【感動馴れ初め】俺を嫌う社長令嬢が結婚宣言!? 焦った俺が『娘さんをください!』と叫んだら、人生大逆転した話【いい話・朗読・泣ける話】
私もう28 歳だもん。結婚してもおかしくないでしょ。 その言葉に俺は頭を殴られたような衝撃を受けた。 私国江田さんと結婚しようと思うの。国江田正地元の有力議員の息子で昔から権力を振りして周囲を支配してきた最低な男だ。 女癖の悪さも有名でそんなやに地を渡す なんて考えただけで吐き怪我する 。心臓がバクバクとなる。小層怒り。 そしてあんな男に資唆を渡してたまるか。 気づけば俺は声を張り上げていた。そんな の俺がもっといい家を立ててやるよ。社長 娘さんをください。資の目が大きく見開か れる。社長は絶くしたまま声を失っている 。正気か。自分でもそう思った。でももう 止まれなかった。会社のために結婚する。 そんな理由で地がなく未来なんて絶対に見 たくない。仕事も恋も絶対に譲らない。 この瞬間そう決めたんだ。 俺の名前は村田大輔。28歳。高校を卒業 してから10年。地元の公務店中村建設で 働いている。中村建設は地元では名の知れ た公務店で主に小館て住宅を扱っている。 社長の中村卓郎さんは俺の親父と幼稚園 から高校まで一緒の幼馴染みだった。その 縁もあり、俺は子供の頃から中村家と 家族ぐるみで付き合いがあり、卓郎さんは もう1人の父親みたいな存在だ。高校卒業 後、就職を希望していた俺はなかなか仕事 が決まらず焦っていた。そんな時救いの手 を差し伸べてくれたのが卓郎さんだった。 まだ就職が決まってないのか。大輔が 良ければうちの会社に来ればいい。でも俺 建築系のこととか分からないよ。俺が1 から教えてやるから安心しろ。でも確か地 も中村建設に入るって。まだ喧嘩してるの か。さっさと仲直りしろよ。いや、全然口 を聞いてくれなくて。と中村社長の1人地 と俺は幼馴染みで子供の頃はいつも一緒に 遊んでいた。地は地元のサッカーチームに 所属しているスポーツ少女。短く刈り上げ た紙と日焼けした真っ黒な肌がトレード マークだった。幼い頃から一緒にいたせを 異性として意識したことはなかった。 幼馴染み以外の言葉で表すなら双子の弟と か親友とかそんな感覚だ。しかし中学3年 の冬俺たちの関係に変化が訪れた。いや、 変化なんて生優しいものじゃない。ある日 俺は生涯の友を失ったのだ。いつも一緒に いたせいで年齢が上がるにつれてカップル だ夫婦みたいだと冷やかされることが増え た。同級生からは夫婦減価かと笑われ、 担任からはふっていうのは旦那が折れて こそ円満になんてアドバイスまでされた。 俺は勝手に言わせておけばいいと気にし なかったが地は違った。地には好きな人が いる。そんな噂が流れ、俺も実際に高校生 らしき男性と一緒に歩いている資唆を 見かけたことがある。 宇宙の相手がいるのに幼馴染みの俺との関係を周りに冷やかされては迷惑だろう。俺はチェの恋愛事情が気になっていたこともあり探りを入れようとしたなあ。この前一緒にいた高校生って彼氏かなんかなの? え?そうんじゃないよ。 へえ。そうなんだ。彼氏じゃないと聞いて心のどこかで安心した。 いや、喜んでいる自分がいた。俺は無意識 のうちに地は俺のものだなんて思っていた んだろう。そこで話をやめておけばよかっ たのに。ほっとした俺は調子に乗って余計 なことを言ってしまったのだ。まあに彼氏 ができるわけないよな。美人ってわけじゃ ないし男っぽいしさ。俺たち男同士だっ たら良かったのにな。え、どういう意味? そしたら夫婦とか付き合ってるとか誤解されることもなかっただろう。俺らが大人になって彼氏とか彼女とかできたらもう一緒に遊べなくなるんだろうな。 そっか。そうだよね。うちら友達だもんね。 いい 迷惑だよな。俺らそういう感じじゃないのにさ。 あれ?どうした?別に。その日からシは俺 を無視するようになった。メールも電話も 無視。学校で話しかけても家に押しかけて も相手にされない。