに丁寧に応じていた もちろん社員たちの意見やアイデアにも耳 を傾けた 有田さんが札幌死者へ行けてった理由 分かりましたかある程度はでも完璧な答え は持ってないかなそうですか何か答えを 掴んでいるような気がしますけど札幌から の僕らはあえて日本海を進むフェリーの 選出にいた個室の一室に2人で座りながら 窓の外に広がる海を眺めていた波が穏やか に押し寄せる中僕の心の中は重苦しい思い で満たされていた一田さんとの再開や札幌 死者のかきある雰囲気が心に残る一方で 古速に変装をして死者を訪問していた行為 をはる気持ちが強くなっていたのだ古速な ことをするなってきっと僕がしていたこと を知ってたんだよそうでしょうか社員を 信用しようとしながらも自分は安全な ところにい続けようとして変装なんかして しまっていたそれは社員を信頼していな いってことだろう僕の心の中は社員たちに 見かされていたそんな気持ちなんだよ 一田さんには僕が今までやってきたことを 明かしていたでも一田さんは僕を責める ことはせずただ静かに聞いていたしばらく 考え込んだ後一田さんは僕に対してあの頃 と同じ優しい口調で話してくれたきゃ君が そんなことを感じるのは自然なことだその やり方がいいかどうかと言われたら俺には 何とも言えない10年後に自分がどんな 立ち位置にいて会社がどうあって欲しいの かを考える今の決断が間違っているかどう かはその基準で判断するしかないだろう 明確に僕の行為を否定はされなかったが 固定もされなかった僕が落ち込んでいる ように思えたのか一田さんは僕にある アドバイスをくれた京都死者には面白い 才能を持つ若手がいるせっかくなら会って みたらいいその言葉に僕は早速に頼み込み ヒロの皇帝を変更してもらったのだ会長が そこまでおっしゃるなら京都経由で帰り ましょう2 日ほど日程を調整して副社長に代わりの業務をお願いしておきましたから すまないいつも私もその若い社員さんに会ってみたくなりました一田部長があれだけお勧めする方ですきっと今の会長には必要な方ですよフェリーの中で一を明かすと朝にはマずル校に着き僕らは京都市者に向かった [音楽] 京都者に向かった僕と有沙はもう変装する ことは考えてなかった僕は自らが会長で あることを名乗り各下を回って挨拶をする ことにしたオフィスは明るく解放的で札幌 と同じく社員たちが活発に働いていた みんないつもありがとう課長ありがとう ございますようこそ共闘者へ色々見ていっ てください営業部経理部広報部様々な部で 若い社員たちと意見を交わすことができた 僕はわずかな時間も無駄にしないと考え彼 らの思いやアイアイデアを聞き続けた社員 の声を直接聞くことでより良い会社作りに つがると思ったからだああの方じゃない ですかああメぐサリナさんだね 部に足を運ぶと一田さんが進めた目黒 サリナという若い女性社員がいた彼女は とにかく活発に動き回っておりその表情は 自信に満ちていたこんにちは目黒です会長 にお会いできてごです僕が挨拶をすると サリナは改声で僕に挨拶を返してくれた そして彼女がどんな仕事をしているのか 詳細を教えてもらうように頼んだ 地域の大学生と定期的に交流を持っています おおでその取り組みは楽しいですか 私たちは1 人暮らし向け冷凍食品をワンルームのぬくもりシリーズとしてプロモーションしていますおかげで京都市者の売上はトップです そういえばそうでしたね 大学生のニーズに合わせた商品を開発して欲しくてサークルを作りました 彼らにフィードバックをもらいながら改良 点を本社の開発部に提案しています僕は その話を聞き彼女のビジネスセンセンスに 関心した地域の特性を生かした商品開発は 確かに需要がありそうだ私たちが大切にし ているのは自分が楽しめないとお客様も 楽しめるわけがないという考えです私も 仲間たちも楽しみながら商品を作り プロモーションすることです そうすればお客さんにもその楽しさが伝わり商品の魅力につがります 僕はその言葉に発っとさせられた彼女の考えはただのビジネスの枠を超え情熱が込められているように感じられた楽しむことが顧客の満足につがるという視点は僕が見ようとしていた部分だった [音楽] 私たちの仕事は売上を上げることだけではなく消費者に喜んでもらうことが大切だと思っていますすみません弱牌者がこんなことを会長に申し上げるなんて [音楽] いいんだいいんだ君の考え方に共感しているよそのままでいいからこれからも是非自分のペースで頑張ってほしいサリナは嬉しそうに笑い僕の言葉に感謝の意を示し何度もお辞儀をした [音楽] 有沙君有田さんにアポを取ってもらいたいんだ そう来ると思っていました 翌日僕は東京本社に戻るとすぐに有田との面会を望んだ社員 1人1 人の声を大切にし楽しく前向きに働ける環境を作ることこれが会長としての自分の役割であると強く感じていた そのためには僕の持ちえた答えが本当に 間違っていないかを確かめたい夕方有田が 東京本社にやってくると僕は感謝の気持ち を込め何度も霊を言ったお忙しい中 ありがとうございますあなたのおかげで私 は大切なことに気づくことができました 有田は穏やかな笑顔を浮かべ真剣なマしで 僕を見つめたではせっかくの機会ですから どのような気づきがあったのか是非教えて いただきたいと思いますいかがでしょうか 僕は様々な死者を巡ってきたことで得た 答えを述べた社員1人1人の生き遣いを 知るこれが本質だったのではないでしょう