新しいタイプのノロウイルスが流行 季節外れの寒さで免疫力も低下
ノロウイルスを含む感染性胃腸炎。
福岡県では、今年に入り感染者が増え続けています。
例年、12月から1月に発生のピークを迎えますが今年は季節外れの流行になっています。
一体なぜでしょうか。
保育施設で続く集団感染
福岡市は11日、南区と中央区の保育施設で感染性胃腸炎による集団感染が発生したと発表しました。
南区では0歳から5歳までの園児21人と職員あわせて22人が、中央区では1歳から6歳までの園児15人と職員合わせて17人がおう吐や下痢などの症状を訴えました。
このうち、1歳の男の子と0歳の女の子からノロウイルスが検出されたということです。
福岡市では、10日にも2つの保育施設で感染性胃腸炎による集団感染が発表されていました。
なぜ今年は感染者が増え続けるのか
なぜ今年は、いまだに感染者が増え続けているのでしょうか。
北里大学 ウイルス感染制御学 片山和彦教授
「『寒さのピーク』と『ノロウイルスの流行』は結構一致するんですよ。例年に比べて寒さが来た時期は、ずれ込んでいます。3月の初めぐらいにかけて雪に見舞われたり寒波の時期があったと思うんですけど、免疫力は温度が下がったりすると落ちてきますし、うまくそこに乗っかられちゃったのか」
流行の背景にあるのは季節外れの寒波による免疫力の低下。
新しいノロウイルスのタイプも
さらに、新しいノロウイルスのタイプが入ってきていると分析しています。
北里大学 ウイルス感染制御学 片山和彦教授
「流行しているウイルスのタイプが少し変わっている。今までG24のシドニー2012が流行っていたんですけど、新しい2025年から24年に流行ってるタイプに変わりつつある。定着するまでの間、新顔が流行る。ここ数年(新型コロナで)感染制御をしっかりしていたのでなかなか隙がなかったけど、気のゆるみがあってノロウイルスも隙をついてくるというか経験が少ない株が少し流行しています」
感染拡大防止にトイレのフタ
吐き気や下痢が大きな特徴のノロウイルス。
トイレの利用頻度が増えますが、流し方によって感染拡大を抑えられるという研究結果が発表されました。
産業技術総合研究所 福田隆史 総括研究主幹
「トイレの中の空間に漏洩するエアロゾル。フタをした方が4分の1に低減されることが分かっています」
フタを開けている時はエアロゾルが広範囲に広がりますが閉めているときは、前方だけになっているのがわかります。
産業技術総合研究所 福田隆史 総括研究主幹
「床など拭いていただく方が好ましいということは変えられないです。閉めていると便座の高さより下あるいは床というところに重点的に注意を払っていただければ」
家族が感染したら
家族がノロウイルスに感染した場合、感染者が使ったり、おう吐物がついたものはゆか、ドアノブ、カーテンなども塩素系消毒剤で消毒します。
この時、マスク、手袋は忘れずにつけましょう。
洋服などは85度以上の熱湯につけ置き洗いをします。ノロウイルスにアルコールはあまり効果はないということです。
感染者のお風呂はシャワーのみにするか一番最後に利用し浴槽に入る前によくおしりを洗うようにしましょう。
北里大学の片山教授によると予防策としては、日々の石けんを使った手洗いが大切だということです。
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https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1782864