あの頃の俺は地と ずっと一緒にいたいと感じる理由を理解し ていなかった 。後々気づいたのだが俺はずっと地のこと が好きだったのだ。それが恋愛感情なのか 友情なのか深く考えようとも思わなかった 。 毎朝家の前で待っている地と一緒に学校へ 行く。休み時間にはどうでもいい話で 盛り上がり、休みの日は一緒に宿題をし たりゲームをしたり。そんな毎日がずっと 続けばいい。ただそれだけだった。小さに 無視されるようになってようやく俺は自分 の思いに気づいた。しかし、今更気づいた ところで手遅れだった。チさは俺を避け 続け、恋心を自覚した俺はどう接していい のか分からなくなった。その後別々の高校 に進学したこともあり、結局地に嫌われた 理由を知ることも仲直りすることもでき ないまま疎になったのだ。入者当日3年 ぶりにあった地は長く艶のある髪を後ろで まとめ、薄く化粧をして俺の前に現れた。 高校でサッカーをやめたとは聞いていたが 、まさかこんなにも綺麗になるなんて。 驚きつつも俺はなんとか声をかける。え、 久しぶりだな。今日からよろしく。 よろしくお願いします。なんともそっけ ない。時の流れに身を任せれば自然と 仲直りできるだろう。そんな甘い期待をし ていた俺はがっくりと肩を落とした。ああ 、よかったら今日飯食いに行かない?父の 食事の準備がありますので。ちさ、この バンド好きだったよな。新曲聞いた?仕事 に関係ない話はやめてください。それに プライベートのことは話したくありません 。中村社長から俺たちの事情を聞いた らしい先輩たちはそんな俺たちをニヤニヤ しながら眺めていた。またちさちゃんに 振られたのか。そんな冷やかしを受ける うちに俺はだんだん腹が立ってきた。いつ まで拗ねてんだよ。ていうか何が気に入ら なかったのかもわかんねえし。地は仕事に 関する話なら無視することもそっけなく もない。業務に支障がないなら昔のような 関係に戻る必要もないのだ。そう割り切る しかなかった。ここまで嫌われていると 分かると逆にす々しいというか。俺も 開き直って同僚として地と接するように なった。中村建設に入社して10年。中村 社長や先輩たちから手きを受けて俺は メキメキと成長した。2級建築士の資格も 取得し、今は仕事の塊、1級の試験に向け て勉強を続けている。朝早くから現場を 回り、職人たちと打ち合わせをしながら 資材の搬入状況を確認。それからお客様と の打ち合わせや書類作成、資材発注の 手続きをしているとあっという間に夕方だ 。再び現場に戻って進捗を確認し、職人と 世間話をしているうちに辺りは真っ暗に なる。トラブルが起これば朝も夜も休日も 関係なく現場に駆けつけて対処する。毎日 忙しいけれど充実していた。大きなミスを して現場に迷惑をかけたこともあるし、 職人が屋根から落ちたと連絡が入って病院 に駆けつけたこともある。その都度切筋が 凍り頭が真っ白になったけれど事務として 俺たちを支えてくれていた資のフォローも あってなんとか乗り切ることができた。資 は父親である中村社長の背中を見て育った せ、お客様と同じくらい現場の人間を大切 にしていた。怪我をしたと聞けばすぐに 労災の手続きを済ませる。生活に支障が あると聞けばサポートできることはないか と連絡を入れる。職人の多くは個人事業主 で我が社の社員じゃない。それでもいつも うちの現場に来てくれる職人たちの顔や 名前をしっかり覚え、彼らへの配慮を 欠かさなかった。ある時職人の1人が ボそりと呟いた。小さちゃんは女将さんに そっくりだよ。何十年も中村建設の仕事を 受け負っていたその職人は女将さん、中村 社長の奥さんをよく知っていた。の母親で もある女将さんは俺たちが小学生の時に 病気で高い。俺の記憶では異性が良くて 温厚すぎて推しの弱い中村社長を知り叩い てコブするような人だった。その職人の話 によれば、女将さんは社員や職人たちを いつも気遣い、まるで母親のように面倒を 見てくれたらしい。