ロシア保守系団体「停戦など受け入れられない」 米特使到着“停戦案”の交渉は?【報道ステーション】(2025年3月13日)
ロシアのプーチン大統領は日本時間13日午後9時過ぎ、ベラルーシとの首脳会談に臨みました。会談冒頭、停戦についての言及はありませんでした。
停戦交渉で、ロシアはどのようなボールを投げてくるのでしょうか。
前日のプーチン大統領の動きをみると、透けてみえてくる部分があります。
奪還攻勢を仕掛けているクルスク州の司令部を初めて訪問し、こう指示しました。
ロシア プーチン大統領
「我々の任務は、一刻も早く、クルスク州の敵を最終的に撃破することです。敵は、戦闘を続けています。領土を解放しなければ」
奪還したと主張する領土は86%。残り14%を取り戻すまでは、交渉を長引かせる公算が大きいとみられています。
ロシア独立系メディア ビョルストカ(12日)
「クレムリンは一時停戦案に“肯定的な回答”をするが、ウクライナが同意できない“不可能な条件”も要求するだろう。プーチン大統領は、ウクライナを対話から排除し、アメリカとのみ交渉することを望んでいる」
一部メディアでは、欧米兵器の供給禁止も停戦条件として要求する可能性があると伝えられています。
ちなみに、この3年間で、プーチン大統領が最前線を視察するのは2回目。前回、ヘルソン州を訪れたときはスーツでしたが、今回は軍服姿でした。
アメリカ戦争研究所(12日)
「これは注目すべき動きだ。プーチン大統領は、13日に予定されているウィトコフ特使との会談を前に、自らを強力かつ、有能な軍司令官として、印象づけようとしているとみられる」
こうした姿勢は、岩盤支持層である保守強硬派に向けられているといわれています。
プーチン大統領の出身母体である『FSB』と関連が深い保守系団体『S』。彼らは、停戦交渉にはかなり否定的です。
財団『S』 ニコライ・グリエフ代表
「いまの状況を考えると、停戦は受け入れられないと思う。敵軍の再装備や強化につながりかねないからだ。我々には容認できない。クルスクからのウクライナ軍撤退が先だ」
どうしたら停戦できるのでしょうか。
財団『S』 ニコライ・グリエフ代表
「停戦となったら、ロシア軍がウクライナに平和維持軍として駐留すべきだ。ウクライナ紛争の最も良い解決策は、ポーランドまで前進することだ」
「(Q.ポーランドまで?)ポーランドまで前進して、ロシアへの通路を破壊すれば良い。いまは和平合意か、集中攻勢をかけるかだ。1945年もベルリンまで前進したが、問題にされなかった」
こうした保守層が支持基盤となっているプーチン大統領が、果たして停戦を受け入れられるのか。
アメリカのトランプ大統領は、脅しをちらつかせつつも、楽観的姿勢を変えません。
アメリカ トランプ大統領
「ロシア側から前向きなメッセージも届いているが、それだけでは意味がない。経済面でロシアに壊滅的な痛手を負わせることはできるが、見たいのは平和だ。だからやりたくない。いまは何かしら達成する可能性がある。難しいと思っていたウクライナをすでに説得できているのだ」
まずは、ロシアと話し合うこと。特命を受けたウィトコフ氏は、このあと、プーチン大統領と面会するとみられています。
ロシアは「短期的な停戦」には応じないかもしれません。
ロシア ウシャコフ大統領補佐官
「我々の考え方は、一時停戦は、ウクライナ軍にとっての一時的な休息になるだけというものだ。我々の目標は、長期的な平和締結(合意)だと考える」
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