『鬼龍院花子の生涯』 「なめたらあかんぜよ」迫力のある睨みのきいた夏目雅子の演技 迫力があり、体からほとばしる気迫!

なめたらあかんぜよ」迫力のある睨みのきいた夏目雅子の演技に注目!
この映画の約3年後に他界してしまう

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夏目雅子さんは、映画『鬼龍院花子の生涯』において、その強い魅力と才能を発揮し、観客を惹きつけた女優でした。

1982年、映画『鬼龍院花子の生涯』で主演を務め、劇中の台詞「なめたらいかんぜよ!」は流行語となり、ブルーリボン賞主演女優賞を受賞するなど、高い評価を得ました。この映画では、当初スタントを使う予定だったヌードシーンも本人の希望で演じています。

私生活では、長い不倫関係を経て、1984年に作家の伊集院静と結婚しました。しかし、1985年、舞台『愚かな女』の稽古中に体調不良を訴え、慶應義塾大学病院に入院。急性骨髄性白血病と診断され、約7ヶ月にわたる闘病生活を送りましたが、1985年9月11日に27歳の若さで亡くなりました。
夏目さんの死後、彼女の遺志に基づき、癌患者への無料かつら貸し出しなどを目的とした夏目雅子ひまわり基金が設立されました。没後もその人気は衰えず、『キネマ旬報』の「20世紀の映画スター・女優編」で上位にランクインするなど、多くの人々に記憶されています。彼女の出演作品は、映画『鬼龍院花子の生涯』の他に、『トラック野郎・男一匹桃次郎』、『二百三高地』、『時代屋の女房』、『魚影の群れ』、『瀬戸内少年野球団』などがあります。テレビドラマでは『西遊記』の他に、『虹子の冒険』、『黄金の日日』、『おんな太閤記』などに出演しました。

ヒロイン決定までの秘話では、夏目さん自ら五社英雄監督に電話をかけ「ぜひ、わたしにやらせてください」と直談判し、五社監督の自宅では台本を土間に置き正座して「このホンにのりました」と熱意を示し、その強い思いが五社監督の心を動かし、ヒロイン抜擢へと繋がりました。当時、映画のヒロインとしてはまだ新人であり、製作サイドは難色を示しましたが、夏目さんの熱意が最終的に道を切り開いたと言えます。

映画の象徴的なセリフとなった「なめたらいかんぜよ!」は、脚本家の創作でしたが、夏目さんは本番一回でこのセリフを完璧に決め、その凄味のある演技は当時の流行語となるほどのインパクトを与えました。このセリフは映画の宣伝にも大きく貢献し、大ヒットのきっかけとなりました。原作者の宮尾登美子さん自身も、試写でこのセリフに驚いたとされています。

撮影中には、バセドー病が悪化し入院と手術が必要であることを隠していましたが、降ろされることを恐れ、撮影が終わるまで誰にも言いませんでした。手術から1か月後には復帰し、痛々しい手術痕がありながらも、仲代達矢さんとの濡れ場を含む以前にも増して体当たりの演技を見せ、役への強い執着とプロ意識を示しました。

夏目さんの迫力ある演技とヌードは大きな話題となり、映画は配給収入11億円の大ヒットを記録し、夏目さんは第25回ブルーリボン賞主演女優賞を受賞しました. この映画の成功は、宮尾登美子さんを流行作家にし、東映に新たな「女性文芸大作路線」を確立するほどの影響力を持つものでした。

共演者の仲代達矢さんは、夏目さんの共演者への気遣いを褒めており、また、撮影後には過度の飲酒をする一面もあったものの、翌朝はきちんと時間通りに現場に来るプロフェッショナルな姿勢を見せていたと言われています。高知でのキャンペーン中には、五社監督と仲代達矢さんが夏目さんを酔わせようとしましたが、逆に二人が先に酔いつぶれてしまうほどの酒豪ぶりだったという逸話も残っています。

映画公開からわずか3年後に夏目さんは29歳の若さで亡くなりましたが、五社監督は彼女の死後、彼女の凄まじいばかりの執念と計り知れない魔性こそが映画を活かしたと語っており、その存在感は多くの人々の記憶に深く刻まれています。
これらのエピソードからも、夏目雅子さんが単なる美しい女優というだけでなく、強い意志、役への情熱、そして人を惹きつける特別な魅力を持っていたことが伝わってきます。『鬼龍院花子の生涯』における彼女の存在は、映画の成功に不可欠であり、その短い生涯は多くの人々に強い印象を与え続けています。

『鬼龍院花子の生涯』は、宮尾登美子の長編小説で、大正・昭和の高知を舞台に、侠客 鬼龍院政五郎(鬼政) とその娘 花子 の波乱万丈の生涯を、鬼政の養女 松恵 の視点から描いた作品です。小説は宮尾の父の日記などを参考に、実話に基づいて創作されました。

1982年には五社英雄監督により映画化され、仲代達矢が鬼政、夏目雅子が松恵を演じました。映画は配給収入11億円の大ヒットとなり、夏目雅子の凄味のあるセリフ「なめたらいかんぜよ!」は当時の流行語となりました。「なめたらいかんぜよ!」は脚本の高田宏治の創作で、五社監督がよく口にしていた言葉が元になっています。夏目雅子はこの演技でブルーリボン賞主演女優賞を獲得しました。

映画の成功は、東映に新たな**「女性文芸大作路線」**を確立させ、宮尾登美子も流行作家となりました。梶芽衣子が企画を持ち込んだ経緯がありましたが、最終的に夏目雅子がヒロインに抜擢されました 。
その後、1984年と2010年にテレビドラマ化もされています。

監督 五社英雄
脚本 高田宏治
原作 宮尾登美子
製作 奈村協・遠藤武志
製作総指揮 佐藤正之・日下部五朗
出演者 仲代達矢 夏目雅子
音楽 菅野光亮
撮影 森田富士郎
編集 市田勇
製作会社 東映・俳優座映画放送
配給 東映
公開 日本の旗 1982年6月5日
上映時間 146分