その言葉を聞いた時、 ふと子供の頃の記憶が蘇った。毎朝家の前 で待っていた地は開。朝ご飯ちゃんと食べ たの?食ったよ。うるせえな。国語の ノートが終わりそうって言ってたよね。 新しいノートは? あ、買うの忘れた。そんなことだと思った。ほら、家に指があったから持ってきたよ。お、ありがとう。さが忘れ物しなくて住むわ。しっかりしてよ。私は大輔のお母さんじゃないんだよ。懐かしい記憶に思わずミがこぼれる。あの頃みたいな関係に戻れたらいいのにな。 そう思うこともあるけど、入社して10年 経っても変わらない地の態度を見れば諦め ざるを得ないのだ。そして今俺は会社の 名運を左右する大きな案件を抱えている。 この辺りじゃ知らない人はいない市議会 議員国江田正典市の新居を任されているの だ。国江田議員は代々の政治一家という わけじゃなく、会社勤務めから政治の世界 に入った移植の経歴を持つ。私が 生まれ育ったこの町に恩返しをしたい。 子供からお年寄りまで安心して暮らせる町 にしたいんです。その言葉に嘘はなく、彼 は地域住民の声を反映させた政策を次々と 提出している。たくさんの人から信頼され 愛される議員だ。こんな国江枝議員の心境 を任されるなんて地元企業としてこれ以上 の名誉はない。だが実際に俺たちと やり取りをするのは息子の正だった。1人 息子の正は30歳。俺とは小中校と同じ 学校に通っていた。彼はまさに某君だった 。少しでも気に入らないことがあれば 隣散らし時には拳で相手をねじ伏せる。 星下の俺たちはまに目をつけられないよう 最新の注意を払っていたものだ。あれは 中学1年の時だった。3年生だった正が地 に熱を上げもアプローチを仕掛けてきたの だ。当時の地は日焼けした肌に短い紙で 少年のような風貌。しかし周りと比べて体 の成長が早く女性らしい体つきが目を引い ていた。朝はそこに目をつけたのだろう。 必要に追い回し気を引こうと厄気になって いた。父親の権力を散らつかせてはお前の 親社長なんだろ。俺の彼女になるなら仕事 もらえるように手を回してやるや。そんな セリフを吐いたこともあったらしい。 さらに地と一緒にいた俺が邪魔だったのか 印質な嫌がらせまで仕掛けてきた。それで も地は相手にせず結局正は諦めたのか他の 女子に乗り換えた。だがあの頃の正を思え ばたえ仕事とはいえ彼と関わるのは奥だ。 しかしだからと言って仕事を投げ出すわけ にはいかない。俺は気持ちを切り替えてま の打ち合わせに望んだ。ああ、玄関は全部 大石であと噴水とかあったら豪華だよな。 噴水ですか?広さ的にこの程度であれば こんな小さいやつじゃなくてさ、もっと でかくて派手な感じでさ。それなら ガレージを小さくしては俺の大事な会社 コレクションを野ザらしにしろっていう わけ。大きな噴水となるとそれなりの スペースが必要なんですよ。そこをなんと かするのがそっちの仕事だろ。あと木材と か全部国産にしろよ。国産では手に入ら ない場合もありますし、手に入るとしても だいぶ価格が上がりますよ。そこは しっかり価格抑えてくれよ。むしろただで 受け負って欲しいくらいなんだから。 ただって無理に決まってるじゃないですか 。地域に愛される国江枝議員の邸宅を任さ れるなんて地元企業として誇らしいだろ。 感謝の気持ちを価格で示してくれよな。 そんなむちゃな収支。この調子だ。事前に 国江枝田議員から提示されていた予算を頭 に置きながらまの要望に答え無理なものは 無理と説得して全てが決まった頃には俺は げっそりとやれていた。現場の差し入れに 持っていった栄養ドリンクも職人たちに 自分で飲めって突き返される始末だ。 ようやく打ち合わせを終えて契約を結び、資材を発注した矢のこと。突然将から電話がかかってきたのだ。あのさ、やっぱり家てるのやめるわ。 は?やめるってどういうことですか?もう発注も終わって明日から着行なんですよ。 