か一田さんにお会いして彼がどれだけ社員 を大切にしているかを実感しました 有田は深く頷き僕の言葉に共感を示した まさにその通りです社員が楽しく前向きに 務めることのできるそのような環境を 整えることが企業の成長につがりますこれ からは社員の声をもっと大切にしていき たいと思いますそして一緒に成長していく 環境を整えたいと思います楽しく働ける 職場を作るために努力していきます 京都死者の彼女のように自身のアイデアを 発揮できる環境がベストですね有田は僕の 言葉を聞き満足に頷いたきっといい結果が 出るでしょう社員たちが笑顔で働いている 姿を見る会長としての何よりの喜びです まやさんにはそういう会長になって いただきたいと思っています 有田からエールを送られた僕は翌日から 自身の考えを実行に移したまず広島死者の 大和について自身の権限で論子面職を実行 させた超介面職でも良かったのだが彼にも 家庭があることは分かっており論子面職に することで退職金を担保し次の人生を送る 余裕を与えたのだ同様に今まで若い社員 から寄せられた様々な苦しみに関してその 原因となっていた社員も大和と同様に論子 面職とした彼らがいたポストにはやる気と 実績を兼ね備えた若い人材をした 若い社員のモチベーションがどんどん 上がっていますよ私の同期もり長に承認 できたってやる気満々でしたからそうか それならよかったワークライフバランスを 考えながら頑張ってくれるといいね 僕は社員1人1人の声を大切にし コミュニケーションを重視する方針を貫く 僕は父の言葉を何度も繰り返していた10 数年前社長室での出来事だあの時の僕は 取引で失敗し数千万円の損失を会社に与え てしまったあの時は自分の無能さに絶望し 父に会社を辞めると宣言したのだった しかし当時の会長であった父は優しい目で 僕を見つめこう言ったのだこれからは コミュニケーションを大事にするように 失敗は成長の一部だから学べばいいそれを させてもらえる環境が大事だその環境は お前の日頃の人となりコミュニケーション が作るものだ そのことは決して忘れないように これ以上お前を叱るつもりはない あの頃の僕の心に深く刻まれた父の言葉 その後の僕は父の言葉に励まされ失敗を 乗り越えることができた 会長室の静かな空間僕は1人父の思い出に 引き立っていた父が教えてくれた大切な 教訓を忘れかけていた自分は反省し自分が 会長として何をすべきかを改めて考える僕 なのであった その後会長当てのメールフォームには車内 の不満を口にする内容は見るみるうちに 減っていたその代わりに社員の感謝や 前向きな意見が増えていた上司が話を聞い てくれるようになった新しい提案が採用さ れたそんな声が次々と届くようになったの だ僕に寄せられるその意見を見て僕の改革 が確実に根付き始めていることを実感した だが道のりはまだ半ばだより良い会社を 作るために僕はこれからも学び成長し続け なければならないオ室に戻り窓の外を 見つめるかつて父が座っていたこの場所で 今は僕が未来を見据えているこれからも 社員と共に歩み続けよ装置いながら僕は 新たな改革の計画に取りかかったのだった [音楽]
〜本日の総集編〜
①【感動する話】両親を事故で亡くし入学式に継ぎ接ぎだらけのスウェットで来た美人同級生「私に構わないで…」→両親に相談した俺がタワマン最上階に住ませた結果
(2025/04/15公開)
②【感動する話】会社の表彰式のアフターパーティーで、熱燗を頭からかけられた女性新人社員が泣いていた..「部長が大卒以外はクビだって..」俺は速攻で社長を呼び出すと驚きの展開に…
(2025/03/03公開)
③【感動】医者の彼氏を奪った姉と五つ星ホテルで再会「あんたの旦那ダサwブランド物も着られないの?w」→「え、ゆるミニマリストで年収1億だけど?w」「は!?」【いい話・泣ける話・感動する話・朗読】
(2023/06/06公開)
④【感動する話】退職する万年平社員の俺に上司「無能を雇うポンコツ企業はどんなとこだw」一同「見たい見たいw」俺「見にきます?」→親会社の社長室に招待するとまさかの展開に..
(2025/03/07公開)
⑤【感動】駅で倒れた美人をAEDで助けた俺。遅刻し上司「訴えられて人生終了はさすが中卒w」→後日、震える手で電話を置く社長「とんでもないことに…」【いい話泣ける話】
(2023/04/27公開)
⑥【感動する話】22ヶ国語話せるのを隠し窓際社員の俺。取引先海外CEOとの商談に通訳が来ず美人社長「この会社も終わりだわ…」→俺が神通訳するとCEO「YUOの名前を教えてくれ!」
(2025/03/19公開)
⑦【感動する話】地方支社に視察に行くと部長「バイトのおっさんは素手でトイレ掃除しとけw」と22人の前で笑われた俺。すると秘書「会長!社員ごっこは終わりですよ!」→社員一同「え?」
(2025/03/21公開)
#朗読 #嗚呼、感動の珍生‼︎
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※登場する人物は仮名です。実在する人物とは一切関係ありません。
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※このストーリーはフィクションです
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