百日せき感染者が過去最多 「誰も予想できず」薬不足 ワクチン効果10年で大人も注意【もっと知りたい!】【グッド!モーニング】(2025年4月16日)

 赤ちゃんが感染すると死亡する恐れもある「百日せき」の全国の感染者数が過去最多を更新しました。治療にあたる医師はせき止めなど一部の薬の生産が追い付いていないと危機感を募らせています。

■予想外の流行…薬不足に悩まされる医療現場

いとう王子神谷内科外科クリニック
伊藤博道院長
「コンコンと激しく短く連続的に起こるせきの後に、息を吸った時に息が吸えない。1人が十数人に感染させてしまうという力がある」

 子どもを中心に感染し、激しいせきが長く続くのが特徴の百日せき。特に乳児がかかると、重症化するリスクが高くなり、死亡する恐れもある細菌性の感染症です。

 国立健康危機管理研究機構によると、今月6日までの1週間の患者数は722人で過去最多になりました。

 今年の累計患者数は、3月末ですでに去年1年の患者数を超えています。

伊藤院長
「AIも専門家も誰も今年、百日せきがはやると言っていなかった。薬を拡充しようと、十分作っておこうということは行われていなかった」

 このクリニックでは、例年の10倍以上の百日せき患者が来院。予想外の流行で、現場は薬不足に悩まされています。

伊藤院長
「せき止め全般と抗生物質。せき止めは前から不足しているので、一生懸命作っていると思うが、常に不足し続けているので、まだ一部の薬では (生産が)追い付いていないという状況だと思う。せき止めもない、抗生物質もないとなるとダブルパンチ」

■なぜ流行? ワクチン効果10年…大人も注意

 そもそもなぜ今、百日せきがはやっているのでしょうか?

伊藤院長
「コロナ禍の強力な感染対策によって、百日せきに対する免疫力が落ちた。百日せき菌は耐性菌が増えて強くなった。耐性菌とは、抗生物質が効かなくなってしまうこと。社会全体、地球全体で抗生物質を使えば使うほど、菌はその網をかいくぐって、より強い菌が生き残ろうとする」

 変異した百日せきの感染を防ぐには、ワクチン接種が有効とされていますが、落とし穴はその有効期間の短さです。

伊藤院長
「1歳で4回打っているのが普通なのですが、その後、追加接種がされていない。日本では」

 ワクチンの効果はおよそ10年のため、大人になっても定期的な追加接種が重要だといいます。

伊藤院長
「(4回接種してから)10年、まずはこのタイミングで打って、今後ワクチンの作り方・考え方も変わってくると思う。10年、15年、20年したところで対応するのがいいかな」

(「グッド!モーニング」2025年4月16日放送分より)
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