だから気が変わったっていうかさ、 やっぱり他の建築屋に頼みたいなって契約 書にサインしたじゃないですか。そちらの 都合で破棄するならそれなりにいやいや、 俺から金を取ろうってわけ。打ち合わせに 時間がかかりすぎて俺らの気が変わっ ちまったんだぞ。時間がかかったのは正木 さんがうわ、お客様のせいにするんだ。 赤村建設ってひどい会社だな。そういう ことじゃなくて、ま、そんな感じだから よろしく。そう言って一方的に電話を切ら れてしまった。トラブル。向えの席で伝票 を整理していた地が声をかけてくる。 国江枝まだよ。明日から現場が始まるのに キャンセルするって言い出しやがった。 もう発注も何もかも終わってるじゃない。 今更そんなこと言われたって止められない でしょ。そう言って聞く相手だと思うか? 社長に連絡して国江田議員に確認して もらうわ。ああ、頼む。俺昼休憩行って くるわ。何か買ってこようか?大丈夫。お 弁当あるから。そのまま俺は昼食を食べに 会社を出たところがすぐに現場から指出し が入り会社に戻れたのは午後4時を過ぎて いた。事務所にはとなぜか将が。 あ、お戻りですか?随分ゆっくりしてたみたいだけど、まさかサボってたな。 1 番将木は挨拶もせずに失礼な言葉を投げつけてくる。現場に呼ばれて行ってきたんですよ。事前にご連絡いただければすぐに戻ってきたのに。またま近くに用があったからいいで寄ったんだよ。 それより新居の件だけどやっぱり工事。はい。数時間前にキャンセルって恩者の誠意を見せてもらって満足したんだよ。これで一見落着。大満足だ。 誠意って。それはどういう? じゃ、俺は帰るから。ちさちゃんよろしくね。 はい。まが去った後も俺は意味が分からずに尋ねた。 誠意ってどういう意味だ?何か言われたのか? 別にちょっと話したら機嫌を直してくれたのよ。機嫌のよ足でキャンセルだなんだって勘弁してほしいよ。 良かったじゃない。国江田様亭は大輔にとって初めての大きな案件でしょ。 そりゃそうだよ。何から何までこだわってるしな。この辺りで 1番の豪邸になるんじゃないか。 今まで取引のなかった資材メーカーとも 繋がりができたし、中村建設にとっても すごく大事な案件よ。絶対に成功させたい の。俺中村建設に入った頃はわかんない ことばっかりで苦労したけど、この案件が 無事に終わればようやく1人前になれる気 がするよ。とっくに1人前でしょ。大輔が うちに入ってくれて本当に良かった。大輔 がいるなら私は安心して。なんだよ、 改まって。今日はよく喋るな。珍しく情熱 な地をからかうとはっと我に帰ったように 口をつんで俯く。別に気が向いただけよ。 私父に話があるから相対するね。定時まで 事務所にいてもらってもいい?ああ、俺も この後書類とか作らないといけないから。 相対って珍しいな。なんかあったのか?別 に父に電話したら家で話そうって言われた のよ。プライベートの話だからね。地が 帰った後、俺は自分の席でパソコンを開い た。帰りがけに地が入れてくれたコーヒー に口をつける。地がどうやってまさの機嫌 を取ったのか気になるが、大きな損失を 出さずに住んだことにほっとしていた。母 に飯をご馳走しようにもどうせ地は断る だろう。明日地の好きなお菓子を大量に 買ってくるか。俺の独り言が誰もいない 事務所に寂しく響いた。定ジマギは俺の スマホが鳴る。村田です。お疲れ様です。 大輔悪いな。帰りにうちに寄ってくれない か?はい。今日は定時で上がれそうなんで 30分くらいで行けると思います。分かっ た。周りに誰かいるか?いないっす。今日 はみんな現場から直期なんで。そうか。 この件は他言無用だ。俺から連絡があった ことは誰にも言うなよ。え?ああ。はい。 わかりました。他言無用。一体何があった んだ?チさはプライベートの話があると 言って相対していた。が関係しているのか 。不安を感じながら俺は定時きっかりに 会社を出た。中村社長は俺をリビングに 通すと深刻そうな表情を浮かべて話し出す 。