ドラマ『警視庁捜査一課9係』5話~6話 🍀JKeishicho Sosa Ikka 9-Gakari (2006)🍀 Full HD Nocust #1080p

『警視庁捜査一課9係』(けいしちょうそうさいっかきゅうがかり)は、2006年から2017年まで、テレビ朝日系列で断続的に放送された、東映制作の刑事ドラマシリーズ。略称は「9係」。

以下、本文中での「S」表記はseason、「SP」表記はスペシャルをそれぞれ指すものとする。また、『新・警視庁捜査一課9係』のタイトルで制作・放送された各シーズンについても、便宜上通算でのカウントとする(例『新・警視庁捜査一課9係』season1 → 「S4」)。

概要
大都会・東京で日々多発する凶悪犯罪。警視庁は、その事件解決のため捜査第一課に「第9係」を新設した[注 1]。捜査一課9係の係長・加納倫太郎(演:渡瀬恒彦)を筆頭に、浅輪直樹(演:井ノ原快彦)、小宮山志保(演:羽田美智子)、村瀬健吾(演:津田寛治)、青柳靖(演:吹越満)、矢沢英明(演:田口浩正)の6人の刑事たちが、難事件を解決していく姿を描く。

本シリーズは立ち上げ当初から一貫して、テレビ朝日系列の水曜21時台に設けられている刑事ドラマ枠(21:00 – 21:54)にて放送されており、2010年代に入ってからは各年度の下半期に放送される『相棒』などの各シリーズと並び、同枠の定番シリーズとして定着していた。放送期間は、7月クールに放送されていたS4 – S9までの各シーズンを除けば、基本的には各年度の4月クールにて放送されており、この点は後述の新シリーズへの移行後も踏襲された。

企画・制作
本シリーズの前身とも言える作品として、シリーズ開始の前年に「土曜ワイド劇場」にて放送された単発ドラマ『警視庁捜査一課強行犯七係』(2005年2月12日放送)が挙げられる[2]。本シリーズと同じく、渡瀬を主演に据えて制作された同作品は、チーフのプロデューサーとして本シリーズの立ち上げに携わった松本基弘の、「『ER緊急救命室』みたいな群像劇をやってみたかった」という思いに端を発したものであった[2]。もっとも、2時間ドラマでは群像劇にはならなかったと後に松本は振り返っており、時同じくしてテレビ朝日の上層部から、『相棒』をやらない時期に放送する新たなドラマを考えろと言われ、『七係』の反省を踏まえる形で提出された企画が『9係』であった[2]。企画の立ち上げに際し、松本は渡瀬に「事件を解決するだけではなく、レギュラー刑事たちのプライベートも描く群像劇で、主人公が必ず中心になるわけではない、ある意味チャレンジの企画なんですがいいですか」と訊ねており、これに対して渡瀬は「おもしろそうだからいいよ」と、昼行灯みたいな係長・加納倫太郎の立ち位置をよく理解して企画に乗ってくれたことを、後に松本は述懐している[2]。

題名は、金曜午後8時に放送されていた『3年B組金八先生』(TBS系列)に肖り、水曜午後9時放送なので『9係』とした[3]。2009年放送ののS4からは、タイトルも前述の通り『新・警視庁捜査一課9係』へと変更され、以降S6(『新・警視庁捜査一課9係』season3)までこのタイトルが用いられた。

シリーズ開始当初は基本的に1話完結、かつ比較的コミカルなエピソードも散見されたものの、シーズンを重ねるにつれて扱う事件も複雑化し、1話では解決できない2週連続完結のエピソードも徐々に増えていった。また、前述した改題以降は、番組のスタイルもそれまでのコミカル路線から、前出の『相棒』などを髣髴とさせるシリアス路線へとシフト。登場人物の面でも、改題とともに監察医の早瀬川真澄(演:原沙知絵)が新たに加入する一方、S3まで毎回のように登場していた加納倫太郎の娘・石川倫子(演:中越典子)の登場頻度が大幅に減少し、新たに加入した原と当初から出演している中越とで彼女たちの出演機会が逆転している。

『特捜9』への移行
2017年3月14日、放送開始から主演を務めてきた渡瀬恒彦が多臓器不全のため逝去した。S10終了後の2015年夏に胆嚢癌が見つかり余命1年の宣告を受けていた渡瀬であったが、翌2016年のS11も引き続き全篇にわたって出演。この時点で本作品のスタッフも渡瀬の病状を把握していたが、渡瀬自身は2017年2月19日に行われたS12の取材会にも出席するなど続投への強い意欲を見せていた。渡瀬はほどなくして体調が悪化し入院したが、病床でも台本を手放さず既に台詞を覚え撮影に向けて準備を進めていた矢先に容態が急変し、帰らぬ人となった。このS12の取材会が、渡瀬が公の場で見せた最後の姿となった。

これを受けS12は「主人公不在」でスタートし、第1話の冒頭に過去の映像を使用する形で渡瀬が登場した。その後も渡瀬演じる加納は「内閣テロ対策室アドバイザー兼務のため不在」という設定でVTRのみの登場となり、代わって井ノ原演じる浅輪を主人公として最終回までストーリーが進められたが、その間にも番組のエンディングや番組公式サイトでは「加納倫太郎 渡瀬恒彦」と名前がクレジットされている。一方でS12終了直後の6月13日には、S11から早乙女静香役でレギュラー出演していた野際陽子も肺腺癌のため死去している。

翌2018年4月11日、「9係は一度解散し、再び同じメンバーで特別捜査班を組んだ」という設定のもと、浅輪が正式に主役へ昇格し『特捜9』として新たなスタートを切った[4](以降の詳細については当該項目を参照)。これにより、通算12シーズン、全116回(SP・スピンオフも含む)に及んだ『警視庁捜査一課9係』としての放送が終了した。