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「女同士の闘い」岩下志摩VS桃井かおり
律子とお互いに本音をぶつけながら、球磨子が彼女の白い服にボトル入りの赤ワインをダラダラとかけるシーンは、元々台本になかった。
これは、古田がアメリカ映画『愛と喝采の日々』で2人の女性ダンサーが本音をぶつけながらバッグで殴り合うシーンにヒントを得て野村に提案し、採用されたもの。
このシーンで律子の服にワインをかける演出は、桃井のアイディア。桃井からこの案を聞いた岩下はワインの赤を引き立たせるため、元々用意されていた柄物の衣装から純白の服に替えてもらった。球磨子のこの行動に対し、岩下はグラスのワインを彼女の顔に勢いよくかけることで、2人の対照的な性格を際立たせた。
本作の完成後、古田は野村から「律子と球磨子が本音をぶつけ合うあのシーンがあったから、この映画は締まった」との言葉をもらった。