国江田正が無茶なことを言ってきた。 あいつはいつも無茶しか言わないでしょ。 新居の剣を拍死に戻すか、俺と結婚するか 選べって言ってきたんだよ。 はっきり言って国江亭の工事はここ10年 で最大規模だ。資材も職人も手配が終わっ てる段階で拍死に戻されたら大きな損害を るのは事実だ。でも結婚ってもちろん地と ですよね。ああ、何でも中学生の時から 片思いしてたとか色々言ってきたらしい。 今日他の社員が出払っている時間帯を見計って会社に来てたのって。しかいない状況で強引に話を進めようとしたんだろう。俺たちがいたら話にならないって突っぱねるからな。 大げさなのよ、お父さんは。 突然さがやってきて腰を下ろす。さっさと嫁に行けっていつも言ってたじゃない。私もう 28歳だもん。 結婚してもおかしくないでしょ。 そういうことじゃないだろ。あんな男と結婚したら不幸になるだけだぞ。私も彼氏とかいなくて焦ってたからちょうどいいと思ったの。 娘の人生を引きにしてまで大きな仕事を取ろうだなんて思ってない。 だから2 人とも大げさに考えすぎ。国江田議員の息子なんて願ってもない有料物件よ。 あいつの女癖の悪さだって噂くらい聞い てるだろう。そんなやが地を大事にする わけない。どうせ浮気して泣かせるに 決まってる。それに母親を火政府不扱いし てバリ増言を浴びせてるとかとにかく悪い 噂しかないんだぞ。あんなやと結婚する くらいなら一生独身のままでいろ。もう 反対する俺たちに向かって地は小さく笑っ た。 お父さんも大輔心配してくれてありがとう。でも本当に大丈夫だから。 しかしの手元を見ると固く握りしめた拳が震えていた。まさんの話だと新居には私たちが暮らすことになるみたい。 は、あの家は国江議員の 最初はお父さんのお金で立てる予定だったらしいけど、彼の名義で論を組めたんだって。 でも正は無職だろ。どうやって審査を通ったんだ? 中村建設のみんなが立てた家で暮らせるなんてすごく素敵じゃない?確かに悪い噂も聞こえてくるけどでもそれでもいいやって思ったの。 そんなの俺がもっといい家を立ててやるよ。我慢できずバンとテーブルを叩いて叫んだ。 小さ、この契約が拍死になったら会社が潰れかねない。だから自分を犠牲にして会社を守ろうと思ってるんだろ。 それだけじゃないわよ。私もそろそろ結婚したいと思ってたし。 じゃあ俺と結婚すればいいじゃないか。 はあ。 思いがけない言葉にさと社長は目を丸くしていた。俺自身も自分が何を言っているのかよく理解していなかったと思う。 でも俺は地を守りたかった。子供の頃から ずっとそばで地を見てきた。わけも分から ず避けられるようになって地のいない日々 を過ごす中で俺は地下への思いに気づいた んだ。中村建設に入社が決まった時は千と の関係を修復してあよくばなんて妄想まで していた。が、そんな期待も虚しくよく場 のあの字にもならない現実に肩を落とした が、ここで俺の気持ちを伝えたところで 事態が好転するとは思えない。それでも地 をまに奪われるなんて黙って見ていられる わけがなかったんだ。俺はずっと1番近く で地下のことを見てきた。嫌われて避け られるようになってやっと自分の気持ちに 気づいた時には手遅れでさ。 記者は俺を避けてばっかりで伝えることができなかったんだ。 急にそんなこと言われても地が幸せになってくれるなら俺じゃない誰かと結婚することになっても受け入れる。心の底から祝福するしの幸せを願い続けるさ。でも会社のために先と結婚する。そんな話はい。ですかて聞けるわけないだろう。 社長は胸の前で腕を組み、じっと俺の顔を 見つめている。まさ木と結婚するくらい なら俺と結婚してくれ。父さが俺を嫌っ てる理由は分からないけど、まりも俺の方 が地を幸せにする自信がある。俺なら地の ために地の望みを全部詰め込んだ最高の家 を立てられる。まさみたいな豪邸を立てる だけの金はないけど必死で働くから。 俺と暮らしたくないなら別強すればいい。好きなやができたら俺と別れて再婚すればいい。大輔しいことを言ってるか分かってる? 分かってるよ。でも俺にはこれしかできないんだ。まさと結婚するなんて言わないでくれ。会社を守りたいなら俺と結婚すればいい。俺が中村を守るからもっともっとでかい会社にするから。 だからそこまで行って俺は社長に向かって 頭を下げた。社長、娘さんをください。 社長は腕を組んだまま目を閉じて黙って いる。俺は床に額体をつけたまま社長の 言葉を待った。1分か5分かもしかしたら 1時間以上経っていたかもしれない。俺に とっては永遠とも思えるくらい長い沈黙が 続いた。大輔、頭をあげろ。本気で言っ てるんだな。ようやく口を開いた社長の声 は震えていた。恐る恐る社長の顔を 見上げると、顔も目も真っ赤に晴らした 社長が肩をブルブルと振わせている。し、 社長大丈夫ですか?本当に情けない。娘が 若い社員が会社のために必死になって るっていうのに 俺はお前たちにこんなことを言わせるため に会社を続けてきたわけじゃないんだ。 お越え混じりに話し始める社長に俺も父さ もあとした。奥さんが亡くなった時でさえ 涙1つ見せずに振るまっていたあの社長が 。 そんな社長が今俺たちの前でポロポロと涙をこぼしている。 ちょ、お父さん、どうしたの?私たちそんな変なこと言った? いやいや、社長を泣かせるようなことは言ってないだろう。 大輔がおかしなことを言い出すからお父さんまでおかしくなっちゃったのよ。 小さがまと結婚するって言い出したのが悪いんだろ。 社長を前にギャーギャー騒ぎ始める俺たち を見て社長は気が抜けたような表情で 微えんだ。あは、お前たちも大人になった もんだ。ついこの間までランドセル背負っ て走り回ってたのにな。社長はティッシュ の箱を抱え、涙と鼻水でぐしャぐしャに なった顔を吹きながらどこか懐かしそうに 笑う。 チさを幸せにするって言ったな。男に言はないよな。え?あ、はい。小さ、お前は本当にまさと結婚したいのか?それとも好きな男がいるんだろう。は、ちさん、マジかよ。 ちょ、ちょっとお父さん何言ってるの? 千さがまさと結婚したいって言うなら止めるつもりはない。 でもそうじゃないなら素直になったらどう だ?他に好きな男がいたのかよ。俺の一斉 1代のプロポーズを返せよ。大玉臭じゃ ねえか。さっきの異性はどこへやら。俺は 恥ずかしさに耐えきれず両手で顔を覆った 。いやあ、実はなあ。社長はニヤニヤし ながら話し出す。まの件すでに国江議員に 報告してあるんだよ。そしたらまさが論を 組めるはずない。そんな話は一切聞いてな いって驚いてたよ。全て寝耳に水だった らしく、拍死に戻すなんてことはないと 断言されたそうだ。国江枝田議員はまさに 提示した予算をはるかにオーバーしている ことも何から何まで豪華になっていること も全く把握してなかったらしい。私も 忙しくて任せっきりにしていたんだ。に 聞いても問題ないっていうばかりで本当に 申し訳ない。契約通りに進めてくれ。金は しっかり払う。そう言うとそのまま銀行に 向かって費用を全額振り込もうとした らしい。国江田さん待ってください。まだ 変更が効くものもありますから。 受け渡し日が遅れてしまいますが一度全て 見直しましょう。いや、これ以上迷惑を かけるわけにはいかないし、現場が止まれ ば職人が困るだろう。すぐに振り込むから 予定通りに。いやいや、今現場が込み合っ てるから国江田さんの工事を止めても問題 ありません。だから落ち着いてください。 そんなやり取りを経てどうやら工事は一旦 止めて再度打ち合わせをすることになった らしい。メーカーにも連絡して手続きを 止めてもらったから安心しろ。 だから千と正が結婚しようがしまいが何の問題もないんだよ。 ひどいじゃない。そうならそうとどうして早く言ってくれないの? そうですよ。解決していたなら俺たちがこんなに悩む必要なかったじゃないですか。口ぐに文句を言う俺とさを見て社長はケラケラと笑っている。不器用な娘の初恋いを叶えてやりたい。そんな親心だったんだけどな。 全く何十年もお互いに片思いで思い悩んで もいったらないよ。大輔と地が両思いだっ てことに気づいてないのお前たちだけだぞ 。 へお。この後飲み会があるんだ。じゃあ 大輔ゆっくりしていけ。ああ、返事がまだ だったな。小さのこと頼んだぞ。こう言っ て社長は立ち上がり、そ草と家を出て行っ てしまった。取り残された俺たちの間に なんとも気まずい沈黙が流れる。俺はどう すればいいんだ?知らないわよ。私だって どうすればいいの?はあと長いためをつい て立ち上がろうとする地の腕を掴んだ。 ちょっと話そう。私は何も話すことない から。じゃあ俺の話を聞け。草は口を 開きかけたが、俺の表情を見て察したのか 、黙って向いに座った。え、とまずさ、俺 のことを好きなの?他にもっと聞いた言い 方とかできないの?いや、事実確認って いうか社長が勘違いしてる可能性もある だろう。それにずっと俺のことを避けてた から嫌われてると思うだろう。中学の時に 言われたのよ。村田大輔と仲いいよな。俺 の告白断ってあいつと付き合ったらどう なるか分かるよな。てね。そんなこと言わ れたらさすがの私も怖くなるでしょ。大輔 に何かあったらって思って避けるように なったの。それならそうと言ってくれれば よかったのに。言えるわけないでしょ。 どうせ大輔にするなとか言ってむしろまに 食ってかかるかもしれないじゃない。私 なりに大輔を守ってるつもりだったの。地 の本心急に俺を避けるようになった理由を 聞いて俺はひどく恥ずかしくなった。千は 1人で俺を守るためにまさに対する不安や 恐怖を抱え込んでいたのだ。あの頃ほんの 少しでも地の異変に気づいていればもっと 地を問いたしていれば地は1人で思い悩ま ずに住んだかもしれない。 知らずのうちに守られていた俺。それ どころか急に避けられたことを勝手に不満 に思いすねていた俺。その情けなさが今更 胸に刺さった。理由が分かってすっきりし たよ。何も気づかなくてごめんな。でも俺 のためだとしてもこれからは1人で 抱え込まないでほしい。俺だって地を守り たいからな。そう言うと地はほっとした ように小さく微笑みながら俯いた。 前みたいに話したいってずっと思ってたん だよ。でもどうしたらいいか分からなく なって。千は指の先から耳の先まで今にも 湯気が立ちそうなほど真っ赤になっている 。過去の話はこれくらいにしない。え?俺 は立ち上がり地の前に座り直す。そして膝 の上で固く握られた地の拳を両手でそっと 包み込んだ。 俺がさっき言ったこと覚えてる?まさ木と結婚するくらいなら俺と結婚してくれってやつ。 結婚って付き合ってもないのに話が飛躍しすぎでしょ? いや、小さい頃から一緒だったし俺はずっと小さのことが好きだったし。それにそろそろ結婚したいって言ってたじゃん。 そ、それはそうだけど急すぎるでしょ。 ま、まあ、今すぐ婚姻届けを出しに行こうって話じゃないよ。結婚を前提に俺と付き合ってくれませんか?う、 恥ずかしそうに俯くさの顔、真っ赤になった耳、んだ瞳。その仕草を見れば本心が手に取るように分かる。友達からでも構わないと思った。俺たちは 15年 近く距離を取って友達以下の関係で過ごしたんだ。 関係を修復してさらに先に進むには時間が 必要かもしれない。でも俺は今すぐにでも 地のキャシャな肩を炊き寄せたくてたまら なかった。それかお友達から始める。 からかうようにニヤニヤしながら顔を 覗き込む。それはいやかも かモって何だよ。 じゃあ俺と付き合ってくれますか?それとも今すぐ婚姻届けを。 うん。今日はいろんなことがあってもう頭がパンクしそう。そう言って俺の手を払って両手で顔を覆うちさ。その姿があまりにも愛しくて思わず笑いながらの肩を抱き寄せたのだった。翌日国江田議員は会社を訪れ社長と深かと頭を下げた。 息子がとんでもないことをして本当に 申し訳なかった。昨日まを問いたして 千さんに結婚を要求したことも聞きました 。私が仕事にかけてまに任せっきりにした のが悪かったんです。本当に申し訳あり ません 。頭を上げてください。国江田さん。その 件はもう解決していますから。新居の件は 引き続き弊社の村田が担当いたします。 実は娘子でしてね、まだ困約したばかりなんですが、将来中村建設を引っ張っていくの社員でもあるんです。 ちょ、婚約ってお父さん ご期待に添えるよ。頑張らせていただきます。俺の言葉に国江田議員はほっとした顔つきで頷いた。すぐにでも打ち合わせを始めたいところだったが、俺はどうしても将のことが気になっていた。 こうして国江田議員が来たということは 家庭内で話し合いがついているとは思うが 国江田議員の顔を伺いながら恐る恐る口を 開いたところで正さんは正は今回の件で ちょっと厄介なことになってましてその うち兵の向こうに放り込まれるかもしれ ません。の向こうですか?どうやらローを 組む際に若い銀行員に無理を言って色々と 手を加えさせたようなんです。こんな息子 に育ててしまったのは私の責任です。そう ですか。あ、じゃあ打ち合わせを始め ましょう。俺は気持ちを切り替えテーブル に図面を広げた 。あれから1年が経った。国江田議員の 新居は無事に完成し、先日引き渡しを終え たばかりだ。ほとんどの資材はキャンセル が効かずそれなりの金額にはなってしまっ たが、国枝議員はすぐに支払いに応じて くれた。国江田議員の奥さんは権約家 らしく、結婚当初から無駄遣いをせずに コツコツとお金を貯めていたそうだ。 こんな立派な家を立てられたのは妻の おかげですよ。その言葉は嘘でもおせ辞で もなく本心からのものだと感じた。そう いえばご結婚されたそうですね。はい。 先日入籍しましてもうしっかり尻りに敷か れてます。中村社長の奥さんも随分と しっかりしてましたからね。うちも なかなか強いと言いますか、私も頭が 上がらないんです。近々男3人で飲みに 行きましょう。 国江立ての引き渡し後会社に戻ると朝が待ち構まえていた。さっき職人さんが来たから言われていた書類を渡しておいたわよ。今日は何時に帰れる? ああ、ちょっと遅くなるかも。 晩御飯は食べる。かしこまりました。 俺たちは会社のそばにアパートを借りて暮らしている。会社ではこれまで通り接しているが 2人きりになると小さと結婚したんだな。 ついそんな実感が込み上げて頬が緩んでしまう。俺も国江田さんみたいなでかい家立てたいな。じゃあ仕事頑張らなきゃね。お小遣いをもっと減らしてもいいのよ。 2人で入れるようなでかい風呂にしない? は?ちょ、会社で何言ってんのよ。顔を真っ赤にして持っていた消しゴムを投げ付けてくるさ。 仕事中の地さはしっかりものではき飽きし ているが、こういう話になると恥ずかし がって動揺するのだ。そんな地が愛しくて 今すぐ抱きしめたくなるが、ここは会社だ 。とっとと打ち合わせを終わらせて地の 待つ家に帰ろう。そして顔を真っ赤にして 逃げ回る地を捕まえてこれでもかという ほど抱きしめよう。俺は気合いを入れて次 の打ち合わせに向かった。これが俺たち 2人の慣れ染めです。ご視聴ありがとう ございました。今回の2人の慣れ染めは いかがでしたか?良かったと感じた視聴者 様は今すぐ画面下のチャンネル登録と通知 をベルマークを押してください。新しく 投稿された動画をいち早くお楽しみ いただけます。またいいねや慣れ染め最高 とコメントしていただけると励みになり ます。他にも素敵な慣れ染め動画が たくさんあるので、よかったらもう1本見 ていってくださいね。
#義母 #嫁姑 #不倫
#スカッとする話 #スカッと
今回も動画をご視聴いただきまして本当にありがとうございます!!
当チャンネルでは感動する話、いい話、泣ける話をお届けしております♪
みなさまからのあたたかい感想やコメントが励みになります!
よろしければチャンネル登録お願いいたします。